Web集客の立ち上げ手順|施策の前に整える仕組みと始め方

Web集客の立ち上げ手順|施策の前に整える仕組みと始め方 マーケティング

何から手を付けるか迷いやすいWeb集客の立ち上げは、施策を選ぶ前に「自社の商材が検索で探されるか」「問い合わせを受ける仕組み」「実績が無い時期の信頼材料」の3つを決めると、最初に動かす施策が絞れます。この3つが決まらないまま広告やSNSを始めると、人が来ても問い合わせる場所が無く、どの施策が効いたのかも確かめられません。この記事では、売る商品と相手がおおむね決まっている会社が、Webで問い合わせを取る仕組みをゼロから置くときの判断の順番と、それぞれで手を動かす中身が分かります。

Web集客の立ち上げで決めることの全体像

Web集客の立ち上げで決めることの全体像

Web集客の立ち上げで最初に決めるのは、どの施策を使うかではなく、何をどの順で決めるかです。順番が先に決まっていれば、施策の情報が多くても振り回されず、自社に要らない施策を外す判断もしやすくなります。

Web集客で取れる成果と向かない場面

Web集客は、Webサイト・検索・広告・SNSなどインターネット上の接点を使って、見込み客に自社を知ってもらい、問い合わせや購入につなげる取り組みです。紙のチラシや飛び込み営業と比べたときの利点は、どの経路から何人が来て、何件が問い合わせになったかを数字で確かめ、反応を見ながら直せることにあります。

一方で、向き方が変わる場面もあります。相手がその商材を言葉にして探していない場合、検索を入口にしても人は来にくくなります。今月の売上がすぐに要る場合も、検索からの流入は積み上がるまで時間がかかるため、既存の取引先や営業のほうが近道です。どちらに当たっても、Webをやめる必要はありません。入口ではなく受け皿として使うなど、使い方を変えれば足ります。向き不向きを分ける一番の目安は、相手が自社の商材を検索で探しているかどうかです。

立ち上げを進める4つの順番

立ち上げは、次の4つをこの順で決めます。前の段の答えが、次の段で選べるものを決めるためです。

  1. 探されるかを確かめる:探されるなら検索を入口にし、探されないなら届けにいく経路を先に置くので、この答えで入口の選び方が変わります
  2. 受け皿の仕組みを整える:施策で人を連れてきても、問い合わせる場所と、それを数える仕組みが無ければ成果を確かめられません
  3. 信頼材料をそろえる:実績が無い時期は、問い合わせる前の不安が一番の壁になります
  4. 最初の施策を選ぶ:前の3つが決まると、選ぶべき施策はおのずと限られます

迷ったときは、いまどの段にいるかを確かめ、前の段に戻ってから進めます。

自社の商材が検索で探されるかの確かめ方

自社の商材が検索で探されるかの確かめ方

Webで集客を始めてよいかは、施策の好みではなく、相手が自社の商材を言葉にして探しているかで決まります。探されているなら検索を入口にでき、探されていないなら届けにいく経路を先に置きます。確かめる作業は、広告を出す前に社内で進められます。

相手が使う言葉の洗い出しと検索回数の確かめ方

まず、相手が困りごとを口にするときの言葉を集め、その言葉が実際に検索されているかを確かめます。社内での呼び方や業界用語ではなく、相手の言い方で調べるのがコツです。

  1. 相手の言葉を書き出す:営業の場、問い合わせのメール、既存の取引先との会話で、相手が困りごとをどう言っていたかを書き出します
  2. 検索窓の候補を見る:書き出した言葉をGoogleの検索窓に入れ、続けて出てくる候補を見ます。候補に出る言葉は、ほかの人も入力している手がかりになります
  3. 検索回数を見る:Google広告のキーワードプランナーで、言葉ごとの月間の検索回数の見積もりを確かめます
  4. 社名とサービス名でも検索する:自社のサイトが出るかを確かめます

何回以上なら探されていると言えるかは、商材の単価や商圏で変わるため、回数で線を引きません。見るのは、相手の言い方で検索回数が付く言葉が見つかるかどうかです。

検索結果に並ぶページで読む需要

検索回数だけでは、その言葉で探す人が頼み先を探しているのか、調べ物をしているのかが分かりません。洗い出した言葉で実際に検索し、上位に並ぶページの種類を見ると、相手の目的が読めます。

ページの種類ごとの読み方

上位に並ぶページ 読み取れること 次にすること
同業のサービスページや料金ページ 頼み先を探す人が多い 検索を入口にし、サービスページと問い合わせの入口を先に作る
比較や選び方の記事 候補を比べる段階の人が多い 料金の出し方や対応範囲など、比べる材料を載せる
用語の解説ややり方の記事 自分で解決したい人が多い すぐの問い合わせは期待せず、届けにいく経路と並べて使う
地図と店舗の一覧 近くの店を探す人が多い 地図への掲載を先に整える
関係の無い結果 その言葉では探されていない 言葉を変えて確かめ直す

言葉を変えても上の4行に当たらないなら、その商材は検索では探されていないと判断し、別の入口を考えます。

検索で探されない商材の別の入口

探される言葉が見つからない商材は、検索を待たずに、相手に届けにいく経路を先に置きます。Webは入口ではなく、話を聞いた相手が確かめに来る受け皿として使います。

届けにいく経路には、紹介、営業、既存の取引先へのメール、SNS、ディスプレイ広告(サイトやアプリの広告枠に画像などで出す広告)があります。名刺やメールの署名、提案資料にサイトのアドレスを入れておくと、話を聞いた相手があとで中身を確かめに来られます。

この場合も、受け皿のページと計測は欠かせません。確かめに来た相手が読むページが無ければ、届けた手間が問い合わせにつながらないためです。届けた相手が社名やサービス名で検索してくることもあるので、社名で検索して自社のサイトが出るかは確かめておきます。

施策より先に整えるWebの仕組み

施策より先に整えるWebの仕組み

施策より先に整えるのは、問い合わせの入口と最低限のページ、問い合わせを数える計測の2つです。相手が確かめに来る場所が無ければ数える対象も生まれないので、入口とページから置きます。サイト・ドメイン・解析・広告のアカウントは、作るときから会社のアドレスと名義で作ります。

問い合わせの入口と最低限そろえるページ

最低限そろえるのは、サービスの中身、料金の出し方、会社の情報、よくある質問、問い合わせの入口です。確かめに来た相手が、この順に読めば問い合わせるかを決められる状態をめざします。サイトとドメインは、担当者個人ではなく会社のアドレスと名義で取ります。

確かめに来た人が迷わないページの中身

  • サービスの中身:誰の、どんな困りごとを、どう解決するかを書きます。見出しには、洗い出した相手の言葉を使います
  • 料金の出し方:金額を出せなくても、何で金額が決まるかを書きます
  • 会社の情報:所在地、代表者、連絡先を載せます
  • よくある質問:問い合わせる前に聞かれやすいことを並べます
  • 問い合わせフォームと電話:どのページからもたどれる位置に置きます

見た目の奇抜さより、相手が探している情報にすぐ届くことを優先します。

広告と実店舗のときに先に作るもの

広告を出すなら、広告から飛んだ先のページを先に作ります。広告の言葉とページの中身が食い違うと、来た人は探していた答えが無いと感じて離れやすくなります。実店舗の場合は、地図アプリに店舗の情報を載せるGoogleビジネスプロフィールを最初に整えます。

問い合わせを数えられる計測の設定

計測は、施策を始める前に入れます。後から入れると、始めた直後の問い合わせがどこから来たかを確かめる手段がありません。目的は、問い合わせが何件、どの経路から来たかを後から確かめられる状態にすることです。

入れておく3つの計測

  • アクセス解析:Googleアナリティクスなどで、どの経路から何人が来たかを見ます
  • Search Console:Googleが提供する道具で、どの言葉で検索結果に出て、どれだけクリックされたかを見ます
  • 問い合わせ完了の計測:フォーム送信後の完了ページを用意し、そこに届いた数を解析で数えます。電話は、受けたときに何を見て連絡したかを聞いて記録します

ツールの細かな操作は、それぞれの公式の案内に沿えば足ります。

アカウントは会社の名義で作る

解析と広告のアカウントも会社のアドレスで作り、管理する権限を会社に残します。担当者個人のアドレスで作ると、その人が離れたときに過去の数字を開けなくなるためです。

実績が無い時期に問い合わせの不安を下げる材料

実績が無い時期に問い合わせの不安を下げる材料

実績や事例が無い時期でも、問い合わせる前に相手が知りたいことに答えていれば、不安は下げられます。相手が気にするのは、頼んだら何が起き、いくらかかり、合わなければ断れるかです。実績の代わりに、この3つに答える材料をそろえます。

実績の代わりに出せる自社の持ち物

実績が無くても、自社がすでに持っているもので信頼材料は作れます。次の表の4つを書き出し、サービスページと会社の情報に載せます。

持ち物 書き出す中身 下げられる不安
代表や担当者の経歴 何の仕事に、どんな役割で関わってきたか 誰が担当するのか分からない
提供内容と料金の出し方 含むもの、含まないもの、金額が決まる要素 後から費用が増えるかもしれない
進め方の流れ 問い合わせから開始までの段取り 頼んだ後が見えない
対応できない範囲 受けない仕事、向かない相手 合わないのに話が進むかもしれない

書き出すときの注意

対応できない範囲を書くと問い合わせが減るように見えますが、合わない相談が減るぶん、残った相談は話が進みやすくなります。作り話の実績やお客様の声は載せません。実際より良く見せる表示は、景品表示法の問題になるおそれがあります。

問い合わせの手前に置く相談の入口

相手にとって問い合わせは、売り込まれるかもしれない一歩です。その手前に軽い入口を置くと、まだ決めていない人も連絡しやすくなります。

軽い入口には、資料のダウンロード、質問だけを送れるフォーム、短い時間のオンライン相談枠があります。どれを置く場合も、問い合わせた後に何が起きるかを入口の近くに書きます。誰から、いつごろ返信が来るのか、最初の相談では何を聞かれるのか、その場で契約を求められないのか、の3点が分かると、連絡の心理的な負担が下がります。

入口を増やすときは、入口ごとに完了を数えられるようにしておきます。どの入口から相談が来たかが分かれば、使われない入口を外す判断ができます。

検討中の不安に先回りするよくある質問

自社サイトのよくある質問は、問い合わせる前の相手が最後に確かめる場所です。営業の場や問い合わせで繰り返し聞かれることを、相手の言葉のまま質問の形で並べます。

  • 費用は何で決まりますか
  • 始めるまでにどのくらいかかりますか
  • 相談だけでも大丈夫ですか
  • 合わなければ断れますか
  • 途中でやめられますか

答えで金額や期間を言い切れないときは、何で決まるかと、どう確かめられるかを書きます。答えが「場合による」だけで終わると、相手は問い合わせる理由を見つけられません。

最初に動かす施策の選び方

最初に動かす施策の選び方

最初の施策は、探され方を確かめた結果で選びます。施策の良し悪しより、自社の商材と受け皿の準備に合うかで向き不向きが決まるためです。予算と、成果の兆しが見えるまでの見通しは、施策ごとの相場からではなく自社の数字から決めます。

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検索の確かめ結果ごとに選ぶ最初の施策

最初に動かす施策は1つで足ります。いくつも同時に始めると、どれが問い合わせにつながったのかを見分けにくくなるためです。探され方を確かめた結果を、次の表の左の列に当てはめます。
探され方の確かめ結果 最初に動かす施策 先に要る受け皿
探される言葉があり、同業のサービスページが並ぶ リスティング広告(検索した言葉に合わせて出す広告) 広告の言葉に合うページ、問い合わせ完了の計測
言葉はあるが、解説や比較の記事が並ぶ SEO(検索結果で上位に出るための取り組み) 比べる材料を載せたページ、Search Console
実店舗で、地域名と一緒に探される 地図への掲載 正確な店舗情報と電話番号
探される言葉が見つからない 既存の接点へのメール、SNS サービスページ、相談の入口

表の当てはめ方

2つの行に当てはまるときは、右の列の受け皿が先にそろっているほうを選びます。どの行でも、右の列がそろうまでは、費用をかけて人を集めないのが原則です。

Webの施策をまだ始めない判断の目安

次のどれかに当てはまるなら、施策に費用をかけるのはまだ早いと判断します。先にやることが残っているためです。

  • 受け皿のページが無い:先に、問い合わせの入口と最低限のページを作ります
  • 問い合わせ完了を数えられない:先に、完了ページと計測を入れます
  • 探される言葉も、届けにいく相手の名簿も無い:先に、営業や紹介で相手と話し、相手の言葉を集めます

まだ始めないと決めるのは後退ではなく、施策の費用を無駄にしないための判断です。準備がそろった時点で、確かめ結果ごとの表に戻って最初の施策を選びます。

まとめ

Web集客の立ち上げは、施策の名前から入らず、決める順番から入ると迷いにくくなります。

  • 探されるかを確かめる:相手の言葉で検索回数と検索結果を見る
  • 受け皿を整える:問い合わせの入口と最低限のページを置き、問い合わせ完了を数える
  • 信頼材料をそろえる:経歴、料金の出し方、進め方、対応できない範囲と、相談の入口を用意する
  • 最初の施策を選ぶ:確かめ結果に合う施策を1つ選ぶ。受け皿がそろわなければ、まだ始めない

明日からできることは、次の3つです。

  • 営業や問い合わせで相手が使った言葉を書き出し、検索窓に入れてみる
  • サイト・ドメイン・解析のアカウントが、会社のアドレスと名義で作られているか確かめる
  • 問い合わせフォームに完了ページがあり、そこに届いた数を数える設定があるか確かめる
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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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