個人事業主・フリーランスが利用できる給付金・助成金・補助金まとめ

税金関連

世の中には給付金・助成金・補助金などの、国が事業者を支援する目的で資金を給付する制度がいくつかあります。

個人事業主を対象とした給付金・助成金・補助金も存在しています。申請方法や給付対象者などは制度によって異なるため、自身の事業に合致する給付金・助成金・補助金を選ぶ必要があります。

今回の記事では、給付金の概念や個人事業主が受け取れる給付金・助成金・補助金の種類などについて徹底解説していきます。

【今回の記事でわかること】
・そもそも給付金とは
・給付金と補助金・助成金との違い
・個人事業主が受け取れる給付金・助成金・補助金の種類
・給付金・補助金・助成金を利用するメリット・デメリット

「そもそも給付金・助成金・補助金の違いは?」「どんな給付金の種類があるの?」とお悩みになっている方はこの記事を読めば、お悩みが解決するはずです。

「フリーランスってそもそもどんな仕事?」「フリーランスと個人事業主の違いは?」「フリーランスになるメリットって?」という疑問を抱えている方は以下の関連記事をご一読ください。
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そもそも給付金とは?

給付金とは

給付金とは文字通り「給付されるお金」のことを指します。給付ですので、返納の義務はなく、使用用途も基本的には自由です。経済的に困窮した方への救済措置でもあるため、審査はそこまで厳しくありません。

誰もが受給したいともう仕組みである一方、制度の数自体はやや少なめであったり、給付金が事業所得扱いになる場合もあるので注意が必要です。

補助金・助成金との違い

給付金と似たような言葉に、「補助金」、「助成金」があります。これらは給付金と異なり、「使用用途が決められている」などといったように支給に条件がついている場合が多いです。

・補助金
補助金は、経済産業省が管轄している場合が多いです。国が新規事業や新分野の製品開発を行う企業に対して、お金を補助する仕組みです。そのため、産業の活性化を目的とした法人や個人事業主は補助対象となりますが、個人は対象とならないのが特徴です。
審査が厳しく、支給対象者が絞られています
補てん金のため、助成金がもらえるタイミングは事業者がお金を支出した後になるので、注意が必要です。

・助成金
助成金は、厚生労働省が管轄している場合が多いです。事業者が従業員の雇用の安定や職場環境の改善などを行う際にかかった費用の一部を助成する仕組みです。法人や個人事業主が対象となります。
厳しい審査はなく、条件を満たせば支給してもらえる場合が多いです。
補助金と同様、補てん金のため、助成金がもらえるタイミングは事業者がお金を支出した後になるので、注意が必要です。

3つの違いをまとめると以下のようになります。

【給付金・補助金・助成金の違い】

給付金=緊急事態の救済措置。審査は厳しくない。制度の数は少なめ。
補助金=経済産業省が管轄。産業の活性化を目的とした企業に対してお金を補助する仕組み。
助成金=厚生労働省が管轄。事業者が職場の環境改善などにかかった費用を助成する仕組み。

個人事業主が受け取れる給付金2選

個人事業主が受け取れる給付金には、どのような種類があるのでしょうか。詳しくご紹介します。

2023年5月現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う給付金は受付を終了している場合もあり、最新の情報を得るには厚生労働省・経済産業省等のHPを確認することをお勧めします

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金

仕事を取りやめた日が令和5年3月31日までの分で、小学校休業等対応支援金は終了しました。
申請期限は令和5年5月31日(必着)となります。

令和4年12月1日から令和5年3月31日までの間に、新型コロナウイルスに感染して小学校などを休む必要のある子どもの世話を保護者として行うことが必要となったため、契約した仕事ができなくなった個人で仕事をする保護者を支援する給付金です。

申請をすれば、仕事ができなかった日について、1日あたり4,177円が給付されます。

【参考】厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)」(2023年5月22日)

持続化給付金

持続化給付金は令和3年2月で申請受付は終了しました。

申請は終了してしまいましたが、新型コロナウイルス関連の給付金として大きな注目を集めたので簡単にご紹介します。

持続化給付金とは、感染症拡大により、特に大きな影響を受ける事業者に対して事業の継続を下支えするための給付金です。新型コロナウイルス感染症の影響により、ひと月の売り上げが前年同月比で50%以上減少している事業者などが給付対象でした。中小法人等は200万円、個人事業者等は100万円が給付されました。

【参考】経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ」(2023年5月22日)

給付金は新型コロナウイルスに関連したものが多く、コロナが終息しつつある昨今では個人事業主が申請できる給付金の数が少なくなっているのが現状です。

個人事業主が受け取れる助成金・補助金一覧

給付金は2023年5月現在申請できる数が限られていましたが、助成金・補助金は条件を満たせば申請できるものがいくつかあります。以下に個人事業主が受け取れる助成金・補助金についてご紹介します。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する仕組みです。

9つのコースがあり、支給される助成金額や要件はコースによって異なります。

【参考】厚生労働省「人材開発支援助成金」(2023年5月22日)

キャリアアップ助成金

キャリアップ助成金とは、いわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する仕組みです。

助成金の要件は頻繁に変わるため、最新の情報は厚生労働省のHPにて確認するのがおすすめです。

【参考】厚生労働省「キャリアアップ助成金」(2023年5月22日)

業務改善助成金

業務改善助成金とは、生産性向上に役立つ設備投資等を行うとともに事業ない最低賃金を一定金額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を補填する仕組みです。

「中小企業・小規模事業者であること」や「事業内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内であること」などが対象事業者となります。

【参考】厚生労働省「業務改善助成金」(2023年5月22日)

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、新始業進出、事業転換などの取り組みを通じた規模の拡大、思い切った事業再構築に意欲的な中小企業等の挑戦を支援する仕組みです。

事業計画について認定経営革新等支援機関や金融機関の確認を受けるなどの要件を満たす必要があります。

【参考】経済産業省「事業再構築補助金」(2023年5月22日)

小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する仕組みです。

補助金の要件は頻繁に変わるため、最新の情報は経済産業省のHPにて確認するのがおすすめです

【参考】経済産業省「地域を支える小規模事業者等の皆様へ」(2023年5月22日)

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

新製品・サービス開発や生産プロセる改善等のための設備投資を支援する仕組みです。賃上げや働き方改革等に対応するため、中小企業が取り組みの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資のお金を支援します。

【参考】ものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金公式採用」(2023年5月22日)

給付金・補助金・助成金を利用するメリット・デメリット

今まで紹介してきた、給付金・補助金・助成金を利用する上で、メリットだけでなくデメリットも少なからずあります。どのようなメリット・デメリットがあるのかまとめました。

メリット

給付金・補助金・助成金を利用する主なメリットは以下の3つです。

メリット①:返済する必要がない
メリット②:事業を維持できる
メリット③:設備・人材への投資ができる

メリット①:返済する必要がない

給付金・補助金・助成金の大きなメリットは「返済不要であること」です。補助金は審査が必要ですが、融資などと違い、審査に通過さえすれば「返さずに使えるお金を補填してもらえる」というのは企業や個人事業主にとって大きなメリットと言えます。

メリット②:事業を維持できる

小規模事業者持続化補助金などのように、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する仕組みもあります。

販路の開拓などを行う場合、多額のコストがかかるため、補助金をもらうことによって負担を抑えることができます。

メリット③:設備・人材への投資ができる

業務改善助成金などのように、生産性向上に役立つ設備投資等を行うとともに事業ない最低賃金を一定金額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を補填する仕組みもあります。

事業規模が小さい個人事業主などは、設備投資に使うお金がどうしても足りないケースもあります。そのため、こういった助成金を賢く活用すると良いでしょう。

デメリット

給付金・補助金・助成金を利用する主なデメリットは以下の3つです。

デメリット①:申請に手間がかかる
デメリット②:審査に落ちる場合がある
デメリット③:給付金は制度の数が少ない

デメリット①:申請に手間がかかる

補助金等の種類にもよりますが、助成金や補助金を受け取るには申請を行う必要があります。特に、年によって補助金等の対象要件が変わっている場合もあるので、こういった確認等の作業も面倒と感じてしまう場合が多いようです。

デメリット②:審査に落ちる場合がある

補助金などは、審査が厳しい場合があります。申請したとしても、必ずしも補助を受けれるとは限りません。どの投資が事業の発展や強化につながるのか?などの観点から、それぞれ定められた条件をクリアした場合のみ補助金を受け取ることができます。

デメリット③:給付金は制度の数が少ない

給付金は補助金などと違い、審査が比較的緩く、使用目的も自由であるため誰しもがもらいたいと思う制度です。しかし、給付金はそもそも緊急事態の対処として支給されるケースが多いため、助成金や補助金と比べて制度が少ないことがデメリットと言えます。

昨今でいうと、コロナ禍において幾つかの給付金制度ができましたが、コロナ収束に伴って給付金事態がなくなったケーズが多いです。

どのような給付金が現在申請対象なのか確認し、申請期限内に申し込んでお得に使うと良いでしょう。

フリーランスの仕事に関する質問

Q.フリーランスと個人事業主の違いは?

フリーランスとは、特定の企業や団体、組織に属しておらず、独立して個人で仕事を請け負う働き方をしている人のことです。根本的な違いとして個人事業主は税務上の言葉であり、フリーランスとは働き方を指す言葉であるという違いがあります。

Q.フリーランスになるのに必要な手続きはある?

フリーランスになるのに必要な手続きは、「開業届」の提出です。この手続きは費用がかからず、税務署に書類を提出することで完了します。提出しなかったからと言ってペナルティはありませんが、開業届を提出することで青色申告ができるようになるので、節税対策につながります。

【参考】国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2023年5月11日)

Q.フリーランスになったら確定申告しなければならない?

フリーランスは、給与から税金が特別徴収される会社員に対し、自分で直接税金や社会保険料を納めなければなりません。所得税や住民税、国民年金など様々な税金を納める必要があり、当然年に1回確定申告もしなければなりません。

Q.フリーランスになる前に必要な準備は?

フリーランスはサラリーマンに比べて社会的信用が低いとされています。そのため、会社員のうちにクレジットカードの契約・不動産の賃貸契約・銀行口座の開設などをしておくことをお勧めします。

銀行口座はフリーランスの仕事専用の銀行口座を作っておくと良いでしょう。フリーランスは自分で経理もしなければならないので、私用の銀行と分けて管理した方がわかりやすく、会計ソフトと同期して有効活用できるなどのメリットがあります。また、フリーランスの仕事は収入が不安定であるので最低でも半年分の生活費を貯蓄しておくのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、給付金の概念や個人事業主が受け取れる給付金・助成金・補助金の種類などについてご紹介しました。下記に今回のポイントをまとめました。

給付金=返済の義務がなく使用用途自由。審査は厳しくない。
補助金=経済産業省が管轄。産業の活性化を目的とした企業に対してお金を補助する仕組み。
助成金=厚生労働省が管轄。事業者が職場の環境改善などにかかった費用を助成する仕組み。
・給付金はそもそも緊急事態の対処として支給されるケースが多いため、2023年5月現在は種類が少ない。
・個人事業主が受け取れる助成金・補助金は業務改善助成金など多数種類がある。
🙂 給付金・補助金・助成金を利用する主なメリットは以下の3つ。
メリット①:返済する必要がない
メリット②:事業を維持できる
メリット③:設備・人材への投資ができる
😐 給付金・補助金・助成金を利用する主なデメリットは以下の3つ。
デメリット①:申請に手間がかかる
デメリット②:審査に落ちる場合がある
デメリット③:給付金は制度の数が少ない
今回ご紹介したように、個人事業主やフリーランスが対象となる給付金・助成金・補助金は多数ありました。ただし、申請期限が決まっていたり、給付対象者の条件が細かく定められている場合があるのでしっかり確認することが必要です。
計画的に補助金や助成金を活用することで、事業をより良い方向にシフトできると良いですね。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェント、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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