
Google広告をやみくもに利用しても成果にはつながりません。
Google広告で成果を出すためには、基礎的な情報を理解し、課金形式や種類を把握することが大切です。また、予算の決め方・抑え方を知っておくと、社内でも円滑にGoogle広告の導入を進められます。
この記事では、企業の広報担当者向けに、Google広告に関する情報をまとめました。
今後、Google広告の出稿を考えている広報担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもGoogle広告ってどういうもの?

「Google広告」は、検索結果やWebサイト、YouTubeなど、Google関連サービス上に自社の広告を表示できるサービスです。
たとえば、あなたが「カフェ 東京」と検索したとき、検索結果の上部に広告と表示されるリンクを見たことがあるかもしれません。これが、Google広告です。
Google広告の特徴は、「見たい人だけに広告を届けられる」点です。
年齢や性別、地域などを細かく設定できるため、効率良く将来的な顧客にアプローチできます。
テレビCMやチラシのように、とにかく多くの人に見せる手法とは異なり、Google広告はデータに基づいてターゲットを最適化します。そのため、広告費用がムダにならず、自社の商品やサービスに関心のある人へピンポイントで届けることが可能です。


Google広告の課金形式について
Google広告の費用は、広告が「どのように見られたか」「どんな行動が起きたか」によって変わります。これを「課金方式」と呼びます。
主に「広告視聴型」「インプレッション型」「クリック型」「コンバージョン型」の4つがあり、広告の目的に応じて、それぞれの課金方式を選択する形です。
この章では、Google広告の課金方式の特徴について詳しく解説します。
①広告視聴型課金
「広告視聴型課金」は、主にYouTube広告などで使われる課金方式です。
広告動画を一定時間視聴した場合に料金が発生します。そのため、魅力的な広告動画でなければ、効果を実感しにくいです。また、広告動画の制作には一定の費用がかかるため、「広告費+製作費」を見込んで計画を立てる必要があります。
一方で、広告動画は、一般的な広告よりも認識される可能性が高く、ブランドの認知度を上げたい企業に向いています。
②インプレッション型課金
インプレッションとは、広告が画面に表示された回数のことです。
「インプレッション型課金」では、広告が「1,000回表示」されるごとに料金が発生します。そのため、ユーザーの行動に関わらず、料金が発生する点には注意しましょう。
この方式は、主に認知度を上げたい場合に活用されます。企業イメージの向上や新商品の告知など、「まずは知ってもらう」という段階で使われることが多いです。
③クリック型課金
「クリック型課金」は、Google広告でもっともポピュラーな課金形式です。
その名の通り、ユーザーが広告をクリックしたときにだけ料金が発生します。
この方式のメリットは、実際に関心を持ってサイトを訪れた人の数のみ費用が発生する点です。ムダな表示コストを抑えやすく、限られた予算でも成果を実感しやすい仕組みといえます。
また、競合の状況によってクリック単価は変動しますが、小さく始めて徐々に調整できる柔軟さも魅力のひとつといえるでしょう。
④コンバージョン型課金
コンバージョンとは、商品購入や資料請求、問い合わせなど、広告が最終的に達成したい成果のことを指します。
「コンバージョン型課金」は、その成果が実際に発生したタイミングでのみ費用がかかる仕組みです。そのため、ムダな支出を抑えつつ、成果に直結する部分だけに予算を投じられるため、コスト効率を重視する企業に選ばれやすい方式でもあります。


【種類別】Google広告の費用相場について解説
| 広告の種類 | 費用の相場 |
| ディスプレイ広告(GDN) | 20〜50万円 |
| 検索広告(リスティング広告) | 20〜50万円 |
| ショッピング広告 | 約20万円〜 |
| 動画広告(YouTube広告) | 約20万円〜 |
| アプリ広告 | 約20万円〜 |
Google広告と一口にいっても、目的や場所によっていくつかの種類があります。
代表的なのが「ディスプレイ広告」「検索広告」「ショッピング広告」「動画広告」「アプリ広告」の5つです。それぞれ課金方式が異なり、出稿費用の目安も変わります。
たとえば、検索広告は競合が多く、コストが高騰しやすい一方、ディスプレイ広告は比較的低コストで認知を広げるのに向いています。
こうした広告の種類を理解することで、自社の目的や予算に合った出稿方法を選べるようになります。
ここからは、それぞれの広告の特徴と費用の目安を見ていきます。
ディスプレイ広告(GDN)
「Googleディスプレイネットワーク(GDN)」は、ニュースサイトやブログなどのページに、画像やバナー形式で表示されるディスプレイ広告のことです。
費用相場は20〜50万円ほどで、ユーザーの興味・関心に合わせて幅広い層に配信できるため、商品やサービス、ブランドをまず知ってもらう段階に向いています。
ターゲットを細かく絞り込むよりも、認知を広げたいフェーズで活用する広告といえるでしょう。
検索広告(リスティング広告)
「検索広告(リスティング広告)」は、ユーザーが検索したタイミングで表示される、テキスト型の広告です。
費用相場は20〜50万円ほどとやや高めですが、「検索している=興味がある」ユーザーに直接アプローチできる点が大きな特徴です。購買意欲の高い層に絞って配信できるため、成果につながりやすい広告形式といえるでしょう。
限られた予算でも、比較的早く効果を実感しやすい点も魅力のひとつです。
ショッピング広告
「ショッピング広告」は、ユーザーの検索結果に、商品の画像や価格、店舗名などを表示できる広告のことです。
費用相場は約20万円ほどで、すでに商品を検討しているユーザーにアプローチできるため、ECサイトやネットショップとは、特に相性のいい広告形式です。
画像つきで視覚的に伝えられるので、ターゲットの購買意欲を刺激できます。
動画広告(YouTube広告)
「動画広告(YouTube広告)」は、主にYouTube内で再生される広告で、費用相場は約20万円ほどです。
自社の商品やサービス、ブランドの世界観を伝えたいときに効果的です。短期間で多くの人に認知を広げられます。
アプリ広告
アプリ広告は、Google Playを含めたGoogle関連のサービス上に配信される広告です。
ユーザーがアプリ広告をクリックすると、Google Playのインストール画面に移動する仕組みを採用しています。
費用相場は約20万円ほどで、アプリのインストール促進やユーザー数の増加が目的の方に向いています。
特に、モバイルユーザーを狙いたい方に向いている広告形式といえるでしょう。


Google広告の予算はどのように決めるのが正解?

Google広告では、いくら使うかよりも「何を目的にするか」が予算設計のポイントです。
たとえば、「商品をいくつ売りたいのか」「問い合わせをどれだけ増やしたいのか」によって、必要な金額が変わります。そのため、感覚的に広告費用を決めるのではなく、目標から逆算して考えるのが基本です。
この章では、代表的な方法のひとつである「CV数から逆算する方法」を解説します。
CV数から逆算する方法
「月に何件の成果(コンバージョン)を得たいか」を出発点に考える方法です。
たとえば、1件のコンバージョンにかかる費用(CPA)が2,000円の場合を考えてみましょう。もし、月に50件の問い合わせを目標にするなら、単純計算で「50件(目標CV)×2,000円(目標CPA)=10万(広告予算)」となり、10万円が予算の目安になります。
このように、目標を数値化しておくと、いまの予算が現実的かどうかを客観的に判断できます。
目標CPA:2,000円
広告予算:50件 × 2,000円 = 10万円
Google広告の予算をなるべく抑える方法
Google広告は、設定の仕方によって同じ金額でも成果が大きく変わります。
そのため、やみくもに出稿するのではなく、費用を抑えながら成果を出すための工夫が大切です。ターゲット設定やキーワード選定、広告リンク先(LP:ランディングページ)の改善など、少しの工夫の積み重ねでムダなコストを減らせます。
この章では、Google広告の予算をなるべく抑える方法を解説します。
①ターゲットに合わせた配信設定をする
Google広告では、年齢・性別・地域など、さまざまな条件で配信先を絞り込めます。
たとえば、実店舗を持つビジネスであれば、商圏エリア内だけに広告を配信すれば、ムダなクリックを防げます。また、商品の購買層が限られている場合は、ターゲットの属性をしっかりと設定することで、不要な表示を減らせます。
「広告は多くの人に見られるほどいい」というわけではありません。届けたい相手だけに届くように調整することで、少ない費用でも高い効果を期待できるのです。
②除外キーワードを決め、設定する
「除外キーワード」は、広告を表示させたくない検索ワードを指定する機能です。
たとえば、有料サービスを宣伝しているのに「無料」「サンプル」「お試し」などの検索で広告が表示されると、クリックされても成約にはつながりにくいです。
そこで、こうした意図しない検索を防ぐために、あらかじめ「除外キーワード」を設定しておきます。そうすることで、成約につながりやすいターゲットにだけ広告を配信できるというわけです。
結果として、ムダなクリックを減らすことができ、広告予算の節約にもつながります。
③LP(ランディングページ)の利便性を高める
出稿した広告のリンク先である「LP(ランディングページ)」は、成果を左右する重要な要素です。
どれだけクリックを集めても、ページの内容がわかりにくかったり、読み込みが遅かったりすると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
その結果、広告費をかけても成果が出ず、コストばかりが増えるかもしれません。
LPでは、ターゲットが何をすればいいかが一目でわかる構成にし、「問い合わせボタン」「購入リンク」「CTAの位置」を最適化しましょう。また、ページの表示速度やスマートフォンへの対応も忘れないことが大切です。
④適切なマッチタイプを使い分ける
検索広告では、キーワードの「マッチタイプ」を正しく設定することで、広告の表示範囲を調整できます。
主なマッチタイプは、「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ」の3種類です。
| マッチタイプ | 特徴 |
| 完全一致 | 指定したキーワードと「ほぼ同じ語句だけ」に表示 |
| フレーズ一致 | 指定したキーワードと「関連性の高い語句」でも表示 |
| インテントマッチ | 指定したキーワード「以外にも幅広く」表示 |
たとえば、完全一致は設定したキーワードとほぼ同じ検索語句のときだけ表示されるため、ムダな表示が少なく、費用を抑えやすい形式です。一方、インテントマッチは幅広い検索語句に反応しますが、関連性の低いクリックが増えるリスクもあります。
最初は、「完全一致」か「フレーズ一致」を中心に運用し、データを見ながら調整するのが現実的です。マッチタイプを使い分けることで、より精度の高い配信ができ、予算を効率的に使えるようになります。
⑤関連性の高いターゲット・キーワードを設定する
広告の費用を抑えるには、「だれに、どう見せるか」を明確にすることが欠かせません。
たとえば、漠然と「ダイエット」と設定するよりも「30代 女性 ダイエット 方法」のように、具体的なニーズに沿ったキーワードを選ぶほうがムダが減ります。
また、Google広告の「オーディエンスターゲティング」を活用すれば、興味・関心や購入意図をもとに、配信先を絞り込むことも可能です。関連性を高めるほどクリック単価が下がりやすく、広告品質のスコアも改善する傾向にあります。
ターゲットを明確にすることが、費用を抑える効果的な方法のひとつです。


より具体的にGoogle広告の費用相場を知るには?

Google広告の費用は、業種やキーワード、地域によって大きく異なります。
そのため、平均的な相場を調べるだけでは、自社に適した予算を把握しにくいのが実情です。より現実的な費用感を知るには、Googleが提供するツールを使ってシミュレーションしたり、広告代理店に相談して見積もりを取ったりする方法が有効です。
この章では、Google広告の費用相場を知る「2つの方法」を紹介します。
シミュレーション機能を利用してみる
Google広告には、「キーワードプランナー」という無料ツールがあります。
このツールを使えば、入力したキーワードごとに「予想クリック単価」「月間の検索ボリューム」「想定クリック数」などをシミュレーションできます。
たとえば、「美容院 青山」と入力すれば、その地域でどの程度の費用が必要かを目安として確認できます。実際の運用前に数パターンを試してみることで、「このキーワードは高い」「このキーワードは競合が少ない」などの傾向がわかります。
机上の数字ではなく、自社のターゲットに合わせた費用感をつかむことで、より正確な予算設計が可能です。
広告代理店に相談する
もうひとつの方法は、Google広告の運用を専門とする「広告代理店」に相談することです。
代理店は、これまでの運用データや業界の相場をもとに、あなたのビジネスに合った予算の目安を提示してくれます。また、Google広告以外の広告手段の可能性を提示してくれるケースもあり、総合的な手厚いフォローが魅力です。
代理店は、限られた予算で成果を出したい場合や、自分で設定・分析する時間がない場合に心強い存在です。複数の代理店から見積もりを取ることで、より現実的で無理のない広告予算を把握できます。


Google広告以外の広告にはどんな手段がある?
Google広告は万能な選択肢ですが、目的やターゲットによっては、SNS広告のほうが効果的な場合もあります。
代表的なのは「Facebook広告」「Instagram広告」「Twitter広告」「YouTube広告」「TikTok広告」の5種類です。
この章では、それぞれの特徴を見ていきます。
①Facebook広告(Meta広告)
「Facebook広告」は、実名登録が基本のプラットフォームで、年齢や性別、興味関心などの属性データを活用できるのが強みです。実名制ゆえに、ユーザー情報が正確で、精度の高いターゲティングが可能です。
また、ビジネス向けの商品やサービス、BtoB企業の認知度向上に向いていて、企業の担当者や意思決定層にリーチしやすいのも特徴です。
配信形式も豊富で、画像広告や動画広告などを組み合わせることで、訴求力の高いキャンペーンを展開できます。中高年層に強く、信頼性重視のサービスを扱う企業におすすめです。
②Instagram広告(Meta広告)
「Instagram広告」は、写真や動画が中心のビジュアル重視のSNS広告です。
世界観やデザイン性を重視する商品やサービス、ブランドと相性がいいです。ファッションや美容、飲食との親和性が高い傾向にあります。主なユーザーは、トレンドに敏感な20〜30代が中心で、ストーリーズやリールなど、短い動画で印象を残す手法が効果的です。
また、Facebook広告と同じ管理画面から設定できるため、両者を連携させた運用も実現できます。視覚的な訴求力と高いエンゲージメント率を両立できる点が魅力で、ブランドの世界観を伝えたい企業には最適です。
③Twitter広告(X広告)
「Twitter広告(X広告)」は、リアルタイム性の高さが特徴の広告です。
Xのタイムライン上に自然に広告を表示でき、キャンペーンや新商品の拡散、話題化に強い傾向があります。クリック単価は比較的低めで、認知拡大を目的にした広告として使いやすいのも主なメリットです。
また、「プロモ広告」をはじめ、Xならではの広告形式がそろっています。速報性の高い情報発信やトレンドとの相性がよく、話題づくりを重視する企業やスタートアップにも向いています。
④YouTube広告
「YouTube広告」は、SNS広告のなかでも独自路線が強い広告です。
主に動画で訴求できるため、視覚・聴覚の両面からユーザーにアプローチできます。ブランド認知やストーリーテリングに効果的です。広告形式も多様で、スキップの有無を選べる「TrueView広告」や「バンパー広告(6秒の動画)」などから選べます。
短期間で広い層にリーチしたい場合や、印象に残るキャンペーンを行いたい場合に最適です。なお、映像制作には一定のコストはかかりますが、ほかの広告に比べて訴求力が高く、強い印象を与えられる点が魅力です。
⑤TikTok広告
「TikTok広告」は、若年層へのアプローチに特化した広告です。
短い動画を中心に、エンタメ性の高いコンテンツで自然にユーザーのタイムラインに溶け込みます。クリック単価は比較的安価で、少額からでも始めやすいのが特徴です。
とりわけ、10〜20代の利用率が高いため、若者向けの商品やサービスとの相性が抜群です。
楽しさや共感を通じて自然に拡散される仕組みがあり、ほかのSNS広告にはない高い拡散力を持っています。


まとめ
Google広告の費用に関して解説してきました。
Google広告は、企業がデジタルマーケティングを実践するなら、欠かせない広告媒体です。クリック型やインプレッション型をはじめとする課金方式、ディスプレイ広告や検索広告などの広告形式の多さは、世界的な企業ならではのメリットといえます。
Google広告の予算の決め方や抑え方を理解すれば、初めて出稿する担当者の方でも社内で意見を通しやすいです。また、自社に最適な広告を活用して、少しでも優れた費用対効果を目指してください。
Google広告は、企業のファーストチョイスに適した広告です。この記事を参考に、より企業の認知度を向上させましょう。

▼その他、SNS広告でのマーケティングなどに関しても解説しています。興味のある方は是非ご覧ください。

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