見積もりは届いたが、手数料20%が自社にとって高いのか安いのか判断がつかない。任せたい気持ちはあるが、誰に頼めば当たりを引けるのかも分からない。
広告運用の代行は、任せる範囲と手数料の型と広告アカウントの名義を発注前に決めれば、担い手を選べます。代行に出すかどうかは、広告費の大きさでは決まりません。手数料の型を見て実質の負担率を出し、任せる範囲と広告アカウントの名義を決めれば、代理店と個人と内製のどれを取るかは自社の数字で決まります。
読み終えたときには、代理店に出す、個人に任せる、今は出さない、のどれかを自分で選べるようになります。あわせて、手数料の実質負担率の出し方、成果を判断できる時期の計算手順、発注前に自社で決めておく6つの項目についても扱います。
広告運用代行に任せられる業務と発注側に残る仕事

広告運用代行に任せられるのは、手順が決まっている実務です。何を売るか、誰に届けるか、いくらまで払うかという決定は、誰に任せても発注側に残り続けます。まず「任せられる範囲」と「残る決定」を分けて把握することが、発注条件を決める出発点になります。
代行に任せられる5つの業務
代行に任せられる実務は、大きく5つの工程に分かれます。それぞれの工程で何が出力されるかを見ると、見積もりの中身が具体的につかめます。
| 工程 | 出力されるもの |
|---|---|
| 戦略と媒体の選定 | どの媒体にどれだけ予算を配分するかの方針 |
| 広告アカウントの構築 | 運用できる状態に整えたアカウント |
| クリエイティブの制作 | 入稿できる広告素材 |
| 入札と配信の運用 | 日々の入札調整と配信の管理 |
| 計測とレポート | コンバージョンの実績データと定期報告 |
見積もりの相談は、入札と配信の運用や計測とレポートから始まることが多く、その手前にある戦略と媒体の選定が誰の仕事になるのかは、契約前にはっきりしていないことがあります。5つの工程を単位に見積もりを比べると、金額の違いが何の差なのかが見えてきます。
代行しても発注側に残る決定
代行に出しても、発注側に残る決定が4つあります。何を売るか、誰に届けるか、いくらまで払うか、いつ止めるか、の4つです。これらは代行先がどれだけ優秀でも、外に出した瞬間に消える種類の決定ではありません。任せるほど楽になるのは実務であり、決定そのものは発注側に残り続けます。
代理店と個人に任せる場合の守備範囲
任せる相手には、会社としての代理店に任せる方法と、個人に業務委託する方法と、社内で内製する方法の3つがあります。それぞれ向いている状況と注意点が異なります。
| 任せ方 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 代理店に任せる | 複数の媒体と制作物までまとめて任せたい場合 | 複数の目が入る分、意思疎通の手間は増える |
| 個人に業務委託する | 特定の1〜2媒体に絞って柔軟に任せたい場合 | 特定の人に依存するため、その人が抜けたときの手当てが必要になる |
| 社内で内製する | 判断のスピードと知見の蓄積を優先したい場合 | 運用に割ける時間を継続的に確保できるかが前提になる |
運用手数料の型と実質負担率の出し方

代行の手数料は「率」で語られがちですが、率と最低手数料は別物です。自社の広告費に照らして実質何%を払うのかを先に出せば、複数の見積もりを正しく比べられます。金額そのものの相場は別記事に譲り、ここでは型と計算の手順を扱います。
運用手数料の3つの型
日本広告業協会(JAAA)が2014年(平成26年)に一部改定した運用型広告取引ガイドラインは、代理店が受け取る手数料を3つに整理しています。取扱った広告費に比例するマークアップフィー、取扱った広告費に比例しないフィー、業務内容の追加や成果に応じた付加価値への対価、の3つです。そのうえで、これらの金額は「受託段階に広告会社と広告主の間で取り決める」ものだとされています。
つまり手数料の金額は、業界で一律に決まった相場ではなく、契約の段階で交渉する対象だということです。見積書を見るときは、率が何%かだけでなく、率とは別に最低手数料の設定があるかどうかを必ず確認します。
実質負担率の計算手順
見積書や提案書から、次の3つを確認します。手数料の型(率のみ・率と最低額の組み合わせ・定額・算定の基礎が分からない)、手数料率(率がある型のみ)、最低手数料の月額(設定がある場合のみ)です。あわせて自社の月間広告費と、3か月以内に広告費を増やす予定があるかどうかも確認しておきます。
- 算定の基礎が特定できない場合(成果に対して何%かが分からない場合など)は、まず見積書で基礎を特定してから比べます。
- 広告費が未定、または0円の場合は、まず出稿予定額を決めます。
- 型に応じて実質負担率を出します。率のみ型なら実質負担率は率そのままです。率と最低額の組み合わせ型なら、最低額を率で割った金額を分岐点とし、広告費が分岐点以上であれば実質負担率は率のまま、分岐点未満であれば実質負担率は最低額を広告費で割った値になります。定額型なら、定額を広告費で割った値が実質負担率です。
- 実質負担率が率と一致する場合は、率のまま複数社を比べられます。実質負担率が率を上回る場合、または率そのものが存在しない場合は、広告費を増やす予定があるなら増額後の前提で比べ、それまでは契約期間を短く保ちます。増やす予定がないなら、同じ月額で代理店・個人への業務委託・内製を比べます。
たとえば、率20%・最低手数料10万円という見積もりなら、分岐点は10万円を20%で割った50万円です。月間広告費が50万円を下回ると、実質負担率は率より高くなります。率だけを見て複数社を比べても、最低額に当たっている広告費の帯では比較になりません。分岐点を先に出しておけば、自社の数字だけで結論が出ます。
手数料の条件が交渉で決まる範囲
同じガイドラインには、営業時間外の対応についての定めもあります。各社が定める営業日・営業時間を超える業務について追加手数料を請求する場合、代理店は事前に受託条件を通知しなければならない、とされています。見積書を確認するときは、率と最低額に加えて、追加費用が発生する条件と、その通知方法も合わせて確認しておきます。
手数料は代行先が担う工数への対価であり、率の高さそのものが不誠実さを示すわけではありません。実質負担率を出したうえで、その負担が任せる業務量に見合っているかを判断します。
▼ 広告費そのものの相場と予算別の運用イメージはこちら

成果を判断できる時期の見積もり方

「いつ成果が出るか」の答えは、代行先の当たり外れではなく、自社のコンバージョンサイクル(クリックが発生してからコンバージョンが発生するまでにかかる時間)によって変わります。この期間を計算しておけば、契約期間の中で判断できるかどうかも同時に分かります。
自動入札の学習にかかる期間
Googleの広告ヘルプでは、新しい目標に合わせて入札戦略が調整されるまでに、最長で3週間、またはコンバージョンサイクルの1〜2回分が必要になることがあると説明されています。この期間の長さは、獲得したコンバージョンの件数、コンバージョンサイクルの長さ、選んだ入札戦略によって変わるとされています。
判断できる時期の計算手順
自社の数字を当てはめて、判断できる時期を計算します。
- 直近3か月の月あたりのコンバージョン件数と、コンバージョンサイクルの日数を確認します。どちらも読めない場合は、まず計測を整えることが先になります。
- 入札の学習にかかる期間を3週間とします。
- 成果の評価に必要な期間を、コンバージョンサイクルの2回分とします。
- 学習期間と評価期間を足した日数が、配信を始めてから成果を判断してよい日数になります。
- この日数が提示された最低契約期間の中に収まっていれば、契約期間内に判断できます。その日を初回の評価タイミングとして契約前に共有しておきます。日数が契約期間を超える場合は、契約期間の中では判断がつきません。最低契約期間か初回評価の扱いを、契約前に決め直します。
たとえば、月あたりのコンバージョンが5件でサイクルが45日かかる商材なら、学習の21日に評価期間の90日を足して111日です。契約期間が90日であれば、この契約の中では判断がつかないということになります。検討期間の長い商材ほど、短い契約期間では成果を判断しきれません。
学習中に設定を変えるときの線引き
学習期間中に設定を変えると、また調整期間に戻ってしまうのではと心配になりますが、入札アルゴリズムの学習の仕組みには、コンバージョン一件あたりの目標費用や、広告費に対する目標の売上倍率といった目標値を変更しても、それまで学習した内容がリセットされることは一切ないと明記されています。一方で、入札戦略のステータスの説明によると、入札戦略の設定そのものを変更した場合は、あらためて調整期間に入るとされています。発注後は、目標値の調整と入札戦略そのものの変更が別物であることを、代行先とあらかじめ共有しておきます。
代理店と個人と内製の比べ方

どの担い手が正しいかは、広告費の規模では決まりません。任せる範囲の性質と、社内に判断を返せる人がいるかどうかと、目的がコストか品質かの3つを順に確認すれば、自社に合う担い手が決まります。
担い手で成果が変わる理由
広告の買い方には、決まった枠を買うため誰が運用しても結果が変わらない買い方と、運用のしかたによって結果が変わる買い方があります。いま主流のWeb広告のほとんどは後者です。だから「どの会社に頼むか」よりも「誰が手を動かすか」で結果が変わります。
3つの担い手を同じ軸で並べた比較
代理店・個人への業務委託・内製の3つを、同じ評価軸で並べます。
| 評価軸 | 代理店 | 個人への業務委託 | 内製 |
|---|---|---|---|
| 任せられる範囲の広さ | 複数媒体と制作物までまとめて任せられる | 絞った範囲に強い | 社内の余力次第で決まる |
| 運用の質の振れ幅 | 体制でならされ、振れ幅は小さい | 担当者個人に強く依存する | 採用と育成の質に依存する |
| 社内に残るもの | レポートと方針が残る | 運用ノウハウの一部が残る | 判断も実務もすべて残る |
| 費用の決まり方 | 手数料と媒体費の組み合わせ | 稼働時間と単価で決まる | 人件費として発生する |
| 立ち上げの速さ | 契約後すぐに始められる | 契約後すぐに始められる | 採用に時間がかかる |
| やめるときの手間 | 引き継ぎの調整が必要になる | 契約終了の手続きのみで済む | そもそも発生しない |
3択の判定手順
3つの問いに順番に答えると、担い手が決まります。
- 任せたい範囲に「何を売るか・誰に届けるか」の決定が含まれるかを確認します。含まれる場合、その決定は内製に残ります。含まれない範囲だけを次の問いにかけます。
- 月に数時間でも、出す・止めるの判断を社内の誰かが返せるかを確認します。返せる人がいなければ、いまは出さないという結論になります。受け皿を作るか、範囲を1媒体に絞るところから始めます。返せる人がいれば次の問いに進みます。
- 発注の目的が、社内の工数を外に出すこと(コスト)なのか、運用の質を上げること(品質)なのかを確認します。コストが目的、または複数媒体と制作物までまとめて任せたいなら代理店に任せます。品質が目的で、範囲が1〜2媒体の運用と改善であれば、個人への業務委託を選びます。どちらとも言えない場合は、1媒体を個人から始め、範囲を広げるときに代理店を検討します。
受け皿がないうちは、どの担い手を選んでも結果は同じになります。相手の判断で進めるしかないためです。まず社内に判断を返せる人がいるかを確認してから、担い手の選び方に進みます。
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発注前に自社で決める6項目

代行先が変わっても同じ結果を出すには、渡す前に自社で決めておくことがあります。6項目を1枚にまとめられれば、どの担い手に頼んでも判断がぶれません。
発注要件に書く6つの記載事項
決めていない項目があると、何が起きるかも合わせて確認します。
| 決める項目 | 決まっていないと起きること |
|---|---|
| 何のために出すか(売上・商談・採用のいずれか) | 相手が最適化する先が定まらず、指標だけが並ぶレポートが届く |
| 何をもって合格とするか(コンバージョンの定義と、1件あたり許容できる額) | 成果の良し悪しを相手の基準で判断されることになる |
| いまの状況(現在の月間広告費・使っている媒体・過去の実績) | 前提を知らない相手が、ゼロから同じ失敗をやり直す |
| 任せる範囲(媒体・制作物・レポートの粒度) | 見積書の範囲が相手ごとに違い、金額を比べられない |
| 決める人と、返せる判断の量(社内の意思決定者と、月に使える時間) | 判断が止まり、相手が自分の判断で進めるしかなくなる |
| 広告アカウントの名義と管理者権限(誰が作り、誰が管理者を持つか) | あとで代行先を変えるときに、自社では手続きができない |
6項目すべてを1枚に書けていれば、提案を依頼してよい状態です。1項目でも書けない項目があれば、そこを先に決めます。5項目が書けていても残り1項目が欠けていれば、扱いは変わりません。書けないまま出さないことが原則です。
広告アカウントの名義と管理者権限
Googleの広告アカウントのアクセス権は、管理者・標準・読み取り専用・お支払いとご請求・メール専用の5段階に分かれています。キャンペーンを編集できるのは標準と管理者で、アクセス権の付与や変更ができるのは管理者だけです。さらに、クライアント アカウントのオーナー権限については、代行先が新しくアカウントを作成すると、その代行先が自動的にそのアカウントの所有者になります。一方、自社が用意した既存のアカウントを代行先の管理の仕組みにリンクした場合、所有者としての権限(オーナー権限)は自動的には渡りません。
Yahoo!広告(LINEヤフー広告)にも、アカウントの権限を管理する機能があり、他社が発行したIDをアカウントに招待して運用権限だけを渡すことができます。媒体ごとに権限の仕組みは異なるため、任せる媒体が複数あるなら、媒体ごとに名義と権限を確認しておきます。
渡し方で成果が変わる依頼の書き方
依頼の渡し方によっても、成果は変わります。「この内容で大丈夫か確認してください」という漠然とした依頼より、「今回決めたのは想定読者と合格ラインで、特に合格ラインの認識合わせをお願いします」のように、確認してほしい対象を限定して伝えるほうが、相手の判断の精度が上がります。
任せる媒体の範囲と予算配分の決め方
予算をどの媒体に配分するかは、まず市場全体で予算がどう集まっているかを知り、そのうえで自社の顧客がどの段階にいるかで決めます。すべての媒体を同時に任せる必要はありません。
媒体別に予算が集まっている構成
読者の状態で決める媒体の順序
自社の顧客がすでに商品やサービスを「探している」段階なら、検索連動型から任せるのが合理的です。まだ「知らない」段階なら、動画とディスプレイから任せて認知を広げるほうが合います。
媒体数と運用体制の関係
任せる媒体を増やすほど、金額の問題以上に体制の問題になります。1人の担当者がすべての媒体を見る体制になっていないかは、次の見極め方で確認します。
提案と運用体制の見極め方

良い提案かどうかは、会社の規模ではなく組織の層の埋まり方で見分けられます。窓口と運用と制作の役割が分かれているかを面談で確認する質問を持っておけば、担当者ガチャを避けられます。
代理店組織の3層構造
提案してくる相手の組織は、顧客の窓口に立つ役割、媒体ごとに効果を追う役割、制作や分析を担う役割の3層で見ると読み解けます。研修で扱われている整理では、危険信号として、実際の人員よりも人数を多く見せた体制図であることが挙げられています。提示された体制図の人数と、次の質問に対する回答が一致しているかを確認します。
提案で確認する体制の質問
面談でそのまま使える質問と、注意すべき回答をまとめました。
| 面談で使う質問 | 注意すべき回答 |
|---|---|
| この案件では、窓口の方と実際に媒体を触る方は同じ方ですか | 「基本的に担当が一貫して見ます」(兼任かどうかを答えていない) |
| 媒体ごとの担当は何名体制で、他に何社を担当されていますか | 「十分な人数で対応します」(人数を答えていない) |
| 入札や配信の設定を変更するとき、確認は何人で行いますか | 「経験豊富な担当が対応するので問題ありません」(体制ではなく人の話にすり替えている) |
| 初回の評価はいつ、何を見て行いますか | 「毎月レポートをお出しします」(評価の時期と基準を答えていない) |
事故を防ぐチェック体制の有無
運用の事故には、誰がやっても起こりうる型があります。入札単価の桁を間違える、配信の停止や開始の操作を漏らす、計測タグを二重に計上する、といった型です。研修で扱われている危険度の目安でも、この3つは特に発生しやすいものとして挙がっています。属人的な注意力に頼るのではなく、ダブルチェックとフォーマット化された手順を持つ相手を選びます。
経歴だけで決めた発注の失敗例
見てきた中では、経歴の情報だけで人選を決めて後悔するケースが少なくありません。株式会社AdAIでは、広告運用は担当者の経験や実力によって効果が大きく変わると感じており、経歴だけを見てこの人はすごい人だと採用を決めたものの、実際のスキルは期待に伴っておらず、契約期間に縛られてしまう不安も抱えたといいます。同様の結果を保証するものではありませんが、経歴の情報だけで判断せず、体制の質問と組み合わせて確認する必要性を示す例です。
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代行を見送る条件と自社で進める一歩
実質負担率が高すぎる、社内に判断を返せる人がいない、発注要件の6項目が埋まらない、のいずれかに当てはまるなら、いまは代行を見送るのが合理的な判断です。見送ることは終わりではなく、次の準備の始まりです。
いま代行に出さない方がよい状況
見送ったほうがよい状況には、3つの典型があります。実質負担率が払える額に収まらず、広告費を増やす予定もない状況。社内に月数時間の判断を返せる人がいない状況。発注要件の6項目のうち、書けない項目が残っている状況です。どれか1つでも当てはまるなら、発注を急ぐ前にそこを片付けます。
1媒体だけ自社で回して確かめる手順
見送るという判断は、何もしないという意味ではありません。1媒体だけ自社で運用してみることで、次に何を外に出すべきかが分かります。想定読者を1人決め、その読者が持つ問いを1つ選び、1媒体で実際に配信し、どこで手が止まったかを記録します。手が止まった箇所こそ、次に外へ出す工程になります。
代行しても発注側に残る責任
よくある質問
本文で扱いきれなかった論点をまとめます。
Q. 広告運用代行とは何ですか。
広告運用代行とは、Web広告の戦略立案から入札調整、レポーティングまでの実務を、代理店や個人の専門家に任せることです。ただし何を売るか、誰に届けるか、いくらまで払うかという決定は、任せても発注側に残ります。実務と決定を分けて考えると、任せてよい範囲が見えてきます。
Q. 広告運用代行の費用はどのくらいかかりますか。
金額は手数料の型と、最低手数料の設定があるかどうかで変わるため、率だけでは判断できません。見積書から手数料の型と最低額を確認し、自社の広告費に照らして実質何%を払うのかを計算することが、金額を判断する前に必要な手順です。具体的な費用相場は別記事で確認できます。
Q. 広告代理店は怪しいですか。
代理店という業態そのものが怪しいわけではありません。組織の層がどこまで埋まっているか、面談での質問にどこまで具体的に答えられるかで、相手の体制を見極められます。窓口と運用の役割が分かれているか、入札や配信の変更を何人で確認しているかを、契約前に確認してみてください。
Q. 月の広告費が少なくても代行を頼めますか。
頼めるかどうかは、最低手数料の設定次第で実質負担率が変わります。最低額を率で割った分岐点を下回る広告費であれば、実質負担率は率より高くなります。それでも増額の予定があるなら増額後の前提で比べ、予定がないなら個人への業務委託や内製など、他の担い手とも比べてみます。
Q. 代行先を変えたら運用データはどうなりますか。
Googleの広告アカウントは、代理店側の管理の仕組みとのリンクを解除しても、アカウントの履歴が失われることはないと公式に説明されています。ただしその手続きには管理者権限が必要になるため、自社が管理者権限を持っているかどうかを事前に確認しておきます。
Q. 一部の媒体だけ任せることはできますか。
任せる媒体を絞ることは可能です。むしろ検索連動型か、動画とディスプレイかのどちらから始めるかを決めて、範囲を絞ったほうが、体制の確認もしやすくなります。
Q. 社内に広告の担当者がいなくても任せられますか。
社内に月に数時間でも判断を返せる人がいなければ、任せてもその場しのぎになりやすくなります。まず1媒体に絞って社内で判断できる体制を作り、それでも手が回らない範囲から代行を検討する順番が実務的です。
まとめ 広告運用代行の発注条件の決め方
広告運用代行の発注条件は、次の3点で決まります。率ではなく実質の負担率で比べること。任せる範囲と社内の受け皿と目的の順で担い手を決めること。広告アカウントの名義と管理者権限を発注前に決めておくことです。
明日からできることは次の4つです。
- 見積書から手数料の型と最低額を書き出す
- 自社のコンバージョンサイクルから判断できる時期を出す
- 発注要件の6項目を1枚に書く
- 広告アカウントを誰の名義で作るか決める
この4つを終えても、実質負担率が見合わず、社内に判断を返せる人もいないなら、いまは代行を見送るという選択も残ります。見送った場合も、1媒体だけ自社で回してみることが、次の一歩になります。
条件が整理できたら、次は実際に任せる相手を探す段階です。
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自社の顧客データや、自社の商品が選ばれている理由を渡さないと、相手はその判断材料を持てないまま進めることになります。丸投げと発注の違いは、発注側が判断の材料まで渡すかどうかにあります。