広告運用の属人化は、運用の中身が1人の頭と手元に閉じていて、その人が抜けると誰も続きを判断できない状態です。担当者が辞めたらどうなるのか不安なまま手を付けられずにいても、順番を決めれば解いていけます。進め方は、1人にしか答えられないことを書き出し、名義と判断の理由を外に出し、判断を読める2人目を置き、最後に担当者を外して回るかを試す、の流れです。この記事では、社内の1人に頼っている場合、代理店やフリーランスの特定の担当者に頼っている場合、退職がもう決まっている場合のそれぞれで、何から手を付けるかが分かります。
広告運用の属人化で起きていること

属人化かどうかは、担当者の腕の良し悪しでは決まりません。運用の中身がその人の頭と手元に閉じていて、ほかの人が読めない状態を属人化と呼びます。腕の立つ担当者ほど任されきりになり、中身が閉じやすくなる点に気をつけます。
専門性が高い担当者と属人化の違い
専門性は、中身が組織に開かれていれば会社の強みになり、閉じていれば属人化になります。同じ腕前の担当者でも、判断の理由をほかの人が読めるかどうかで、その人が休んだ日の結果が変わります。
| 見る点 | 開かれた専門性 | 属人化 |
|---|---|---|
| 判断の理由 | 聞けば誰にでも分かる言葉で残っている | 本人の頭の中にだけある |
| 管理画面とデータ | 会社の名義で、複数の人が開ける | 本人のアカウントや手元のファイルにある |
| 本人が休んだ日 | ほかの人が続きを判断できる | 判断が止まり、本人が戻るまで待つ |
右の列に当てはまる行が多いなら、担当者の腕の問題ではなく体制の問題として扱います。担当者を替えても、同じ体制のままなら次の人にまた寄ります。
属人化が進む原因
広告運用が1人に寄るのは、担当者の怠慢というより、日々の運用の性質から起きることです。主な原因は次の4つです。
- 手順が文書にならない:作業が手に馴染むほど、書き残す理由を感じなくなる
- 判断の理由が言葉にならない:入札や予算の動かし方は、数字を見たときの感覚で決まりやすい
- データと権限が個人の手元にある:本人のアカウントで作った設定や、本人しか開けないファイルが増えていく
- 専門性が高く任せきりになる:周りが中身を理解できないので、確かめずに任せてしまう
どれも放っておけば毎月少しずつ進みます。止めるには、中身を外に出す時間を、通常の運用とは別に取る必要があります。
放置したときに起きること
属人化を放置して困るのは、担当者が抜けた日に運用が止まることだけではありません。成果を再現できないことと、責任者が中身を判断できないことも、同じ原因から起きます。
担当者が抜けると、配信の止めどきや予算の振り分けを誰も判断できず、広告費だけが出ていく日が続きます。数字が良かった時期があっても、何が効いたのかが分からないので、次の担当者は同じ結果を狙えません。責任者の手元にも、予算を増やすべきか、担当を替えるべきかを決める材料が残りません。
自社の広告運用が1人に寄っている度合いの見極め

手を付ける前に、何がその人にしか分からないのかと、その人が抜けたらいくら失うのかを書き出します。この2つが見えると、全部を一度に直そうとせず、損の大きい所から順に片付けられます。
その人に聞かないと答えが出ない問いの書き出し
1人に寄っている所は、担当者本人にしか答えられない問いを書き出すと見えてきます。領域ごとに問いを挙げ、答えられる人の数と、その人以外が最後に手を動かした日を並べます。
| 領域 | 問いの例 | 答えられる人の数 | その人以外が最後に手を動かした日 |
|---|---|---|---|
| 予算と入札の判断 | 先月この入札を変えた理由は何か | 0人/1人/2人以上 | 日付を書く |
| 計測 | このタグを入れたのは誰で、何を数えているか | 0人/1人/2人以上 | 日付を書く |
| 広告文と画像 | この訴求を止めたのはなぜか | 0人/1人/2人以上 | 日付を書く |
| 社内外のやり取り | 媒体や制作会社への依頼は、誰がどこまで頼んでいるか | 0人/1人/2人以上 | 日付を書く |
答えられる人が1人以下で、ほかの人が長く触っていない問いほど、その人に寄っています。アカウントの名義や権限はこの表に混ぜず、管理画面で別に確かめます。
その人が抜けたときの損失の見積もり方
損失は、運用が荒れる期間と、その間に落ちる広告の成果と、立て直しにかかる人の時間で見積もります。額で出しておくと、どこから手を付けるかを比べられます。
- 荒れる期間=後任が決まるまでの日数+後任が判断できるようになるまでの日数
- 広告側の損失=荒れる期間×1日の広告費×成果が悪化する割合
- 立て直しの人件費=後任と上司が立て直しに使う時間×時間あたりの単価
悪化する割合は、自社で過去に担当が替わったときや長期休暇の前後に、CPA(顧客1人を獲得するのにかかった広告費)やCV(問い合わせや購入などの成果)の数がどう動いたかから置きます。過去に例が無ければ、割合を低め・中くらい・高めの3通り置いて並べます。
荒れる期間の日数に、1日の広告費と悪化の割合を掛けた額が、広告側の損失です。この額に人件費を足した合計が、属人化を解く作業にかけてよい手間の目安になります。
手を付ける順番の決め方
手を付けるのは、答えられる人が1人以下の問いのうち、抜けたときの損失が大きい業務からです。広告運用では、抜けた翌日からお金と数字が狂い始める、予算を動かす作業・計測・入稿の3つを先に見ます。
答えられる人が0人の問いは、担当者本人も理由を覚えていない状態で、すでに中身が失われ始めています。損失の額にかかわらず、最初に確かめます。
期間の目安は、最初の1か月で洗い出しと名義の確認を済ませ、続く2か月で判断の理由の書き出しと2人目の配置を進める、の3か月です。並べる物差しは見積もった損失の額にし、額の大きい順に1つずつ片付けます。
担当者が辞めても入れる名義と権限

名義と権限は、退職の日になって初めて困ります。困る前に、自社の管理画面で、誰の名前で何がつながっているかを確かめておきます。権限の区分の名前や中身は媒体によって違うため、ここでは確かめ方に絞ります。
担当者個人にひも付いたものの洗い出し
広告アカウントを会社の名義にしておくのは前提です。見落としやすいのは担当者個人にひも付いた設定で、本人のメールやスマホが使えなくなった日に一緒に止まることがあります。
- ログインの確認コードや通知の届け先:担当者個人のアドレスや携帯番号になっていないか
- ツールとの連携:解析やレポートのツールを、担当者個人のアカウントでつないでいないか
- 自動のルールや共有の設定:本人のログインで作ったルールや、本人だけに共有した資料がないか
探すときは、各媒体の管理画面でユーザーの一覧・通知・連携の設定を開き、担当者の個人名や個人のアドレスが出る所を書き出します。見つけた所は、会社の共有アドレスか別の担当者に付け替えます。項目の名前は媒体ごとに違うので、自社の画面で確かめます。

計測タグとレポートの持ち主
- タグを管理するツールと解析ツールの管理者は誰か。担当者のほかに、設定を変えられる人がいるか
- 毎週見ているレポートやダッシュボードの所有者は誰か。担当者個人のアカウントで作っていないか
タグの管理者が1人だけだと、計測が壊れたときに直せる人がいなくなり、成果を正しく数えられない期間が生まれます。レポートの所有者が個人なら、そのアカウントが消えた日に、毎週の数字そのものが開けなくなることもあります。所有者を会社の共有アカウントか責任者に移し、担当者には編集できる権限を渡す形にしておけば、人が抜けても数字は会社に残ります。
頭の中の判断基準を外に出す進め方

判断の基準は、担当者に書かせるより、聞き手が聞いて書くほうが確実に外に出ます。忙しい担当者に「まとめておいて」と頼むと後回しになりやすく、書けたとしても、本人にとって当たり前の前提が抜け落ちるからです。
変更履歴から実際の判断を聞き出す手順
判断の基準は、白紙の状態で「どう判断しているか」と聞いても出てきません。実際に下した判断を材料にして聞きます。
- 管理画面の変更履歴から、最近の判断を3〜5件拾う
- 1件ずつ「そのとき何の数字を、どのくらいの期間見て、なぜそうしたか」を聞く
- 聞き手がその場で書き取り、担当者に読んで確かめてもらう
拾う判断は、配信を止めたもの・予算を増やしたもの・広告文や画像を差し替えたもの、の3種類がそろうようにします。種類が偏ると、止める基準は分かっても増やす基準が分からない、という穴が残ります。
書き取った内容は「この数字がこの期間こうなったら、こうする」の形にそろえておくと、2人目が読んで同じ判断をしやすくなります。
抱え込みがちな担当者への頼み方
抱え込む担当者には、責めずに、本人が直す側に回る形で頼みます。抱え込みは怠けとは限らず、忙しさや、自分の役割がなくなる不安から起きている場合があるからです。
頼むときは、聞き手が書いた下書きを渡して「違う所を直してほしい」と伝えます。白紙から書くより手間が小さく、本人の言葉で直された内容が残ります。
あわせて、判断の理由を共有したことを評価の項目に入れ、共有しても損をしないことをはっきりさせます。本人にとっての得も言葉にして伝えます。中身が外に出れば、休みを取っても運用は止まらず、新しい施策や別の仕事に手を広げる余裕が生まれます。
文書にする範囲と人の判断に残す範囲
運用を丸ごと文書に起こそうとしなくて構いません。毎回同じ答えになる作業は文書にし、状況によって答えが変わる判断は人に残します。
| 文書にする | 人の判断に残す |
|---|---|
| キャンペーンや広告の名前の付け方 | どの訴求で攻めるかの方向 |
| 入稿の手順 | 媒体をまたいだ予算の配分 |
| 毎日見る数字と、異常とみなす線 | 新しい配信や媒体を試すかどうか |
| 配信を止める目安 | (文書にせず、判断の理由を2人目と共有する) |
| 計測の不具合などトラブル時の対応 | (同上) |
全部を文書にしようとすると、書く手間が運用を圧迫し、更新されない文書が積み上がります。人に残す判断は、文書の代わりに、理由を読める人を増やすことで支えます。
2人目を置いて1人に戻さない体制

文書を整えても、それだけでは担当者が抜けた日に運用は回りません。文書にできない判断が必ず残るためです。その判断の理由を読める2人目を置いて、ようやく1人に戻らない体制になります。
2人目に任せる役割の決め方
2人目に求めるのは、担当者と同じ運用をこなす力より、担当者の判断の根拠を読める力です。根拠が読めれば、担当者が抜けた日にも、続けるか止めるかを決められます。
役割は次の順で決めます。
- 毎日の確認・週ごとの見直し・月ごとの計画のうち、2人目が担う作業を決める
- 作業ごとに、決める人・手を動かす人・迷ったときの相談先を決める
- 週に1回の定例で、担当者がその週の判断と理由を2人目に話す
社内から選ぶなら、広告運用の経験の長さより、数字を見て「なぜそうしたのか」を聞き返せる人を選びます。根拠を読む役割には、操作の速さより問い返す力が効くからです。2人目に要る週の時間は、担う作業にかかる時間を足し合わせて置きます。社内に回せる人がいない場合は、外部の人を2人目に入れる方法もあります。その場合は、外部の人にまた寄らない取り決めが要ります。
内製でも外注でも1人に寄れば同じになる理由
内製か外注かを切り替えても、1人に寄る問題そのものは解けません。内製化しても社内の1人に寄れば同じことが起き、外に出しても代理店やフリーランスの特定の担当者に寄れば、寄る先が社外に移るだけです。
決め手は、どちらを選ぶかより、選んだ先で中身が2人以上に開かれているかです。外注に切り替えるか、誰に頼むか、費用はどのくらいかは、属人化とは別の判断として整理すると迷いが減ります。

外部の人を2人目に入れるときに決めておくこと

外部の人を2人目に入れるなら、その人にまた寄らないための取り決めを、契約の前に決めておきます。社内の1人から外の1人へ寄る先が移るだけでは、抜けた日に止まる問題が残るからです。
広告運用を社内の1人が全部持っていた会社の例
ある事例では、WEB広告の運用を社内の1人が全部持っていた会社が、外部の人と並走する形に切り替えました。この会社は、外部の人の成果も社内で再現できるかを、入ってもらう前から気にかけていました。
担当者1人が全部持っていた状態
株式会社ポンデテックでは、自社のECサイトへの集客とサイトの改善を担う担当者が、WEB広告の運用をインハウス(社内での運用)で全部担当していました。以前に広告代理店を使っていた時期は、代理店が運用の中心になるため細かい所まで関われず、ノウハウが自社にたまりにくかったと語りました。
外部の人に最初に求めたこと
同社は業務委託のマーケターに入ってもらい、社内の担当者と並走する形を選びました。導入の前には、外部の人が成果を出しても自社では再現できないのではと心配し、成果の出し方を言葉にしてもらえるかを不安に感じていたと語っています。導入後、ROAS(広告費に対する売上の割合)は目標を上回ったと語りました。具体的な数値は公開されていません。
属人化を解く側から見ると、並走の値打ちは、1人の手元にあった運用を2人で見る状態に変えられる点にあります。外部の人を入れるときも、成果の出し方を言葉にしてもらうことを最初の条件に置けば、寄る先が外の1人に移るのを防ぎやすくなります。

掛け持ち先の都合で止まらない代役の決め方
外部の個人を2人目に入れるなら、その人が動けないときの代役か、もう1人の担い手を、契約の前に決めておきます。外部の個人は自社だけを見ているわけではないからです。
当社に登録しているマーケティング領域のプロは、1社に専従せず、別の仕事を並行して抱えながら複数の会社を支援する働き方がおおむね前提です。並行していること自体は問題ではありません。ただ、掛け持ち先の繁忙期やトラブルが重なれば、自社に手が回らない週が出ると考えておくのが妥当です。外部の1人に運用を寄せると、その人の予定が、運用の止まる点になりえます。
そこで契約の前に、代役を誰にするか(相手側の別の人か、社内の誰か)と、代役に切り替える条件を決めます。窓口を1人にまとめる場合も、その人が不在のときの代わりの窓口を決めておきます。
契約の最初に入れる引き継ぎの条件
外部の人とは、契約の最初に、運用の中身を社内に残すための条件を決めておきます。契約が長く続くほど、中身はその担当者の手元に溜まっていくと見ておくべきだからです。
当社の登録パートナーとの契約は、最低契約期間とは別に、実際には6〜12か月、あるいは1年以上続くことが多くあります。続く期間が長い前提に立つなら、次の3つを最初の取り決めに入れます。
- 毎月のレポートに、数字だけでなく判断の理由を書いてもらう
- 管理画面の変更履歴を社内の人も見られるようにし、定例で一緒に見る
- 担当を2人以上にするか、1人ならその人の判断を社内の誰が読むかを決める
退職や異動が決まったときに残す順番

退職や異動が決まって時間が無いときは、全部を残そうとしません。抜けたあとに取り戻せないものほど損失が大きいので、前任者がいるうちにしか取れないものから残します。
残り日数が短いときの優先順位
残す順は、前任者がいなくなると取れなくなるものからです。退職の日を境に、本人のアカウントと記憶と人間関係は会社から離れます。
- 担当者個人にひも付いた認証や連携を付け替える:本人のメールやスマホが使えなくなると、ログインや連携が止まるため、最初に済ませる
- 口頭でしか残っていない経緯を聞き取る:進行中の施策をなぜ始めたか、何を見て続けるかを、聞き手が聞いて書く
- 社内外の相手との関係を引き継ぐ:媒体の担当者や制作会社、外部の担当者に、前任者から後任を紹介してもらう
- 後任が主導して1サイクル回す:前任者がいるうちに、後任が週や月の作業を一通り自分で回す
各段にかける日数は、退職日までの残りの日数から逆算して置きます。日数がどうしても足りなければ、1と2を前任者のいるうちに終わらせ、3と4は2人目や外部の人と一緒に進めます。
後任が主導して回す引き継ぎの確かめ方
引き継ぎが済んだかどうかは、後任が自分で回せたかで確かめます。前任者が説明して後任が聞くだけでは、分かったつもりのまま前任者がいなくなります。
前任者がいるうちに、入札の調整やレポートづくりを後任が実際に手を動かして行い、前任者は横で確かめる役に回ります。後任が詰まった所は、その場で判断の理由を書き足します。確かめるときは、後任が1人で回した回に、前任者が途中で手を出さずに済んだかを見ます。前任者が手を出した所は、まだ引き継げていない所です。詰まる所が出なくなるまで回せれば、前任者が抜けても続けられる状態に近づきます。
抜けても回るかを確かめる不在テスト

属人化が解けたかどうかは、チェック表に丸を付けても分かりません。担当者を実際に運用から外し、残った人だけで回るかを試して確かめます。
担当者を外して回す手順
不在テストは、本当に抜けたときと同じ状況を前もって作り、試しておくものです。進め方は次のとおりです。
- 期間と対象の業務を決める:担当者の休暇に合わせると、無理なく外せる
- 担当者を運用から外す:期間中は担当者に連絡しないと関係者で決め、配信が止まるなどの緊急時だけは連絡してよい線を引いておく
- 2人目が単独で回す:日々の確認から判断まで、2人目だけで進める
- 終わったら振り返る:止まった作業や迷った判断を書き出す
期間の長さや回数は、自社の運用の周期に合わせて置きます。週ごとの見直しがある運用なら、その見直しを少なくとも1回含む期間にすると、判断の場面まで試せます。
合格の条件と詰まった項目の戻し方
合格の条件は、テストを始める前に決めておきます。終わってから決めると、うまくいかなかった所を甘く見てしまうからです。
| 見る点 | 合格とみなす状態 | 詰まったときの戻し先 |
|---|---|---|
| 止まった作業 | 期間中に止まった作業が無い | 手順を文書に足す |
| 担当者に聞き直した回数 | 緊急時の連絡のほかに、聞き直さずに済んだ | 聞いた中身を、判断の理由として書き足す |
| 判断に迷った項目 | 迷っても、書いてある基準で決められた | 2人目の役割と相談先を見直す |
詰まった項目が出ても、テストの失敗ではありません。そこが今も1人に寄っている所なので、表の右の列に戻して直し、次の休暇でもう一度試します。
属人化の解消でつまずきやすい点

仕組みを入れたあとに崩れるのは、手順書を作ったところで止まる場合と、ツールに任せて判断が見えなくなる場合の、おおむね2つの型です。どちらも、始める前に知っておけば避けられます。
手順書を作って終わる失敗
手順書は、完成した時点から古くなり始めます。作ることが目的になると、運用が変わっても書き直されず、誰も開かない文書が残ります。
同じことがレポートにも起きます。毎週作っていても、数字を並べるだけで判断に使われていなければ、中身を外に出す役には立ちません。
避けるには、最初から完璧な手順書を目指さず、よく使う作業の分だけ小さく作り、使いながら直します。直すのは手順書を読んだ人の役目にすると、読まれているかどうかも同時に確かめられます。レポートには、数字の横にその週の判断を1行添える欄を作ります。
自動化やツールで判断が見えなくなる失敗
自動入札や運用の自動化ツールを入れても、判断の基準が決まっていなければ属人化は解けません。むしろ、なぜ予算や入札が動いたのかが誰にも説明できなくなり、中身が1人の頭からツールの中へ移るだけになります。
ツールに任せる前に、何を目標にして、どの数字がどうなったら止めるかを、人が決めて書いておきます。基準があれば、ツールの動きがおかしいときに気づけますし、担当者が替わっても設定の意図を引き継げます。
まとめ
広告運用の属人化は、中身を外に出す順番を決めれば解いていけます。1人にしか答えられない問いを書き出し、抜けたときの損失を額で見積もり、名義と個人にひも付いた設定を確かめ、判断の理由を聞き出して書き、2人目を置きます。外部の人を入れる場合は、その人にまた寄らない取り決めを契約の前に決め、最後に不在テストで回るかを試します。
今週のうちに、次の3つから始めてください。
- 4つの領域で担当者にしか答えられない問いを書き出し、答えられる人の数を表に埋める
- 管理画面で、担当者個人のアドレスやアカウントにひも付いた設定を探す
- 担当者の次の休暇に合わせて、不在テストの日を決める
SOKKIN MATCHは、プロのマーケター・クリエイターを業務委託で活用できるマッチングサービスです。元大手広告代理店出身のトップマーケターが課題を整理し、最適なプロ人財をアサインします。
サービスの詳細を見る
SOKKIN ACADEMYは、マーケターを社内で育てるeラーニング(動画学習)サービスです。現役マーケターが設計したカリキュラムで学び、外注に頼らず判断できる人材を育てることをめざせます。
サービスの詳細を見る- class="cat-item cat-item-" //子カテゴリーのidを入れる
