

不動産関連の国家資格のひとつでもあるマンション管理士。しかし、取得したのに仕事に活かせていないという人もいるでしょう。そのような人たちの注目を集めているのが、副業マンション管理士です。
しかし「副業で本当に稼げるのか」「副業マンション管理士の需要はあるのか」といった疑問・不安を抱えている人も少なくありません。
本記事では、副業マンション管理士の全容を解説します。メリット・探し方・向いている人なども含めて網羅的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【副業を始める前に】マンション管理士ってどんな仕事?

副業事情を知る前に、マンション管理士について確認していきましょう。
【国家資格】そもそもマンション管理士とは?
マンション管理士はマンションの管理組合が抱える多岐にわたる問題に対し、専門的な知識と経験で解決を支援する「マンション管理の専門家」です。「マンションのお医者さん」に例えられることもあります。
この資格は、マンション管理適正化法に基づき創設された国家資格です。「管理規約の作成や見直し」「長期修繕計画の策定」「大規模修繕工事のアドバイス」など、法務・会計・建築の幅広い分野でコンサルティングを行います。
専門性が高いため、マンション管理士の資格取得は簡単ではありません。例年、合格率は10%前後で推移している状態です。公益財団法人マンション管理センターによると、令和5年度の合格率は11.1%でした。
マンションの高齢化や居住者のニーズ多様化が進む現代において、マンション管理士は、円滑なマンション運営に不可欠な存在といえるでしょう。
管理業務主任者との違いは?どっちが副業向き?
マンション管理士と管理業務主任者は、どちらもマンション管理に携わる専門家です。しかし、その立場と役割は大きく異なります。
| 資格名 | 役割 |
| マンション管理士 | 管理組合のコンサルタント |
| 管理業務主任者 | 管理会社の立場で業務を実施 |
マンション管理士は管理組合の運営や大規模修繕工事などについて、管理組合の立場で助言を行う専門家です。一方の管理業務主任者はマンション管理会社に所属し、管理業務の委託契約に関する重要事項説明や契約内容の確認など管理会社側の立場で独占業務を行います。このため、管理業務主任者は管理会社への勤務が前提となることが多いです。
副業として独立した活動を目指すなら、マンション管理士の方が向いているといえるでしょう。管理組合との直接契約やセカンドオピニオンとしてスポットで相談を受けるなど、自身の裁量で仕事を受注しやすいためです。管理業務主任者は独占業務がある一方で管理会社の業務の一部となるため、個人で請け負うのは難しいケースが少なくありません。


マンション管理士の副業の主な仕事内容とは
マンション管理士が副業として行う主な仕事は、管理組合の運営を多角的にサポートすることです。具体的な業務は、主に3つに分けられます。
| 業務 | 内容 |
| 管理規約の作成・見直し支援 | 理事会に出席して課題をヒアリングし、時代の変化やマンションの実情に合わせた規約改正案を作成・提案 |
| 大規模修繕工事の計画・実施支援 | 専門家として建物診断結果に基づいて修繕計画の妥当性や施工会社の選定についてアドバイスを行い、工事の円滑な進行をサポート |
| 理事会・総会の運営支援 | 理事会役員の負担を軽減するため、専門的な視点から議題整理・議事録作成・議案の提示を助言 |
これらの業務を通じてマンションの資産価値を守り、居住者が安心して暮らせる環境を築くことにやりがいを感じられるでしょう。しかし一方で、利害関係者の調整や専門知識の継続的なアップデートが求められるケースも少なくありません。
【仕事がない?】マンション管理士の副業の案件の探し方とは
マンション管理士の副業案件の探し方を紹介します。
現実:求人サイトでの募集は少なく「待ち」の姿勢では始まらない
マンション管理士の副業案件を探す際、一般的な求人サイトやアルバイト情報サイトで「マンション管理士 副業」と検索しても、希望するような案件はほとんど見つかりません。これはマンション管理組合が、専門性の高い業務を任せるパートナーを探す際、信頼できるルートからの紹介を重視する傾向にあるためです。
マンション管理士には長期修繕計画の策定や管理規約の見直しなど、マンションの資産価値や住民生活に直結する重要な業務が任されます。そのため、単に資格を持っているだけでは十分とはいえません。依頼する側は、人柄・実績・信頼性を重視します。
したがって自ら積極的に人脈を広げ、信頼を築く「攻め」の姿勢で案件を探すことが不可欠です。「待ち」の姿勢で求人情報が出るのを待つだけでは、副業を始めることは難しいでしょう。
王道:マンション管理士会やセミナーで人脈を築き紹介を得る
マンション管理士の副業案件獲得の王道は、人脈経由の紹介です。まず、各都道府県にあるマンション管理士会への入会を検討しましょう。ほかのマンション管理士と交流し、情報交換や案件の紹介を受けるチャンスがあります。
また、管理業界の団体が主催するセミナーや研修会にも積極的に参加してください。先輩の管理士・管理会社・修繕業者といったさまざまな業界関係者と名刺交換を行い、自身の専門分野や強みをアピールすることが重要です。
案件は管理組合の理事長や住民が知り合いのマンション管理士に相談し、そこから紹介されるケースが珍しくありません。日頃から顔を広げ、信頼を築く努力が不可欠です。専門家としての知識だけでなくコミュニケーション能力も磨くことで、案件獲得の可能性を高められます。
穴場:管理会社への業務委託登録や専門エージェントを活用する
人脈作りは時間がかかるため、並行して「管理会社への業務委託登録」や「専門エージェントの活用」も有効な手段です。
多くのマンション管理会社は、大規模修繕計画の立案や管理規約の改正といった専門性の高い業務については自社の社員だけでは対応しきれません。そこで選択肢のひとつとして浮かび上がってくるのが、外部のマンション管理士に業務を委託する方法です。複数の管理会社に「業務委託可能な人材」として自身の情報を登録しておくことで、タイミング良く案件を紹介してもらえる可能性があります。
メリットは、人脈がなくても案件獲得のきっかけを作れる点です。一方でデメリットとしては、「案件の量が不安定」「管理会社との信頼関係構築に時間がかかる」といった点があげられます。
不動産業界に特化した転職・業務委託専門のエージェントも存在するので、積極的に利用して案件を探してもらうこともひとつの選択肢でしょう。


マンション管理士の副業で得られる3つのメリット

副業マンション管理士のメリットを紹介します。
専門性を活かして安定した収入源を確保できる
マンション管理士の副業は、国家資格という専門性を武器に安定した高単価の収入源を確保できる点が大きなメリットです。
案件ごとの契約が主流であり、顧問契約やスポットコンサルティングとして報酬を得ます。例えば長期修繕計画の見直し支援や管理規約改正のコンサルティングなど、専門性の高い業務は高額な報酬につながりやすいでしょう。
厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)によると、マンション管理士の平均年収は600万円台ですが、これはあくまで専業の場合です。副業でも、一件あたりの報酬は数万円から数十万円になるケースも珍しくありません。これにより、本業の収入にプラスアルファの安定した収益基盤を築きやすいといえます。
働く時間や場所の自由度が高い
マンション管理士の副業における大きなメリットは、本業と両立しやすい働き方ができることです。
多くの業務は、会社員が本業を終えた後や休日に集中します。たとえば、管理組合の理事会や総会は、土日や平日の夜間に開催されることがほとんどです。そのため、自身のライフスタイルに合わせて無理なくスケジュールを組めるでしょう。
また資料作成・管理規約の見直し案の作成・メールや電話での相談対応などは、場所を選ばずにリモートワークで対応できる点も魅力です。
このような柔軟な働き方は本業に影響を与えることなく、専門性を活かした副収入を得たい人にとって理想的な副業でしょう。
定年後のセカンドキャリアにも繋がる
マンション管理士の副業は、定年後のセカンドキャリアを築く上で大きな強みとなります。
この仕事に定年はありません。豊富な人生経験と専門知識を持つシニア層が、特に活躍しています。現役時代に培ったコミュニケーション能力や課題解決能力を活かし、管理組合の理事会や住民の相談対応にあたることは、社会とのつながりを保つ貴重な機会となるでしょう。
副業として始めた活動が、定年後に本格的なキャリアへと発展するケースも珍しくありません。
マンションの資産価値維持や居住者の快適な生活環境づくりに貢献できることは、大きなやりがいにもつながります。年齢を重ねるごとに知識や経験が深まることでより信頼される専門家となれるため、長く続けられる仕事としておすすめです。
マンション管理士の副業に向いている人3選
マンション管理士の副業に向いている人を紹介します。
人の話を丁寧に聞き、調整するのが得意な人
マンション管理士の仕事は、多様な背景を持つ住民の利害を調整して合意形成を導くことが中心です。そのため、人の話を丁寧に聞き、調整するのが得意な人に向いています。
例えば理事会で修繕工事の進め方について意見が対立したり、住民説明会で様々な要望が出されたりする場面に遭遇することは少なくありません。その際、それぞれの意見を傾聴する力が不可欠です。その上で冷静かつ客観的な視点から問題点を整理し、論理的な根拠に基づいた解決策を提示するプレゼン力や交渉力が求められます。
単に「聞き上手」であるだけでは、マンション管理士としての役目は果たせません。全員が納得できる着地点を見つけ出すため、ファシリテーション能力が重要です。
住民の思いに寄り添いながら円滑なマンション運営へと導ける人は、マンション管理士として大いに活躍できるでしょう。
法律や会計など専門知識の学習が苦にならない人
マンション管理士の副業は、法律や会計など専門知識の学習が苦にならない人に向いています。管理組合の運営には、区分所有法やマンション管理適正化法といった法律の知識が不可欠です。
たとえば管理規約の作成や見直しは、関連する法律に基づいています。そのため、内容を正確に理解する能力が欠かせません。また修繕積立金の管理や会計処理には、簿記3級程度の会計知識があると役立ちます。
社会の変化や法改正は常に起こるため、一度資格を取得して終わりではありません。常に新しい情報を学び続ける学習意欲が必要です。
継続的な学習を楽しみながらスキルアップできる人は、マンション管理士として長く活躍できます。専門知識の引き出しが増えるほど住民からの信頼も厚くなり、仕事の幅も広がるでしょう。
地道な書類作成や情報収集をコツコツ進められる人
マンション管理士の仕事は、華やかなコンサルティング業務の裏に、地道な事務作業が多数存在します。そのため、書類作成や情報収集をコツコツと進められる人におすすめです。
管理組合へのアドバイスを行うためには、まず現状を正確に把握する必要があります。そのため、総会議案書・長期修繕計画案・議事録といった膨大な量の書類を確認し、必要な情報を丁寧に整理する作業が欠かせません。また修繕履歴やマンションの設備に関する情報を正確に収集・分析するためには、高い情報収集能力と基本的なPCスキルも重要です。
このような地道な作業をいとわず真面目かつ正確にタスクをこなす丁寧さがマンション管理士としての信頼を築き、よい結果へとつながります。


未経験からマンション管理士の副業を始める3ステップ

未経験からマンション管理士の副業を始めるステップを紹介します。
資格取得がスタートライン!効率的な学習方法を見つける
未経験からマンション管理士の副業を始めるには、まず国家資格であるマンション管理士試験に合格することが絶対条件です。働きながら合格を目指す社会人にとって、学習時間の確保が最大の課題となります。そのため、自分にあった効率的な学習方法を見つけなければなりません。
| 学習方法 | メリット | デメリット |
| 独学 | 費用が安価 | モチベーション維持が困難 |
| 通学 | 直接質問できる | 時間・場所の制約がある |
| 通信講座 | 自分のペースで学べる | 独学に比べて費用が高い |
合格までに必要な勉強時間の目安は、500時間程度といわれています。
本業と両立するためには、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を活用できる通信講座が特におすすめです。カリキュラムに沿って効率的に学習を進められ、質問対応や模擬試験などのサポートも充実しているので挫折しにくいでしょう。
「実務経験ゼロ」を脱出する小さな一歩を踏み出す
マンション管理士の資格を取得しても、いきなり高単価の案件を受注するのは困難です。まずは「実務経験ゼロ」を脱出するため、無償や低単価でも経験を積まなければなりません。
実務経験を積むための具体的な方法は、以下の通りです。
- マンション管理会社で補助業務に携わる
- マンション管理士会の無料相談会に参加し、相談対応の経験を積む
- 先輩マンション管理士のアシスタントとして働く
- 自身の居住するマンションの管理組合役員を務める
これらの経験は報酬よりも将来のキャリアへの投資と割り切り、積極的に挑戦しましょう。住民からの信頼を得るには知識だけでなく、現場での対応力が不可欠です。小さな一歩でも実務経験を積み重ねることが、ゆくゆくは高単価な案件獲得へとつながります。
プロフィールを整え、最初の1件を全力で受注する
実務経験を積み始めたら、次は営業活動を始めましょう。まずは、自身のスキルや強みをまとめたプロフィールシートを作成してください。以下のような具体的な実績を盛り込むことで、信頼性が高まります。
- 過去の職務経歴
- マンション管理士会の活動
- 担当した無料相談会の内容
このプロフィールシートを持ってステップ2で築いたマンション管理士会の先輩や管理会社の人に積極的にアプローチし、仕事がないか尋ねてみましょう。
最初の案件は報酬の大小にかかわらず、全力で取り組むことが非常に重要です。すべての案件に真摯に対応することで、クライアントからの信頼を構築するとともに次の案件へとつながります。最初の実績は看板となり、その後のキャリアを大きく左右するでしょう。
【始める前に知るべき】マンション管理士の副業の注意点
マンション管理士の副業を始める際の注意点を紹介します。
資格を取得した人の多くがペーパーライセンスの状態である
マンション管理士の資格を取得したものの、多くの人が実務経験を積めずに「ペーパーライセンス」となっているのが現状です。ある調査によると、資格取得者のうち76%はマンション管理士として仕事をしていないという衝撃的なデータがあります。これは、資格を取得しただけでは案件が自然に舞い込んでこないからです。
ペーパーライセンス化する主な理由として、以下の2つがあげられます。
| 理由 | 内容 |
| 実務経験の壁 | 経験がないと管理組合や管理会社からの信頼を得ることが難しく、案件を獲得できない |
| 営業力の不足 | 待ちの姿勢では仕事は来ず、自ら積極的に営業活動を行う必要があるが、それが苦手な人が多い |
実務経験が報酬の単価に直結する
マンション管理士の副業において、報酬の単価は実務経験に直結します。
未経験者の場合、最初は単発の相談業務・管理会社の補助業務といった比較的報酬の低いスポット案件から始めるのが一般的です。一方で経験豊富なマンション管理士は、管理規約の全面改正や大規模修繕工事のコンサルティングのような高度な専門知識と実績が求められる高単価案件を受注できます。
例えば未経験者が1件数万円のスポット案件をこなす一方、経験者は数十万円から100万円を超える大規模修繕のコンサルティング案件を獲得するケースが少なくありません。経験年数と報酬は比例関係にあり、高額報酬を得るためには経験を積むことが不可欠です。公益財団法人マンション管理センターの調査でも、経験年数が増えるほど年収が高くなる傾向が示唆されています。
まずは経験を積むことを第一に考えて小さな案件でも一つ一つ丁寧に対応していくことが、将来的な高単価案件の獲得へとつながるでしょう。
本業の就業規則を確認する
マンション管理士の副業を始める前に、必ず本業の就業規則を確認してください。多くの企業で副業が解禁されつつありますが、いまだに副業を禁止している企業も少なくありません。就業規則を確認する方法は、人事部への問い合わせや、社内イントラネットの規程集を閲覧することです。規則に違反すると、懲戒処分など思わぬトラブルに発展するリスクがあります。
またマンションの理事会や総会は、土日や平日の夜間に開催されることが多いため、プライベートの時間が削られる可能性があります。スケジュール管理ツールを活用するなど、本業・副業・プライベートのバランスを上手に保つ工夫が必要です。
これらの注意点を事前に把握しておくことで、安心して副業をスタートできるでしょう。
住民間のトラブルに巻き込まれる可能性がある
マンション管理士の副業は、住民間のトラブルに巻き込まれる可能性がゼロではありません。そのため、精神的な負担を考慮しておくことが重要です。
騒音・ペット飼育・修繕工事の進め方など、住民一人ひとりの価値観や利害は異なります。マンション管理士は、このような意見対立の板挟みになることが少なくありません。納得してもらえない住民からクレームを受けたり、感情的な対立の間に立ったりすることもあります。
このような精神的なストレスとうまく向き合うためには、個人の感情に左右されず客観的かつ中立的な立場で対応することが重要です。また問題解決に向けて最善を尽くしつつも、時には割り切る潔さも求められます。
まとめ
マンション管理士の副業について解説しました。
マンション管理士は不動産関連の国家資格であり、取得していればそれだけで信頼性・安心感が高まります。しかしその一方で、ペーパーライセンス状態にある人が多いのが現状です。
本記事で解説した副業を始めるためのステップ・注意点・向いている人などを参考にして、マンション管理士の副業にチャレンジしてみてください。
▼副業を始めたい人向けにエージェントの活用方法を紹介。これから副業を考えている方はぜひ合わせてご覧ください。

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