どのサービスも似て見えて決めきれないなら、業務委託マーケターは、サービスに同じ質問をして答えで比べ、並行して頼む社数と決める日を先に置く形で探すのが近道です。探し先の型を選ぶだけでは決まらず、同じ型のサービスでも、何と聞いたかで確かめられる中身に差が出ます。
この記事では、サービスに聞く質問と答えの読み方、並行して頼む社数・会う人数・決める日の出し方、前回うまくいかなかったときに次の探し先で変える所を、順に説明します。求人の掲載や紹介で探して合わなかった企業が、同じ所でまた止まらないための見直しの手順も含めています。
探し始める前に決めておく3つの前提

サービスを比べる前に、頼む場面・頼む中身・稼働までの流れの3つを社内で決めておくと、相手の答えを自社に当てはめて読めます。決めないまま相談すると、どの答えも良く見えて比べられません。
1つ目は頼む場面です。社内に担当者がいない、採用が間に合わない、特定の施策だけ手が足りないなど、なぜ外の人に頼むのかを1文にしておきます。
2つ目は頼む中身です。任せる業務、週や月あたりの稼働量、何をもって成果とみなすかを決めます。業務委託で外に頼んでも、成果と法律上の最終責任は頼む側に残ります。
3つ目は流れです。相談、候補の提案、面談、契約、稼働開始の順に進むので、稼働を始めたい日から逆に、いつ相談を出すかを考えておきます。

探し先の型とこの記事で比べる軸

探し先は大きく3つの型に分かれます。自社から候補に直接声をかける探し方、登録者の中から自社で選ぶマッチング型、担当者が依頼に合う候補を選んで出すエージェント型です。マッチング型とエージェント型の違いは、候補を選ぶのが自分か、サービスの担当者かにあります。

マッチングサービスを比べる項目と確かめ方

マッチングサービスは、サービス名や宣伝文ではなく、見る項目を決めてすべての相手に同じ質問を投げ、返ってきた答えで比べます。聞き方をそろえると、答えの差がそのまま比べる材料になります。
登録者の出自と得意領域を確かめる質問
登録者の質は、宣伝文の「実績豊富」ではなく、経歴の型と審査の中身を聞いて確かめます。答えが具体的なサービスほど、どんな候補が出てくるかを事前に想像できます。そのまま使える質問は次の4つです。
- 登録している人は、どんな経歴の人が多いですか
- 登録の審査では、何を見て、どうやって確かめていますか
- 1つの依頼に対して、何人くらいの候補を出してもらえますか
- 弊社と同じ領域(例: BtoBの広告運用)を担当した経験のある人はいますか
審査について「面談しています」としか返ってこない場合は、実務のスキルをどう確かめているかを聞き直します。提案の人数は、数そのものより、候補を絞る基準を説明できるかを見ます。領域の経験者については、人数より、過去に担当した施策の規模や期間まで答えられるかで判断します。
費用の発生時点と契約の縛りを確かめる質問
費用と契約は、金額より先に、いつ発生し、どこまで縛られるかを聞きます。ここが曖昧なまま始めると、合わなかったときにやめられるかが分からず、試すこと自体が重くなります。質問は次の5つです。
- 費用は、掲載・成立・毎月のどの時点で発生しますか
- 最低の契約期間はありますか。あるなら何か月ですか
- 最低期間の途中でやめた場合、費用はどうなりますか
- 解約するときは、いつまでに伝える必要がありますか
- 決めた業務の範囲の外を頼みたくなったら、どう扱いますか
答えは、いつ・何か月・いくら発生するかが言える形で返ってくるかを見ます。範囲の外の扱いは、契約後に頼みごとが増えたときの揉めごとを防ぐ項目なので、書面のどこに書かれるかまで確かめておきます。
依頼の条件ごとに重く見る答え
重く見る答えは、依頼の条件で変わります。すべてを同じ重さで比べると、自社に関係の薄い差で決めてしまうため、先に自社の依頼がどれに当たるかを決めてから答えを読みます。
| 依頼の条件 | 重く見る答え | 理由 |
|---|---|---|
| 急いで稼働を始めたい | 相談から候補の提案までの速さ | 提案が遅いと、面談と契約の日程がすべて後ろにずれる |
| 専門性が高い(特定の媒体・業種など) | 審査の中身と、同じ領域の経験者の有無 | 登録者が多くても、経験者がいなければ提案が出ない |
| 短く試してから続けるか決めたい | 最低契約期間と、途中でやめたときの費用 | 試す期間より最低期間が長いと、合わなくても費用が残る |
条件が2つ重なるときは、外せない方を1つ選んで重く見ます。どれにも当たらない依頼なら、費用が発生する時点を最も重く見てかまいません。費用がかかり始める前に候補と会えるかどうかが、比べやすい差になるからです。
質問への答えの読み方の実例
答えの読み方を、マーケターと企業をつなぐ当社のマッチングサービスを例に示します。契約条件の答えは自社の依頼の条件に照らして読み、登録者の答えは候補の稼働の空き方として読むのが要点です。ほかのサービスの答えも、同じ2つの見方で読めます。
契約条件の答えから読み取ること
当社のサービスの契約条件は、次の4つです。
- マッチングが成立するまでは費用がかからない
- 最低の契約期間は3か月で、その前に終えるなら満了までの月の費用も払う
- 解約には1か月前の予告が要り、その形で解約できるのは最低期間が過ぎてから
- 決めた業務の範囲の外を頼むときは、事務局を通す
読み方の中心は、依頼の条件との照らし合わせです。成立する前に見送れば費用はかからないので、候補と会ってから決める余地があります。一方で、短く試したい依頼には、最低期間より短い期間で判断する形は取れません。試す期間を最低期間に合わせられるかを先に決めておけば、契約してから迷わずに済みます。範囲の外の扱いは、頼みごとが増えそうな依頼ほど重く見ます。
登録者の答えから読み取ること
登録している人の経歴を聞くと、型で答えが返ってきます。当社で返ってくる答えは3つの型です。何社もの支援を同時に受け持つ人、代理店や制作の会社に勤めたのちフリーランスになった人、事業会社でマーケや営業の実務を積んでから複業に出た人です。
複数の探し先を並行して使うときの決め方

探し先を並行するか、何社に頼み何人と会っていつ決めるかは、社内で面談に割ける枠と、稼働を始めたい日から決めます。サービスの数や候補の多さから決めると、会う時間が足りなくなるか、決めきれないまま日が過ぎます。
並行するか1つに絞るかの分かれ目
並行するかどうかは、社内で面談に割ける時間と、稼働を始めたい日までの余裕の2つで決めます。面談の時間が取れて急ぎの度合いも高いなら並行し、どちらかが欠けるなら1つに絞ります。
並行すると候補に会える機会は増えますが、面談や日程の調整、各サービスへの返事も増えます。面談に出られる人が限られる会社が並行すると、候補を待たせてしまい、かえって決まるのが遅れます。急ぎでないなら、1つのサービスで条件を詰めながら進める方が、依頼の中身も固まります。
並行するなら、同じ型を重ねず、提案の出方が違う型を組み合わせます。たとえば、自分で登録者を選ぶマッチング型と、担当者が候補を出すエージェント型です。同じ型は候補の集め方が似ているため、届く提案も似やすく、比べる材料が増えにくいからです。
面談の時間も急ぎの理由も無いなら、今は探し始めず、頼む中身を固めることを先にする選択もあります。
候補を比べる軸と期限を会う前に決める理由
候補に会う前に、比べる軸と返事をする期限を決めておきます。軸が無いまま会うと、会うたびに良く見える点が変わり、人数が増えるほど決められなくなります。
軸は3つまでに絞ります。多いと面談のあとで順番が付かないからです。たとえば、自社と同じ領域での担当経験、確保できる稼働、最初の1か月で何を出すかです。面談の前に軸を書き出して全員に同じ質問をし、面談の直後に軸ごとに書き留めます。
期限は、最後の候補に会ってから何日以内に返事をするかで決め、面談の場で候補にも伝えます。業務委託で動く人は複数の依頼を並行して抱えていることが多く、こちらが迷っている間に、別の仕事で空きが埋まることがあるからです。期限を伝えておけば、候補の側も予定を組みやすくなります。
頼む社数と会う人数と決める日の出し方と点検
頼む社数・会う人数・決める日は、決める日から逆に社内の面談の枠を数えて出し、途中の点検日に細った所を見て直します。どこかで聞いた数を借りるのではなく、自社の予定表から出すのがこの手順の要です。
決める日と面談の枠から逆算する
数を出す手順は、次の3段です。
- 稼働を始めたい日から、契約の手続きと準備にかかる日数を引いて、決める日を置く
- 今日から決める日までに、社内で面談に出られる人の空き時間を数え、面談を入れられる枠の数を出す
- 面談の枠を、頼むサービスの数で割り、1社あたりに会う人数にする
枠が少ないなら、頼むのは1社にして、その1社で会う人数に枠を使い切ります。枠に余裕があるときに2社目を足します。1社あたりに会う人数が1人を下回るなら、並行する数が多すぎるという合図です。決める日の前にもう1日、点検日を置いておくと、途中で直す余地が残ります。
途中の点検日に細った所を確かめる
点検日には、探し先を増やす前に、どこで細ったかを決めた数と期限に照らして確かめます。見るのは、提案が予定の人数に届いたか、候補からの返信が期限までに来たか、面談を通った人がいたかの3か所です。
提案の段で細っているなら、探し先を足しても同じことが起きやすいので、依頼の条件を先に見直します。求める稼働とスキルの幅が釣り合っているか、予算が求める稼働に見合っているか、開始の時期をどこまで急ぐかが、決まるかどうかを分けやすい点です。返信の段なら期限の伝え方を、面談の段なら比べる軸を見直します。点検で手を打っても決める日に間に合わないと分かったら、決める日の方を動かします。
前回うまくいかなかった企業の探し直し方

探し直すときは、探し先を変える前に、前回どの段階で止まったかを1つに決め、そこだけを変えます。止まった所を決めずに探し先だけを替えると、同じ段でまた止まりやすくなります。
前回止まった段階を見分ける手順
前回止まった段階は、記憶ではなく、やり取りの記録を並べて決めます。手順は次のとおりです。
- 前回の相談のメール、提案された候補の一覧、面談のメモ、契約後の連絡を、日付の順に並べる
- 提案が来ない/会っても合わない/決めきれない/契約したあとに止まった、の4つの段のうち、最初に止まった段を1つ選ぶ
- その段より前でうまくいった条件(頼んだ業務の書き方、出した予算、面談の進め方など)は、次も変えずに残すと決める
段を1つに絞るのは、複数を同時に変えると、次にうまくいってもどれが効いたのか分からなくなるからです。うまくいった条件まで変えると、前回より手前の段で止まることもあります。
段階ごとに次の探し先で変えるもの
提案や面談の段で止まったなら探し方と質問を、契約したあとに止まったなら探し先との関わり方を変えます。前者は探す前の準備に、後者は稼働してからの社内の動きに、変える所があるためです。
提案や面談の段で止まったとき
提案や面談の段で止まったときは、止まった段ごとに、この記事で示した手順へ戻って変えます。
- 提案が来なかった:探し先を提案の出方が違う型に替え、途中の点検日に依頼の条件を見直す
- 会っても合わなかった:登録者の出自と得意な領域、費用と契約の縛りを確かめる質問を、相談の最初に投げる
- 決めきれなかった:比べる軸と返事の期限を会う前に決め、面談の場で候補に伝える
前回うまくいった条件はそのまま残し、止まった段に当たる1行だけを変えます。どの行にも当たらないと感じるなら、記録を日付の順に並べ直し、最初に止まった段を選び直します。
契約したあとに止まったとき
契約したあとに止まったときは、探し先より、相手との関わり方を変えます。よくあるのは、実行を任せたものの、社内で判断する人が忙しくて確認が滞り、施策が止まってしまう形です。
次の探し先には、社内で確認と判断を受け持つ窓口を1人決め、その人が誰で、返事に何日かかるかを最初の相談で伝えます。候補の側も、誰に何を確かめればよいかが分かり、進め方を組み立てやすくなります。
次の探し先に前回の経緯を伝える方法
次の探し先には、最初の相談で前回の経緯を短く伝えます。頼みたい業務・稼働量・期間・報酬の考え方に加えて、前回の探し先の型、止まった段、今回変えた条件を足すと、相手は同じ所で止まらない候補を選びやすくなり、絞り込みが速くなります。
| 伝える項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 前回の探し先の型 | 前回は求人の掲載で探しました |
| 止まった段 | 応募はあったものの、面談で領域の経験が合わない方が続きました |
| 今回変えた条件 | 今回は同じ業種での広告運用の経験を必須にし、稼働の上限を広げました |
業務委託マーケターの探し方でよくある質問
迷ったときの基本は、条件の形で聞き直すこと、進める経路を1つに決めること、原因を直してから声をかけることの3つです。
Q. サービスの答えがあいまいなときはどうしますか。
条件の形に言い直して聞き直します。「途中解約はできますか」ではなく、「契約から2か月でやめたら、いつまでに伝えて、いくら発生しますか」のように、いつ・何か月・いくらが答えに入る聞き方にします。それでも答えが定まらないなら、契約書や利用規約のどこに書かれているかを示してもらい、書面で確かめてから判断します。
Q. 複数のサービスで同じ人を提案されたらどうしますか。
どの経路で進めるかを先に1つに決め、両方の担当に伝えます。経路によって費用が発生する時点や契約の扱いが違うことがあるので、費用の発生時点と契約の縛りを聞いた答えを並べて、どちらで進めるかを決めます。決めないまま両方で話を進めると、候補にも担当にも手間をかけます。進めない側の担当にも早めに伝えておくと、別の依頼で相談するときに話を続けやすくなります。
Q. 前回の相手や見送った候補にもう一度声をかけてよいですか。
止まった原因が自社の側にあり、それを直したのであれば、選択肢になります。確認の窓口を決めた、依頼の条件を見直したなど、何を変えたかを添えて連絡します。サービスを通して会った候補には、そのサービスを通して連絡するのが基本で、扱いは担当に確かめます。原因が相手の側にあったと考えるなら、同じ相手に戻るより、その点を最初に確かめられる候補を探す方が近道です。
まとめ
業務委託のマーケターは、サービスへの聞き方をそろえ、社内の予定から出した数と期限で探すと、比べやすく、決めやすくなります。明日からできることは次のとおりです。
- 頼む場面・頼む中身・稼働を始めたい日を、社内で1枚にまとめる
- 登録者の出自と、費用・契約の縛りを確かめる質問を、相談するすべてのサービスに同じ形で投げる
- 自社の依頼の条件に合わせて、重く見る答えを1つ決める
- 決める日から逆に面談の枠を数えて、頼む社数と会う人数を出し、点検日を置く
- 前回うまくいかなかったなら、止まった段を1つ選び、そこだけを変えて最初の相談で伝える
SOKKIN MATCHは、プロのマーケター・クリエイターを業務委託で活用できるマッチングサービスです。元大手広告代理店出身のトップマーケターが課題を整理し、最適なプロ人財をアサインします。
サービスの詳細を見る- class="cat-item cat-item-" //子カテゴリーのidを入れる

前回の相手を悪く書く必要はありません。相手の評価ではなく、何が合わなかったかと、自社が何を変えたかを書けば足ります。前回の相手の名前を出さなくても、型と段が分かれば、相手は候補を選ぶ基準を立てられます。