SNS運用の外注ガイド|費用相場と頼む範囲・依頼先の決め方

SNS運用の外注ガイド|費用相場と頼む範囲・依頼先の決め方 マーケティング

SNS運用の外注費用は、頼む範囲によって月5万円前後から50万円以上まで変わるため、先に頼む範囲と社内に残す役割を決めることが出発点です。見様見真似で始めたアカウントが止まったまま、あるいは兼務で手が回らなくなっている場合も、この順で決めれば依頼先と予算の幅は自分で絞れます。

この記事で分かることは次の3点です。

  • 頼む範囲ごとの月額の目安と、見積もりが作業量に見合うかの確かめ方
  • 外に出すか社内でやるかの判断と、外注しても社内に残す役割
  • 依頼先タイプの比べ方と、契約前・依頼前に確かめて用意すること

SNS運用の外注で頼める業務

SNS運用の外注で頼める業務

SNS運用の外注は、投稿の作成だけでなく、戦略設計から分析・改善まで頼めます。どこまで任せるかで月額も社内に残る手間も変わるので、まず業務を3つの層に分けて、自社がどこを外に出したいかを決めます。

戦略設計とKPI設定

戦略設計では、SNSを使う目的、届けたい相手、使う媒体、追いかける数字(KPI:目標に向けた途中の達成度を測る指標)を依頼先と一緒に決めます。媒体選びは、商品と相手の相性で変わります。写真で伝わる商品ならInstagram、短い動画で使い方を見せるならTikTokやYouTubeショート、情報発信や採用ならXといった具合です。

ただし、目的そのものは社内で持ちます。認知を広げたいのか、採用につなげたいのか、問い合わせを増やしたいのかは事業の判断で、依頼先が決めるものではありません。目的が社内で固まっていれば、依頼先はそこから逆算してKPIと媒体を提案できます。戦略設計だけを最初に頼み、実行は社内で回す頼み方もあります。

投稿の企画制作と日々の運用

日々の運用で頼めるのは、投稿の企画、画像や動画の制作、予約投稿を含む投稿作業、コメントやDM(ダイレクトメッセージ)の一次対応です。月に何本投稿するか、画像と動画のどちらを何本作るかで作業量が大きく変わり、見積もりもここで差が出ます。

コメントやDMは、定型の返信や振り分けまでを依頼先に任せ、クレーム・返品・個別の条件交渉のような顧客対応の最終判断は社内に残します。返答の内容が会社の約束になるためです。依頼する前に「ここから先は社内に回す」という線を文章で渡しておくと、一次対応の速さを保ったまま判断のずれを防げます。

分析レポートと広告などのオプション

分析では、投稿ごとの反応やフォロワーの推移をまとめたレポートと、次月の改善提案を受け取ります。見積もりの段階で、改善提案まで月額に含まれるのか、数字の報告だけなのかを確かめてください。報告だけなら、改善策を考える手間は社内に残ります。

SNS広告の運用、キャンペーンの企画、インフルエンサー施策、撮影は、月額とは別のオプション扱いになっていることが多い業務です。自社がやりたい施策がオプションに入るかどうかで総額が変わるため、依頼したい施策を先に一覧にしてから見積もりを頼むと、後から追加費用に驚かずに済みます。

SNS運用を外注する費用相場

SNS運用を外注する費用相場

SNS運用の外注費用は、頼む範囲の広さでほぼ決まります。同じ「月20万円」でも投稿本数や制作・レポートの中身は依頼先ごとに違うので、表の金額は何を含む価格かを確かめたうえで読んでください。

依頼範囲ごとの月額の目安

SNS運用代行の月額は、頼む範囲で3段に分かれます。

頼む範囲 月額の目安 含まれることが多い作業
投稿中心 おおむね月5〜20万円 決まった本数の投稿作成と投稿作業
運用全般 おおむね月20〜50万円 企画・画像や動画の制作・投稿・コメント対応・月次レポート
広告・戦略まで 月50万円以上 運用全般に加えて戦略設計・広告運用・キャンペーン

フリーランスに頼む場合はおおむね月3〜10万円で、投稿作成など範囲を絞った依頼が中心です。代行会社では、アカウントの設計や初期の方針づくりに初期費用がかかる場合があり、10万〜50万円程度の幅があります。

表の金額は、投稿本数・制作の有無・コメント対応・レポートの中身をそろえて比べて初めて意味を持ちます。安い見積もりを見たら、どの作業が入っていないかを先に確かめてください。

月額とは別にかかる費用

月額の運用費とは別に、次の費用がかかることがあります。

  • 撮影費(商品写真・人物写真・店舗の撮影)
  • 動画制作費(短尺動画の編集・撮影を含む制作)
  • 広告費と広告の運用手数料
  • キャンペーン費(プレゼント品・応募の管理)
  • インフルエンサーへの依頼費

どれも施策の規模で金額が大きく動くため、見積もりでは「どの条件で追加費用が発生するか」を書面で確かめます。たとえば、月の投稿本数を超えたとき、動画の本数を増やしたとき、急な差し替えを頼んだときの扱いです。条件が書かれていない見積もりは、月額が安く見えても総額が読めません。

見積もりが依頼内容に見合うかの確かめ方

見積もりが妥当かは、頼む作業を週あたりの作業時間に落とし、見積もりが前提にしている稼働と照らすと判断できます。金額だけを他社と並べるより、作業量との釣り合いで見るほうがずれに気づけます。

手順は次の3つです。

  1. STEP1:頼む作業を書き出す(投稿の企画・制作・投稿・コメント対応・分析・定例の打ち合わせ)
  2. STEP2:作業ごとに週あたりの時間を見積もり、合計する
  3. STEP3:見積もりを出した相手に、何時間の稼働を前提にした金額かを聞き、合計と比べる

比べる目安として、マーケティング領域の業務を個人のプロに業務委託する場合は、領域を問わずおおむね月15〜30万円で、週10〜20時間の稼働が一つの目安です。STEP2の合計がこの稼働を大きく超えるなら、頼む範囲を絞るか、代行会社のように複数人で回す体制を検討します。

SNS運用を外注するメリットとデメリット

SNS運用を外注するメリットとデメリット

SNS運用の外注には、手間が減り質が安定する利点と、費用やノウハウの面での弱点の両方があります。弱点の多くは頼み方で小さくできるので、両面を並べてから防ぎ方を決めます。

外注で得られるもの

外注で得られる主なものは次の4つです。

  • 社内の手間が減る:投稿の企画・制作・投稿作業を任せることで、担当者が他の業務に時間を使える
  • 専門の知見で改善を回しやすい:媒体ごとの傾向や数字の読み方を知っている相手が、投稿の反応から次の手を提案できる
  • 投稿の質と頻度が安定する:担当者の繁忙期でも決まった本数を出し続けられる
  • 炎上への備えを取りやすい:投稿前の確認や、問題が起きたときの対応の流れを依頼先と決めておける

SNSは続けて出すことで反応が積み上がる媒体です。兼務の担当者が繁忙期に投稿を止めてしまう会社ほど、頻度が安定する利点は大きくなります。

外注で起きやすい困りごと

外注で起きやすい困りごとは4つあり、それぞれ防ぎ方があります。

困りごと 防ぎ方
費用がかかる 頼む範囲を絞り、社内でできる作業は残す
ノウハウが社内に残りにくい 月次レポートと投稿のテンプレート・企画の考え方を共有してもらう
ブランドの理解にずれが出る 言葉づかいや避ける表現をまとめた資料を最初に渡す
成果の判断があいまいになる 契約前に目的とKPIを決め、レポートで毎月同じ数字を見る

ノウハウの共有は、契約時に「何を渡してもらうか」を決めておかないと後から頼みにくくなります。将来は社内で回したいと考えているなら、共有してもらう資料を最初の打ち合わせで挙げておきます。

外に出すか社内でやるかの判断

外に出すか社内でやるかの判断

SNS運用は、全部を外に出すか全部を社内でやるかの二択で決める必要はありません。戦略だけ、制作だけといった一部だけを外に出す道もあり、社内に人と時間がどれだけあるかで選び分けます。

外注が向く会社と内製が向く会社

外に出す理由として多いのは、社内に専任で担えるスキルを持った人がいないこと、そしてマーケターが市場に少なく採用もできないことの2つです。採用して内製する道は、人が見つかれば知見が社内に積み上がりますが、採用できるまでの期間はSNSが止まったままになります。

判断の目安は次のとおりです。

  • 外注が向く:社内にSNSを任せられる人がいない、採用の見込みが立たない、まず止まった状態を動かしたい
  • 内製が向く:SNSを担える人がすでにいて、週に数時間以上の作業時間を確保できる
  • 一部の外注が向く:担当者はいるが制作や分析まで手が回らない

担当者はいても時間が足りない会社は、全部を外に出すより、作業量の大きい制作だけを外に出すほうが費用を抑えられます。

止まった状態や集客ゼロから頼む場合

止まったアカウントや、SNSからの見込み客がほとんどいない状態からでも外注は頼めます。支援してきた中では、SNS運用を外に出したきっかけで多いのが「見様見真似で始めたが定着せず、放置状態になっている」ことで、頼む時点で見込み客はほとんど集まっていないのが普通でした。

専任の担当者がいても定着しないことはあります。続かない原因は人の有無だけでなく、目的や投稿の方針が決まっていないことにもあるためです。

ゼロから頼む場合は、最初に目的とKPIを決め直すことを依頼の前提にします。以前の投稿を続きから再開するのではなく、誰に何を届けるかを組み直してから投稿を始めると、依頼先の提案の質も上がります。

ただし、立て直しの成果はアカウントの状況と商品によって変わり、始めれば見込み客が集まると約束できるものではありません。

外注しても社内に残す役割

外注しても、社内に残す役割は4つあります。

  • ブランドとして何を言い、何を言わないかの判断
  • 投稿を公開する前の最終承認
  • クレームや個別の相談など顧客対応の最終判断
  • 新商品や社内の出来事など、発信の元になる商品情報の提供

外注しても、成果と法律上の最終責任は発注側に残ります。投稿はすべて自社の名前で出るためです。

外に出した後、社内の担当者は作業をする側から判断をする側に回り、空いた時間を他の業務に使えるようになることが多いです。担当者が1人で兼務している会社ほど、この変化は大きくなります。判断の役割を手放さないことが、依頼先任せにならない一番の備えです。

SNS運用の依頼先タイプと比べ方

SNS運用の依頼先タイプと比べ方

依頼先は、会社名で選ぶ前にタイプで絞ります。代行会社・フリーランス・業務委託の個人プロ・内製を同じ評価軸で並べ、頼む範囲に合うタイプから候補を探すと、比べる相手の数を減らせます。

代行会社とフリーランスと業務委託の個人プロの違い

4つのタイプを同じ軸で並べると次のようになります。

比べる軸 代行会社 フリーランス 業務委託の個人プロ 内製
対応範囲 戦略から広告まで広い 投稿作成など範囲を絞ることが多い 戦略から実行まで本人の経験の範囲 社内の人の力量による
体制 複数人のチーム 本人1人 本人1人 社内の担当者
費用の決まり方 頼む範囲で決まる月額 作業量で決まる月額 稼働時間で決まる月額 人件費と作業時間
品質のばらつき 担当者で差が出る 人による差が大きい 人による差が大きい 担当者の経験次第
社内に知見が残るか 共有の取り決め次第 共有の取り決め次第 社内と並んで動くため残しやすい 残る
向く依頼 範囲が広く量の多い運用 範囲の決まった作業 戦略と実行を1人に任せたい依頼 担える人がいる場合

費用の幅は、費用相場の節の目安で確かめてください。

業務委託の個人プロの経歴

業務委託の個人プロの経歴は、おおむね3つの型に分かれます。広告代理店や制作会社の出身で独立したフリーランス、事業会社でマーケティングや営業を経験して複業を始めた人、複数の会社を並行して支援するプロです。どの型でも複数の会社を並行して見ていることが多いため、他社で試した進め方を持ち込める反面、稼働できる時間には上限があります。どのタイプにも得手不得手があり、頼む範囲と社内の体制に合うかで選びます。

依頼先を選ぶときの確認項目

依頼先を選ぶときは、次の5つを確かめます。商談でそのまま聞ける形にしてあります。

  • 料金と対応範囲:「この月額に、投稿は月何本、制作は何本、コメント対応はどこまで含まれますか」
  • 制作の可否と二次利用:「写真や動画の制作はできますか。作った素材をサイトや広告に使えますか」
  • レポートと改善提案の中身:「毎月のレポートのサンプルを見せてもらえますか。改善提案は含まれますか」
  • 連絡手段と確認フロー:「投稿前の確認は誰に、何日前に、どの手段で出てきますか」
  • 依頼したい媒体での実績:「依頼したい媒体で運用したアカウントの例を教えてください」

答えがあいまいな項目、たとえばレポートのサンプルが出てこない場合は、契約後に同じ項目で困る可能性が高いと見てください。見積もりは同じ条件を伝えて2〜3件取り、同じ表に並べて比べると、価格の差が作業の差なのかが見えます。

決まりにくい依頼の条件と直し方

個人のプロに業務委託で頼む場合、依頼が決まるかどうかを分けるのは3つの条件です。稼働時間と求めるスキルの幅が現実的に釣り合っているか、開始をどれだけ急ぐか、予算が稼働時間に見合っているかです。

決まりにくいのは、週数時間の稼働で幅広い専門性を求める依頼、稼働が細切れな依頼、予算と希望する稼働時間が合わない依頼です。依頼前に次の形で直せます。

  • 求めるスキルを1〜2つに絞る(戦略と動画制作の両方を1人に求めない)
  • 稼働を細かく刻まず、週単位でまとまった時間を確保する
  • 頼む作業を週あたりの時間に落とし、予算がその時間に見合うかを確かめる

契約前に確かめること

契約前に確かめること

外注で起きる揉めごとの多くは、契約前に決めておけば防げる項目です。契約期間と解約、アカウントと制作物の権利、広告表示と規約への備えの3つを、契約書と打ち合わせで確かめます。

契約期間と解約の条件

契約前には、最低契約期間、解約予告の期間、途中でやめた場合にかかる費用、違約金の有無を確かめます。揉めやすいのは中途解約の条件です。最低期間の途中でやめたときに何がかかるかを決めていないと、合わなかったときに身動きが取れなくなります。

やめた後に社内へ戻せるよう、引き継ぎで受け取る資料も契約時に決めておきます。投稿の方針をまとめた資料、投稿のテンプレート、これまでのレポート、進行中の企画の一覧が目安です。契約の最初に決めておけば、解約の場面でも頼みやすくなります。

アカウント名義と制作物の権利

SNSアカウントと広告アカウントは、自社の名義で持ちます。依頼先の名義で作ると、契約をやめるときにアカウントごと手放すことになりかねません。依頼先には、自社名義のアカウントに担当者としての権限を付けて渡します。

制作物については、写真・動画・文章の著作権がどちらに残るか、自社のサイトや広告に使い回してよい範囲、契約をやめた後も使えるかを確かめます。あわせて、投稿の反応などのデータを契約中と解約時にどの形で受け取れるかも決めておくと、依頼先を替えても分析を続けられます。

広告表示のルールと規約への備え

広告であることを隠した投稿にはルールがあるため、依頼先と表示の仕方を事前に決めておきます。とくにインフルエンサーに投稿を頼む場合は、広告であることをどう示すかを依頼先任せにせず、社内で確認してから進めます。

フォロワーの購入のような手法は、各SNSの規約に触れうるものです。依頼先がこうした手法を使わないかを、依頼前に聞いて確かめてください。

炎上に備えて、問題が起きたときの連絡先、投稿の一時停止を誰が判断するか、公式な返答を誰が出すかの流れも決めておきます。夜間や休日の連絡手段まで決めておくと、初動が遅れずに済みます。

依頼前の準備と成果の見方

依頼前の準備と成果の見方

依頼前の準備の差で、外注の立ち上がりの速さが変わります。目的とKPIを決め、社内で渡すものをそろえてから相談すると、最初の打ち合わせから具体的な話ができます。

目的とKPIの決め方

最初に、SNSで何を目指すかを1つ決めます。認知を広げる、採用の応募を増やす、サイトへの流入を増やす、問い合わせや購入につなげる、のどれかです。目的に合わない媒体は外に出しません。たとえば採用が目的なのに、社内に届けたい相手がいない媒体まで運用を頼むと、費用が成果に結び付きにくくなります。

KPIは段階で置きます。フォロワー数は途中の指標で、最終に置くのは事業の成果につながる数字です。問い合わせが目的なら、SNSから来たサイト訪問数と問い合わせ数を最終の指標にし、フォロワー数や投稿の反応はそこに向かう途中の数字として見ます。

依頼前に社内で用意するもの

依頼前に先に用意しておくと立ち上がりが速くなるものは、多い順に次の3つです。

  1. SNSアカウントや広告アカウントの権限
  2. 社内の窓口を1人決めること
  3. これまでの投稿の反応や分析のデータ

権限が渡っていないと、依頼先は現状の数字を見られず、最初の提案が一般論になります。窓口が複数いると確認の返事が割れ、投稿の開始が遅れます。過去のデータは、うまくいった投稿といかなかった投稿の違いを見る材料になります。3つとも、相談の前にそろえられるものです。

成果を確認する時期と見直しの区切り

成果は、段階に分けて見る時期を決めます。どの時期に何を見るかは、自社で決めて依頼先と共有します。

  1. STEP1:投稿の反応(いいね・保存・コメント)を見る時期を決める
  2. STEP2:プロフィールやサイトへの流入を見る時期を決める
  3. STEP3:問い合わせや購入を見る時期を決める

反応は投稿を始めてすぐ数字が出ますが、問い合わせや購入はその先にあるため、見る時期を後ろに置きます。各段階の数字が前の段階から伸びているかを毎月のレポートで確かめ、続けるか、頼む範囲を変えるかの見直しは、最低契約期間の区切りに合わせて判断します。

外注が止まる型と防ぎ方

外注が止まる型と防ぎ方

外注が止まる型は、どの領域の外注にも共通して現れます。ここでは3つの型と防ぎ方を対で示すので、SNSを外に出す前に自社が当てはまらないかを確かめてください。

社内の確認待ちで施策が止まる

実行を依頼先に任せたものの、社内の意思決定者が忙しく確認が滞り、施策が止まってしまう型があります。依頼先は投稿案を出しているのに、承認が返ってこないので公開できない状態です。

防ぎ方は、始める前に社内の確認フローと窓口を1人に決めることです。誰が確認し、何日以内に返すかを決め、窓口が返事をまとめて依頼先に戻します。確認する人が多いほど止まりやすいので、最終承認をする人も1人に絞ります。SNSは投稿の鮮度が大事な媒体なので、確認に何日もかけると企画そのものが使えなくなります。

集めた後の受け皿が無く成果が増えない

広告運用で起きた型ですが、広告予算を2倍にしても受注が増えなかった例があります。見込み客を集めることはできても、集めた後に育てる仕組みが無かったためです。

SNSでも同じことが起こりえます。投稿で興味を持った人がサイトに来ても、問い合わせの導線が分かりにくかったり、その後の連絡の仕組みが無かったりすると、反応が増えても成果は増えません。

防ぎ方は、契約前に、SNSから問い合わせや購入までの導線を依頼先と一緒に整理しておくことです。プロフィールからどのページに案内するか、問い合わせの後に誰がどう連絡するかまで決めてから、投稿の量を増やします。

担当者1人が抱えて依頼先任せになる

ある事例では、マーケティングの担当者が1人で全領域を兼任しており、手が回らないまま代理店の言いなりになっていました。社内に判断できる人の時間が残っていなかったことが前提で、依頼先の良し悪しの問題ではありません。

担当者1人で兼務している会社ほど、外に出したことで判断まで手放してしまいやすくなります。防ぎ方は、外注しても社内に残す判断を先に決めておくことです。ブランドの判断、公開前の承認、顧客対応の最終判断を社内に残せば、依頼先の提案を選ぶ側に立てます。この事例と同じ結果を保証するものではありませんが、判断を残すことは依頼先任せを防ぐ土台になります。

個人のプロに頼む場合の流れと契約条件

個人のプロに頼む場合の流れと契約条件

マーケター等の個人のプロを業務委託でアサインする形では、相談から着手までの流れと契約条件が代行会社とは異なります。流れと条件を先に知っておくと、社内の予定を立てやすくなります。

相談から着手までの流れ

業務委託で個人のプロをアサインする場合、流れは次のとおりです。

  1. STEP1:ヒアリング(目的・頼みたい業務・稼働時間・予算を伝える)
  2. STEP2:候補者の選定
  3. STEP3:依頼元・候補者・事務局の三者面談
  4. STEP4:契約
  5. STEP5:稼働開始後のフォロー

相談から着手までは、一つの目安としておおむね2週間です。ヒアリングから三者面談までに時間がかかることが多いため、始めたい時期が決まっているなら、その前に相談しておきます。三者面談では、依頼元が候補者と直接話して、進め方や相性を確かめられます。

最低期間と途中でやめる場合の扱い

業務委託で個人のプロをアサインする形では、契約は最低3か月からです。最低期間の途中でやめると、残りの期間の分がかかります。1か月前の解約予告は、最低期間が終わった後に適用される条件です。

頼む業務の範囲は、契約前に決めておきます。範囲外の業務を頼みたくなったときは、個人のプロに直接頼まず事務局を通します。範囲を決めずに始めると、依頼元が期待する仕事と個人のプロが受けた仕事がずれ、どちらにとっても続けにくくなるためです。最初の3か月で何を頼み、何を見て続けるかを決めてから契約すると、見直しの判断もしやすくなります。

よくある質問

Q. 安いSNS運用代行はなぜ安いのですか。

含まれる作業が少ないためです。月の投稿本数が少ない、画像や動画の制作を含まない、改善提案が無く数字の報告だけ、といった形で金額を下げています。依頼範囲ごとの月額の目安と照らし、見積もりに何が入っていないかを確かめてください。

Q. SNSコンサルや運用代行は違法ですか。

SNSの運用を外に頼むこと自体は違法ではありません。注意がいるのは手法です。広告であることを隠す投稿にはルールがあり、フォロワーの購入のように各SNSの規約に触れうる手法もあります。依頼先と表示の仕方を決め、使う手法を依頼前に確かめておけば、安心して頼めます。

Q. BtoB企業でもSNSを外注する意味はありますか。

意味があるかは、業種ではなく目的で決まります。採用の応募を増やしたい、業界での認知を広げたい、問い合わせにつなげたいといった目的が決まっていて、届けたい相手が使っている媒体があるなら、外に出して続ける価値があります。目的が決まっていないなら、先に目的とKPIを決めてから依頼先を探します。

Q. 依頼したいSNSによって選び方は変わりますか。

変わります。媒体ごとに求められる制作が違うためです。Instagramは写真、TikTokやYouTubeショートは短尺動画、Xは文章が中心になります。依頼先を選ぶときは、依頼したい媒体で運用した実績と、その媒体に合う制作ができるかを確かめてください。

まとめ

SNS運用の外注は、次の順で決めると迷いません。

  • 頼む範囲を決める:投稿中心ならおおむね月5〜20万円、運用全般ならおおむね月20〜50万円、広告・戦略までなら月50万円以上が目安
  • 社内に残す役割を決める:ブランドの判断・最終承認・顧客対応の最終判断・商品情報の提供
  • 依頼先タイプを選ぶ:代行会社・フリーランス・業務委託の個人プロ・内製を同じ軸で比べる
  • 契約の条件を確かめる:最低期間・中途解約・アカウント名義・制作物の権利
  • 依頼前に準備する:アカウントの権限・社内の窓口1人・これまでのデータ

次の一歩として、頼みたい作業を書き出し、週あたりの時間に落としてみてください。その合計があれば、見積もりが作業に見合うかを確かめられ、最初の相談でも具体的な条件を伝えられます。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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