SEOコンサルは、候補を同じ物差しで比べ、提案書・実績・担当者を質問で確かめれば、SEOの知識がなくても1社に絞れます。社内に詳しい人がいないと、どの提案も正しく見えて決めきれなくなりがちです。それでも、見る場所と聞く質問を先に決めておけば、専門用語が分からなくても差は見えてきます。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 選ぶ前に押さえる前提と、判断軸ごとの合格ライン
- 候補の集め方と、ランキング記事の読み方
- 提案書と成果シミュレーションを自社の数字で検算する手順
- 面談で力量を見抜く質問と、答えの見分け方
- 実績の数字の読み方と、契約後の担当者の確かめ方
- 比較表で1社に絞る進め方と、知識不足の補い方
SEOコンサル選びで先に押さえる前提

選ぶ前に知っておくべきことは2つです。SEOコンサルが何を約束できない相手なのかと、比べる相手をどの種類にそろえるかです。この2つが曖昧なまま候補を並べると、約束の大きさや業務の広さだけで選んでしまいます。
コンサルが約束できることとできないこと
検索順位や問い合わせの増加は、どのSEOコンサルも約束できないため、候補を比べる材料になりません。
約束できるのは、仕事の中身です。具体的には次の3つになります。
- 自社サイトの現状を分析し、問題のある箇所を特定すること
- どの施策から手を付けるかの優先順位を決めること
- 誰が・いつ・何をするかの進め方を設計すること
選ぶときは、この3つの質と具体性で比べます。成果の大きさを約束する言葉は、比較の材料から外してかまいません。
3つの仕事を比べるときは、出来の良さに加えて、自社の担当者が読んで理由を追えるかも見ます。どの施策をやるかを決めるのは自社なので、説明を理解できない提案は、どれほど詳しくても選ぶ根拠にできません。
比べる相手をそろえるための支援の種類
SEOに関わる外部の支援は、受け持つ範囲で5つに分かれます。
| 支援の種類 | 何を受け持つか |
|---|---|
| SEOコンサル | 現状の分析・戦略・施策の優先順位づけ。実行は社内か別の会社が担うことが多い |
| 記事制作会社 | 記事の企画・執筆・編集。戦略の設計は含まないことがある |
| SEOツール | 順位やキーワードの調査・計測の仕組み。判断は使う側が行う |
| 広告代理店 | 広告の運用が中心。SEOは付随する支援として扱うことがある |
| 内製化支援 | 社内の担当者が自分でSEOを回せるように教え、仕組みを整える |
どれを選ぶかは「社内に戦略を設計できる人がいるか」の1問で決まります。いなければ戦略から担うコンサルか内製化支援、いれば実行を担う記事制作やツールが候補になります。
この区分を先に決める目的は、同じ種類どうしで比べることです。コンサルと記事制作会社を同じ表で比べると、見積もりの範囲が違うため正しく評価できません。
選ぶときの判断軸と合格ライン

何を見るかの軸は、名前を並べただけでは判定に使えません。この章の主役は、軸ごとの「どこまでなら合格か」という線と、自社の課題に合わせた重みです。線と重みを提案を受ける前に決めておくと、候補ごとの差を同じ基準で点にできます。
判断軸ごとの合格ラインと確かめる場面
5つの判断軸を、合格ラインと確かめる場面の表にまとめます。
| 判断軸 | 合格ライン | 確かめる場面 |
|---|---|---|
| 事業目標との接続 | 施策ごとに、問い合わせや売上のどの段に効くかと、その見込みの計算が書かれている | 提案書 |
| 同じサイト型の実績 | 自社と同じ型(BtoBのサービスサイト・オウンドメディア等)を手がけた例を、期間・規模・成果の定義をそろえて示せる | 実績ページ・面談 |
| 施策の具体性 | 最初の3か月に何をするかが、対象ページ名やキーワード名の単位で書かれている | 提案書 |
| 担当の体制 | 実際に動く人の名前・役割・人数が契約前に分かる | 面談 |
| 説明の透明性 | 施策の理由と、やらないことを専門用語なしで説明できる | 面談 |
合格ラインをこの水準に置く理由
事業目標と施策の線が引けない提案は、流入が増えても問い合わせにつながらない計画になりやすいためです。施策を「内部対策」「コンテンツ強化」のような分類名でしか書けない相手は、自社サイトをまだ詳しく見ていない可能性があります。担当の体制と説明の透明性は、契約後に作業の中身を自分で確かめられるかを左右します。どれか1つでも届かない候補は、合計点が高くても慎重に扱ってください。
自社の課題に合わせて軸に重みを付ける手順
5つの軸を同じ重さで見る必要はありません。自社の課題によって、重く見る軸が変わるためです。次の3段階で重みを決めます。
- STEP1:自社の課題を1文で書く。たとえば「検索からの流入がほとんど無い」「流入はあるが問い合わせにならない」のどちらに近いかを決める
- STEP2:課題に効く軸を重くする。流入が無いなら施策の具体性と同じサイト型の実績を重くし、問い合わせにならないなら事業目標との接続を重くする
- STEP3:重い軸の合格ラインを1段上げる。たとえば事業目標との接続を重く見るなら、「問い合わせ数の想定まで計算して示せるか」を合格の条件にする
重みは3段階(重い・普通・軽い)で十分です。細かく付けても、判断の差はそれほど変わりません。
ここで決めた重みは、候補を採点する比較表でそのまま使います。候補に会う前に決めておくと、印象の良い営業担当者に引っぱられて軸が後から変わることを防げます。
候補の集め方と比較サイトの読み方

候補を集める経路には、どれにも偏りがあります。1つの経路だけで集めると、その偏りがそのまま候補の偏りになります。経路を2つ以上に分けて集め、それぞれの偏りを差し引いて読みます。
候補を集める経路ごとの偏り
主な経路と、それぞれの偏り・確かめることを表にまとめます。会社名ではなく、経路の性質で見てください。
| 経路 | 偏り | 確かめること |
|---|---|---|
| ランキング記事 | 掲載元の会社や提携先が上位に載りやすい | 掲載元・掲載基準・更新日 |
| 比較やマッチングのサービス | 登録している会社や人に限られる | 掲載や紹介の基準と、手数料の仕組み |
| 知人や同業の紹介 | 紹介者の業種・規模に合った相手に寄る | 紹介者と自社でサイトの型と目的が近いか |
| 検索上位の会社 | 自社サイトのSEOが得意な会社に寄る | 自社と同じ型のサイトを手がけた実績があるか |
| セミナー | 話がうまい会社、集客に力を入れる会社に寄る | 講演の内容が自社の課題に当てはまるか |
紹介は信頼しやすい経路ですが、紹介者のサイトと自社のサイトが違う型なら、同じ成果は期待しにくくなります。経路ごとに1〜2社ずつ拾い、同じ種類の支援に絞ってから比べると偏りを抑えられます。
ランキング記事を読むときの注意点
「SEOコンサル おすすめ」などで出てくるランキング記事は、SEO支援会社自身が書いていることが多くあります。執筆元が自社を上位に置いている記事もあるため、順位をそのまま評価として受け取らないでください。
読むときは、次の順に確かめます。
- 掲載元:記事の運営者が誰かを、ページ下部の会社情報で見る。SEO支援会社なら、その会社が載っている順位は割り引いて読む
- 掲載基準:何を基準に選んだかが書かれているか。基準が無い一覧は、候補の名前を集める用途にとどめる
- 更新日:会社の体制やサービスは変わるため、古い記事の情報は面談で確かめ直す
提案書と成果シミュレーションの読み方

提案の良し悪しは、SEOの知識がなくても見分けられます。読む場所を3つに絞り、成果の見込みを自社の数字で計算し直せば、提案の弱い所が見えます。
提案書で最初に見る3つの箇所
提案書を受け取ったら、まず次の3か所を読みます。
1つ目は、「施策→流入→問い合わせ→売上」の線がつながっているかです。施策の説明が流入の増加で止まっている提案は、自社の事業に効くかを判断できません。「記事を月10本出して流入を増やします」で終わり、問い合わせへの道筋が無い書き方は危険です。
2つ目は、自社の課題と施策が対応しているかです。ヒアリングで伝えた課題が、どの施策で解決されるのかを1対1で追えるかを見ます。どの会社にも出せそうな施策の一覧が並び、自社の課題名が一度も出てこない提案は、使い回しの可能性があります。
3つ目は、やらないことと優先順位が書かれているかです。限られた予算で全部はできないため、何を後回しにするかを示せる相手は、自社サイトの状況を見て判断しています。全施策を同時に進める計画は、優先順位を決めていない書き方です。
成果シミュレーションを自社の数字で計算し直す
提案書に成果の見込みが載っていたら、次の式で計算し直します。
想定の問い合わせ数(月)=狙う語の月間検索数×狙う順位のクリック率×自社サイトのCVR(訪問者のうち問い合わせに至る割合)
クリック率は、自社サイトの検索の実績から順位ごとの値を拾い、外部の数字を借りないでください。自社の業種や検索結果の見え方によって、同じ順位でもクリックされる割合は変わるためです。
架空の数字で計算した例
狙う語の月間検索数の合計が5,000回、1位のクリック率が20%、CVRが1%と仮に置くと、想定の問い合わせは月10件です。
5,000回×20%×1%=10件
この計算がすべての語で1位を取る前提なら、順位を下げて計算し直します。5位でクリック率が5%だとすると、5,000回×5%×1%=2.5件になります。
数字は説明のための架空の値です。提案書の見込みが全語1位の前提でしか成り立たないなら、その数字は上限の目安として読み、契約の判断には順位を下げた方の値を使ってください。
面談で力量を見抜く質問

面談は、提案書の文字からは見えない判断の質を見る場です。報告の頻度や稼働の時間、契約の期間といった条件は見積もりと契約書で並べて比べられるので、面談の時間は戦略の理由と過去の経験を聞くことに使います。
戦略の考え方を確かめる質問
戦略の考え方は、「なぜそうするのか」を聞くと見えます。次の質問と、答えの良し悪しの対を使ってください。
| 質問 | 良い答え | 危ない答え |
|---|---|---|
| なぜその語から始めるのですか | 検索数と問い合わせへの近さ、競合の強さを比べて選んだと説明できる | 「検索数が多いからです」だけで終わる |
| 何を後回しにしますか | 後回しにする施策と、その理由を挙げられる | 「全部同時に進めます」と答える |
| 当社のサイトを見て、最初に直す所はどこですか | ページ名を挙げ、直す理由まで話せる | 「まずは詳しく分析してから」で終わり、見た所が出てこない |
| この計画で一番うまくいかない可能性があるのはどこですか | 弱い所と、その場合の切り替え方を話せる | 「問題ありません」と言い切る |
最初に直す所を聞く質問は、面談前に自社サイトのURLを渡しておくと効果が出ます。事前に見てきた相手かどうかが、答えの具体性ではっきり分かります。
過去の経験を確かめる質問
経験の深さは、うまくいかなかった話と、判断の理由を聞くと分かります。戦略の質問と同じ形で使ってください。
| 質問 | 良い答え | 危ない答え |
|---|---|---|
| うまくいかなかった案件で、何を変えましたか | 何が起きて、何を変え、結果どうなったかを順に話せる | 「失敗した案件はありません」と答える |
| 順位が大きく落ちたとき、何を調べましたか | 調べた順番と、原因の切り分け方を話せる | 「検索エンジンの更新のせいです」で終わる |
| 当社と同じ型のサイトで、どんな戦略を選びましたか。それはなぜですか | 条件の似た例を挙げ、その戦略を選んだ理由を話せる | 成果の数字だけを話し、理由が出てこない |
失敗の話を避ける相手は、経験が浅いか、都合の悪い情報を伏せる傾向があると考えられます。契約後に成果が出ない局面でも同じ対応になりやすいので、この質問の答えは重く見てください。
答えの良し悪しを知識なしで見分ける目安
答えの良し悪しは、SEOの知識がなくても次の4つで判断できます。
- 具体的か:ページ名・語・期間・人の役割など、確かめられる単位で話しているか
- 自社の話になっているか:一般論ではなく、自社のサイトや業種に当てはめて答えているか
- 分からないことを分からないと言うか:調べないと分からない点を、その場で言い切らずに保留できるか
- 専門用語を言い換えられるか:用語の意味を聞いたとき、身近な言葉で説明し直せるか
4つのうち2つ以上が欠ける候補は、提案書の出来が良くても見送りを検討してください。面談での説明のしかたは、契約後の報告のしかたにそのまま表れるためです。
実績と数字の読み方

実績は、数字の大きさより条件をそろえて読みます。期間・サイトの型・成果の定義が違えば、同じ「流入3倍」でも意味が変わるためです。
事例ページを読む順番
事例ページは、次の順に読むと条件をそろえられます。
- STEP1:期間を見る。何か月で出た成果か。短期の数字と長期の数字を並べて比べない
- STEP2:サイトの型と規模を見る。BtoBのサービスサイトか、記事が中心のメディアか。開始時の流入の規模はどれくらいか
- STEP3:成果の指標の定義を見る。流入なのか、問い合わせなのか、売上なのか。流入の増加を問い合わせの増加と読み替えない
- STEP4:何を変えたかを見る。記事の追加か、サイトの構造の見直しか。自社が頼みたい施策と重なるか
- STEP5:社名の開示の有無を見る。社名を伏せた事例は、面談で業種と規模だけでも聞く
5つのうち書かれていない項目は、面談で聞く質問にそのまま回します。書かれていない理由を聞くと、相手の実績の扱い方も分かります。
自社に近い実績の見分け方
自社に近い実績は、業種の一致より、サイトの型・規模・目的が近いかで見ます。同じ業種でも、記事中心のメディアとサービス紹介のサイトでは打ち手が違い、業種が違っても型と目的が同じなら打ち手は近くなるためです。
近さは、次の3つがそろうかで判断します。
- サイトの型:サービスサイト・オウンドメディア・ECなど、主なページの種類が同じか
- 規模:開始時のページ数と流入の水準が、自社と大きく離れていないか
- 目的:問い合わせを増やしたいのか、売上を増やしたいのか
近い実績が見つかったら、面談では成果の数字よりも、その戦略を選んだ理由を聞きます。理由を話せれば、自社でも同じ考え方で判断してくれると期待できます。数字しか出てこない場合は、担当した本人ではない可能性も考えてください。
社数・年数・継続率の数字の確かめ方
支援社数・事業歴・継続率の数字は、集計の条件を確かめてから読みます。同じ言葉でも、数え方によって意味が大きく変わるためです。
継続率には、対象の契約や期間などの集計条件があります。たとえば一定の期間を超えた契約だけを対象にした継続率と、全契約を対象にした継続率では、同じ数字でも重みが違います。条件を脚注で開示している会社もあれば、数字だけを載せている会社もあります。
事業歴も、ある会社の年数が紹介する記事によって数年ずつ違って載っている例があります。比較記事の情報が更新されていなかったり、数え始めの時期が記事ごとに違ったりするためです。
確かめ方は次の2つです。
- 面談で「その継続率は、どの契約を対象に、いつからいつまでを数えたものですか」と聞く
- 社数や年数は、比較記事ではなく候補の公式サイトの原文で確かめる
契約後に動く担当者の確かめ方

提案の質と、契約後の仕事の質は別物です。提案をした人が実際の作業を担うとは限らないため、担当者は契約の前に確かめます。
提案した人と担当する人の違い
提案の場に出てくるのは、営業担当者や責任者であることが多く、契約後に毎月の作業を担う人とは違う場合があります。提案の説明が分かりやすくても、担当する人の説明が同じ水準とは限りません。
契約前に、次の項目を確かめます。
- 提案した人と、実際に担当する人は同じか
- 違うなら、誰が何人付くのか。戦略を考える人と作業をする人は分かれているか
- それぞれの役割は何か。毎月の報告を誰がするのか
- 提案の内容は、担当する人へどう引き継がれるのか
- 担当者が途中で替わるときは、どう知らされ、何を引き継ぐのか
提案の場で担当する人の名前が出てこない場合は、契約の前に一度だけでも面談の場に出てもらうよう頼みます。この依頼に応じられない候補は、体制の透明性で点を下げてください。
担当者の経験と相性を見るポイント
担当者は、次の4つで見ます。
- SEOの実務の経験:何年くらい、どんな立場で担当してきたか
- 過去の担当業種:自社と同じ型のサイトを担当したことがあるか
- 説明の分かりやすさ:施策の理由を、専門用語なしで話せるか
- 質問への返し方:こちらの質問に、話をそらさず答えるか
相性を軽く見ないでください。SEOは結果が出るまでに時間がかかり、その間は成果の数字が見えにくい期間が続きます。担当者の説明に納得できない状態では、その期間を続ける判断ができなくなるためです。
契約を見送るべき依頼先のサイン

見送るべきサインは、営業・提案の段階と、施策の中身の両方に出ます。営業段階のサインは面談で、施策のサインは提案書で見つけられます。1つでも当てはまれば、その候補との契約は見送ってください。
営業と提案の段階で出るサイン
営業と提案の段階では、次のサインに注意します。
- 順位や成果の保証、すぐに成果が出るという言葉:前提の章で見たとおり誰も約束できない事柄で、口にする相手は契約を急いでいると読みます
- しつこい勧誘や、即決を迫る値引き:比べる時間を与えない進め方は、比べられると不利な事情がある可能性があります
- ヒアリングをせずに出てくる提案:自社の課題を聞く前に施策が決まっている提案は、どの会社にも同じものを出しています
- 施策の中身を明かさない:「社外秘のノウハウなので」と作業の内容を説明しない相手は、契約後に作業を確かめられません
施策の中身に出るサイン
提案書や作業の説明に、次のような施策が入っていたら見送りを検討します。
- リンクの購入や交換:他サイトからのリンクを買う、または相互に張り合う施策
- 語の詰め込み:狙う語を不自然な回数で本文や見出しに入れる施策
- 他サイトの言い換え転載:他のサイトの文章を言い換えて記事にする施策
- 相場から極端に安い全部込みの提案:分析から記事制作まで全部を含みながら、相場より大きく安い提案
最初の3つは、検索エンジンの指針に反するとされ、順位を落とすおそれがあります。最後の安すぎる提案は、作業の質を下げるか、上の3つのような手法で手間を省いている可能性があります。安さの理由を聞き、作業の内容と人数で説明できない場合は避けてください。
比較表で候補を1社に絞る進め方

絞り込みは、同じ種類の候補を、同じ質問と同じ表で比べるのが基本です。質問や表が候補ごとに違うと、差が相手の力量によるものか、聞き方によるものか区別できません。
当たる社数とそろえる条件
当たる候補は、同じ種類の支援に絞ったうえで2〜3社にします。1社だけでは良し悪しを比べる基準が無く、4社以上になると面談と資料の読み込みに手間がかかりすぎて、1社ごとの確認が浅くなるためです。
そろえる条件は次の2つです。
- 支援の種類:コンサル・記事制作・ツール・広告代理店・内製化支援を同じ表に混ぜない
- 依頼する範囲:同じ範囲(戦略だけ、戦略と実行の両方など)で提案を頼む
種類の違う会社を同じ表に並べると、範囲の広い会社が高く見えたり、安い会社が得に見えたりします。比べたい種類が2つあるなら、表を分けて、それぞれで1社に絞ってから最後に見比べてください。
比較表の作り方と採点のしかた
比較表は、判断軸を行に、候補を列にして作ります。各軸を3段階(3=合格ラインを超える、2=合格ライン、1=届かない)で採点し、自社の課題で決めた重みを掛けて合計します。
次の表は架空の候補A〜Cを採点した見本です。
| 判断軸 | 重み | 候補A | 候補B | 候補C |
|---|---|---|---|---|
| 事業目標との接続 | 3 | 3 | 2 | 1 |
| 同じサイト型の実績 | 2 | 2 | 3 | 3 |
| 施策の具体性 | 3 | 2 | 3 | 2 |
| 担当の体制 | 2 | 1 | 3 | 2 |
| 説明の透明性 | 1 | 3 | 2 | 2 |
| 費用の内訳(戦略と制作が別建てか) | 1 | 2 | 3 | 1 |
| 重みを掛けた合計(満点36) | 26 | 32 | 22 |
採点の手順と見送りの判断
合計は、各軸の点に重みを掛けて足します。候補Aなら3×3+2×2+3×2+2×1+1×3+1×2=26点です。
費用の行は、金額の大小ではなく、戦略の費用と記事制作などの実行の費用が分けて書かれているかで採点します。内訳がそろっていないと、どこにいくら払うのかを比べられないためです。
相見積もりで気をつけること
相見積もりでは、次の3点に気をつけます。
- 同じ質問を同じ順で聞き、答えを記録する:聞き方がそろっていないと、答えの差が比べられません。面談の後すぐに比較表へ書き込みます
- コンペ形式にすると提案を断られることがある:複数社を競わせる形を嫌い、提案を辞退する会社もあります。比べていることは伝えつつ、提案書の作り込みを求めすぎないようにします
- 最後は担当者と仕事を続けたいかで決める:点数が近い場合は、担当者と半年以上やり取りを続けたいと思えるかで選びます
SEOの知識が社内に足りないときの補い方

社内にSEOの知識が足りないときの補い方は2つです。質問を作れる程度に自分で学ぶことと、判断できる経験者の目を借りることです。どちらか一方ではなく、両方を組み合わせると判断の精度が上がります。
質問を作るために最低限知っておくこと
選ぶために必要な知識は、専門家と議論できる水準ではなく、質問を作れる水準で足ります。次の4つを押さえてください。
- SEOとコンテンツSEOは別:SEOは検索で見つけてもらうための取り組み全体で、コンテンツSEOはその一部である記事などの中身を作る取り組み。提案がどちらの話かを区別できれば、範囲を比べられる
- 検索意図:検索した人が何を知りたいか、何をしたいか。提案の語選びがこの意図に合っているかを質問できる
- 順位を保証できない理由:並びを決めるのは検索エンジンの側にある。保証の言葉を見抜く土台になる
- 自社の順位と表示回数を見る習慣:自社サイトがどの語で何位に表示され、何回見られているかを月に一度見る。提案の数字を検算するときの元になる
勉強の深さはここまでで足ります。これ以上の専門知識は、選ぶ判断より、契約後に施策の報告を受ける段階で必要になります。
経験者に判断を手伝ってもらう方法
自分で学ぶだけでは候補の良し悪しを決めきれないとき、判断できる経験者を外から迎え、比べる作業に加わってもらう方法があります。SEOの事例ではありませんが、社内に戦略を描ける人がいなかった会社が、経験者の力を借りて判断の型を社内に残した例があります。
戦略を描ける人を迎えた例
広告運用を手がける株式会社SEIRYOは、広告運用の経験はあった一方で、包括的なマーケティング戦略を描ける人が社内に足りていませんでした。特に、新規提案や戦略提案資料の作成に課題があったといいます。
そこで、広告代理事業の出身で、コンペで戦略策定から提案資料の作成までを手がけ、営業からディレクションまで経験した人を探し、業務委託で迎えました。戦略提案資料の作成と、新規顧客への営業のディレクションを任せた形です。
外部の人と組んだ不安とその後
外部の人と組むのは初めてで、社内の状況を理解して社員と連携できるかが不安だったそうです。実際には、社員の質問に答えるだけでなく、自分たちでも実施できるよう提案フォーマットを型にする作業まで担ってもらい、提案までの過程に社員が並走しました。その結果、新規案件を獲得でき、社員の能力が上がって自信もついたと語られています。今後は戦略から新規提案まで自分たちで進めたいという意向の段階です。
この事例は広告運用の会社の例で、同様の結果を保証するものではありません。

判断の根拠を社内に残す頼み方
社外の経験者と最初にすり合わせること
社外の経験者を迎えるときは、任せる範囲と進め方を最初にそろえます。範囲が曖昧なまま始めると、相手は遠慮して踏み込まず、社内は任せたつもりで動かないという状態になりやすいためです。
任せる範囲を最初にそろえた例
こちらもSEOの事例ではありませんが、株式会社Vincuresは、事業の立ち上げでリソースが足りず、正社員の採用はカルチャーの不一致や採用と教育にかかる時間を懸念して、業務委託で人を迎えました。
不安だったのは、どの範囲の業務まで任せるべきか、チームのやり方に合ってもらえるかでした。そこで、面接ではコミュニケーションの力と柔軟性があるかを意識して選び、稼働を始めるときにキックオフの打ち合わせを開いて、両者で具体的な稼働のイメージをすり合わせました。迎えた人が業界の経験者だったこともあり、育成の時間を省けて、短期間で成果を上げられたと語られています。
この事例も同様の結果を保証するものではありません。

SEOコンサルとそろえておくこと
よくある質問
SEOコンサルを選ぶ途中で迷いやすい問いに、短く答えます。費用や契約の細かい条件は、候補ごとに面談で確かめてください。
Q. SEO会社と個人のコンサルタントはどちらを選ぶべきですか。
体制の厚さと、稼働の上限・得意領域の偏りで選びます。会社は複数人で分担できるため、担当者が替わっても仕事が止まりにくい一方、窓口の人と作業する人が分かれやすくなります。個人は判断する人と作業する人が同じで話が早い反面、ほかの案件と掛け持ちしていることが多く稼働に上限があり、得意な領域にも偏りがあります。
Q. AI検索への対応は選ぶ基準に入れるべきですか。
基準に入れるかより、提案の段階で確かめ方を1つ持っておくことを勧めます。「AI検索の影響をどう測り、どの時点で投資するかをどう判断しますか」と聞いてください。測り方と判断の時点を具体的に答えられる候補は、新しい施策でも根拠を持って進める相手だと判断できます。
Q. 契約の前に最低限確かめることは何ですか。
選ぶ側として確かめるのは、契約の条文より先に2つです。比較表の重い軸で合格ラインに届いているか、そして実際に担当する人と一度話せたかです。この2つがそろわないうちは、条件が良くても署名を急がないでください。
まとめ
SEOコンサルは、次の順で絞り込むと、SEOの知識がなくても1社に決められます。
- 前提:順位は誰も約束できないと知り、比べる相手を同じ種類の支援にそろえる
- 判断軸と重み:軸ごとの合格ラインを決め、自社の課題で重みを付ける
- 候補集め:経路を分けて集め、ランキング記事は掲載元と基準を見て読む
- 提案書の検算:売上までの線を読み、見込みを自社の数字で計算し直す
- 面談:戦略の理由と過去の経験を聞く
- 実績の数字:条件をそろえ、集計条件を聞く
- 担当者:提案した人と担当する人の違いを契約前に確かめる
- 比較表:重みを掛けて採点し、重い軸で届かない候補は選ばない
候補に会う前に、比較表の判断軸の行と重みの列だけを先に埋めておいてください。表が先にあれば、面談の答えをその場で点に置き換えられ、印象ではなく重い軸の点で2〜3社の差が見えてきます。
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