働き方改革やコロナ禍の影響により、在宅ワークを始める人が増加傾向にあります。通勤する必要がなく、好きな場所で仕事ができるなどの点に魅力を感じて、これから始めようと考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、在宅ワークにはさまざまな種類があり、それ一本で充分な収入を得ようとするとハードルが高くなります。
この記事では在宅ワークの具体的な始め方や流れ、また種類や稼ぐコツなどを紹介するので、これから始めようと考えている人は参考にしてください。
そもそも在宅ワークとは?
そもそも在宅ワークとは、どのような働き方のことを指すのでしょう。「在宅」という言葉から自宅での仕事をイメージし、内職とどう違うのか疑問を感じる人もいるかもしれません。
そこで、在宅ワークの具体的な働き方と内職の違いについて解説します。
在宅ワークはどんな働き方?
在宅ワークとは、一般的には個人事業主としてIT機器を使用して企業・個人から仕事を受注する働き方のことです。
在宅ワークで仕事をする場合、業務委託で仕事を受注するケースが多くなります。業務委託とは案件ごとに報酬が決定される雇用形態のことで、作業・勤務時間は関係ありません。
ただ明確な定義づけはされておらず、企業・会社と雇用関係にあっても好きな場所で仕事をする働き方も、在宅ワークと呼ぶことがあります。
ややこしいと感じる人もいるかもしれませんが、個人事業主・フリーランスとして自分の裁量で収入を得る働き方のことと覚えておくと良いでしょう。
「内職」との違い
在宅ワークと混同されがちな働き方に内職がありますが、内職は在宅ワークとはいいません。
内職とは製造業者などと雇用契約を結び、歩合制で対価を受け取る働き方のことで、家内労働法によって最低賃金なども決められています。
在宅ワークは内職のように法律によって最低賃金が守られているわけではなく、雇用契約も結びません。
法律によって守られているという点で、内職と在宅ワークには大きな違いがあるといえるでしょう。
在宅ワークを始める流れ
在宅ワークを始める際には、どのような手順で行えば良いのでしょう。
ここでは、一般的な在宅ワークをスタートする際の流れについて解説します。これから始めようと考えている初心者の人は、ぜひ参考にしてください。
仕事を探して応募する
在宅ワークは自分で仕事を探して受注する働き方であるため、クラウドソーシングサイトや大手求人サイトを利用して自主的に案件を探さなければなりません。
クラウドワークスやランサーズは、在宅ワークに特化した案件が豊富に掲載されているクラウドソーシングサイトです。このようなサイトに登録し、条件などを確認して応募しましょう。
クライアントと契約を結ぶ
案件に応募して採用されると、業務委託契約を結びます。このとき、支払われる報酬や成果物の所有権などが明記されているはずなので、丁寧に内容を確認してください。
仕事量と対価・納期などが見合っているかの確認を怠るとトラブルの原因になるので、注意しましょう。
納品する
契約が締結されたら、依頼された案件の作成に取り掛かります。
クライアントから求められた成果物は、必ず期日までに完成させて納品してください。体調不良などの理由で納期が遅れるとクライアントの迷惑になり、契約が打ち切られる可能性があります。
在宅ワークは会社勤めとは異なり、納期は守らなければならないルールのひとつです。契約違反になる可能性もあるので、必ず期日までに完成させて納品しましょう。
代金を請求する
成果物の納品が完了したら、通常は速やかに代金が支払われます。
ただし、契約内容によっては納品から代金の支払いまで一定の期間が設けられているケースもあり、すぐに支払われるとは限りません。
クラウドソーシングサイトを利用して案件を受注する場合、成果物を納品してから1週間以内に代金を支払うことが定められています。期限を過ぎても支払われない、または連絡が取れない場合は遠慮せずに確認しましょう。
在宅ワークで必要なスキルやツールとは
在宅ワークは誰でも始められますが、受注する案件はある程度のスキル・能力が必要なものが多く、それらがないと仕事を得ることは難しいでしょう。
そこで在宅ワークで求められることが多いスキル・ツールを紹介します。
在宅ワークでよく求められるスキルとは
在宅ワークで募集される案件には、パソコンを使用したものが多い傾向があるため、ITスキルは必須といえるでしょう。特に以下のようなスキルがあると、在宅ワークでさまざまな案件に応募できます。
- タイピング(ブラインドタッチ)
- オフィスソフト使用スキル
タイピングスキルはレベルを上げておくと、1つの案件にかける時間が短縮できるなどのメリットが得られて便利です。
また在宅ワークは対面式で契約を結ぶわけではないため、ビジネスシーンに特化したコミュニケーションスキルもあると良いでしょう。
在宅ワークでよく使われるツールとは
在宅ワークでよく使われる主なツールは、以下の通りです。
- Zoom・Chatwork・Slackなどのコミュニケーションツール
- Microsoft Office
- Gmail
これらのツールは在宅ワークで仕事を受注する際に、クライアントから求められることが多く、いずれも無料で取得できます。
契約後に必要なツールの準備もできますが、あらかじめ用意しておけばよりスムーズに仕事がスタートできるでしょう。
未経験者におすすめ!在宅ワーク 10選
初めて在宅ワークをする場合、どのような仕事に応募すれば失敗せずに完遂できるのかと考える人もいるでしょう。
そこで未経験者におすすめの在宅ワークを紹介します。特別なスキルがなくても応募可能なものも紹介するので、参考にしてください。
データ入力
在宅ワーク未経験者の多くが足がかりとしてスタートすることが多い仕事が、データ入力です。
クライアントから送られてくるデータを所定のフォーマットに入力していく仕事で、パソコンとインターネット環境が整っていればスタートできます。
入力データが多かったり、ミスをすると報酬からマイナスされたりすることがあるので、スピーディーさと高い正確性がある人におすすめです。
文字起こし
文字起こしは、クライアントから送られてきた音声データを文字にしていく仕事です。
データにはセミナー・インタビューなど多岐にわたり、なかには動画で交わされている会話の内容を文字にしていく案件もあります。
文字にするための元データは音声であるため、漢字などの誤りがあると報酬からマイナスされるかもしれません。正確性・スピーディーさとともに、漢字の知識が豊富な人に向いているでしょう。
メールオペレーター
メールオペレーターは、顧客のメールによる問い合わせに回答したり案内したりする仕事です。
基本的には複数の回答例が用意されており、メールの内容によって回答例をもとにメールを作成して返信します。顧客から送られてきたメールの内容を正確に読み取り、的確な解答をしなければなりません。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせに対応するいわゆるお客様窓口の仕事です。
メール・電話の両方の形態があり、問い合わせの内容に応じて専門部署へ取り次ぎを行います。企業・会社によってはカスタマーサポートで問題解決を求められることもありますが、多くの場合は専門部署への取り次ぎがメインでしょう。
契約する前に、どの範囲までの対応が求められるのか確認することをおすすめします。
資料作成
資料作成は、さまざまな元データに基づいて会議などの資料を作成する仕事です。
多くのケースでは、Microsoft Officeなどの専用ツールを使用した作成が求められます。そのため、受注する際には必要なツールを確認してあらかじめ用意しておかなければなりません。
また、ツールを使いこなす能力も必要であることから、事務系の仕事に従事していた経験のある人がおすすめです。
採点・添削
採点・添削は、通信講座や模試で行われた試験の答案に丸付けなどをする仕事です。
事前に解答が渡されるので、それと見比べながら正誤の判断をして添削・採点します。
記述式の場合は正解とともに回答のポイントなどのコメントを追記するケースもあり、相手に伝わる表現方法が求められる仕事といえるでしょう。
アンケート・商品モニター
アンケート・商品モニターとは、特定の商品・サービスを利用してその感想を回答する仕事です。
すでに紹介したデータ入力とともに、在宅ワーク初心者が足がかりとして始めることが多い仕事といえます。
支払われる謝礼は自社の商品や割引クーポン券などのこともあり、現金とは限りません。どのような報酬が支払われるのか、事前に確認したうえで応募しましょう。
オンライン秘書
オンライン秘書とは、オンライン上でクライアントの仕事のサポートを行う仕事です。具体的には以下のような業務内容があげられます。
- アポイントメント調整
- メール対応
- 資料作成
一般的な秘書と同等レベルの業務が求められることが多く、担当する仕事内容も多岐にわたる点が特徴です。
秘書としての仕事に従事した経験のある人が向いているといえるでしょう。
テレフォンオペレーター
テレフォンオペレーターは、電話での問い合わせに対応する仕事です。
一見、カスタマーサポートと業務内容が似ていますが、問い合わせ内容を専用フォームに入力するなどの作業を伴います。
また問い合わせの内容によっては対応を求められたり、商品の案内を行わなければならなかったりするので、実際にテレフォンオペレーターに従事した経験のある人が向いているでしょう。
テレアポ・テレマ
テレアポ・テレマとは、顧客に電話をかけて商品・サービスの案内・紹介をする仕事です。
時給制と歩合制の2パターンがありますが、基本は時給制で契約して受注案件ごとに歩合給がプラスされる併用スタイルもあります。
顧客が魅力に感じるような説明力が求められるため、高いコミュニケーションスキルを持った人に向いている仕事です。
パソコンでできる在宅ワーク|仕事の種類と成功のコツ
パソコンを使わない在宅ワーク 4選
在宅ワークを始めたくても、「パソコンがない」「インターネットの環境がない」などの理由がある人もいるでしょう。
そのような人におすすめのパソコンを使わない在宅ワークを紹介します。
シール貼り
パソコンがなくてもスタートできる在宅ワークとして根強い人気を誇っている仕事が、シール貼りです。
特定の商品にラベル・バーコードシール・値札などを貼付したり、封筒・ハガキに宛名シールを貼ったりする作業があります。
1つにつき0.1〜1円程度の単価であることから高収入はあまり期待できず、小遣い稼ぎ程度の収入を得たいと考える人におすすめです。
袋詰め
袋詰めとは、商品を指定袋に梱包したり、ダイレクトメールを封書に入れたりする仕事です。
1回に依頼される個数は多く、それらを保存しておくためのスペースが必要です。自宅や部屋が狭い場合は、依頼品の置き場所に困るなどの不具合が生じる可能性があります。
広い保管スペースが確保できる人なら、袋詰めの仕事に向いているでしょう。
ティッシュの広告入れ
ティッシュの広告入れとは、街頭で配られているポケットティッシュの後ろに広告を入れる仕事です。
契約する企業・会社などにもよりますが、ティッシュ1つにつき単価は1円程度であり、パソコンを使用しない在宅ワークのなかには単価が1円を切るものも多いことから比較的高めといえます。
コツコツした作業が好きな人にはおすすめの在宅ワークです。
代筆仕事
代筆とはハガキ・封書などにあて名を書いたり、招待状に定型文をしたためたりする仕事です。
硬筆と毛筆の2パターンがあり、会社に送るダイレクトメールの場合は硬筆での代筆が求められるでしょう。一方の招待状の場合は特別感を出すために毛筆での代筆が求められます。
いずれも綺麗な文字が書けるスキルが必要であるため、書道経験がある人におすすめの在宅ワークといえるでしょう。
スキルや資格が活かせる在宅ワーク 10選
在宅ワークのなかでも案件が多く人気も高い仕事が、スキルや資格が活かせるものです。
- 文書作成系
- 画像・動画作成
- エンジニア系
- その他技能
上記の順番でそれぞれのおすすめ在宅ワークを紹介していくので、参考にしてください。
WEBライター
WEBライターは、WEB上で公開されるさまざまな記事を作成する仕事です。
SEOを意識した構成作成から文章作成を経て入稿まで担当するケースもあり、指示された文章を作成すれば良いという単純な仕事ではありません。
文章作成が得意であることはもちろん、WEBライター向けの講座受講経験や資格を保持している人におすすめの仕事です。
原稿作成
原稿作成とは、特定の人物が読み上げることを目的とした文章を作成する仕事です。
在宅ワークの場合、YouTube動画用の原稿作成依頼が多いでしょう。原稿作成の実績を多く積めば企業・会社からの依頼が舞い込むこともありますが、そのような案件を獲得するためにはかなりの経験・実績とともに企業とつながるパイプがなければなりません。
話し言葉の文章作成が得意な人に向いている仕事です。
校正・校閲
校正・校閲は、ほかのライターが作成した文章のチェック・修正を行う仕事です。
誤字脱字や表記誤りの確認・修正はもちろん、専門的な知識を要する内容の場合は事実確認もしなければなりません。
正しい漢字表記ができるスキルはもちろん、正確な検索ができる能力も問われる仕事であり、これら一連の作業が得意な人におすすめします。
動画作成・編集
動画作成・編集は、複数の動画のつなぎ合わせやテロップ・効果音の挿入などを担当する仕事です。
クラウドソーシングサイトではYouTube動画関連の案件が多く、未経験者でも応募可能なものも多数あります。
ただし作業を行う際には専用アプリを使用しなければならず、未経験であっても専用アプリ・ツールの使用スキルが求められる点に注意してください。
画像加工・編集
画像加工・編集は、特定の画像を指示通りに加工・編集する仕事です。
公式サイト・ECサイトで使用する画像もあれば、YouTubeで使用するものもあり、手がける画像の種類は多岐にわたります。
クラウドソーシングサイトでは未経験でも応募可能な案件も多数見受けられますが、専用ツールの使用スキルが求められるので、ツール使用に長けた人が向いているでしょう。
イラストレーター
イラストレーターは、クライアントの要望に応じたイラストを作成する仕事です。
以前は手書き・専用ツールを使用したイラスト作成の依頼が主流でしたが、近年はAIの発達に伴い、生成AIを使用したイラスト作成の案件も多く見られます。
イラスト作成用のツールは早いスピードで最新のものが発表されており、最新ツールにも素早く対応できる人が向いているでしょう。
WEBデザイナー
WEBデザイナーは、インターネット上で公開されているWEBサイトのデザインを担当する仕事です。
公式サイトで使用するバナー作成やプログラミング言語を使用したWEBサイトそのものデザインなど、仕事の種類・範囲は多岐にわたります。
後述しますが、WEBデザイナー専用の講座・資格が開講されており、これらを受講して専門知識を有した人に向いている仕事でしょう。
システムエンジニア
システムエンジニアは、クライアントの要望に従ってシステムを設計・運用する仕事です。
クライアントの要望を正確に把握するための理解力・コミュニケーションスキルが重要といえます。
また依頼内容によってはシステム設計から作成まで担当することもあるため、プログラミング言語の高い知識も持っておいたほうが良いでしょう。
オンライン講師
オンライン講師とは、開講されているオンライン講座などで講師を担当する仕事です。
インターネットの普及に伴い、さまざまな塾・予備校などでオンライン講座が開講されており、対応できる講師の需要も増加傾向にあります。
また担当する内容も学校などで行われる教科だけではなく、ヨガ・ITスキル・占いなど多種多様なので、各内容に長けた知識を有している人に向いているでしょう。
翻訳・通訳
翻訳・通訳は、多国語を指定の言語に訳す仕事です。
多言語から日本語に訳すだけではなく、日本語を韓国語・中国語などの多言語に翻訳する仕事も多数あります。特にクラウドソーシングサイトでは、日本の文化などを海外に向けて配信することを目的とした案件が多く、日本語を多言語に訳するものが多いでしょう。
日本語以外の語学に長けている人におすすめします。
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在宅ワークのメリットとは
在宅ワークのメリットとして、主に以下のような点があげられます。
- 通勤の時間・ストレスがない
- 人間関係に悩まされることが少ない
- 育児・介護との両立が可能である
- 自分の都合に合わせて働ける
- やりたい仕事や得意分野で稼げる
- 実力次第で収入が増やせる
在宅ワークは、自分の都合に合わせて仕事が選べる働き方です。そのため育児・介護との両立が可能であり、嫌な仕事・苦手な案件を引き受ける必要はありません。
また好きな時間に好きな場所で仕事ができるため、隙間時間を活用して収入を得ることも可能です。
やりたい仕事・得意分野の案件を受注し続ければスキルがアップするとともに実績・経験も豊富になるため、高収入も狙いやすくなるでしょう。
「自由な働き方がしたい」「人間関係に悩まされたくない」といった考えを持っている人は、在宅ワークに向いているといえます。
在宅ワークのデメリットとは
在宅ワークで得られるのはメリットだけではありません。これから在宅ワークを始めようとする場合は、以下にあげるデメリットも考慮してください。
- 収入が安定しない
- 仕事とプライベートの切り替えが難しい
- 労働時間が長くなる可能性がある
- 結果のみで判断される
- 孤独を感じやすい
- コミュニケーションが難しい
在宅ワークは基本的に自分で案件を探して応募し、仕事を得なければなりません。契約を突然打ち切られる可能性もあり、収入が安定しない点はデメリットといえます。
また受注した案件・仕事量によっては労働時間が長くなる可能性があり、仕事とプライベートの切り替えが難しくなるでしょう。
これらのデメリットから、自己管理が苦手な人や文章でのコミュニケーションが得意ではない人は在宅ワークに向いていないといえるでしょう。
未経験でも在宅ワークは出来る?
未経験でも在宅ワークができるのか、疑問に感じている人もいるかもしれません。結論からいうと、未経験でも応募・受注が可能な在宅ワークの案件はあります。
ただし多くの案件ではパソコンスキルを求められるため、「自宅にパソコンがない」「インターネット環境が整っていない」などの理由がある場合は案件できる受注は少ないでしょう。
「在宅ワークでも充分な収入を得たい」「在宅ワークを本業にしたい」という場合は、必要なスキルのレベルを上げ、高い専門知識を習得することが重要です。
在宅ワークの稼げるコツを紹介します!
在宅ワークで稼ぐには、どのようにすれば良いのでしょうか。
ここでは在宅ワークで稼げるコツを紹介するので、初心者や充分な収入を得たいと考えている人はぜひ参考にしてください。
仕事の環境を整える
在宅ワークとはいえ仕事をするわけですから、会社勤務同様に環境整備が欠かせません。主に重点的に整備したほうが良い仕事環境として、以下のようなものがあげられます。
- デバイス
- インターネット環境
- IT機材
- 事務用品(デスク・椅子など)
本格的に在宅ワークで稼ぎたい場合はパソコンを購入し、Wi-Fiを導入してインターネット環境も整えましょう。
また契約する前にSlackやZoomなどでオンライン面接を設けている案件もあり、このような仕事を受注する際にはWebカメラが必要です。
ほかにも仕事専用のデスク・椅子をそろえるなど、会社勤務と変わらない仕事環境を整えることで業務効率化が図れ、収入もアップしやすくなります。
自分にどんな仕事が向いているか把握する
自分にどのような仕事・働き方が向いているのか把握することも重要です。
在宅ワークは仕事とプライベートの境界線があいまいになることも多く、受注・仕事量によっては1カ月間休みなく従事しなければならない可能性もあります。
適した仕事・働き方がわからない場合は、実際に試してみることも良いかもしれません。ただし受注するからには仕事を完遂する責任が生じるため、クライアントの迷惑にならないような配慮を忘れないでください。
すぐ辞めずに継続すること
継続することも、在宅ワークで稼ぐためのコツのひとつです。
在宅ワークは企業に所属する働き方とは異なり、継続的に仕事があるわけではありません。始めたばかりのころは受注できる案件が少なく、1か月分の収入が低いこともあるでしょう。
しかし、これは在宅ワークをするからには避けては通れず、充分な収入が得られない時期が続いても継続する粘り強さが必要です。
受注したい案件を断られてもほかの案件に応募するなどして、仕事獲得を継続しましょう。
自分の専門性やスキルを上げる
在宅ワークは成果報酬である点から、専門性やスキルのレベルを上げ続ける必要があります。
高い専門知識・スキルレベルを有していれば高収入の案件受注の確率がアップするので、仕事をこなしながら勉強・学習する努力を継続しましょう。
仕事に関連した本を読んだり、講座を受講して資格を取得したりすることで、専門知識と高レベルのスキルが得られます。
またフィードバックが得られる案件を受注すれば、仕事をしながらスキルレベルの向上が望めるので便利です。
未経験者が在宅ワークを始める時の注意点!
未経験者が在宅ワークを始める際には、以下のような点に注意してください。
- 怪しい案件は避ける
- 各案件ごとの相場の把握
- 契約内容
- 納期
- 確定申告
それぞれの注意点を見ていきましょう。
怪しい案件は避ける
在宅ワークの案件のなかには初心者・未経験者を狙う案件が多数あり、このような仕事を受注してしまうと法に触れてしまう可能性もあります。具体的な例として、以下のような案件があげられるでしょう。
- 商品代行・商品登録
- オンライン講座の受講
- モニターアンケート
商品代行・商品登録は、特定の商品を購入させて代金は後日払いとする内容のものがありますが、商品代金が支払われないなどのトラブルも多く見られる案件です。
またオンライン講座の受講・モニターアンケートは、100円程度の単価契約を結んだあとで何万もするような講座に登録させるといったトラブルが発生しています。
相場よりも単価が低すぎる・高すぎる案件に注意
相場よりも単価が低すぎたり高すぎたりする案件も、応募を控えたほうが良いでしょう。
特に単価が高すぎる案件は、少しでも多く稼ぎたいと考える未経験者が応募しやすい仕事です。しかし実際に受注してみると仕事量が膨大なうえに納期が短いなど、悪質なものが多数あります。
一方の単価が低すぎる案件は、必要とした時間・労力に見合わないものも多く、応募・受注した人のスキルを搾取することが目的といわざるを得ません。
それぞれの仕事・案件には相場があり、それを下回ったり超えたりするものは割けることをおすすめします。
契約内容の確認
契約内容の確認も怠らないでください。特に以下のポイントについては契約を締結する前に内容を確認し、不明な点はクライアントに説明を求めましょう。
- 契約期間
- 報酬額
- 納期
- 支払いのタイミング
- 契約解除の条件
- 契約内容変更の条件
なお、厚生労働省ではホームページにて業務委託契約書の参考例を公開しています。こちらも参考にして契約内容を確認してください。
納期を守れるよう自己管理する
在宅ワークで仕事を受注した後は、納期を守りましょう。
突然の体調不良や家庭事情などで、納期までに納品できない場合もあるかもしれません。しかし在宅ワークで仕事を受注する際には、いかなることがあっても納期までに成果物を納品することが絶対前提です。
納期から逆算して1日の仕事量・時間などを設定し、前倒しで納品できるように心がけてください。
必要に応じて確定申告を行う
在宅ワークでは、年間所得に応じて確定申告が必要です。
働き方 | 目安となる年間所得 |
在宅ワークのみ | 48万円 |
給与所得ありでの在宅ワーク | 20万円 |
上記の金額は年間の「所得」であり「収入」ではありません。収入から在宅ワークで使用した経費分を差し引いた所得額がそれぞれの金額を超えると、確定申告が必要です。
忘れると追徴課税などの罰則が科せられるので注意してください。
在宅ワークや内職に確定申告は必要?経費や税金、特例についても解説!
在宅ワークが「向いている人」「おすすめな人」とは
在宅ワークはどのような人に向いているのでしょう。在宅ワークをおすすめする人の特徴として以下のような点があげられます。
- 自己管理能力がある
- お子さんがいる
- 毎日の会社勤務が難しい
- 居住地関係なしのデスクワークを希望
それぞれの特徴について解説するので、参考にしてください。
自己管理能力のある人
自己管理能力がある人は、在宅ワークに向いています。在宅ワークは会社勤務やパート・アルバイトのように勤務時間が設定されているわけではなく、無制限に仕事ができるからです。
例えば時間に縛られることなく仕事ができる環境にあるからといって、食事・睡眠時間を削ったり365日毎日仕事をし続けていたりすると、体調を崩すリスクが高まります。
もし自己管理能力が低いと感じるのであれば、1日分の仕事量を決めたり自宅以外の場所で仕事をしたりするなどの工夫をしましょう。
お子さんがいる主婦(夫)
お子さんがいる場合も、在宅ワークは向いているといえます。在宅ワークは勤務・作業時間の指定がないからです。
例えばお子さんが幼稚園などに登園している間や寝たあとから、依頼品の作成に従事すれば仕事に集中できます。
また成果物の納期を守れば、土日祝は仕事をする必要はありません。平日に集中して仕事に取り掛かり、週末はお子さんと過ごす時間にあてるというスケジュールも可能です。
お子さんとの時間を充実させつつ、稼ぎたいと考える人には向いている働き方といえます。
毎日会社に勤務するのが難しい人
在宅ワークは仕事をする場所を問わない働き方なので、毎日会社に勤務することが難しい人にもおすすめです。
疲れやすい人は通勤で大半の体力を消耗してしまい、会社に到着するころには疲れ果てて仕事にならないこともあるでしょう。体調が思わしくない状態で仕事をすると、ミスを連発するなどの効率も悪くなります。
在宅ワークなら通勤で体力を消耗することはありません。また、体調が思わしくないときは仕事を控え、調子が良いときにまとめて仕事を片付けるといった働き方も可能です。
求められているクオリティの成果物を期日までに完成させて納品すれば良いため、勤務時間や場所などに縛りがある働き方が難しい人に向いています。
居住地関係なくデスクワークをしたい人
居住地に関係のないデスクワークがしたい人にも、在宅ワークはおすすめです。
近年、全国各地にワークスペースを提供する施設・サービスが増加しつつあります。なかには月単位で契約して利用できる施設もあり、このようなサービスを利用すれば旅行感覚で全国各地を回りながらの仕事が可能です。
在宅ワークはパソコンとネット環境さえあれば完結できるものが多く、勤務地・居住地に縛られない仕事がしたい人には最適の働き方といえます。
案件のなかには各地のリゾート施設や観光地の魅力などを伝える仕事もあり、受注すれば旅行を楽しみながら旅費も稼げてお得です。
在宅ワークがしやすくなるおすすめの資格を紹介!
在宅ワークで本格的に稼ぐ場合は、資格を取っておいたほうが受注できる案件が広がります。
ここでは在宅ワークで役立つおすすめの資格を紹介するので、本格的に稼ぎたい人は参考にしてください。
WEBライティング能力検定
資格名 | WEBライティング能力検定Ⓡ(1~3級) |
試験日 | 3月、5月、8月、11月(公式サイト要確認) |
受講料 | 17,600円(税込) |
合格基準 | 1級:80~88点 2級:70~79点 3級:53~69点 |
在宅ワークで募集されているWEBライター系の案件の多くはSEOを意識したものが多く、この資格を取得しておけば対応した記事作成が可能になり、受注量も増えるでしょう。
ITパスポート
資格名 | ITパスポート試験(略号:IP) |
試験日 | 随時 |
受講料 | 7,500円(税込) |
合格基準 | 1,000点満点中600点以上 |
ITパスポートは国家資格でありながら内容は初心者向けなので、プログラマーやシステムエンジニアとして在宅ワークをする際に持っておくと、案件が受注しやすくなります。
基本情報技術者
資格名 | 基本情報技術者試験(FE) |
試験日 | 随時 |
受講料 | 7,500円(税込) |
合格基準 | A試験・B試験いずれも600点以上 |
基本情報技術者試験(FE)はITエンジニアの登竜門と呼ばれており、取得しておけば仕事で必要とされる応用力も広がるでしょう。
マイクロソフトオフィススペシャリスト
資格名 | マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) |
試験日 | 随時(全国一斉試験は月1~2回) |
受講料 | Word:一般10,780円(税込)/上級12,980円(税込) Excel:一般10,780円(税込)/上級12,980円(税込) PowerPoint:一般10,780円(税込) Access:一般10,780円(税込)/上級12,980円(税込) Outlook:一般10,780円(税込) |
合格基準 | 非公開 |
WEBライターや資料作成ではMicrosoft Officeを使用する機会が多いため、取得しておいたほうが便利です。
日商PC検定
資格名 | 日商PC検定(1~3級+ベーシック) |
試験日 | 毎月第3金曜日 |
受講料 | 1級:11,000円(税込) 2級:7,700円(税込) 3級:5,500円(税込) ベーシック:4,400円(税込) |
合格基準 | 1~3級:知識・実技ともに70%以上 ベーシック:70点以上 |
前述したマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)とは異なり、筆記試験もあることから難易度が高く、WEBライターや資料作成の案件受注率が高くなるでしょう。
日商簿記検定
資格名 | 日商簿記検定 |
試験日 | 統一試験:2月、6月、11月 ネット試験:随時 |
受講料 | 1級:8,800円(税込) 2級:5,500円(税込) 3級:3,300円(税込) |
合格基準 | 70%以上 |
オンラインによる事務代行のなかには経理・会計関連のものもあり、これらの案件に応募する際に有利に働きます。
ウェブデザイン技能検定
資格名 | ウェブデザイン技能検定(1~3級) |
試験日 | 1級:年2回 2級・3級:年4回 (詳細は公式サイトを要確認) |
受講料 | 1級:学科8,000円(非課税)/実技25,000円(非課税) 2級:学科7,000円(非課税)/実技16,000円(非課税) 3級:学科6,000円(非課税)/実技8,000円(非課税) ※3級の実技について、23歳未満の雇用保険加入者は4,000円(非課税)、23歳未満の雇用保険非加入者は6,000円(非課税) |
合格基準 | 学科・実技ともに70点以上 |
在宅ワークの案件にはWEBデザインが多数ありますが、未経験で受注する場合にはこの資格を取得しておくと受注率アップが期待できるでしょう。
DTPエキスパート
資格名 | DTPエキスパート |
試験日 | 3月、8月 |
受講料 | DTPエキスパート・マイスター:21,000円(税込) DTPエキスパート:15,000円(税込) アップグレード:9,000円(税込) |
合格基準 | 学科:正答率80% 実技:非公開 |
在宅ワークの募集案件にはDTPデザイナー・DTPオペレーターがあり、このような仕事を受注する際に有利に働く資格です。
Photoshopクリエイター能力認定試験
資格名 | Photoshop®クリエイター能力認定試験 |
試験日 | 随時(公開試験は公式サイトを要確認) |
受講料 | エキスパート:8,800円(税込) スタンダード:7,800円(税込) |
合格基準 | エキスパート:知識・実技65%以上かつ実践70%以上 スタンダード:実技65%以上かつ実践70%以上 |
WEBデザイナーやグラフィックデザイナーの案件では、Photoshopの使用可能が前提となっていることが多く、この資格を取得しておけばスキルの裏付けになります。
文字起こし技能テスト
資格名 | 文字起こし技能テスト |
試験日 | 5月、11月(年2回) |
受講料 | 5,500円(税込) |
合格基準 | スコア制(901点以上でスペシャリストに認定) |
クラウドソーシングサイトでは、文字起こしの案件が多数見られます。この資格を取得しておけばスキルレベルが高いことの証明になり、単価の高い案件の受注率アップも期待できるのでおすすめです。
校正技能検定
資格名 | 校正技能検定試験 |
試験日 | 中級:夏・冬(年2回) 上級:春(年1回) |
受講料 | 中級:8,800円(税込) 上級:9,900円(税込) |
合格基準 | 中級:85点前後以上 上級:非公開 |
WEBライターの案件では編集・校正などを含む場合があり、この資格を取得しておくと応募した際の契約成立率が高まります。
英検・TOEIC
英検・TOEICは就職・転職する際に有利になる資格ですが、在宅ワークでもこの資格があると翻訳・通訳などの案件受注が可能です。
クラウドソーシングサイトなどでは、英検・TOEICを条件にした案件は単価が高い傾向があるため、一定レベルまで取得しておくと収入が増えるでしょう。
あまりおすすめ出来ない在宅ワーク
在宅ワークにはさまざまな仕事・案件がありますが、そのなかでもあまりおすすめできないものがあります。
理由も含めて解説するので、参考にしてください。
シール貼り・袋詰め
シール貼り・袋詰めは1つの単価が1円未満のものが多く、数をこなさなければ十分な収入を得ることは困難でしょう。
また、このタイプの案件は依頼品の数が多いため、それらを補完するスペースも必要です。自宅・部屋が狭い場合には置き場所に困り、生活スペースが狭くなる可能性が高くなります。
単価アップの機会も望みにくく、効率も悪いのでおすすめしません。
アンケートモニター
アンケートモニターは携帯などでも受注できる案件ですが、報酬が低い傾向があります。
また、アンケートモニターと称して商材に案内されて高い金額を請求されるなどの悪質な案件も見受けられるので注意が必要です。
クラウドソーシングサイトのなかには、アンケートモニターの案件は受注しないようにと注意喚起をしているところもあります。
詐欺の可能性が高い案件でもあるため、応募・受注しないほうが良いでしょう。
まとめ
在宅ワークの始め方や種類を紹介しました。
在宅ワークは誰でも簡単にできる働き方であることから、始めようと考える人が増加傾向にあります。しかしその一方で悪質な案件も多く、受注しても良いものかどうかの見極めが重要です。
また本格的に稼ぎたい場合には環境を整え、必要な資格を取得したり実績・経験を積んだりしなければなりません。
本記事で紹介した稼ぐコツなども参考にしながら、時間をかけて在宅ワークでの収入を増やしていくことを考えてください。
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