リードナーチャリングツールの選び方|要否の判定と運用費まで

リードナーチャリングツールの選び方|要否の判定と運用費まで マーケティング

製品が多くて選べないときは、リードナーチャリングツールを製品名ではなく種類で選び、その前に「要るか」と「誰が回すか」を決めます。ツールは配信や記録を自動にしますが、送る中身と判断は人に残るためです。見込み客がまだ集まっていない段階なら、ツールより先にリード獲得を直す方が早く成果に届きます。

この記事では、自社にツールが要るかの判定手順、メール配信・MA・CRMなど種類ごとの違いと選び方、ツール代と運用する人の費用を合わせた総額の出し方、導入しても成果が出ない型と先に塞ぐ方法までを順に整理します。

  1. リードナーチャリングとツールの役割
    1. 見込み客を育てる手法の意味と獲得との違い
    2. ツールで自動化できることと人が担うこと
  2. 自社にツールが必要かの見極め
    1. 集めた見込み客が受注に届かない状態
    2. 見込み客がまだ集まっていない段階
    3. 同時に抱えるリード数で判定する手順
  3. リードナーチャリングツールの種類と違い
    1. メール配信ツール
    2. MAツール
    3. CRM・SFAと資料の閲覧追跡・名刺管理
  4. 自社に合う種類の選び方
    1. リード数と商材の検討期間で分ける
    2. 社内の体制で分かれる入り口
    3. 無料プランやメール配信で足りる範囲
  5. ツールの費用と総額の考え方
    1. 種類ごとの料金の幅と課金の形
    2. ツール代以外にかかる運用する人の費用
    3. 導入前に見積もる総額の計算式
  6. ツールを選ぶときの確認項目
    1. 目的と必要な機能の範囲
    2. 既存のSFA・CRMとの連携とデータの持ち出し
    3. サポート体制とメール配信のルール
  7. 導入しても成果が出ない型
    1. 社内の確認が滞り施策が止まる型
    2. 担当者1人の兼任で回らない型
    3. 配信する中身が続かない型
  8. 導入後の最初の一歩と成果が見える時期
    1. 導入前に用意しておくもの
    2. 最初に始める配信と送り分け
    3. 成果を判断する時期と見る指標
  9. 社内に運用する人がいないときの選択肢
    1. 採用が難しく外の専門家に頼る背景
    2. 外に任せられる範囲と社内に残す役割
    3. 業務委託で頼むときの契約条件の確かめ方
  10. よくある質問
  11. まとめ

リードナーチャリングとツールの役割

リードナーチャリングとツールの役割

ツールを選ぶ前に、リードナーチャリングが何を指し、ツールがその中のどこを受け持つのかを押さえておきます。範囲を取り違えると、ツールに期待しすぎて「入れたのに成果が出ない」状態になりやすいからです。

見込み客を育てる手法の意味と獲得との違い

リードナーチャリングは、問い合わせや資料請求で接点を持った見込み客に、検討の段階に合わせた情報を届け続け、商談に進む状態まで関心を高めていく手法です。見込み客を集める段階とは目的が違います。

段階 目的 主な活動
リードジェネレーション 見込み客を集める 広告・SEO・展示会・セミナー
リードナーチャリング 集めた見込み客の関心を高める メール配信・情報提供・継続的な接触
商談化の手前の選別 商談に渡す見込み客を選ぶ 行動や属性による評価・架電での確認

ツールが主に効くのは真ん中の段階です。手法の種類や体制の組み方まで知りたい場合は、次の記事で整理しています。

▼リードナーチャリングの手法と、外に任せる範囲・社内に残す範囲を知りたい方はこちら
リードナーチャリングの手法と体制|外注できる範囲と社内に残す範囲
リードナーチャリングの手法を目的別に整理し、着手すべき企業の条件、必要な人員と体制、外注できる範囲と社内に残す範囲を解説します。まだ始めない判断の基準も示します。

ツールで自動化できることと人が担うこと

ツールで自動化できるのは、配信・スコアリング・行動の記録の3つです。一方で、何を送るかを決めて中身をつくること、反応を見て次の手を判断することは人に残ります。導入の前に、この残る部分を誰が担うかを決めておく必要があります。
項目 ツールに任せられること 人に残ること
配信 決まった日時・条件での自動送信 送る中身の企画と作成
スコアリング 行動に応じた点数の自動加算 何点で営業に渡すかの基準づくり
行動の記録 開封・クリック・閲覧の蓄積 記録から次の施策を決める判断

メリットは、担当者が1件ずつ追わなくても接触が途切れないことです。デメリットは、中身をつくる手間が減らないことと、設定と見直しに継続して時間がかかることです。

自社にツールが必要かの見極め

自社にツールが必要かの見極め

導入を検討する前に、自社がツールの要る状態か、まだ早い状態かを判定します。判定の材料は、集めた見込み客が受注に届いていない状態か、そもそも見込み客が集まっていない状態か、担当者の時間で追いきれる数かの3点です。

集めた見込み客が受注に届かない状態

広告やセミナーで見込み客は集まっているのに受注が増えない場合は、育てる仕組みが要る状態です。この状態でツールを検討する意味があります。

外に頼む相談を受けてきた中では、広告運用で予算を2倍にしたのに受注が増えなかった型があります。原因は、集めた見込み客を育てる仕組みが無かったことでした。広告の配信量を増やしても、問い合わせの後に接触を続ける流れが無ければ、検討途中の見込み客はそのまま離れていきます。この型は、契約の前に受注までの導線を一緒に整理しておけば防げたものです。

自社に当てはめるなら、まず問い合わせから受注までの流れを書き出し、問い合わせの後に誰がいつ何を送っているかを確かめます。そこが空白なら、ツールを含めた育てる仕組みを検討する段階です。

見込み客がまだ集まっていない段階

見込み客がまだほとんど集まっていないなら、ツールの導入は見送り、先にリード獲得を直します。育てる相手がいない段階でツールを入れても、配信する先が無く費用だけがかかるためです。

リード育成やインサイドセールスを外に頼みたいという相談でも、依頼の時点で見込み客がほとんど集まっていなかった会社は多くありました。育てる手前の集める段階でつまずいているのに、育てる施策から手を付けようとしている状態です。

この段階では、広告・SEO・展示会など集める施策のどこから立て直すかを先に決めます。集まり始めてから、次の手順で同時に抱える数を出し、ツールが要るかを改めて判定すれば十分に間に合います。

同時に抱えるリード数で判定する手順

ツールが要るかは、同時に抱えている見込み客の数と、担当者が割ける時間の比較で判定します。件数の境目を一律に決めるより、自社の数字で出す方が判断を誤りにくいからです。

STEP1:月の新規リード数を出す

STEP2:商談に進むまで追い続ける月数を掛け、同時に抱える数を出す

STEP3:1件あたりにかかる月の対応時間を掛け、必要な時間を出す

STEP4:担当者がリード育成に割ける月の時間と比べる

式にすると「同時に抱える数=月の新規リード数×追う月数」「必要な時間=同時に抱える数×1件あたりの対応時間」です。必要な時間が割ける時間を上回っていれば、手作業では追いきれない状態で、ツールで自動にする意味があります。下回っているなら、表計算とメールで回しながら数が増えるのを待つ選択もあります。

リードナーチャリングツールの種類と違い

リードナーチャリングツールの種類と違い

リードナーチャリングに使うツールは、メール配信・MA・CRMとSFAの3つが中心で、資料の閲覧追跡や名刺管理が補います。まず全体を1枚で比べます。

種類 得意なこと 向く会社 費用の決まり方
メール配信 一斉配信と開封・クリックの測定 リードが少なく、まず接触を続けたい会社 登録アドレス数・配信数
MA 行動に応じた自動配信とスコアリング リードが多く、手作業で追いきれない会社 リード数・機能のプラン
CRM・SFA 顧客と商談の管理 営業との受け渡しを整えたい会社 利用者数
資料の閲覧追跡・名刺管理 関心の把握と接点の取り込み 営業資料や展示会が接点の中心の会社 利用者数・基本料

表の「向く会社」の列で自社に近い行を探し、その種類の節から読むと選ぶ時間を短くできます。

メール配信ツール

メール配信ツールの守備範囲は、一斉配信、属性で分けたセグメント配信、開封とクリックの測定までです。リードナーチャリングの入り口として最も始めやすい種類です。

たとえば「資料請求をした見込み客に月2回、事例や活用法を送る」といった定期的な接触は、メール配信ツールで十分に回せます。配信リストを業種や検討段階で分けておけば、送る中身を変えることもできます。

一方で、「料金ページを見た人にだけ翌日に別のメールを送る」のように、見込み客の行動をきっかけに自動で配信を変える仕組みはMAの領域です。メール配信ツールでも一部はできますが、サイト上の行動と結びつけるには限界があります。まず定期配信で反応を見て、行動に応じた配信が必要になった時点でMAを検討する順番が無理のない進め方です。

MAツール

MA(マーケティングオートメーション。見込み客への接触を自動にする仕組み)は、スコアリング、シナリオ配信、サイト上の行動の記録の3つで、手作業では追えない数の見込み客を扱えるようにするツールです。

機能 できること
スコアリング メールの開封や料金ページの閲覧に点数を付け、関心の高い人を見つける
シナリオ配信 資料請求の翌日、3日後、1週間後と段階的に送る流れを自動にする
行動の記録 誰がどのページをいつ見たかを蓄積し、営業に渡す判断材料にする

その分、設定と運用に手がかかります。点数の付け方、配信の流れ、送る中身の用意を最初に決める必要があり、決めたまま放置すると配信が古くなります。MAを選ぶなら、月にどれだけの時間を設定の見直しに割けるかを先に確かめておくと、導入後に止まりにくくなります。

CRM・SFAと資料の閲覧追跡・名刺管理

CRM(顧客管理)とSFA(営業支援。商談の進み具合を管理する仕組み)は、顧客と商談の管理が主役で、育てた見込み客を営業に渡した後の受け皿になります。資料の閲覧追跡と名刺管理は、ナーチャリングの入り口と途中を補う道具です。

種類 ナーチャリングで使う場面
名刺管理 展示会や商談で得た名刺を取り込み、配信リストの元にする
資料の閲覧追跡 送った資料がどこまで読まれたかで関心の度合いを知る
CRM・SFA 関心が高まった見込み客を営業に渡し、商談から受注までを追う

名刺管理で集め、メール配信やMAで育て、閲覧追跡で関心を確かめ、CRM・SFAで営業につなぐ流れで考えると、どこが自社に欠けているかが見えます。すべてをそろえる必要はなく、欠けている段階の種類から入れれば足ります。

自社に合う種類の選び方

自社に合う種類の選び方

どの種類から入るかは、リードの数と商材の検討期間、社内の体制の2つの軸で分かれます。数と期間で候補の種類を絞り、体制で実際に回せるかを確かめる順で決めると、使われないツールを契約する失敗を避けられます。

リード数と商材の検討期間で分ける

リードが少なく検討期間が長い商材はメール配信から、リードが多く検討期間が短い商材はMAから入るのが基本の分かれ方です。

法人向けの高額な商材は、見込み客の数が限られる一方、社内の稟議を経て決まるまでに数か月かかることが多く、1件ずつ丁寧に接触を続けることが成果に直結します。この場合は、定期的なメールと営業の個別対応を組み合わせる形で十分に回り、まずメール配信ツールで接触を途切れさせないことが先です。

個人向けに近い商材や、無料登録を入り口にするサービスは、見込み客の数が多く検討も短期で終わります。反応した瞬間に次の案内を届けないと離れてしまうため、行動に応じて自動で配信を変えられるMAが早い段階から役に立ちます。自社の商材がどちらに近いかを、問い合わせから受注までの平均日数で確かめてから選びます。

社内の体制で分かれる入り口

同じリード数でも、ツールを回す人の時間が足りなければ、機能の多い種類を選んでも使われません。体制に合わせて、回せる範囲の種類から入ります。

リード育成やインサイドセールスを外に頼む前の会社では、他の業務と兼任の人が担当していたり、社長や役員が自分で見ていたりと、会社によってばらつきがありました。専任の担当者を置けている会社ばかりではないということです。

兼任の担当者や経営者が自分で見る体制なら、設定の手間が少ないメール配信から入り、週に割ける時間の中で配信を続けられるかを確かめます。専任を置ける、または運用を外に任せられる体制なら、MAの設定と見直しにも時間を回せます。選ぶ前に「誰が、週に何時間、ツールに触れるか」を1行で書き出しておくと判断がぶれません。

無料プランやメール配信で足りる範囲

同時に抱える見込み客が少なく、定期的なメールで接触を続けられている間は、表計算とメール配信、または無料プランで足ります。有料のMAが必要になるのは、手作業では追いきれなくなってからです。

表計算で見込み客の一覧と最後に接触した日を管理し、メール配信ツールで定期的に送る形なら、費用を抑えて始められます。この段階で、どの中身に反応があるか、何件くらいが商談に進むかを把握しておくと、後でMAに移るときの設定がそのまま決まります。

MAへ移る目安は、同時に抱えるリード数で判定する手順の結果で、必要な時間が担当者の割ける時間を上回ったときです。無料プランの範囲は製品によって違うため、契約の前に上限の件数と使える機能を各社の案内で確かめてください。

ツールの費用と総額の考え方

ツールの費用と総額の考え方

ツールの費用は、月額の料金だけで比べると判断を誤ります。初期費用と契約期間、さらにツールを回す人の費用まで合わせた総額で比べ、その総額に見合う商談が増えるかで判断します。

種類ごとの料金の幅と課金の形

ツールの料金は種類によって大まかな幅が分かれます。2026年9月時点で公開されている価格を比べた幅で、税込と税抜の表記が混在し、同じ製品でも公開元によって値が割れているため、目安として見てください。

種類 料金の大まかな幅 課金の形
メール配信 月数千円程度から 登録アドレス数・配信数
MA 無料プランがある一方、有料は月数万円〜10万円程度から。初期費用がかかるものもある リード数・機能のプラン
CRM・SFA 利用者ごとに月数千円〜1万円程度 利用者数

リード数で決まる課金は見込み客が増えるほど高くなり、利用者数で決まる課金は触る人数を絞るほど安くなります。1年後のリード数と利用者数を置いて、どの形が有利かを比べてください。

▼ツールと外に頼む場合の費用相場や、費用対効果の計算方法を詳しく知りたい方はこちら
リードナーチャリングの費用はいくら?MAツール・外注の相場と費用対効果の計算方法
リードナーチャリングとは、獲得した見込み客(リード)に対して継続的にアプローチし、購買意欲を高めて商談や成約につなげるマーケティング活動を指します。 このナーチャリングとは「育成」を意味し、中長期的な視点で顧客との関係を築く重要なプロセスで...

ツール代以外にかかる運用する人の費用

ツールの総額で見落とされやすいのは、ツールを回す人の費用です。月額が安いツールでも、設定・配信・見直しを担う人の時間がかかり、その費用はツール代を上回ることが少なくありません。

外の人にリード育成やインサイドセールスを業務委託で頼む場合、費用はおおむね月15〜30万円で、稼働は週10〜20時間が目安です。稼働の量は人によってばらつきが大きく、同じ金額でも任せられる範囲は変わります。

社内で回す場合は、担当者の月の人件費に、ツールの運用に割く時間の割合を掛けて出します。たとえば月の労働時間のうち4分の1を割くなら、人件費の4分の1が運用する人の費用です。外に頼む費用と社内で回す費用を同じ稼働時間でそろえて比べると、どちらが自社に合うかを判断しやすくなります。

導入前に見積もる総額の計算式

導入前の総額は、ツール代と運用する人の費用を足した次の式で見積もります。

総額=初期費用+月額×契約月数+運用する人の月の費用×契約月数

STEP1:候補の種類について、初期費用と月額を各社の案内で確かめる

STEP2:最低契約期間を確かめ、契約月数に入れる

STEP3:社内で回すか外に頼むかを決め、運用する人の月の費用を入れる

STEP4:総額を契約月数で割り、1か月あたりの負担を出す

出した1か月あたりの負担を、1件の受注で得られる粗利で割ると、元を取るのに月に何件の受注が増えればよいかがわかります。その件数が、同時に抱える見込み客の数から見て現実的でなければ、導入の時期を遅らせるか、より安い種類から入る判断になります。

ツールを選ぶときの確認項目

ツールを選ぶときの確認項目

契約の前に確かめる項目は、目的に対して機能が過不足ないか、既存の仕組みとつながりデータを持ち出せるか、定着までの支援と配信のルールへの備えがあるかの3つです。この3つが曖昧なまま契約すると、使わない機能に払い続けるか、乗り換えに苦労します。

目的と必要な機能の範囲

機能は、ツールで何を自動にしたいかから逆算して決めます。機能の多さで選ぶと、使わない機能に毎月払い続けることになるためです。

たとえば目的が「資料請求者への接触を途切れさせない」なら、定期配信と開封の測定があれば足ります。「関心の高い人を営業に早く渡したい」なら、スコアリングと行動の記録が要ります。目的を1つか2つに絞ってから、必要な機能に印を付け、候補のツールと突き合わせます。

営業担当との打ち合わせでは「私たちの目的に対して、最初の3か月で使う機能はどれですか」と聞くと、必要な範囲が見えてきます。答えが機能一覧の説明に終始し、使う順番が出てこないなら、自社の目的に合わせた提案ができていない可能性があります。

既存のSFA・CRMとの連携とデータの持ち出し

すでに営業でSFAやCRMを使っているなら、連携できるかを最初に確かめます。連携できないと、見込み客の情報を2つの仕組みに入れる二重入力が発生し、どちらかの情報が古くなるためです。

確かめる項目は次の2つです。

  • 既存の営業の仕組みと、見込み客の情報や行動の記録を自動でやり取りできるか
  • 解約や乗り換えのときに、見込み客の一覧・配信の履歴・行動の記録を書き出せるか

書き出しの方法は、契約した後では確かめにくくなります。乗り換えるときに手元にデータが残らないと、育ててきた見込み客の記録を最初から集め直すことになるため、契約の前に書き出せる形式と範囲を確かめておきます。

サポート体制とメール配信のルール

導入後に止まらないかは、初期設定と定着まで支援があるかで大きく変わります。あわせて、メール配信にはルールがあるため、同意の取り方と配信停止の方法を導入前に確かめておきます。

支援については「初期設定をどこまで手伝ってもらえるか」「運用が止まったときに相談できる窓口はあるか」を確かめます。設定を自社だけで進める前提なら、担当者の時間が足りるかも合わせて見ます。

メール配信には特定電子メール法などのルールがあります。見込み客からどのように配信の同意を得るか、配信停止をどの方法で受け付けるかを、導入前に社内で決めておきます。具体的な決まりは総務省の迷惑メール対策のページで確かめてから運用を始めてください。

導入しても成果が出ない型

導入しても成果が出ない型

ツールを入れても、社内の確認、担当者の時間、配信する中身のどれかが欠けると施策は止まります。止まる型を先に知っておけば、導入の前に自社の体制で塞げます。

社内の確認が滞り施策が止まる型

社内の確認の流れと窓口が決まっていないと、施策は途中で止まります。外に実行を任せた場合でも、社内のツール運用でも同じです。

外に頼んだ事例では、パートナーに実行を任せたものの、社内の意思決定者が忙しく確認が滞り、施策が止まった型がありました。原因は社内の確認フローと窓口が決まっていなかったことで、事前に確認の流れを決め、窓口を1人に絞っておくべきだったものです。

ツールの運用でも、配信する中身やシナリオの変更に社内の承認が要る場合、承認する人と期限が決まっていないと配信が止まります。導入前に「配信の中身は誰が何日以内に承認するか」を決め、窓口を1人にしておきます。

担当者1人の兼任で回らない型

ツールを入れても、担当者が1人で他の業務と兼任していると、設定や配信に手が回らず止まります。担当者の時間がツール運用の前提です。

ある事例では、マーケティングの担当者が1人で全領域を兼任しており、リソースが回っていない状態でした。広告もコンテンツもリード育成も1人で抱えると、どの施策も手を付けた段階で止まりやすくなります。この事例は個別の状況によるもので、同じ体制の会社が必ず同じ状態になるわけではありません。

自社が同じ体制なら、ツールを入れる前に、リード育成に週何時間割けるかを決めます。割ける時間が取れないなら、機能の少ない種類から入るか、運用する人を別に用意するかを先に検討します。

配信する中身が続かない型

ツールの設定が終わっても、送る中身をつくる人と頻度が決まっていないと、配信は数回で止まります。ツールは送る仕組みで、中身はつくってくれません。

自社で確かめる手順は次のとおりです。

STEP1:月に何本の配信をするかを決める

STEP2:1本の中身をつくる担当者と、かかる時間を決める

STEP3:3か月分の配信の題材を先に書き出す

STEP4:題材が尽きたときの補充の方法を決める(営業の質問を題材にする等)

3か月分の題材が書き出せない場合は、配信の頻度を下げるか、中身づくりを担う人を用意してから導入します。

導入後の最初の一歩と成果が見える時期

導入後の最初の一歩と成果が見える時期

導入後は、用意するものをそろえ、既存の見込み客への定期配信から始め、商談までの平均日数を1周してから成果を判断する順で進めます。

導入前に用意しておくもの

導入前に用意すると立ち上がりが速くなるのは、ツールなどの権限、社内の窓口1人、過去の実績データの3つです。

外の人がリード育成などに着手するときに先に用意すると速いものとして多いのは、次の順でした。

  1. 広告アカウントやサイトの管理画面などの権限
  2. 社内の窓口を1人決めておくこと
  3. 過去の実績データ(広告レポート・アクセス解析等)

外の人が着手するときの話ですが、ツール導入の準備にもそのまま当てはまります。権限が無ければ設定が進まず、窓口が決まっていなければ確認が滞り、実績データが無ければ何を配信すべきか決められないためです。

あわせて、手元の見込み客の情報を整えておきます。表計算や名刺の一覧に同じ人が重複していると、同じメールが2通届くなどの失敗が起きるため、取り込む前に重複を統合し、業種や検討段階で分類しておきます。

最初に始める配信と送り分け

最初は、既存の見込み客への定期的なメールから始めます。いきなり複雑なシナリオを組むより、反応を見ながら送り分けを増やす方が止まりにくいからです。

1か月目は、手元の見込み客全員に月1〜2回、事例や活用法を送り、開封とクリックの傾向を見ます。反応が集まってきたら、よく開く人とほとんど開かない人に分け、関心の度合いで送る中身を変えます。関心の高い人には導入の相談につながる案内を、低い人には課題を整理する情報を送る形です。

送り分けが回り始めてから、資料請求の翌日に送るなど行動に応じた配信を足していくと、設定の負担を少しずつ増やせます。

成果を判断する時期と見る指標

成果を判断するのは、自社の問い合わせから商談までの平均日数を1周してからです。それより早く判断すると、育て始めた見込み客がまだ商談に届いていない段階で「効果が無い」と誤って結論を出してしまいます。

一つの目安として、外の人がリード育成やインサイドセールスに着手してから改善の兆候が見え始めるまでは1〜2か月程度のことが多いです。これは人が着手してからの期間で、ツールを導入してからの期間ではありません。商材の検討期間によっては、これより長くかかります。

見る指標は、開封率、クリック率、商談化の件数の3つです。開封とクリックは配信の中身の手応えを、商談化の件数はナーチャリング全体の成果を示します。最初の1〜2か月は開封とクリックの変化を、平均日数を1周した後は商談化の件数を中心に見ます。

社内に運用する人がいないときの選択肢

社内に運用する人がいないときの選択肢

ツールを回す人が社内にいない場合、採用する、外の専門家に頼む、回せる範囲の種類に絞るのいずれかを選びます。採用が難しい市場の事情と、外に任せるときの範囲・契約条件を知っておくと、自社に合う道を選べます。

採用が難しく外の専門家に頼る背景

社内に運用する人がいないとき、採用で埋めるのは簡単ではありません。マーケティングの実務ができる人材が市場に少なく、採用しようとしても見つからないことが多いためです。

外にマーケティング業務を頼みたいという相談では、社内に専任でできるスキルを持った人材がいないうえに、マーケターが市場に少なく採用ができない、だから外のプロに頼る、という理由が多く挙がります。ツールの運用に限らず、マーケティング業務全般に共通する事情です。

採用を待つ間もリードは届き続けます。採用を進めるにしても、その間の運用を誰が担うかを決めておかないと、見込み客への接触が途切れます。

外に任せられる範囲と社内に残す役割

外に任せる場合は、頼む範囲を事前に決め、判断は社内に残します。外に頼んでも、施策の成果と法律上の最終責任は発注側に残るためです。

外の専門家の中には、架電やメール送付といったインサイドセールスの実務まで担える人もいます。ただし担える範囲は人によって違うため、依頼の前に確かめる必要があります。

外に頼んだ後、社内の担当者は判断をしたり、他の業務に時間を使えるようになったという声があります。担当者が1人や兼務の会社での話で、外に頼めば必ず同じになるわけではありませんが、社内には配信の中身の承認と、商談に進める判断を残す形が回りやすい分け方です。

業務委託で頼むときの契約条件の確かめ方

外に業務委託で頼むときは、料金より先に、やめ方と範囲の扱いを確かめます。途中で合わないと分かったときに撤退できるかが、依頼の判断を左右するためです。

  • 最低契約期間はどれくらいか
  • 最低期間の途中でやめたとき、費用はどう扱われるか
  • 解約の予告は何か月前に必要か
  • 頼んだ範囲の外の業務をお願いするとき、どう通すか

当社のサービス(マーケター等の複業人財を業務委託でマッチングするサービス)の場合、マッチングが成立するまでは費用がかからず、最低契約期間は3か月です。最低期間の途中でやめると残りの期間の分がかかり、1か月前の解約予告は最低期間の後に効きます。頼む範囲は事前に決め、範囲外の業務は事務局を通して依頼します。

よくある質問

本文で答えきれなかった派生の疑問に短く答えます。

Q. 無料のツールだけで始めてもよいか。

同時に抱える見込み客が少なく、定期的なメールで接触を続けられている間は、無料のツールや表計算で始めて問題ありません。有料のMAへ移る目安は、同時に抱える数に1件あたりの対応時間を掛けた必要な時間が、担当者の割ける時間を上回ったときです。無料プランの上限は製品ごとに違うため、契約前に件数と機能を確かめてください。

Q. MAとCRMはどちらを先に入れるべきか。

課題が育てる側にあるならMA、商談の管理にあるならCRMを先に入れます。見込み客は集まるのに商談に進まないならMAで接触を続ける仕組みを、商談は生まれるのに受注までの管理が漏れるならCRMで営業の記録を整える仕組みを優先します。リード数と体制による入り口の選び方もあわせて確かめてください。

Q. 導入後に別のツールへ乗り換えられるか。

乗り換えは可能ですが、データを書き出せるかと、次のツールと連携できるかで手間が大きく変わります。見込み客の一覧・配信の履歴・行動の記録をどの形式で書き出せるかを、契約の前に確かめておくと、乗り換えのときに育ててきた記録を失わずに済みます。

まとめ

リードナーチャリングツールは、次の順で判断すると選び間違えにくくなります。

  1. 要否:見込み客が集まっていないなら見送り、先にリード獲得を直す。集まっているのに受注に届かないなら検討する
  2. 種類:リードが少なく検討期間が長いならメール配信、多く短いならMA、営業との受け渡しならCRM・SFA
  3. 総額:初期費用+月額×契約月数+運用する人の費用で比べる
  4. 回す人:誰が週に何時間触れるかを決め、いなければ採用か外に頼むかを選ぶ

明日できる次の一歩は、月の新規リード数と商談まで追う月数を掛けて同時に抱える数を出し、1件あたりの対応時間を掛けて、担当者が割ける時間と比べることです。時間が足りないと分かったら、ツールの種類と一緒に、回す人をどう用意するかを検討してください。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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