個人事業主とは?副業をしている会社員は個人事業主としての開業が必要?

用語解説

副業をすることが珍しくなくなってきた近年、会社員をしながら個人事業主として開業するケースがみられます。

個人事業主になる際は、開業届や青色申告などの手続きを行う必要がありますが、青色申告を行うことによって控除が受けられるなどのメリットもあります。

一方で、最近副業を始めた方の中には個人事業主になるべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

副業を最近始めたけど、個人事業主にならなきゃいけないの?

そこで今回の記事では、個人事業主の定義やメリット・デメリットについて徹底解説していきます。

今回の記事でわかること
1:個人事業主とは
2:個人事業主になる5つのメリット
3:個人事業主になる3つのデメリット
4:副業をしている会社員は個人事業主としての開業が必要かどうか
5:個人事業主になるには

本記事を読めば個人事業主の基礎がわかります。「会社員で副業をしているけど個人事業主として開業をする必要があるの?」「そもそも個人事業主って何?」という方は最後までご覧ください。

個人事業主とは

そもそも個人事業主とは、どのような人のことを指すのでしょうか?以下に詳しくご紹介します。

個人事業主の定義

個人事業主とは、自ら独立した事業を行う個人のことを指します。

事業とは、反復・継続・独立という3つの要素を全て満たして行なっている仕事のことを言います。個人業主の大きな特徴は「独立」しているということです。独立とは、どこの組織にも所属していないことを指します。サラリーマンは会社という組織に属しているので、事業を行なっているとは言えません。また、継続して行う必要があるので、サラリーマンの副業も一時的である場合は事業にはなりません。

個人事業主と法人の違いは?

法人とは、法律により自然人と同じ権利義務を認められた組織のことです。株式会社・合同会社・有限会社・合資会社などのさまざまな種類があります。

個人事業主に比べて、法人の方が信用が得やすいなどのメリットがあります。また、設立時の違いとして個人事業は、税務省に「開業届」を掲出すればOKなのに対し、法人は登記などの作業や設立費用が必要です。

法人と企業・会社の違いは?

企業とは「経済活動を行う経済主体のこと」を指します。一方で、会社とは「会社法に基づいて設計された法人のこと」を指します。法人は企業という括りの中で、権利義務を認められた組織であり、企業は法人よりも大きな枠組みになります。よってこの3つの間には、「企業>法人>会社」という関係が成り立ちます。

個人事業主とフリーランスの違いは?

フリーランスとは、特定の企業や団体、組織に属しておらず、独立して個人で仕事を請け負う働き方をしている人のことです。フリーランスと個人事業主の大きな違いは、「開業届」を出しているかどうかです。開業届を出した場合は、個人事業主とされます。

また、根本的な違いとして個人事業主は税務上の言葉であり、フリーランスとは働き方を指す言葉であるという違いがあります。

個人事業主と自営業の違いは?

自営業とは原則として、会社に属さずに自ら独立した事業を行う自然人を指します。自ら独立して事業を行なっていれば自営業にあたるので、個人事業主やフリーランスを含む大きな括りといえます。

個人事業主になる5つのメリット

個人事業主になると様々なメリットがあるので、確認しておきましょう。

メリット①:働いた分だけ収入を増やすことができる
メリット②:定年がない
メリット③:法人に比べて手続きが容易
メリット④:青色申告特別控除が受けられる
メリット⑤:利益が少ないうちは税負担が少ない

メリット①:働いた分だけ収入を増やすことができる

個人事業主は、会社員と違い、自分で仕事量を決めることができます。会社員はある程度給料が決まっているのに対し、個人事業主は個人の実力次第では、高単価な案件をこなすなどして大幅な収入アップが期待できます。

確かな実力があり、たくさん仕事をしたい・収入を増やしたいと思っている方は個人事業主になるのは大きなメリットと言えるでしょう。

メリット②:定年がない

個人事業主は自由な働き方ができます。会社員のように決まった時間に出社して、決まった金額の給料を受け取る必要がありません。働く時間は自分で決めることができ、土日に働きたければ働くこともできます。

そのため、個人事業主には定年という概念がありません。老後の資金について心配がある場合は、個人事業主として定年後も働き続けることでその不安がある程度少なくなるでしょう。

メリット③:法人に比べて手続きが容易

個人事業主は、法人に比べて税金などの処理が簡単です。法人は開業の際に、登記や定款を作成する必要があるのに対し、個人事業主は開業届を提出するだけで開業することができます。

また、廃業をする際も法人は解散や清算の登記などを作成する必要がありますが、個人は税務署に届けを出すだけで済みます。

メリット④:青色申告特別控除が受けられる

個人事業主として開業届の届出を行い、青色申告承認申請書を提出することで青色申告の特別控除を受けることができます。青色申告特別控除をすることで、最大65万円の控除を受けることができます。控除の金額が大きくなるほど、課税所得が減り、治める税金を少なくできるので節税対策になります。

ただし、最大65万円の特別控除の対象となるためには、「e-Taxによる電子申告&帳簿を複式簿記で記帳している必要」があるので注意しましょう。
税務署の窓口や有用で確定申告を行なってしまうと、55万円分の控除しか受けることができません。

メリット⑤:利益が少ないうちは税負担が少ない

個人事業主が収めなければならない所得税は、その額に応じて税率が増える累進課税制度を採用しているため、所得が多くなればなるほど税率が高くなります。

一方で、法人が収めなければならない法人税は、所得に応じた税率がほぼ一定です。しかし、法人税の最低納税額は年間7万円と決まっているため、利益が少ないうちは個人事業の方が法人よりも税金は少なくなります。

事業が軌道に乗り、利益が増えてきたら個人事業から法人化する人も多いです。

個人事業主になる3つのデメリット

個人事業主にはもちろんデメリットもあるので、確認しておきましょう。

デメリット①:収入が不安定
デメリット②:社会的信用が低い
デメリット③:確定申告をする必要がある

デメリット①:収入が不安定

自由に働けるというメリットの裏返しとして、収入が不安定等デメリットがあります。会社員であれば毎月安定した給料を得ることができますが、個人事業主の場合、収入が極端に少ない月が発生する場合も珍しくありません。

デメリット②:社会的信用が低い

個人事業主は、法人より簡単に開業・廃業ができる分、社会的信用が法人よりも低い傾向があります。

また、個人事業は融資を受けにくいというデメリットもあります。個人事業は個人と会計が一体となっているため、事業資金と個人の生活費の区別が曖昧になりがちです。事業用と生活費の預金口座を分けるなどの工夫が必要になります。

デメリット③:確定申告をする必要がある

会社員の場合、会社が年末調整を行うことで納税者(会社員)の代わりに税金を収めてくれています。そのため、わざわざ確定申告等の税金手続きをする必要がありません。

しかし、個人事業主の場合自身で確定申告をする必要があります。1年の売上や経費等を計算して、納税事務を行わなければなりません。

副業をしている会社員は個人事業主としての開業が必要?

・副業による所得が年間数百万円規模で、青色申告特別控除による節税を行いたい→個人事業主になるのがおすすめ
・副業による所得が年間20万円以下で、確定申告をする必要が無い→個人事業主にならなくて良い

個人事業主は開業届を提出すれば、基本的には誰でもなることができます。よって、会社員でも個人事業主になることは可能ですが、副業をしている会社員は個人事業主にならなければいけないのでしょうか?

結論から言うと、副業をしている会社員は必ずしも個人事業主になる必要はありません。

ただし、副業収入が年間数百万円以上になったら個人事業主として開業した方が良いと言えます。
なぜなら、個人事業主になることで税金面のメリットがあるためです。個人事業主になると、青色申告をすることで特別控除を受けることができるため(非個人事業主は白色申告しかできない)、控除金額でメリットがあります。

一方で、確定申告をする手間なども掛かってしまうため、副業による所得が20万円以下そもそも確定申告をする必要がない場合は個人事業主になるメリットを享受できないと言えます。

さらに、万が一本業の仕事を失った際、通常であれば失業保険が適応されますが、個人事業主として副業をしている状態だと無職とは言えないため失業保険を受け取ることができません。

自分の副業収入を鑑みた上で、個人事業主になるべきかどうか決めると良いでしょう。

個人事業主になるには

個人事業主になるには、まず税務署に「開業届」を提出する必要があります。基本的に、開業届を提出すれば誰でも個人事業主になることができます。

青色申告をする場合は、「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

また、必ずしも必要というわけではありませんが、名刺やホームページを制作することによって仕事が見つかりやすいこともあるためおすすめです。

【参考】国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2023年5月8日)

副業でよくある質問

Q.副業で収入を得たら確定申告が必要?

会社員の方でも副業で年間20万円以上の所得を得ている場合は自ら確定申告を行う必要があります。確定申告が必要な場合について次の記事でも詳しく解説していますので、興味があればご一読ください。

副業の確定申告のやり方は?初心者向けにわかりやすく徹底解説!

Q.在宅の副業で家賃や光熱費は経費にできる?

副業で自宅を使用している場合、家賃や光熱費は一定範囲内で経費として計上することができます。ただし、これらの支出を経費として計上するためには、自己都合で支出したものではなく、必要な支出であることを証明できる必要があります。

副業で使用する部屋の広さや使用時間に応じて、家賃や光熱費を計算し、副業で得た収入に対して必要な分だけ経費として計上することができます。場合によって、経費にできない場合もあるので不安な場合は専門家に相談するのがお勧めです。

在宅の副業で家賃や光熱費は経費にできる?誤った経費申請をしたらどうなる?

Q.副業は会社にバレる?

住民税で会社の経理担当に副業がバレるケースがあります。副業のパソコン画面を見られてしまったり、同僚との会話やSNSでの発言から副業をしていることが会社にバレる可能性もあります。そもそも、会社のルールで副業が禁止となっている場合は当たり前ですが副業を行わないようにしましょう。

副業の給料が手渡しなら、会社に副業はバレない?副業に扱われにくい収入についてもご紹介!

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、個人事業主の定義やメリット・デメリットについてご紹介しました。
以下に今回のポイントをまとめました。

個人事業主とは、自ら独立した事業を行う個人のこと
・個人事業主になると働き方が柔軟・法人に比べて手続が容易・青色申告ができる等のメリットがある
・個人事業主になると収入が不安定・確定申告を必ず行う必要がある等のデメリットがある
・副業をしている会社員は必ずしも個人事業主になる必要はない

会社員で副業をおこなっている方は、自分の副業収入を鑑みた上で、個人事業主になるべきかどうか検討すると良いでしょう。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェント、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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