現代のビジネス環境では、会社員が副業で個人事業を超えた「法人設立」を考える方も増えています。
しかし、個人での会社設立となると、税金の扱いから運用の難易度まで、多くの不確実性が頭を悩ませますよね。
本記事では、副業で法人を設立する利点と注意すべき点などを実体験などを交えて解明します。副業の次のステージに進むための有益な情報を共有しますので最後までお読みください。
副業で会社設立はできるのか
結論から言うと、副業での法人設立は可能です。会社員として働きながら、マイクロ法人やプライベートカンパニーとして独自のビジネスを始めることは、副業としての新たな可能性を開く手段の一つです。
1人でもできる法人化は、個人事業主とは異なるメリットを持ち、税務や社会的信用の面で有利なことがあります。
ただし、企業によっては副業を認めていない場合もあるため、事前に勤務先の規定を確認し、可能な場合の基本的な考慮事項や手続きの概要について理解しておく必要があります。
会社設立のタイミング
法人設立のタイミングは重要です。自身の現状を把握し、法人設立のタイミングを見極めましょう。ここではそのターニングポイントを解説します。
副業の利益が500万円を超えた時
副業で得られる利益が500万円を超えた場合、個人の所得として受け取ると、徐々に増加する課税率の影響で税負担が大きくなります。
個人の場合、所得500万円を超えた段階で税率が23%以上になりますが、960万円を超えると33%、1,800万円を超えると40%という高い税率が適用されます。
一方で、法人の場合、法人税率は基本的に一律であり、中小企業ならば利益が800万円までの部分で15%、それを超えると一般的には23.2%となります。
これにより、副業から得られる利益が高額になるほど、法人設立は節税の観点でメリットを持ちます。ただし、収入が増えれば従業員報酬、社会保険料などの費用も考慮する必要があるため、節税効果は収入に応じて変わってきます。
副業からの収入を最大限に活用するためには、個人の税率と法人税率を比較検討し、実情に合わせた適切な法人設立が求められます。
財務省「法人課税に関する基本的な資料」
課税売上高が1,000万円超えた時
副業で法人設立を考える際、課税売上高が1,000万円を超えることは大きなターニングポイントになります。
なぜなら、1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生するためです。ただし、消費税法に基づく売上高の計算期間を考慮すると、事業を開始して最初の2年間は、実質的には消費税の納税が免除されるケースが多いです。
しかし、3年目以降はこの免除が適用されないため、副業の成功によって売上が増加した場合、新たな税金の支払いが必要になります。
これは副業から本格的な事業へとステップアップする際に、法人設立を真剣に考慮するべき重要な指標です。
法人設立によって税制面でのメリットを享受することができる場合があります。例えば、法人税の納税義務が発生する一方で、経費として認められる項目が増えることで、個人事業主の場合よりも税負担を軽減できる可能性があります。
課税売上高の増加は副業の成長を意味しますが、税制面での対策も必要なため、法人設立を検討するタイミングとなるのです。
勤め先の副業への対応方針が明確になった時
副業を認めている企業が増える近年、その方針は多種多様になっています。副業が許可されている場合、独立に向けた準備や法人設立の道が開かれますが、明確なルール内で動く必要があります。
たとえば、勤め先が競業避止義務を課している場合、副業での法人設立はその制約内でのビジネスを選ばねばなりません。また、副業許可申請の必要性や、利益の報告義務など、勤め先の規定は副業で法人を設立する上での計画に大きく影響を与えます。
自分の副業が勤め先のルールと矛盾しないように、そして法人設立のメリットとデメリットを天秤にかけながら、実体験に基づいた計画を慎重に進めることが求められます。
社会的な信用を得たい時
個人事業主としてではなく、法人としてビジネスを行うことで、取引先や顧客からの信頼をより容易に得られる可能性が高まります。
法人は個人よりも堅牢な企業体とみなされるため、契約の獲得がしやすく、金融機関からの融資を受けやすくなることもあります。
法人設立した社会人は、クライアントとの契約締結の際、会社としての情報提供が決め手となる場合もあるでしょう。このように、法人設立は副業において社会的信用を構築するための有力な手段となり得るのです。
副業で会社設立するメリット
副業を法人化することには多くのメリットがあります。6つの視点からメリットを紐解きます。
所得税よりも法人税の方が最大税率が低いので節税になる
会社員が副業で法人設立を行う大きなメリットの一つに、税率の違いによる節税効果があります。所得税の最大税率は約45%に達しますが、2023年時点では、法人税の最大税率は23.2%と、個人で収入を得る場合に比べて大幅に低いです。
この税率の差が、所得を法人化することでの節税に直結します。例えば、副業で年間一千万円を稼いだ場合、個人の所得として申告すると約45%の税金が課せられる可能性がありますが、法人設立をし会社として収益を上げれば、約23.2%の税率で済むため、その差は経済的に大きな利点となります。
役員報酬で所得が分散できる
役員報酬による所得分散は、節税戦略の中でも特に有効なアプローチの一つです。副業で法人を設立した会社員が、自身を役員として登録し、役員報酬を受け取ることで個人の所得を法人に分散させることが可能になります。
この方法は給与所得控除を利用して、法人における税負担を軽減する効果があります。
たとえば、個人の所得税率が高い税率区分にある場合、法人設立により役員としての収入に切り替えることで、法人税率の低い利益として税負担を抑えることができます。
さらに、役員報酬は家族にも支払うことができるため、合法的に所得を分散し、家族全体の税負担を減らすことが可能です。
具体的には、年収1,000万円の会社員が法人を立ち上げ、自分への役員報酬を年間で500万円に設定するとします。
すると、残りの500万円は個人の所得となり、これにより所得税率が下がる可能性があります。また、配偶者に年間200万円の役員報酬を支払えば、配偶者の所得税率も最低限に抑えられます。このように、役員報酬を最適に配分することで、所得分散と節税の両方を実現することができます。
国税庁「No.1410 給与所得控除」
経費の幅が広がる
副業で法人設立を行うと、個人事業主と比較して認められる経費の範囲が拡がります。これは法人としてビジネスを行う上で、多くの経費が業務に必要不可欠であると認められるためです。
例えば、個人では通常、経費に算入しづらい生命保険の保険料や、健康を維持するためのジム費用なども、社員の福利厚生や健康管理として法人経費として計上することが可能です。他にも、事業に関連する書籍代、通信費、交通費なども含まれ、これらが節税効果に直結します。
利益や赤字を10年まで繰り越せる
法人では利益や赤字を最大10年間繰り越すことができます。これは、個人事業主の場合と比較して、節税の面で大きな利点です。個人事業主の場合、赤字繰り越せる期間は3年までと制限されています。
なぜ10年間の赤字繰り越しがメリットとなるのかというと、事業が黒字に転じた際、過去の赤字を利益から差し引くことで法人税の負担を軽減できるからです。
特に、長期戦略を立てて事業を展開していく場合には、赤字期間を乗り越えた後の節税効果が大きなアドバンテージとなります。
消費税が2年間免除される
新たに法人を立ち上げた場合、課税売上高が1,000万円を超えなければ、最初の2年間は消費税の納税義務が免除されます。これは、副業として会社を始めたばかりの段階で、財政負担を軽減し、ビジネスを育てるための機会となります。
消費税免除期間を利用すれば、資金を再投資し事業成長を加速させることが可能です。しかし、このメリットを享受するためには副業であっても法人登記後に適切な帳簿の管理が必須となりますので、事前の準備と計画が重要です。
社会的信用を得ることができる
法人としての運営は、個人事業主と比較して、取引先や金融機関からの信頼をより容易に得られる可能性があります。
例えば、B2B(企業間取引)の場面で法人格を持つことは、安定性や誠実性の証と見なされることが多く、大規模な契約や信用取引のチャンスを高めることができます。
また、法人設立によって企業向けの特別な金融商品や助成金の対象となり、ビジネスの拡大や安定運営に資することも期待できます。社会的信用を築くことは、副業での法人運営を強固なものにし、長期的な成功へと導く基盤となるのです。
副業で会社設立するデメリット
副業で会社設立にはメリットもありますが、デメリットも存在します。デメリットも理解することで、副業で会社設立の検討時に適切な判断が行えます。
会社の設立には費用がかかる
副業で会社設立に踏み切る際、デメリットの一つとして設立費用の負担が挙げられます。設立にはまず、公証人手数料や登録免許税などの法的費用が必要です。
公証人手数料は株式会社の場合、定款認証で5万円程度かかります。また、登録免許税は会社の資本金により変動し、株式会社であれば最低15万円が必要です。その他、印鑑証明書の取得や実印の作成などの諸経費が数万円程度かかります。
さらに、解散時にも清算費用として数万円から数十万円が必要な場合があります。これらの費用は副業収入だけで賄うには重荷になりかねず、会社設立の計画を立てる際には十分な資金計画が求められます。
決算処理が複雑化する
副業で法人を立ち上げると、個人事業主と比較して決算処理の複雑性が増します。個人の場合、所得税の申告に主に対応すれば良いのですが、法人化すると法人税、消費税、住民税など多岐にわたる税務申告が必要になります。
具体的には、法人設立により資本金の払い込み、貸借対照表や損益計算書の作成、減価償却費の計算などが発生し、専門的な知識がなければ適切な処理が困難になります。
赤字でも税金がかかる
個人の場合は、収入が赤字になっても税金はかかりませんが、法人設立をすると赤字でも一部の税金がかかります。例えば、消費税や住民税、固定資産税などは赤字でもかかる税金の1つです。
逆に、法人税や地方法人税などは、赤字の場合全額免除されます。また、法人住民税は税金の一部が免除されます。
全ての税金がかかるわけではありませんが、個人よりも法人化した方が、赤字の時にかかる税金は多くなります。財政的に厳しくなる要因となり得るので、注意が必要です。
本業の会社にバレる可能性がある
副業として法人設立を検討する際には、本業の会社に露見するリスクを考慮する必要があります。
特に、代表取締役として自分の名前が公式記録に登録されるため、会社員としては「副業がバレる」可能性が高くなります。これが会社の規定に抵触する場合、就業規則違反に問われたり、最悪のケースでは雇用を失うリスクもあります。
副業での法人設立は経済的自立やビジネススキルの向上に繋がるメリットがありますが、バレるリスクを避けるためには慎重な対策が必要です。
家族の名前を使って代表取締役を立てることで、自身の関与を間接的にする方法も選択肢の1つです。ただし、このアプローチも法的および倫理的な側面から検討する必要があります。
副業で会社を設立する際は、こうしたバレるリスクと、それに伴う職務上の問題点を十分に理解し、適切な戦略を立てることが重要です。
所得や個人情報が晒される可能性がある
会社員が副業で法人設立する際、所得やプライバシーの露出は避けられないリスクの一つです。副業で法人化すると、その活動は個人のものではなく、「法人」としてのものとなります。これには、税務上の透明性が求められるため、法人の所得申告が必要になり、事業の収支詳細が税務署に提出されます。
これにより、会社員としての所得に加えて、法人からの収入が明らかになる可能性があります。また、法人設立に伴う情報公開義務は、創業者の住所や役員情報など、個人情報の一部を公的記録として晒すことを意味します。
さらには、取引先やその他のビジネス関係者に対しても財務内容を開示することが求められるため、個人としてのプライバシーが減少することになるでしょう。会社員として本業を持ちながら副業で法人を構える際は、利益だけでなく、プライバシーへの影響も考慮する必要があります。
会社設立までの流れ
会社設立までの流れは、副業をしながらでも明確な6つのステップを踏むことでスムーズに進みます。設立や副業での法人設立の手続きについて具体的に解説します。
STEP1. 会社設立の準備をする
会社設立にはいくつかの手順が必要で、その中でも特に重要なのが商号の決定と印鑑の作成です。
まず、商号の決定は将来の会社の顔となる重要な要素です。商号は単なる名前ではなく、その会社のイメージ、業種、ビジョンを反映するものであり、顧客や取引先に対して信頼と専門性を印象付けるための大事なツールです。商号を決定する際には、他社との重複を避け、事業内容を明確に伝えられるように留意する必要があります。また、将来的な事業展開を見越して、あまり狭い範囲を想起させないような名前を選ぶことも大切です。
次に、印鑑の作成ですが、これは法的行為を行う上で欠かせないもので、会社を設立する際には、実印として登録する印鑑が必要になります。この印鑑は登記に使用するため、単なるゴム印やシャチハタではなく、堅牢な材質で作成されたものを用意する必要があります。また、個人の印鑑とは異なり会社の印鑑は、そのデザインにも法的な制約があるため、専門家と相談して作成することをお勧めします。
STEP2. 定款を作成する
会社設立のステップとして重要なのが定款作成です。副業で法人を立ち上げる場合も、この工程は欠かせません。定款とは、会社の基本的なルールや事業内容を定めた法的文書であり、会社の「憲法」とも言えるものです。これには会社の名称、目的、本店の所在地、資本金の額など、事業運営の基盤となる事項が記されています。
副業で会社を立ち上げる際の定款作成は、自身のビジネスプランに沿って慎重に行うべきです。また、作成した定款は公証人の認証を受ける必要があり、これには手数料が発生します。認証を受けた定款は会社設立登記の際に提出が求められ、その効力を持つため、その内容には正確性が求められます。
STEP3. 資本金を入金する
資本金は、会社の財政基盤を示すものであり、その額は事業規模や業種によって異なりますが、副業での法人設立ではあまり重く捉えず、法的な最低限の金額を設定するケースも一般的です。
入金は専用の銀行口座へ行い、この段階では設立予定の企業名義ではなく、設立者個人名義の口座を使用します。このため、入金時には会社設立の目的である旨を明記し、銀行側の誤解を招かないように注意が必要です。
また、資本金の額によっては、会社設立後に税務上の影響が出る可能性もあるため、税理士等の専門家との相談を推奨します。
STEP4. 登記書類を作成する
登記書類は、法人としての存在を公的に証明するために不可欠であり、正確な作成が求められます。
必要な登記書類には、定款、登記申請書、設立時役員の承諾書、株主名簿などがあります。これらは法人設立の合法性、透明性を確保し、事業運営における信頼性を構築する上で欠かせない情報を含んでいます。
特に定款は、会社の基本的なルールを定める書類であり、公証人による認証が必要です。法人設立の手続きにおいて、これらの書類を適切に準備することは、事業の発足をスムーズに進めるために極めて重要です。
STEP5. 登記申請をする
会社設立の終盤の大事なプロセスが登記申請です。この手続きを完了させることで、法人としての正式なスタートを切ることができます。
必要書類には、定款、設立登記申請書、取締役の就任承諾書、登録免許税を納付した証明書などがあります。
申請方法は、自らが直接管轄の法務局に足を運ぶか、オンラインで法務局の登記情報提供システムを利用するかの2パターンがあります。
注意すべき点は、提出書類に誤りがないか事前にしっかりとチェックすること、そして全ての書類が法令に則した形式であることを確認することです。書類に不備があると登記申請が受理されず、会社設立が遅れる原因となりますので正確で丁寧な準備を心がけましょう。
STEP6. 税務署に会社設立の届け出をする
副業で法人を設立するにあたり、地域の税務署に「法人設立届出書」を提出することが必要になります。この届出書には、会社の名称、所在地、事業内容、設立日、役員の情報などが含まれます。また、税務上の優遇を受けるためには、「青色申告の承認申請書」を同時に提出することが賢明で、設立後2ヶ月以内に手続きを行う必要があります。
これらの届け出により、会社として正式に税務上の手続きを開始することができます。特に、副業として会社を運営する場合には、税制上のメリットを最大限に享受するためにも、全ての手続きを適切に行うことが不可欠です。会社設立までの流れとして、税務署への届け出は適正な経営を行う上での重要なステップとなります。
副業で会社設立する時の注意点
副業で会社設立を検討する際は、複数の注意点を押さえることが重要です。まず本業との兼ね合いを考慮し、所属する会社の規定に違反しないようチェックします。
特に、競業避止義務や副業禁止の規定がないかを確認し、必要であれば事前に承認を得ることが肝心です。次に税務上の知識を身につけましょう。
個人事業主とは異なり、法人の場合は法人税や消費税の申告が必要となり、記帳義務も発生します。これらを適切に管理するためには、会計の基礎を学ぶか専門家の助けを借りることも一つです。
また、会社の運営には責任が伴い、財務には透明性が求められます。副業で会社設立は多大なメリットをもたらしますが、失敗しないためにも法人化の「注意点」を理解し、慎重に計画を立てることが不可欠です。
会社設立で損をすることもある
副業として法人設立を考える際、予想外の損失に遭遇するリスクは理解しておきましょう。特に税負担が増大する可能性は大きな問題点です。個人ではなく法人として事業を行う場合、税制は複雑であり、税率が高くなる可能性があります。
加えて、法人は確定申告の際に税理士に依頼するケースが多いため、その報酬も新たな出費となります。さらに、法人経営には給与や社会保険料の支払い義務も生じるため、副業から得られるはずの収入が思ったよりも少なくなる可能性があります。したがって、法人設立の際はこれらの損失が発生しないよう事前にシミュレーションを行うことが重要です。
本業を疎かにしない
会社員が副業で法人設立する際、最も肝心なのは「時間管理」です。本業のパフォーマンスを維持しつつ副業と本業のバランスを取るには、限られた時間を効率的に使うことが不可欠です。
具体的には、タスク管理ツールを活用して日々の業務を明確にし、副業に費やす時間を事前にスケジュールに組み込むことが重要です。
また、副業での法人設立初期は特に費用がかかり、経済的な不安定さが生じる可能性がありますから、本業での収入を安定させるためにも、急な出費に備えた資金計画を立てることが肝要です。
税金について勉強しておく
副業で法人設立を検討する際、税金対策は非常に重要な要素です。個人と企業では税制が異なるため、税金に関する基礎知識は必須です。
特に会社員が法人化することで、可能性として浮上するのが、節税効果です。個人の所得税率と法人税率の違いを理解し、経費の計上が可能な範囲を把握することが重要です。また、副業の収益が増えると、税負担もそれに比例して重くなります。
効果的な税金対策を実行するためには、自分でやることが増え、税金計算や申告方法などの専門的な知識を身につける必要があります。
副業として法人を立ち上げた際には、会計士などの専門家と協力しながら、適切な税金対策を行うことが推奨されます。
会社設立が勤め先にバレる理由
副業で会社を設立すると、勤め先に税務情報を通じ、または役員登記で発覚するリスクがあります。会社設立が勤め先にバレる理由を具体的に説明します。
住民税の金額でバレる
従業員が副業で法人を設立すると、その収入は個人の所得として住民税に反映されます。通常、会社員の住民税は「特別徴収」として勤務先を通じて賃金から天引きされます。
しかし、副業で得た収入がある場合、その所得が加算されるため、翌年度の住民税が増額されます。法人設立による収入があると、その情報は税務署を通じて居住地の市町村へと伝わり、住民税の計算ベースに加えられます。
一方、勤務先からはこの増額分についての詳細は通常知らされませんが、住民税額の増加は給与明細を通じて従業員にとっても明らかになります。もしこれが予想外に高額であれば、勤務先に副業の存在を疑われる可能性があります。
これを防ぐための対策として、住民税の「普通徴収」を選択することが挙げられます。普通徴収では、税金を直接市町村へ支払うため、勤め先を通さないので副業収入がバレるリスクを軽減できます。
直接的な原因でバレる
副業がバレる直接的な原因は、何気ない日常の中に潜んでいます。
例えば、同僚に副業をしている場面を目撃されたり、社外の人との打ち合わせを偶然見られたりするケースです。また、SNSのプロフィールや投稿によって、勤務先に対して自らの副業活動を露呈してしまうこともあります。これらは副業が発覚する典型例であり、対策が必要です。
対策としては、副業活動の際にはプライバシーを厳守し、社外での商談や作業は匿名性の高い場所で行う、SNSのプライバシー設定を確認し、ビジネスアカウントと個人アカウントを分けるなど徹底することが大切です。また、社内規定をよく理解し、副業が許可されているかどうかを事前に確認しておくことも重要です。
公開法人データからバレる
副業で法人設立を考える際、公開法人データがプライバシーに与える影響は無視できません。法人登記を行うと、代表取締役の名前が商業登記簿に記載され、国税庁の法人番号公表サイトや各都道府県の公式ガイドなどで公開されます。これにより、会社員の副業活動が勤め先に知られるリスクがあります。
特に注意すべきは、金融機関や公共の入札に参加する際に必要となる情報提供です。また、ビジネス情報提供サービスなどでは、追加料金を支払うことで企業の詳細な情報が得られるため、勤め先の人事部や同僚によるチェックも考えられます。
プライバシー保護の対策として、家族に代表取締役を依頼する方法がありますが、それにもリスクが伴います。家族が代表を務める場合、税務調査など公的な問い合わせに対応する必要が出るため、責任の所在を明確にすることが重要です。
副業で起業した人が上げるSNSの声
実際の声には、成功談と困難に直面している声の両方が含まれており、副業起業への道は一筋縄ではいかない様子が窺えます。
「休日が自由に作れるようになった」という声は、副業起業がもたらす時間の柔軟性を示しています。X(旧Twitter)には、「土日を丸ごと使って事業を進めることで、本業の平日も集中できるようになった」とポジティブな意見や「自由な時間管理は自己実現に繋がる」という声も上がっています。
また、「低かった収入が段々と上がっていった」、「副業で得た収入が本業を超えた!」というポジティブな結果を伝える人もいます。
しかし、反面で「失敗して借金だけが残った」という声や、「計画が甘くて痛い目に遭った」という苦い経験を得た人たちもいました。
これらの声からわかるのは、副業起業は計画的に行えば大きなメリットが享受できる可能性がある一方で、リスクも伴うということがわかります。
まとめ
本記事を通じて、会社員が副業として法人を設立することの可能性、それに伴うメリットとデメリットについて、そして実際のSNS上での声も交えて詳しくご紹介してきました。副業で新たなビジネスを始めることは、将来の収入源の多様化につながる魅力的な選択肢ですが、法律の制約、仕事との両立の難しさ、精神的な負担など、考慮すべき点も多々あります。
自身のライフスタイルやキャリアプラン、そして何よりも「副業の会社設立が本当に自分に合っているのか」という点を、じっくりと考えた上で、この大きな一歩を踏み出すかどうかを決められることをお勧めします。
この記事を通して、読者の皆様が将来、より豊かで充実した副業を展開できることを祈っています。
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