Amazon広告運用代行の費用と任せる範囲|依頼前の判断軸

Amazon広告運用代行の費用と任せる範囲|依頼前の判断軸 マーケティング

手が回らないAmazon広告を外に任せるときの手数料は、広告費の10〜20%程度か月5万〜30万円程度が目安で、Amazonに払う広告費は別にかかります。ただし、頼むかどうかは料金の安さだけでは決まりません。手数料を払っても1個あたりの利益が残るか、広告だけを任せるのか商品ページまで含めるのか、実際に運用する担当者は誰か。この3つで結果が大きく変わります。

この記事では、外に出せる作業の範囲、料金体系ごとの目安と総額の出し方、利益が残るかの計算、自社運用を続けるかの判断、依頼先のタイプと契約前の確かめ方、始めてから3か月の見方、よくある失敗の型までをまとめます。読み終えたときに、自社の広告費と粗利率で「外に出すか、出すなら誰に何を任せるか」を決められる状態を目指します。

  1. Amazon広告の運用で外に出せる作業
    1. 対象になる広告の種類
    2. 運用代行と代理店とコンサルの役割の差
    3. 広告の外側まで含むかの確認
  2. Amazon広告運用代行の料金の仕組み
    1. 料金体系ごとの手数料の目安
    2. 成果報酬の成果の定義の確かめ方
    3. 手数料率型と月額固定型の分かれ目
  3. 手数料を払っても利益が残るかの計算
    1. 1個あたりの利益の出し方
    2. 目標をACOSだけで渡さない理由
  4. 自社運用を続けるか外注するかの判断
    1. 外注で得られるものと失うもの
    2. 週次の作業の回り具合
    3. 外に出す会社の多いきっかけと採用の難しさ
  5. 依頼先のタイプと向く会社
    1. 広告運用特化型と総合支援型と総合広告代理店
    2. 業務委託の人材に頼む形と費用の目安
    3. 業務委託の人材への依頼の出し方
  6. 契約前の依頼先の見極め方
    1. 実際に運用する担当者の確かめ方
    2. レポートの中身と管理画面の開示
    3. 実績の数字と認定の読み方
  7. 最初の3か月で続けるか切り替えるかの判断
    1. 兆候が見え始める時期の目安
    2. 月ごとに見る指標
    3. 解約条件とアカウントの引き継ぎ
  8. 外注しても成果が出ない失敗の型
    1. 広告だけ回して商品ページや在庫が弱い
    2. 社内の確認が滞って施策が止まる
    3. 担当者1人で代行先の言いなりになる
  9. 依頼前に用意するもの
    1. 権限と窓口と過去の実績データ
    2. 社内に残す仕事の線引き
  10. よくある質問
  11. まとめ

Amazon広告の運用で外に出せる作業

Amazon広告の運用で外に出せる作業

外に出せるのは、広告の設定と日々の調整だけではありません。広告の種類ごとの運用、依頼先の役割の違い、商品ページや在庫まで含めるかの3つを押さえると、見積もりの中身を正しく比べられます。

対象になる広告の種類

代行の対象になるのは、主に次の4種類です。広告の名称は時期や記事によって呼び方が変わっているため、依頼するときは名称よりも「どこに配信したいか」で伝えると行き違いが起きにくくなります。

広告の種類 主な掲載面 使いどころ
スポンサープロダクト 検索結果や商品ページの中 個別の商品を検索した人に見せる
スポンサーブランド 検索結果の上部など ブランドや複数商品をまとめて見せる
ディスプレイ系の広告 商品ページやAmazon外の面 閲覧した人への再訴求
Amazon DSP Amazon内外の幅広い面 認知を広げる大きめの配信

多くの出品者はスポンサープロダクトから始めます。DSPは出稿の条件が別に設けられることがあるため、使うかどうかは依頼先に条件を確かめてから決めてください。

運用代行と代理店とコンサルの役割の差

呼び名よりも、実務まで引き受けるかどうかで選ぶのが確実です。

呼び名 実務の担当 Amazon以外の媒体 主な役割
運用代行 引き受ける 扱わないことが多い 入札調整や除外キーワードの整備を代わりに回す
広告代理店 引き受ける 扱うことが多い 複数の広告媒体をまとめて運用する
コンサル 引き受けないことが多い 相談できる 方針や改善案を示し、社内の運用を助ける

実際には1社が複数の役割を兼ねていることが多く、名称だけでは中身が分かりません。「設定と調整を代わりにやってほしい」のか「社内で回すための助言がほしい」のかを先に決め、その範囲を引き受けてくれるかで選んでください。

広告の外側まで含むかの確認

同じ手数料でも、広告の外側をどこまで見てくれるかで中身は大きく違います。Amazonでは、広告でクリックを集めても商品ページや在庫、価格が弱いと売上につながりにくいためです。

任せる範囲 含まれるもの
広告だけ 広告の設定・入札調整・キーワード整備・レポート
商品ページ込み 広告に加えて、商品名・画像・説明文の改善提案
Amazon運営全体 広告と商品ページに加えて、在庫・価格・セール対応まで

見積もりを比べるときは、金額より先にこの3段階のどれに当たるかをそろえてください。範囲がそろっていない見積もり同士を金額だけで比べると、安く見えた方が広告しか見ない契約だった、ということが起きます。

Amazon広告運用代行の料金の仕組み

Amazon広告運用代行の料金の仕組み

費用は、代行先に払う手数料と、Amazonに払う広告費の2つに分かれます。見積もりに出てくる金額の多くは手数料だけなので、総額は必ず広告費を足して見てください。

料金体系ごとの手数料の目安

手数料の決め方は、主に3つの型と初期費用の組み合わせです。

料金体系 手数料の目安 特徴
手数料率型 広告費の10〜20%程度(20%前後が多い) 広告費に連動して手数料が増減する
月額固定型 月5万〜30万円程度 広告費が増えても手数料は変わらない
成果報酬型 売上(成果)の10〜20%程度 成果の数え方で負担が変わる
初期費用 0〜10万円程度 無料の先もある

どれも代行先への手数料の目安で、広告費は別にかかります。また、商品ページの改善やクリエイティブ制作、レポートの頻度など、含まれる範囲によって金額は上下します。見積もりを受け取ったら、金額の横に「どこまで含むか」を書き込んで比べると、高い安いの判断を誤りにくくなります。

成果報酬の成果の定義の確かめ方

成果報酬型は、何を成果と数えるかで負担が大きく変わります。広告経由の売上だけを数える先もあれば、広告以外も含む全体の売上を基準にする先もあり、数える期間も会社ごとに違います。

見積もりの段階で、次の質問をそのまま聞いてください。

  • 成果として数えるのは、広告経由の売上ですか、ストア全体の売上ですか
  • 広告をクリックしてから何日以内の購入を成果に含めますか
  • 返品やキャンセルが出た分は、成果から差し引かれますか

答えがあいまいなまま契約すると、広告と関係の薄い売上にも手数料がかかる可能性があります。定義は契約書に書いてもらうのが安全です。

手数料率型と月額固定型の分かれ目

どちらが得かは、自社の月間広告費で年間の総額を出せば分かります。

  1. 手数料率型の年間手数料=月間広告費×手数料率×12
  2. 月額固定型の年間手数料=月額手数料×12
  3. 両方に年間の広告費(月間広告費×12)を足して総額を比べる

手数料が同じになる広告費は「月額手数料÷手数料率」で出せます。自社の広告費がこれを上回るなら月額固定型、下回るなら手数料率型の方が手数料は軽くなります。

注意したいのは、手数料率型では広告費を増やすほど手数料も増える点です。広告費を増やす提案が続いても判断に迷わないよう、目標とする指標と月の予算上限を契約の最初に合意しておいてください。

手数料を払っても利益が残るかの計算

手数料を払っても利益が残るかの計算

広告の効率を示す数字が良くても、手数料を払った後に利益が残るとは限りません。判断は、1個売れたときに手元に何円残るかで行います。

1個あたりの利益の出し方

1個あたりの利益は、次の式で出せます。

  • 1個あたりの利益=売価−原価−販売手数料−1個あたりの広告費−1個あたりの代行手数料

販売手数料は商品のカテゴリーによって率が違うため、自社のカテゴリーの率を入れてください。

広告にかけてよい上限は、ACOS(広告経由の売上に対する広告費の割合)で考えると分かりやすくなります。

  • 利益が残るACOSの上限=販売手数料を引いた後の粗利率−代行手数料の売上に対する割合

実際のACOSがこの上限を超えていれば、売れるほど赤字が増えている状態です。依頼前に自社の数字で一度計算しておくと、代行先から出てくる数字が良いのか悪いのかを自分で判断できます。

目標をACOSだけで渡さない理由

ACOSだけを目標にすると、売上を落としてでも数字を良くする運用になることがあります。売れる見込みの高いキーワードだけに広告を絞れば、ACOSは下がっても売上全体は縮むからです。

目標を渡すときは、次の順で伝えてください。

  • 自社の粗利率と、利益が残るACOSの上限を共有する
  • 売上を伸ばしたいのか、利益率を守りたいのかを決める
  • そのうえで、ACOSと売上の両方の目標水準を合意する

粗利率を伝えずに目標を決めると、代行先は利益の線が分からないまま運用することになります。数字を渡すことをためらわず、同じ前提で判断できる状態をつくる方が結果的に成果を確かめやすくなります。

自社運用を続けるか外注するかの判断

自社運用を続けるか外注するかの判断

判断の決め手は、広告費の大きさよりも、週ごとの作業が回っているかと社内の体制です。広告費が小さくても作業が止まっているなら外に出す価値があり、大きくても社内で回っているなら急いで出す必要はありません。

外注で得られるものと失うもの

外に出すと、得られるものと引き換えに失うものもあります。

得られるもの 失うもの
広告運用の専門知識と経験 毎月の手数料の負担
社内の担当者の工数の削減 社内に知見が残りにくい
立ち上がりの早さ 細かな調整を頼むときの時間差

失うものの多くは、契約の組み方で小さくできます。定例の打ち合わせとレポートの共有を条件に入れれば知見は社内に残りやすくなり、連絡の窓口を決めておけば調整の遅れも減らせます。

一方で、手数料の負担はどう組んでも残ります。外に出しても成果が出ると決まっているわけではないため、費用に見合う改善があるかを最初の3か月で確かめる前提で始めてください。

週次の作業の回り具合

社内で回せているかは、次の作業を毎週続けられているかで見ます。

  • 検索語のレポートを確認し、売れていない語を除外キーワードに入れる
  • 商品やキーワードごとに入札額を調整する
  • 予算の消化と在庫の状況を突き合わせる

どれかが止まっているなら、広告費の一部が成果につながらない語に使われている可能性があります。

費用の面では、次の手順で比べてください。

  1. 担当者が広告運用に使っている月の時間を出す
  2. その時間に社内の時間単価をかけ、自社運用の人件費を出す
  3. 代行手数料と比べ、差額で空く時間を何に使えるかを考える

人件費の方が安くても作業が止まっているなら、外に出すか、社内の担当を増やすかを決める段階です。

外に出す会社の多いきっかけと採用の難しさ

広告運用を外に出すきっかけとして多いのは、担当者の質とコストカットです。これは社内に専任の担当者がいた会社でも起きます。広告運用は、専任の担当者がいた会社と、会社によって体制がまちまちな会社の両方から相談が寄せられる領域で、代理店から別の依頼先へ切り替える相談もこの2つが理由になりやすいです。

その背景には、採用の難しさがあります。支援してきた中では、社内に専任できるスキルを持った人材がいないうえ、マーケターが市場に少なく採用できないため、外部のプロに頼るという流れが目立ちます。体制づくりの相談でも、社内でマーケティングの人材を採用できた会社はほとんどありません。

ここで挙げたのはAmazonに限らない、広告運用やマーケティング全般の傾向です。採用で埋めるか外に出すかを迷っているなら、採用にかかる期間と、その間に広告の作業が止まる損失を並べて比べてください。

依頼先のタイプと向く会社

依頼先のタイプと向く会社

依頼先は、会社名ではなくタイプで選ぶ方が判断を誤りにくくなります。タイプごとに任せられる範囲と費用の出方が違うため、自社が任せたい範囲に合うタイプを先に決めてから、候補の会社を比べてください。

広告運用特化型と総合支援型と総合広告代理店

代行会社は、主に3つのタイプに分けられます。

タイプ 任せる範囲 費用の出方 向く会社
広告運用特化型 Amazon広告の運用 手数料率型か月額固定型が中心 商品ページは社内で整っていて、広告だけ任せたい
総合支援型 広告に加えて商品ページや運営全体 月額固定型や範囲に応じた見積もり Amazonの運営に手が回っていない
総合広告代理店 Amazonを含む複数の媒体 媒体をまとめた手数料 Amazon以外の広告もまとめて任せたい

どのタイプが合うかは、売上の規模や商材によっても変わります。広告以外の媒体も含めた代行の選び方や費用の全体像は、次の記事で整理しています。

▼Web広告全体の運用代行の費用と選び方を知りたい方はこちら
Web広告運用代行の発注条件|手数料の実質負担率と担い手の選び方
広告運用代行の発注条件を自社の数字で決める手順です。Web広告の運用手数料の型と実質負担率の出し方、代理店と個人と内製の比べ方、成果を判断できる時期、発注前に決める6項目までまとめました。

業務委託の人材に頼む形と費用の目安

代行会社の3タイプとは別に、4つ目の選択肢として、業務委託でマーケターに直接入ってもらう形があります。当社が運営するマーケティング領域の業務委託マッチングに登録している人の経歴は、主に次の3つです。
  • 広告代理店や制作会社の出身で独立したフリーランス
  • 事業会社でマーケティングや営業を経験し、複業を始めた人
  • 複数の会社を並行して支援しているプロのパートナー

特定の1社に専従せず、専門スキルを複数の仕事に提供している人が中心です。

費用は、マーケティング領域の業務委託なら領域を問わずおおむね月15〜30万円に収まることが多く、稼働は週10〜20時間が目安です(人によって幅があります)。

稼働時間の決まり方

稼働時間は、仲介する事務局が依頼の内容から必要な時間を見積もって設定し、途中で増やすときは事前に依頼元と合意してから増やす形です。代行会社の手数料とは費用の出方が違うため、単純に金額で比べず、任せたい作業量と社内に残したい知見で選んでください。

業務委託の人材への依頼の出し方

業務委託の人材に頼むときは、依頼の出し方で決まるまでの速さが変わります。決まりにくいのは、次のような依頼です。

  • 稼働が週数時間と極端に短いのに、幅広い専門性を求める
  • 予算と希望する稼働時間のバランスが合っていない
  • 稼働の単位が細切れ過ぎる
  • 専門外の業務まで幅広く求める

決まりやすい頼み方への直し方

直すときは、任せる作業を広告運用に絞り、稼働時間の希望と求めるスキルの幅を現実に合わせ、予算を実際の稼働時間に見合う水準にそろえます。開始時期の緊急度も先に伝えてください。

相談から着手までは、ヒアリングから候補者の選定、三者面談までを含めて、一つの目安としておおむね2週間ほどかかります。

契約期間とやめ方

当社のマッチングでは、契約は最低3か月からです。やめるときは1か月前の解約予告が要り、最低期間の途中でやめると残りの期間の分がかかります。1か月前の予告は最低期間の後に適用されます。料金は問い合わせで確かめてください。

契約前の依頼先の見極め方

契約前の依頼先の見極め方

見極めは、営業担当の説明ではなく、実際の担当者、レポートの中身、実績の数字の読み方で行います。契約前に確かめられることは多いので、面談の場で質問を用意して臨んでください。

実際に運用する担当者の確かめ方

契約の前に話す営業担当と、実際に運用する担当者が別で、経験の浅い担当者が付くことがあります。会社の評判よりも、担当する人と体制を確かめる方が確実です。

面談では、次の質問をそのまま聞いてください。

  • 実際に運用を担当するのはどなたですか。面談に同席してもらえますか
  • その方は専任ですか、他の案件と兼任ですか
  • 近い商材やカテゴリーを運用した経験はありますか
  • 直近1年で、今回依頼する種類の広告を運用しましたか

担当者の名前や経験が答えられない、担当者が契約後に決まると言われる場合は、体制がまだ決まっていないと考えて、決まってから判断しても遅くありません。

レポートの中身と管理画面の開示

レポートは、数字が並んでいるかではなく、次に何をするかが書かれているかで見ます。「ACOSが上がった」で終わらず、「売れていない語を除外し、入札を下げる」まで書かれていれば、運用の考え方が分かります。

契約前に確かめたいのは次の4つです。

  • レポートの見本を見せてもらえるか
  • レポートの頻度は週次か月次か
  • 定例の打ち合わせがあるか、その頻度はどれくらいか
  • 広告の管理画面を自社でも見られるか

管理画面を見られない契約では、レポートの数字を自分で確かめる手段がありません。見られる状態を条件にしておくと、乗り換えるときの引き継ぎも進めやすくなります。

実績の数字と認定の読み方

「売上が◯倍になった」といった改善の数字は、それだけでは比べられません。対象の期間、何社や何商品の結果か、何と比べた数字かが書かれているかで読んでください。条件が書かれていない数字は、良い結果だけを選んで載せている可能性もあります。

Amazonのパートナー認定を掲げている会社もあります。認定の区分や意味は時期によって変わることがあるため、認定の有無だけで優劣を決めず、担当者の経験やレポートの中身と合わせて判断するのが確実です。

実績は、自社の商材に近い事例があるか、その事例で担当者が何をしたかを面談で聞くと、数字よりも実力が見えます。

最初の3か月で続けるか切り替えるかの判断

最初の3か月で続けるか切り替えるかの判断

始めた後に迷わないよう、いつ何を見て判断するかを契約時に決めておきます。目安の時期と、月ごとに見る指標、やめるときの条件を順に整理します。

兆候が見え始める時期の目安

広告運用は、おおむね1か月程度で成果や改善の兆候が見え始めることが多い領域です。これはAmazonに限らない広告運用一般の一つの目安で、商材や競合の状況によって前後し、成果そのものを約束するものではありません。

1か月の時点で見るのは、売上の大きな伸びではなく、除外キーワードの整備が進んでいるか、無駄な広告費が減り始めているかといった兆候です。兆候が見えない場合は、その理由と次の打ち手を代行先に説明してもらい、2か月目の判断材料にしてください。

契約のときに、1か月目の報告で何を示してもらうか(整備した除外キーワードの数、止めた広告、次月の打ち手など)を決めておくと、兆候があるかどうかを双方が同じ物差しで確かめられます。

月ごとに見る指標

月ごとに見るものを決めておくと、続けるか切り替えるかを感覚ではなく数字で判断できます。

時期 見る指標 切り替えを考える状態
1か月目 除外キーワードの進み具合・レポートの打ち手の質 打ち手が書かれていない
2か月目 ACOS・広告経由売上 数字が動かず理由の説明もない
3か月目 1個あたりの利益・広告経由売上 利益が残るACOSの上限を超えたまま

3か月目に利益が残っていなくても、原因が商品ページや在庫にあると分かっていれば、任せる範囲を見直す選択肢があります。代行先を変えるのは、原因の説明と改善の打ち手が出てこないときです。

解約条件とアカウントの引き継ぎ

依頼元と外部のパートナーの間で揉めやすい契約項目は、中途解約の条件です。始める前は順調に進む前提で話が進むため、やめるときの取り決めが後回しになりやすいからです。

契約前に、次の3つを書面で確かめてください。

  • 最低契約期間は何か月か
  • 解約の予告は何か月前までに必要か
  • 最低期間の途中でやめたときに費用がどれだけかかるか

あわせて、広告アカウントと過去のデータが誰のものか、乗り換えるときに引き継げるかも確かめます。代行先のアカウントで運用していた場合、やめた後に過去の数字を見られなくなることがあります。広告アカウントを自社の名義で持ち、その中で代行先に運用してもらう形にしておけば、やめた後も過去の数字を手元に残せます。

外注しても成果が出ない失敗の型

外注しても成果が出ない失敗の型

外に出しても成果が出ないときには、よくある型が3つあります。どれも依頼先の力量だけでなく、任せる範囲や社内の体制から起きるものです。

広告だけ回して商品ページや在庫が弱い

広告でクリックを集めても、商品ページの画像や説明が弱い、在庫が切れている、価格が競合より高いといった状態では、売上に結びつきにくくなります。広告の数字だけを見ていると、代行先の運用が悪いように見えますが、原因が広告の外にあることも少なくありません。

防ぐには、任せる範囲を見直します。商品ページの改善まで含めて頼むか、広告だけを頼むなら商品ページと在庫は社内で整える担当を決めてください。クリックに対して購入が少ない商品があれば、代行先に商品ページの改善案を出してもらうよう依頼すると、原因を切り分けやすくなります。

社内の確認が滞って施策が止まる

よくあるのは、実行を外に任せたものの、社内の意思決定者が忙しく確認が滞り、施策が止まってしまう型です。代行先が改善案を出しても、承認されなければ運用は進みません。

これは依頼先の問題ではなく、体制づくりの問題です。防ぐには、始める前に次の2つを決めておきます。

  • 誰が、どの内容を、何日以内に確認するかという確認の流れ
  • 代行先とやり取りする社内の窓口を1人に絞ること

窓口が1人に決まっていれば、代行先は誰に聞けばよいか迷わず、確認の待ち時間も短くなります。さらに、確認の期限を過ぎた場合に代行先の案で進めてよい範囲(入札額の小さな調整など)を決めておくと、承認待ちで運用が止まる期間を短くできます。

担当者1人で代行先の言いなりになる

ある事例では、マーケティングの担当者が1人で全領域を兼任しており、手が回らず、代理店の言いなりになってしまっていました。代行先の提案を見極める時間も判断の軸もないまま、言われた施策を受け入れるしかない状態です。

担当者が1人しかいない会社ほど、外に出すときに判断の軸を先に持っておく必要があります。粗利率と利益が残るACOSの上限を代行先と共有し、面談では担当者とレポートの中身を確かめてください。そうすれば、提案を受け入れるかどうかを自社の数字で決められます。この事例は一つの会社の状況で、同様の結果を保証するものではありません。

依頼前に用意するもの

依頼前に用意するもの

依頼前の準備がそろっているかどうかで、立ち上がりの速さが変わります。依頼先が決まってから慌てないよう、先に用意できるものと、社内に残す仕事を整理しておきます。

権限と窓口と過去の実績データ

依頼元が先に用意しておくと速いものは、次の順です。

  1. 広告アカウントなどの権限
  2. 社内の窓口を1人決めておくこと
  3. 過去の実績データ(広告レポートなど)

加えて、自社の粗利率の数字と、どこまでを任せてどこを社内に残すかの線引きも用意してください。粗利率があれば、代行先は初日から利益が残るかを前提に運用を組めます。過去の広告レポートがあれば、売れている語と売れていない語の見当を初月からつけられるため、同じ試行錯誤を繰り返さずに済みます。

権限の渡し方や渡せる範囲は、依頼先によって進め方が違います。どの範囲の権限が必要か、依頼先に確かめてから準備を始めてください。

社内に残す仕事の線引き

外に出しても、社内に残る仕事があります。

  • 在庫の手配、価格の決定、セールに参加するかの判断
  • 商品ページの内容の最終承認
  • 代行先とのやり取りを受ける社内の窓口

在庫や価格は、広告の成果に直結するのに代行先が決められない領域です。広告の予算を増やす提案が来ても、在庫が足りなければ売り逃しが増えるだけになります。月に1度、在庫の見通しとセールや価格改定の予定を代行先に共有すると、広告の予算配分を先回りして組んでもらえます。

外に出しても、成果と法律上の最終責任は発注側に残ります。何を任せ、何を自社で決めるのかを契約前に書き出しておくと、責任の所在があいまいなまま進むことを防げます。

よくある質問

Amazon広告の運用代行について、依頼前によく出る質問に答えます。

Q. 広告費が少なくても頼めるか。

頼める先はありますが、最低手数料や最低出稿額を設けている先もあり、広告費が少ないと手数料の割合が高くなりがちです。自社の広告費で頼んでよいかは、手数料率型と月額固定型の年間総額を出す手順で確かめてください。

Q. セラーセントラルの権限を渡しても大丈夫か。

渡す範囲を広告など必要な業務に絞れるか、契約が終わったときに権限を解除できるかを依頼先に確かめてください。どの権限が必要かは依頼内容によって違うため、範囲の説明を求めると安心です。

Q. 任せると社内にノウハウは残らないか。

定例の打ち合わせとレポートの共有を契約の条件に入れれば、施策の考え方を社内に残せます。将来は自社で運用したいなら、その意向を最初に伝えておくと、引き継ぎを前提にした進め方を相談できます。

Q. 外注をやめて自社運用に戻せるか。

戻せます。そのためには、広告アカウントと過去のデータを自社の手元に残しておくことが必要です。契約前にアカウントの持ち主と引き継ぎの方法を確かめておけば、やめた後も過去の数字をもとに運用を続けられます。

まとめ

Amazon広告の運用代行は、料金だけでなく次の5つで判断します。

  • 費用の型と総額: 手数料は広告費の10〜20%程度か月5万〜30万円程度が目安で、広告費は別にかかる
  • 利益が残るか: 1個あたりの利益と、利益が残るACOSの上限を自社の数字で出す
  • 任せる範囲: 広告だけか、商品ページ込みか、Amazon運営全体か
  • 依頼先のタイプ: 広告運用特化型、総合支援型、総合広告代理店、業務委託の人材
  • 最初の3か月で見るもの: 1か月目の兆候、2か月目の数字、3か月目の利益

次の一歩は、自社の月間広告費と粗利率を手元に用意することです。

  • 手数料率型と月額固定型の年間総額を計算する
  • 利益が残るACOSの上限を計算する
  • 任せたい範囲を3段階のどれにするか決める

この3つがそろえば、依頼先との面談で自社の条件をそのまま伝えられます。

SOKKIN MATCH

SOKKIN MATCHは、プロのマーケター・クリエイターを業務委託で活用できるマッチングサービスです。元大手広告代理店出身のトップマーケターが課題を整理し、最適なプロ人財をアサインします。

サービスの詳細を見る
SOKKIN ACADEMY

SOKKIN ACADEMYは、マーケターを社内で育てるeラーニング(動画学習)サービスです。現役マーケターが設計したカリキュラムで学び、外注に頼らず判断できる人材を育てることをめざせます。

サービスの詳細を見る
               
  • class="cat-item cat-item-"
  • //子カテゴリーのidを入れる        
この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

マーケティング
タイトルとURLをコピーしました