確定申告のやり方は?準備するものから洗い出して、確定申告をスムーズに進めよう!

確定申告

確定申告は、毎年多くの人が「何から手をつければいいか分からない」「難しそう」と感じる手続きのひとつです。特に初めて確定申告を行う方にとっては、必要書類の準備から申告書の作成、提出方法まで、わからないことだらけで不安を感じることも多いでしょう。この記事では、確定申告の基本的な概要から、準備するものの洗い出し、申告書の作成・提出方法まで、やり方をステップごとに詳しく解説しています。また、医療費控除住宅ローン控除ふるさと納税といった還付金を得るための方法についても具体的にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

今回は確定申告のやり方について、対象者の確認から書類の準備、申告書の作成・提出、そして還付金を受け取る方法まで、ステップごとに分かりやすく解説しますね。

確定申告とは

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得と、それに対して納めるべき税額を計算し、翌年の2月16日から3月15日の間に税務署へ申告・納付する手続きのことです。所得税は本来、自分で計算して納付するものであり、確定申告はその計算結果を国に報告するための大切な手続きです。

会社員の場合は勤務先が年末調整を行うため、多くのケースで確定申告は不要です。一方、フリーランスや自営業者、副業収入がある方、不動産収入がある方などは、自分で確定申告を行う必要があります。また、医療費控除住宅ローン控除など、一定の条件を満たす場合は、会社員であっても確定申告をすることで税金の還付を受けられる場合があります。

確定申告の申告期間は原則として毎年2月16日から3月15日までです(土日祝日の兼ね合いで前後する場合があります)。還付申告(税金が戻ってくるケースの申告)については、翌年1月1日から5年間申告が可能です。詳細は国税庁の公式サイトでも確認できます。

確定申告が必要な人と不要な人がいるんですね。自分はどちらに当てはまるのか、どうやって確認すればいいでしょうか?
いい質問ですね。次のセクションで対象者の基準を分かりやすく整理しますね。まずは自分がどのケースに当てはまるか確認してみましょう。

確定申告の対象かどうか確かめる

確定申告が必要かどうかは、収入の種類や金額によって異なります。「自分は対象なのかな?」と迷う方も多いですが、まずは以下の基準をもとに確認してみましょう。申告が必要な方が申告をしなかった場合、ペナルティが発生することもあるため、しっかり把握しておくことが大切です。

対象となる人

確定申告が必要となる主なケースは以下のとおりです。自分がいずれかに当てはまるかどうかを確認してみましょう。

対象となる人 具体的な例
自営業者・フリーランス 事業所得がある方(農業・漁業・小売業・サービス業なども含む)
給与所得が2,000万円を超える方 1か所から給与をもらっており、その金額が2,000万円超の場合
複数の勤務先から給与をもらっている方 副業や掛け持ちなどで2か所以上から給与を受け取っている場合
副業で年間20万円超の所得がある方 会社員でも副業収入が20万円を超えると申告が必要
不動産所得がある方 家賃収入や土地の貸し付けなどによる所得がある場合
退職所得がある方 退職金について源泉徴収されていない場合など
一時所得・雑所得がある方 保険の満期金・競馬・FXなどによる所得がある場合
譲渡所得がある方 株式や不動産などを売却して利益を得た場合
還付申告を希望する方 医療費控除・住宅ローン控除・ふるさと納税などを利用したい場合

上記のいずれかに当てはまる方は、原則として確定申告が必要です。特に会社員の方は「年末調整をしているから大丈夫」と思いがちですが、副業収入がある場合などは別途申告が必要になるため注意しましょう。詳細は国税庁「確定申告が必要な方」でも確認できます。

対象にならない人

一方で、次のような方は原則として確定申告の必要はありません。それぞれの条件を確認しておきましょう。

対象にならない人 具体的な条件
給与所得者(会社員・パート・アルバイト) 1か所からのみ給与をもらっており、給与収入が2,000万円以下で、かつ年末調整が済んでいる方
公的年金受給者 公的年金等の収入が400万円以下で、かつその他の所得が20万円以下の方
所得が一定額以下の方 各種所得控除を差し引いた結果、課税所得が0円以下になる方
ただし、「対象にならない」とされる方でも、医療費控除や住宅ローン控除の初年度申告など、還付を受けられるケースでは申告することで税金が戻ってくる場合があります。該当するかどうか迷った場合は、税務署や国税庁の相談窓口に問い合わせると確実です。
対象にならない人でも、還付申告すれば税金が戻ってくることがあるんですね!申告して損はないということですね。
その通りです!医療費が多かった年や住宅を購入した年などは、ぜひ申告することをおすすめします。では次は、実際のやり方をステップごとに見ていきましょう。

確定申告のやり方

確定申告は「準備→計算→申告書作成→提出→納付・還付確認」という5つのステップで進めます。それぞれのステップで何をすべきかを事前に把握しておくことで、期限直前に慌てることなくスムーズに手続きを進めることができます。

ステップ1【準備】

確定申告をスムーズに進めるためには、必要な書類や情報を事前にそろえておくことが大切です。不足があると申告書の作成が止まってしまうため、以下のリストを参考にしながら一つひとつ確認していきましょう。

必要書類を準備しよう

確定申告に必要な書類は、収入の種類や申告内容によって異なります。以下の表を参考に、自分に該当するものをまとめて準備しておきましょう。

書類の種類 主な対象者
確定申告書 すべての申告者
収支内訳書/青色申告決算書 事業所得・不動産所得がある人
領収書・レシートや帳簿 事業所得・不動産所得がある人
源泉徴収票 給与所得者(会社員・パートなど)
所得控除の書類 医療費控除・寄附金控除などを申請する人
マイナンバーカード すべての申告者
還付金の受取口座情報 還付を受ける予定の人

確定申告書

確定申告書は、申告内容に応じて「申告書A」と「申告書B」の2種類がありましたが、令和4年分(2022年分)の申告から「確定申告書」として1つの様式に統一されています。国税庁のウェブサイトや税務署で入手できます。

収支内訳書/青色申告決算書

フリーランスや個人事業主など、事業所得・不動産所得がある人は、収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書(青色申告の場合)の提出が必要です。1年間の収入と経費をまとめた書類となります。

領収書・レシートや帳簿

事業にかかった経費の証明として、領収書やレシートを保管しておく必要があります。また、日々の収支を記録した帳簿も申告の根拠となります。

提出は不要ですが、税務調査の際に求められることがあるため、一定期間の保管が義務付けられています。申告後もすぐに処分しないよう注意してください。

源泉徴収票

給与所得者の場合、勤務先から発行される源泉徴収票が必要です。年末調整が済んでいる場合でも、医療費控除などの申告をする際には手元に置いておきましょう。複数の勤務先がある場合は、すべての勤務先分が必要です。

所得控除の書類(医療費控除・寄附金控除など)

申請する控除の種類によって、準備する書類が変わります。代表的なものは以下のとおりです。

控除の種類 必要な書類の例
医療費控除 医療費控除の明細書、医療費の領収書など
寄附金控除(ふるさと納税など) 寄附金受領証明書
社会保険料控除 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
生命保険料控除 生命保険料控除証明書
住宅ローン控除(初年度) 住宅借入金等特別控除額の計算明細書、登記事項証明書など

マイナンバーカード

確定申告にはマイナンバーの記載が必要です。マイナンバーカードを持っている場合はカード1枚で本人確認が完了します。

カードを持っていない場合は、マイナンバーが記載された書類(通知カードなど)と運転免許証などの本人確認書類を合わせて用意してください。

還付金の受取口座情報(通帳など)

所得税の還付を受ける場合、振込先の金融機関口座情報が必要です。申告書に金融機関名・支店名・口座種別・口座番号を記入するため、通帳やキャッシュカードを手元に用意しておくとスムーズです。

ステップ2【計算】

書類がそろったら、所得と控除の金額を計算します。ここで金額に誤りがあると正確な税額が算出できないため、丁寧に確認しながら進めましょう。

自分が所得控除の対象かどうか確認しよう(医療費控除・寄附金控除など)

所得控除とは、所得から一定の金額を差し引くことで税負担を軽くする仕組みです。医療費控除・寄附金控除・社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除・扶養控除など、種類はさまざまです。自分がどの控除を受けられるかを確認することが、正確な申告への第一歩となります。

所得と控除額の計算をしよう

確定申告では、以下の順で計算を進めます。

計算の順番 内容
①収入を合計する 給与・事業・不動産など、すべての収入を合計する
②所得を計算する 収入から必要経費や給与所得控除を差し引いて所得を算出する
③控除額を計算する 各種所得控除の合計額を算出する
④課税所得を計算する 所得から控除額を差し引いて課税所得を求める
⑤税額を計算する 課税所得に所得税率をかけて税額を算出する
計算が複雑に感じる場合は、次のステップで紹介する国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を活用すると、画面の案内に従って入力するだけで自動的に計算してくれるためおすすめです。

ステップ3【申告書作成】

所得と控除の計算ができたら、いよいよ確定申告書の作成に進みます。作成方法は4つあり、自分の状況や得意・不得意に合わせて選ぶことができます。

確定申告書の作成方法4通り

確定申告書の作成方法には、以下の4つがあります。どの方法を選んでも、提出できる内容は同じです。初めての方や慣れていない方には、入力をサポートしてくれるウェブサービスや会計ソフトの利用がおすすめです。

申告書等作成コーナー

国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」は、画面の案内に従って必要事項を入力するだけで申告書を作成できる無料のウェブサービスです。計算も自動で行われるため、申告書の書き方に不慣れな方でも取り組みやすい方法です。作成後はそのままe-Taxで提出することもできます。

確定申告ソフト

freeeマネーフォワード クラウド確定申告などの会計ソフトを使う方法です。日々の収支を入力しておけば、確定申告書の作成まで一気に進められるため、特にフリーランスや個人事業主に広く利用されています。有料プランが中心ですが、無料プランや無料期間が用意されているものもあります。

手書き

税務署や国税庁のウェブサイトから申告書の用紙を入手し、手書きで記入する方法です。パソコンやスマートフォンが使えない方でも対応できる一方、計算ミスや記入漏れが生じやすいため、記入後は必ず内容を見直すようにしましょう。

税理士に作成代行依頼

確定申告の内容が複雑な場合や、自分で対応する時間が取れない場合は、税理士に作成を代行してもらう方法もあります。費用はかかりますが、ミスなく正確に申告できる点が大きなメリットです。初めて確定申告をする方や、事業規模が大きくなってきた方にも向いています。

初めてなので確定申告書等作成コーナーを使ってみようと思います。提出方法も教えていただけますか?
もちろんです!作成コーナーからそのままe-Taxで送信するのが一番スムーズですよ。次のステップで4つの提出方法を詳しく説明しますね。

ステップ4【提出】

申告書が完成したら、定められた期限内に提出します。提出方法は4つあり、それぞれに特徴があります。自分のライフスタイルに合った方法を選びましょう。なお、確定申告の提出期限は原則として毎年2月16日から3月15日までです。

e-Tax(電子申告)

国税庁が提供するオンライン申告システム「e-Tax」を使って、インターネット上で申告書を送信する方法です。税務署に出向く必要がなく、24時間対応しているため時間の融通が利きやすいのが特徴です。マイナンバーカードとICカードリーダーライタ、またはスマートフォンを使って本人確認を行います。

税務署窓口での提出

管轄の税務署に直接出向いて申告書を提出する方法です。その場で担当者に確認してもらえるため、不明点があればその場で質問できる安心感があります。ただし、申告期間中は窓口が混雑することが多いため、時間に余裕を持って訪問しましょう。

税務署にある時間外収受箱への投函

税務署の開庁時間外でも、庁舎に設置されている「時間外収受箱」に申告書を投函することができます。窓口が閉まっていても提出できるため、日中に時間が取れない方にとって便利な方法です。

郵送

申告書を封筒に入れて、管轄の税務署へ郵送する方法です。持参する手間が省けますが、消印が提出期限内であることが必要です。記入内容の不備があっても後日気づきにくいため、提出前に入念に確認しておきましょう。控えが必要な場合は、返信用封筒を同封しておくとスムーズです。

ステップ5【税金の納付、還付の確認】

申告書の提出が完了したら、最後のステップとして税金の納付または還付金の受け取りを確認します。どちらの手続きも、期限や確認方法をしっかり把握しておくことが大切です。

所得税を納付しよう

申告の結果、納税が必要な場合は、原則として3月15日までに納付する必要があります。主な納付方法は以下のとおりです。

納付方法 特徴
e-Taxによる電子納税 ダイレクト納付やインターネットバンキングで手続きできる
クレジットカード納付 「国税クレジットカードお支払サイト」から手続きできる
コンビニ納付 QRコードを使って全国のコンビニで納付できる
金融機関・税務署窓口での現金納付 納付書を持参して窓口で納付する

還付金の受け取り確認をしよう

源泉徴収で税金を多く払いすぎていた場合などには、還付金が振り込まれます。還付のタイミングは申告の時期や方法によって異なりますが、e-Taxを利用した場合は申告から約3週間程度を目安に振り込まれることが多いです。指定した口座への入金を確認しておきましょう。

【終了】お疲れ様でした!保管義務のある書類

確定申告が無事に終わったあとも、提出した書類や帳簿類は一定期間保管しておく義務があります。

税務調査が入った際に必要となる場合があるため、申告後もすぐに処分しないよう注意してください。
書類の種類 保管期間 対象者
確定申告書の控え 5年間 すべての申告者
領収書・レシート 5年間(青色申告者は7年間 事業所得・不動産所得がある人
帳簿類 5年間(青色申告者は7年間 事業所得・不動産所得がある人
源泉徴収票 5年間 給与所得者
医療費の領収書 5年間 医療費控除を申請した人
書類はファイルにまとめて年度ごとに整理しておくと、万が一の際にもスムーズに対応できます。デジタルデータとして保存している場合も、バックアップを忘れずに取っておきましょう。

確定申告をしなかった場合

確定申告が必要な人が期限内に申告を行わなかった場合、さまざまなペナルティが課せられる可能性があります。「うっかり忘れた」「面倒だから後回しにした」という理由であっても、税務署は容赦なく追徴課税を行います。申告漏れや無申告のリスクをしっかり理解しておきましょう。

ペナルティ

確定申告をしなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、複数のペナルティが上乗せされます。主なペナルティは以下の3種類です。それぞれの内容と税率を確認しておきましょう。

ペナルティの種類 内容 税率・割合の目安
無申告加算税 期限内に申告しなかった場合に課される税金 納税額の15〜20%(税務署から指摘される前に自主的に申告した場合は5%
延滞税 納付期限を過ぎた税金に対して日割りで課される利息のような税金 納付期限の翌日から2ヶ月以内は年2.4%、2ヶ月を超えると年8.7%(2024年時点の目安)
重加算税 意図的な隠蔽や虚偽申告があったと判断された場合に課される税金 納税額の35〜40%
ただし、税務署から指摘を受ける前に自主的に申告・納付を行うことで、ペナルティを軽減できる場合があります。申告が遅れてしまったと気づいた時点で、できるだけ早く対処することが大切です。
無申告が続いた場合には税務調査の対象となることもあるため、期限内の申告を徹底するよう注意してください。詳しくは国税庁「確定申告を忘れたとき」をご確認ください。
無申告加算税が15〜20%、重加算税が35〜40%とは…かなり大きなペナルティですね!絶対に期限内に申告しなければと思いました。
ここは大切なポイントです。万が一申告が遅れてしまっても、税務署から指摘を受ける前に自主申告すればペナルティが5%に軽減されますよ。気づいたらすぐに動くことが大切ですね。

確定申告で還付金を得る方法

確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる「還付金」を受け取れる場合があります。還付金を受け取るには、対象となる控除をしっかり申告することが重要です。どのようなケースで還付が受けられるのか、代表的なものを確認しておきましょう。

還付金が発生する主なケース

還付金が発生するのは、源泉徴収などで前払いした所得税が、実際に計算した税額よりも多かった場合です。以下のようなケースに当てはまると、還付を受けられる可能性があります。

ケース 主な対象者 還付の理由
医療費控除 年間の医療費が10万円を超えた 医療費の一部を控除することで課税所得が減り、税額が下がる
住宅ローン控除 住宅ローンを組んで自宅を購入・新築・リフォームした人 ローン残高に応じた税額控除が適用される
ふるさと納税(寄附金控除) ふるさと納税をした人 寄附金額に応じた控除が適用される
年の途中で退職した 年内に退職し、年末調整を受けていない給与所得者 給与から天引きされた所得税が多すぎる場合がある
副業の赤字と給与所得の損益通算 給与所得のある人が副業で赤字になった人 赤字分を給与所得と相殺することで課税所得が減る

還付金を受け取るための手続きの流れ

還付金を受け取るには、確定申告書に還付金の振込先となる口座情報を正確に記載する必要があります。申告後、税務署での審査が完了すると、指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。e-Tax(電子申告)を利用した場合、おおむね申告から3週間程度で還付が行われるとされています。書面での申告の場合は1〜2か月ほどかかる場合もあるため、早めの申告がおすすめです。

還付金を得るうえでの注意点

還付申告は、確定申告の期間(毎年2月16日〜3月15日)に限らず、該当する年の翌年1月1日から5年間はいつでも申告できます。過去に申告し忘れていた控除がある場合も、期間内であれば遡って申告することが可能です。

ただし、申告内容に誤りがあると還付が遅れたり、後から修正申告が必要になる場合もあるため、記入内容はしっかり確認しましょう。

医療費控除の確定申告方法

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得から差し引くことができる控除制度です。対象となる医療費の範囲や計算方法を正しく理解しておくことで、税負担を減らすことにつながります。ここでは、医療費控除の確定申告の手順をわかりやすく解説します。

医療費控除の対象となる医療費

医療費控除の対象となるのは、自分自身や生計を共にする家族のために支払った医療費です。以下の表で、対象となるものとならないものを確認しておきましょう。

区分 具体例
対象になるもの 病院・診療所への診療費・治療費、処方された薬の購入費、入院費(食事代含む)、歯の治療費(保険適用外含む)、出産費用、通院のための交通費(公共交通機関)など
対象にならないもの 健康診断の費用(疾病が発見されなかった場合)、予防接種の費用、美容目的の治療費、マイカー通院のガソリン代・駐車場代、市販のビタミン剤など
生命保険の入院給付金や健康保険の高額療養費として受け取った金額は、支払った医療費から差し引く必要があります。詳しくは国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」をご確認ください。
健康診断の費用は対象にならないんですね…。どこまでが対象なのか、少し複雑ですね。
分かりやすく言うと、「治療のためのお金」は対象で、「予防のためのお金」は基本的に対象外と覚えておくといいですよ。ただし、健診で病気が発見されてそのまま治療した場合は対象になるケースもありますよ。

医療費控除の計算方法

医療費控除額は、以下の計算式で求めます。

項目 内容
医療費控除額の計算式 (実際に支払った医療費の合計額)-(保険金などで補填される金額)- 10万円(※)
※所得が200万円未満の場合 10万円の代わりに「総所得金額等×5%」を差し引く
控除額の上限 200万円
たとえば、年間の医療費が15万円で、保険金による補填がない場合、医療費控除額は15万円-10万円=5万円となり、この5万円が所得から差し引かれます。

医療費控除の申告手順

医療費控除を申告するには、確定申告書とあわせて「医療費控除の明細書」を作成・提出する必要があります。以下の手順で進めましょう。

手順 内容
①医療費の領収書を集める 1年分(1月1日〜12月31日)の医療費の領収書をすべて集める。現在は領収書の添付は不要だが、5年間の保管が義務づけられている
②医療費控除の明細書を作成する 国税庁の確定申告書等作成コーナー、または手書きで「医療費控除の明細書」を記入する
③確定申告書に記入する 算出した医療費控除額を確定申告書の所定の欄に記入する
④申告書を提出する e-Tax(電子申告)または税務署窓口・郵送で提出する
健康保険組合などから送付される「医療費通知書(医療費のお知らせ)」を活用すると、明細書の作成が簡略化できておすすめです。医療費の領収書は提出不要ですが、税務署から求められた場合に備えて5年間は手元に保管しておきましょう。

セルフメディケーション税制との違い

医療費控除には、通常の医療費控除とは別に「セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)」があります。両者は併用できないため、どちらが有利かを比較して選択することが大切です。

比較項目 通常の医療費控除 セルフメディケーション税制
対象 病院での診療費・治療費など スイッチOTC医薬品(市販薬)の購入費
控除の下限額 10万円(所得200万円未満は所得×5%) 1万2,000円
控除の上限額 200万円 8万8,000円
適用条件 特になし 健康診断・予防接種など一定の取り組みを行っていること
市販薬の購入が多く、病院への受診が少ない年はセルフメディケーション税制が有利になるケースもあります。詳しくは国税庁「セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき)」をご参照ください。

住宅ローン控除の確定申告方法

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入・増改築した場合に、一定額が所得税から差し引かれる制度です。給与所得者であっても、住宅ローン控除を初めて受ける年は必ず確定申告が必要になります。2年目以降は会社の年末調整で対応できます

住宅ローン控除の確定申告が必要な人

以下に該当する人は、確定申告で住宅ローン控除の申請を行いましょう。

対象者 確定申告の要否
会社員・パートなど給与所得者(初年度) 必要
会社員・パートなど給与所得者(2年目以降) 年末調整で対応可能
自営業・フリーランスなどの事業者 毎年必要

住宅ローン控除の確定申告に必要な書類

住宅ローン控除の確定申告では、通常の確定申告書類に加えて、以下の書類を用意する必要があります。書類が不足していると申請が受け付けられない場合もあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

書類名 入手先
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署または国税庁ウェブサイト
住宅ローンの年末残高等証明書 金融機関(ローン借入先)
建物・土地の登記事項証明書 法務局
建物・土地の不動産売買契約書または工事請負契約書のコピー 不動産会社・施工会社など
源泉徴収票(給与所得者の場合) 勤務先
2022年(令和4年)以降の申告からは、登記事項証明書などの一部書類について電子データでの提出が認められるようになっています。詳細は国税庁「住宅借入金等特別控除」のページで確認してみましょう。

住宅ローン控除の申告手順

書類が揃ったら、以下の流れで確定申告を進めましょう。

手順 内容
①必要書類を揃える 上記の書類をすべて準備する
②計算明細書に記入する 取得した住宅の情報や年末残高をもとに控除額を計算する
③確定申告書に転記する 計算した控除額を確定申告書の該当欄に記入する
④申告書を提出する e-Taxまたは税務署窓口・郵送で提出する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って入力するだけで自動的に控除額が計算されるためおすすめです。初めての方でも比較的スムーズに申告書を作成できます。

住宅ローン控除の控除額と適用要件

住宅ローン控除は、すべての住宅・すべてのローンが対象になるわけではありません。主な適用要件を確認しておきましょう。

要件 内容
居住要件 取得した住宅を取得の日から6ヵ月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること
床面積要件 床面積が50㎡以上であること(合計所得金額が1,000万円以下の場合は40㎡以上
ローン要件 返済期間が10年以上の住宅ローンであること
所得要件 合計所得金額が2,000万円以下であること
控除期間や控除率は入居した年度や住宅の種類によって異なります。詳しくは国税庁「住宅借入金等特別控除の概要」をご参照ください。

ふるさと納税(寄附金控除)のやり方

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附をすることで、所得税や住民税から控除を受けられる制度です。確定申告を行うことで寄附金控除が適用され、実質的な自己負担を抑えながら返礼品も受け取れます。ここでは、確定申告でふるさと納税の寄附金控除を申告する具体的なやり方を解説します。

ふるさと納税の控除を受けるための2つの方法

ふるさと納税の税控除を受ける方法は、大きく分けて「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の2通りがあります。それぞれの違いを以下の表で確認しましょう。

方法 対象者 手続き先 控除の種類
確定申告 自営業者・寄附先が6自治体以上・医療費控除など他の申告がある人など 税務署 所得税+住民税
ワンストップ特例制度 会社員など給与所得者で、寄附先が5自治体以内の人 各寄附先の自治体 住民税のみ
ワンストップ特例制度を利用している場合でも、同じ年に確定申告を行うと、ワンストップ特例の申請が無効になるため注意が必要です。医療費控除など他の控除と合わせて申告するときは、ふるさと納税分も必ず確定申告に含めるようにしましょう。

確定申告で寄附金控除を申告するために必要なもの

確定申告でふるさと納税の控除を受けるには、以下の書類を事前に準備しておきましょう。

必要書類 入手方法・備考
寄附金受領証明書 寄附をした各自治体から郵送される。複数の自治体へ寄附した場合は、それぞれの証明書が必要
確定申告書(第一表・第二表) 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成可能
マイナンバーカードまたは本人確認書類 e-Tax利用時はマイナンバーカードが必要
寄附金受領証明書は、ふるさと納税の控除申告において最も重要な書類です。紛失しないよう、届いたら確定申告まで大切に保管しておきましょう。

確定申告書への記入方法

確定申告書への寄附金控除の記入は、以下の流れで行います。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと、画面の案内に沿って入力するだけで自動計算してくれるため、手書きよりも簡単でミスが少なくなります。

  1. 確定申告書等作成コーナーにアクセスし、申告書の作成を開始する
  2. 収入・所得の入力画面で、給与や事業所得などの情報を入力する
  3. 「所得控除」の入力画面で「寄附金控除」を選択し、寄附金受領証明書に記載されている寄附先の自治体名・寄附金額を入力する
  4. 入力が完了したら、申告書を印刷またはe-Taxで送信する
複数の自治体に寄附している場合は、寄附先ごとにそれぞれ金額を入力する必要があります。入力漏れがないよう、手元にすべての寄附金受領証明書を揃えてから作業を始めましょう。

控除額の計算方法

ふるさと納税の控除額は、所得税分と住民税分の合計で計算されます。実質的な自己負担額は原則2,000円とされていますが、控除の上限額は年収や家族構成によって異なります。

控除の種類 計算式の概要
所得税からの控除 (寄附金額 − 2,000円)× 所得税率
住民税からの控除(基本分) (寄附金額 − 2,000円)× 10%
住民税からの控除(特例分) (寄附金額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税率
控除上限を超えた寄附分は控除対象にならないため、寄附前に上限額の確認を忘れずに行いましょう。事前に総務省のふるさと納税ポータルサイトのシミュレーターを活用して、自分の控除上限額を確認しておくと安心です。
ふるさと納税って、自己負担2,000円で返礼品がもらえて、さらに税控除もあるんですね!とてもお得な制度だと思いました。
そうですね、上手に活用すれば非常にお得な制度です。ただし控除上限を超えてしまうと自己負担が増えてしまうので、事前にシミュレーターで上限を確認してから寄附することが大切ですよ。

まとめ

この記事では、確定申告の対象となる人・ならない人の違いから、必要書類の準備、所得と控除額の計算、申告書の作成方法、提出方法、納付・還付の確認まで、確定申告のやり方を順を追って解説しました。

「確定申告って難しそう」「何から手をつければいいかわからない」と感じていた方も、ステップごとに1つ1つ丁寧に進めていけば、決して難しいものではありません。また、申告を怠るとペナルティが発生する場合があるため、期限内に正確に手続きを行うことが大切です。医療費控除住宅ローン控除ふるさと納税など、活用できる控除をしっかり申告することで、還付金を受け取れる可能性もあります。ぜひこの記事を参考に、自信を持って確定申告に臨んでください。

               
  • class="cat-item cat-item-"
  • //子カテゴリーのidを入れる        
この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

確定申告申告・手続き
タイトルとURLをコピーしました