広告運用の兼務は続けるべき?本業と両立できるかの判断基準

広告運用の兼務は続けるべき?本業と両立できるかの判断基準 マーケティング

広告運用を兼務のまま続けるか迷ったら、本業と広告作業が重なる量を数え、持たせる範囲と預ける広告費に上限を置けるかで決めます。上限を置けるなら兼務は続けられ、置けないなら範囲を絞るか、一部を外に出すか、専任にするかへ進みます。「兼務は失敗する」「兼務でも回せる」と意見が割れるのは、会社ごとに本業の忙しさも預ける額も違うからです。この記事を読むと、本業との重なり、1人に持たせる範囲、預ける広告費と権限、本業が詰まった週の運転、習熟の時間、本業側の損失、やめる合図を自社の数字で順に確かめ、「続ける・絞る・分ける・専任にする」のどれに寄るかを決められます。

広告運用を兼務すると起きやすいこと

広告運用を兼務すると起きやすいこと

兼務の広告運用で起きる問題は、改善が止まること、広告側と本業側の両方に損失が出ること、役割があいまいなまま担当が決まることの3つに分かれます。3つは別々に手を打てるので、自社でどれが起きているかを先に見分けてください。

本業の合間では改善まで手が回らない

兼務の運用は、配信を止めないための確認で手一杯になり、成果を伸ばす改善が後回しになりやすいです。改善には考える時間がまとまって要りますが、本業の合間の細切れの時間では、手を付ける前に次の本業が来ます。

見分ける目安は、最後に設定を変えたのがいつかです。何か月も変わっていなければ、改善が止まっています。兼務ではこの止まり方が本業の繁忙期と重なって起きるため、設定を変えた日を本業のカレンダーと見比べると、どの時期に止まりやすいかまで分かります。

広告側と本業側の両方に損失が出る

兼務の損失は、広告の数字だけを見ていると半分しか見えません。広告側の取り逃しと無駄なクリックに加えて、本業側にも損失が出ます。

本業側の損失は、広告に割いた時間の分だけ元の仕事が遅れることです。営業なら商談の準備や追客、制作なら納期に響きます。広告の担当を別に置く運用では出てこない、兼務だけの損失です。

この遅れは広告の管理画面に出てこないうえ、本業の上司と広告を見る上司が別の人だと、どちらの報告にも載りません。上司が判断するときは、広告側と本業側を月あたりの金額にそろえて並べます。金額への直し方は、後半の上司の判断で扱います。

役割があいまいなまま担当が決まる

兼務の担当は「広告に詳しそうだから」という理由で決まりやすく、目的・権限・引き継ぎが決まらないまま運用が始まります。この状態が続くと、運用の中身を担当者しか知らない形になります。

目的が無いと、担当者は何を増やせば評価されるのか分からず、配信を続けること自体が目的になります。権限が無いと、予算を変えるたびに誰かに聞くか、1人で大きな額を動かすかのどちらかに振れます。引き継ぎが無いと、担当者が休んだ日や異動した日に、ログイン情報も設定の意図も誰にも分かりません。

担当を決めるときは、この3つを1枚の紙に書き、上司と担当者で同じものを持ってください。

兼務のまま続けられるかの見極め方

兼務のまま続けられるかの見極め方

兼務を続けられるかは、担当者の職種名では決まりません。本業が忙しい日と広告作業が要る日がどれだけ重なるかで決まります。同じ営業職でも、締め日に追われる会社と予定を組みやすい会社では答えが変わるため、重なる量を自社のカレンダーで数えます。

兼務が成り立ちやすい条件

本業と広告が近い仕事なら、兼務はむしろ判断を速くします。全体を1人で見渡せるので、数字の変化から打ち手までの間が短くなるからです。

制作の担当者なら、反応の悪いバナーや着地ページをその日のうちに作り直せます。営業の担当者なら、広告から来た問い合わせの質を商談で直接確かめ、狙う客層の修正に生かせます。広告を別の部署が持つ会社では、こうした行き来に数日かかることもあります。

ただし近さだけでは足りません。次の3つがそろっていれば、兼務は成り立ちます。

  • 毎日決まった時間帯に管理画面を確かめる時間を、本業の予定より先に押さえてある
  • 迷ったときに相談できる相手が、社内か社外に決まっている
  • 何を成果と数えるかが、上司と担当者の間で決まっている

本業の繁忙に広告作業を重ねる判定表

重なる量は、本業の月間カレンダーに広告作業を重ねると数えられます。「たぶん回る」と頭の中で考えるより、動けない日を書き出すほうが判断を誤りません。

まず、翌月のカレンダーに本業で動けない日と時間帯を書き込みます。締め日、出張、納品の前、繁忙期の会議などです。次に、広告作業を頻度ごとに置き、重なった回数を数えます。

広告作業 頻度 本業で動けない日・時間帯 重なる回数(月)
毎日の配信確認 毎日 書き込む 数える
週次の改善 週1回 書き込む 数える
月次の見直し 月1回 書き込む 数える

読むのは頻度の高い行からです。毎日の確認が重なる日は、事故が起きても気づけないため、代わりに見る人を先に決めます。週次の改善が重なる週が続くなら改善は止まると見て、持たせる範囲を絞ります。月次の見直しは、日程をずらせば済みます。

本業の重なりで決める兼務者に持たせる範囲

本業の重なりで決める兼務者に持たせる範囲

兼務者に持たせる範囲は、媒体の数ではなく、本業と重なる量で決めます。同じ1媒体でも、締め日が毎週ある人と月に一度の人では、持てる作業が違うからです。重なりが少ない人には広く、多い人には狭く持たせます。

判定表の重なりで範囲を3段に分ける

判定表で数えた重なりを、持たせる範囲に直します。見るのは、本業と重なっても続けられる作業がどこまでかです。

判定表の重なり 兼務者に持たせる範囲 兼務者から外すもの
週次の改善が重なる週がほとんど無い 毎日の確認、週次の改善、月次の見直しの一式 なし
週次の改善が重なる週が続く 毎日の確認と月次の見直し 週次の改善。本業の空く週にまとめるか、別の人と分ける
毎日の確認も重なる日がある 代わりに確認する人を決めたうえで、毎日の確認だけ 改善と見直し。別の人に移す

今いる段より上の範囲は持たせません。媒体を増やすときは、増えた作業を判定表に足し、重なりを数え直してから段を決めます。バナーの制作や報告資料づくりなど、広告の周りの仕事も任せているなら、その作業も判定表の行に入れてから読みます。

仕事を足すたびに範囲を確かめ直す

兼務者の仕事は、一度に決まるより、少しずつ足されることのほうが多いです。広告を任せた後に、サイトの更新、SNS、資料づくりと、近い仕事が順に加わります。どれも1つずつは小さく、頼む側も頼まれる側も断る理由を見つけにくいからです。

足すたびに判定表に行を加え、範囲の表のどの段にいるかを確かめ直してください。段が下がるなら、新しい仕事を足す代わりに何を外すかを、上司と兼務者で同時に決めます。足すだけで外すものを決めない状態が続くと、本業も広告も少しずつ遅れ、どこから崩れたのか分からなくなります。

兼務者に預ける広告費と権限の線引き

兼務者に預ける広告費と権限の線引き

兼務者に預ける広告費は、担当者をどれだけ信頼しているかで決めません。事故が起きたときに失う最大の額で決めます。兼務の運用は異常に気づくまでの日数が延びやすく、信頼できる担当者でも、見ていない日の事故は防げないからです。

事故が起きたときの最大損失の見積もり

最大損失は次の式で見積もり、許容できる額から日予算の上限を逆算します。

最大損失=日予算の上限×異常に気づくまでの日数

まず、設定の誤りなどで成果のない費用が出たとき、会社として失ってもよい額を上司が決めます。次に、異常に気づくまでの日数を数えます。毎日確かめるなら短く、平日しか見ない運用なら週末と連休の分だけ長くなります。許容できる額を気づくまでの日数で割った額が、日予算の上限の目安です。

日予算の上限や、費用が急に増えたときの通知を設定できるかは、使っている媒体の管理画面で確かめてください。設定できるものは、運用を始める前に入れておきます。

承認する人と変更できる範囲の決め方

権限は、予算を増やす、新しい配信を始める、配信を止めるの3つに分け、それぞれ誰が決めるかを書面にします。分けておけば、兼務者が1人で背負う判断が減り、上司も何を承認したかを説明できます。

判断 決める人 理由
予算の増額 上司が承認 最大損失が変わるため
新しい配信の開始 上司が承認 想定外の費用が出る入口になるため
配信の停止 兼務者が単独ですぐ決める 止めれば損失が広がらないため
承認済みの範囲での入札・広告文の変更 兼務者 改善の速度を落とさないため

この線引きで外せないのは、停止を兼務者が単独で決められるようにすることです。異常に気づいた人が承認を待たずに止められれば、損失の日数に承認待ちの日数が足されません。

本業が詰まった週に広告でやることの決め方

本業が詰まった週に広告でやることの決め方

本業が詰まる週が来る前に、その週に広告で何だけをやるかを上司と決めておきます。詰まってから考えると、目に付く作業から手を付けてしまい、抜けてはいけない確認が抜けるからです。

本業の忙しさで3段に分ける縮小運転

本業の状態を3段に分け、段ごとに広告でやることとやらないことを決めます。やらない作業は、数週間止めても成果がすぐには崩れないものから選びます。

本業の状態 広告でやること やらないこと
通常の週 毎日の確認、週次の改善、月次の見直し なし
締め日や納品前が入る週 毎日の確認だけ 週次の改善、広告文の細かい比較、新しい媒体や配信方法の試し、報告資料の体裁づくり
出張や繁忙期の行事で終日動けない日が続く週 毎日の確認を、決めておいた代わりの人に渡す 兼務者の広告作業すべて

毎日の確認で最初に見るもの

毎日の確認は数分で終わる形にまとめ、本業の予定の前に置きます。中でも見落とされやすいのが、成果の計測が止まっていないかの確認です。計測が止まっても配信は続くため、費用だけが出て成果が記録されず、改善の判断もできなくなります。縮小運転の週ほど管理画面を見る時間が短くなるので、この確認を最初に置きます。

やらない作業を上司と共有する

縮小運転に入るときは、「何を、いつまでやらないか」を上司に一言で伝えます。上司が知らないまま止まった作業は放置と見なされ、合意して止めた作業は計画の一部になります。

代わりの人も、詰まる週が来てから探すのでは間に合いません。判定表を書いた時点で終日動けない日が続く週を見つけ、その週に毎日の確認を受け持つ人と、その人が異常に気づいたら配信を止めてよいことを決めておきます。縮小運転が何週も続くなら、一時的な忙しさではなく範囲が合っていない合図なので、持たせる範囲を決め直します。

未経験の兼務者が独り立ちするまでの時間

未経験の兼務者が独り立ちするまでの時間

未経験の兼務者が独り立ちするまでの期間は、最初に決めないでください。先に決めるのは、習熟に使う時間と、見直す時点の2つです。期間は人によっても本業の忙しさによっても変わりますが、確保する時間と見直しの時点は会社が決められます。

習熟に必要な時間の見積もりと見直し時点

習熟に充てる時間の合計は、次の式で出します。

習熟に使う時間の合計=習熟に使う週あたり時間×見直しの時点までの週数

週あたりの時間は、本業の予定より先にカレンダーへ入れます。見直しの時点も、始める前に日付で書面にしておきます。

見直しの時点では、次の3つができているかを確かめます。

  • 毎日の確認を1人で終えられる
  • 数字が動いた理由を自分の言葉で説明できる
  • 次に試す改善を1つ提案できる

届いていなければ、時間を増やすか、持たせる範囲を絞るか、教える相手を足すかを、その場で決めます。

任せる範囲を段階で広げる

未経験の兼務者には、最初から一式を任せず、範囲を段階に分けて広げます。兼務では学ぶ時間が限られるため、一度に覚える量を絞るほうが、迷っている時間が減るからです。

最初は毎日の確認だけを任せ、慣れたら週次の改善、さらに慣れたら予算の配分の提案へと広げます。次の段へ進めるのは、見直しの時点の3つの確認のうち、今の段に当たるものができてからです。

段を上げる時期は、本業の閑散期に合わせます。新しい作業を覚える週と本業の繁忙が重なると、覚える時間が真っ先に削られ、段を上げたのに作業が回らない状態になるからです。判定表で本業の重なりが少ない月を選び、その月に次の段を始めます。

本業側の損失を含めた上司の判断

本業側の損失を含めた上司の判断

上司は、広告側の損失と本業側の損失を同じ単位にそろえて比べ、そのうえで決めます。片方だけを見ると、広告の数字が伸びても本業が崩れている状態を見逃すからです。単位は月あたりの金額にそろえます。

本業の遅れを月あたりの金額に直す

本業側の損失は、次の式で月あたりの金額に直します。

本業側の損失(月)=兼務で遅れた本業の件数×1件あたりの粗利(または影響額)

件数は、兼務を始める前と後で比べて数えます。営業なら対応しきれなかった商談や追客、制作なら遅れた納品や断った依頼が当たります。

1件あたりの粗利が出しにくい仕事は、影響額で置き換えます。遅れを取り戻すための残業代や、手が回らない分を外に頼んだ費用などです。数字があいまいなら、低めの値と高めの値の両方で計算しておくと、判断がぶれにくくなります。

広告側の損失と並べて優先度を決める

広告側の損失も月あたりの金額に直し、本業側と1枚に並べてから、どちらに時間を寄せるかを決めます。並べておけば、優先度を感覚ではなく金額の大きさで説明できます。

損失 月あたりの金額の出し方
広告側:無駄なクリック 成果につながらなかった語句や配信先にかかった費用
広告側:取り逃し 改善が止まっていた間に取れなかった成果の見込み。幅が大きいため低めの値で置く
本業側:遅れ 遅れた本業の件数×1件あたりの粗利(または影響額)

広告側が大きいなら、本業の一部を他の人に移して広告に時間を寄せます。本業側が大きいなら、広告の範囲を絞るか、広告を外に出します。

兼務者の評価の扱い

兼務者の評価に本業の遅れを含めるかも、ここで決めます。会社が兼務を命じた以上、合意した配分の範囲で出た本業の遅れは本人の減点にしないのが筋です。合意を超える遅れが出たら配分を見直すと決めておけば、担当者は遅れを隠さずに報告できます。

評価の場では、本業と広告を分けて見ます。本業の目標は兼務に割く時間を差し引いた量に置き直し、広告は成果の数字と、縮小運転の週に確認が抜けなかったかで見ます。本業の上司と広告を見る上司が違う会社では、2人が同じ表を見て評価を決めないと、兼務者はどちらからも満点を求められます。

兼務をやめる合図の数字を始める前に決める

兼務をやめる合図の数字を始める前に決める

兼務をやめるかどうかは、兼務を始める前に決めた数字で判断します。困ってから考えると、その時の忙しさや担当者への遠慮で判断が揺れるからです。始める時点で、どの数字がどうなったら形を変えるかを書面にしておきます。

続ける・絞る・分ける・専任の選び分け

判定表の重なり、持たせる範囲の段、最大損失、損失の比較の4つの結果を1枚の表に並べ、当てはまる行で4つのどれに寄るかを読みます。外に出す手段も、社内で回す手段と同じ軸で並べます。

4つの選び方の比較

選び方 寄る条件 社内に必要なもの 注意点
続ける 重なりが少なく、範囲の一式を持て、最大損失が許容額に収まる 毎日の確認の時間 見直しの時点を決めておく
絞る 一式は持てないが、週次の改善を外せば毎日の確認と月次の見直しは回る やらない作業の合意 絞った分の取り逃しを月に一度見る
分ける(社内の別の人・代理店・業務委託の個人) 毎日の確認も代わりの人なしでは回らない、または最大損失が許容額を超える 成果の定義と判断役 費用がかかり、任せる範囲を決める手間が出る
専任にする 広告側の損失が本業側を上回る状態が続く 採用か配置換えの余地 採用には時間がかかり、すぐには埋まらない

表の読み方

上の行から順に確かめ、最初に条件を満たした行が寄る先です。どの行にもはっきり当てはまらないときは、今の形を続けたまま見直しの時点を早めます。数字がそろわないうちに形を変えるより、数字を取りながら待つほうが判断を誤りにくいからです。

分けると決めた場合も、社内の別の人、代理店、業務委託の個人のどれが合うかは、任せたい範囲と予算で変わります。

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事業が伸びる時期に備えて合図を2つ置く

兼務をやめる合図は、判定表の数字で2つ置きます。週次の改善が重なる週が続くことと、縮小運転の週に毎日の確認が抜けた日が出ることです。どの程度続いたら動くかは、始める前に決めてください。

合図を先に置くのは、事業が伸びる時期ほど兼務の限界に気づきにくいからです。事業が伸びると広告の作業が増え、同時に兼務者の本業も忙しくなるため、重なりは両側から増えます。本人は両方を回すのに追われ、形を見直す話を切り出す時間がありません。

外に頼んだ会社に多かったきっかけ

マーケター向けの業務委託マッチングに届いた相談を見ると、担い手が1人きり、兼務、または不在の会社で社内の仕事を引き受けていたのは、多くが別の業務を持つ人か、社長や役員本人でした。外に頼むきっかけとして目立ったのは、事業の拡大で1人の手が追いつかなくなったことです。兼務しているのが社長や役員本人なら、やめるかを決める人と兼務している人が同じになるため、なおさら数字で先に決めておく意味があります。この傾向は、兼務を続ければ失敗するという意味ではなく、事業が伸びたときに形を見直す時期が来るという意味です。

外に出すと失われる本業との近さを補う

広告の一部を外に出すと、兼務のよさだった本業との近さが失われます。営業が兼務していたなら、商談で確かめた客層の手応えが、翌日の配信の見直しに届かなくなります。制作が兼務していたなら、反応の悪いバナーをその日のうちに作り直す流れが、依頼と納品の往復に変わります。

補うには、本業側で得た情報を外の担当者へ渡す道を、外に出す前に決めます。営業なら、広告から来た問い合わせが商談や受注になったか、どんな客層だったかを週に一度まとめて渡します。制作なら、作り直しの依頼を誰が、どの数字を見て出すかを決めておきます。成果の定義や予算の総額など判断の材料は、社内に残したうえで任せます。外に出しても、成果と法律上の最終責任は発注した会社に残るからです。

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広告運用の兼務でよくある質問

兼務の形を変えるときに迷いやすい2つの不安に、短く答えます。

Q. 外に出したあと兼務に戻すときに決め直すこと。

戻すことはできますが、外の担当者がしていた作業を、兼務者がそのまま引き取ることはできません。外の担当者は広告に時間を使える前提で動いていたため、引き取る前に範囲を決め直します。

まず、外に出している間の作業を、毎日の確認・週次の改善・月次の見直しに分けて書き出してもらいます。次に、引き取る人の本業で判定表を作り直し、範囲の表のどの段に入るかを確かめます。一式を持てないなら、週次の改善だけを外に残すなど、一部を外に置いたまま戻す形も選べます。なお、広告のアカウントと計測の設定を自社の名義で持っておくことが、戻すための前提です。

Q. 兼務せずに広告運用の理解を深める方法はあるか。

あります。運用を自分で持たなくても、定例への同席と成果の数字の共有があれば、判断に要る理解は得られます。

定例では、数字の報告に加えて、なぜその変更をしたかの説明を求めます。成果の数字は、広告の管理画面の数字だけでなく、商談や受注につながった件数まで同じ表で見られるようにします。予算の増額と新しい配信の承認を上司が持っておけば、運用を持たないまま要所の判断に関われます。

まとめ

広告運用の兼務は、職種や会社の規模ではなく、自社の数字で続けるかどうかを決められます。判断の順は、本業と広告作業の重なる量を数える、重なりから持たせる範囲を決める、預ける広告費を最大損失から決める、本業が詰まった週の縮小運転を先に決める、習熟の時間と見直しの時点を先に置く、広告側と本業側の損失を同じ単位で比べる、やめる合図の数字を始める前に書面にする、の流れです。

今月決めるのは1つで足ります。まだ形を変えない会社も、次のどれかから始めてください。

  • 翌月のカレンダーに本業で動けない日を書き込み、広告作業との重なりを数える
  • 配信を止める判断は兼務者が単独でできると、上司と担当者で書面にする
  • 兼務をやめる合図にする数字と、見直しの日付を決める
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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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