「顧客がサービスの利用・商品の購入に至るまでの道のり」であるカスタマージャーニーを、表に可視化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
今回の記事ではカスタマージャーニーマップを作る目的や、実際の作り方についてわかりやすく解説していきます。
【今回の記事でわかること】
1:カスタマージャーニーマップとは
2:カスタマージャーニーマップを作る目的
3:カスタマージャーニーマップの作り方
4:カスタマージャーニーマップを作る際の注意点
本記事を読めばカスタマージャーニーマップの作り方がわかります。カスタマージャーニーマップの具体例が知りたいという方も、本記事で活用例を紹介しているのでぜひ最後までご覧ください。
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、顧客がサービスの利用・商品の購入に至るまでのプロセス(これを「カスタマージャーニー」という)を可視化して、図にしたもののことを指します。
顧客の行動を、商品を認知する段階、情報取集の段階、来店の段階、購入の段階などに分け、顧客がどのようなタッチポイントで情報に接触し、何を考えながら行動しているのかをマップ化します。
顧客がサービスの利用・商品の購入に至るまでのプロセスを「旅(ジャーニー)」と言い、マーケティング用語ではこの「旅」のことを、「態度変容プロセス」と良います。
カスタマージャーニーマップ作成は、主にアンケート調査を用いて行います。
その他の消費者行動プロセスモデル
カスタマージャーニーマップ使用以前は、アイドマ(AIDMA)などの消費者の行動プロセスを説明するモデルが用いられていました。アイドマ(AIDMA)とは、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったものです。
アイドマ(AIDMA)はカスタマージャーニーマップに比べると、シンプルな展開図を用います。そのシンプルさゆえに、AIやスマートフォンなどを活用した複雑なマーケティングの方法を用いる現代の場合、カスタマージャーニマップを用いた方が行動モデルが描きやすいとされています。
カスタマージャーニーマップを作る目的
カスタマージャーニーマップを作る目的は、主に以下の3つです。
・顧客体験全体のマネジメントができる
・チームの共通認識が固まる
・課題の優先度が明確になる
顧客体験全体のマネジメントができる
カスタマージャーニーマップは、オンライン・オフラインを含む全てのタッチポイントを可視化するため、顧客体験の全体像を把握することができ、マネジメントがしやすくなります。
顧客の行動・感情・不満(課題)を網羅的に把握することにより、「この機能は本当に必要なのか」「実店舗では最適な提案ができているだろうか」といったように、ユーザーの課題に対する解決策を生み出す手助けとなります。
チームの共通認識が固まる
カスタマージャーニーマップは、Web担当者、データ解析担当者、企画担当者、マーケティング担当者、制作会社などを横断して作ることが一般的です。
幅広い業務の担当者を巻き込むことで、施策の立案・検討がスムーズになるだけでなく、チーム全体がターゲットとする顧客に関する共通認識を持つことができます。
課題の優先度が明確になる
取り組むべき施策の優先度を明確にし、ビジネスの成果を最大限にすることは企業にとって重要です。
カスタマージャーニーマップを用いてユーザーが各プロセスが抱えている課題を可視化することによって、緊急性や重要性がある施策が明確になり、結果的に企業全体における成果アップに繋がる可能性があります。
カスタマージャーニーマップの作り方
では、実際にカスタマージャーニーマップはどのように作れば良いのでしょうか。その作り方を順番を追って解説していきます。
STEP①:ゴールの設定
STEP②:ターゲット顧客の設定
STEP③:ステップの設定
STEP④:記載項目の設定
STEP⑤:マップの要素を埋めていく
STEP①:ゴールの設定
カスタマージャーニーマップを作る上で、まず初めに行うのは「ゴールの設定」です。ゴールによってカスタマージャーニーマップの枠組みが異なってくるため、初めに目指すべきゴールを明確にする必要があります。
「どのような目的でカスタマージャーニーマップを作るのか」「どのくらいの期間のジャーニーを描くのか(数時間・数日・数年単位のジャーニーを描く場合がある)」。こういったことを考え、ゴールを明確にしましょう。
STEP②:ターゲット顧客の設定
次に、ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)を設定します。年齢や性別、職業をはじめ、性格や考え方、趣味嗜好に至るまで、商品購入に関係する可能性がある顧客像を徹底的に設定します。
既存顧客が既についている場合は、その顧客のペルソナを書き出しても良いですし、新規事業で既存顧客がついていない場合は、理想となるユーザーのペルソナを書き出す必要があります。その際は、理想となるユーザーに近い人々の情報を調査などで収集して活用すると良いでしょう。
「自社はどういったユーザーを狙っていきたいのか」「競合他社との位置関係」などを踏まえながら、慎重に設定しましょう。
STEP③:ステップの設定
ペルソナが設定できたら、次はステップの設定を行います。顧客が商品・サービスを認識する初期接点から、購入に至るまでのステップを洗い出し、時間軸にそって書き出していきます。
ゴールが購入になる場合もあれば、サービスだと継続利用やアップグレードがゴールになる場合もあります。
1.認知→2.情報収集→3.来店→4.試着→5.購入→6.再購入
STEP④:記載項目の設定
ステップが設定できたら、そのステップにおける「顧客行動」や、それに対する「タッチポイント」などの記載項目を設定し、テンプレートを作ります。
一般的なカスタマージャーニーマップのテンプレートとして以下のようなものが挙げられます。
カスタマージャーニーマップのテンプレート(例)
認知 | 情報収集 | 検討 | 購入 | |
顧客行動 | ||||
タッチポイント | ||||
思考 | ||||
課題感 | ||||
対応策 |
STEP⑤:マップの要素を埋めていく
テンプレートが完成したら、各項目を埋めていきます。
以下に企業が新商品を販売した際のカスタマージャーニーマップの例をご紹介します。
カスタマージャーニーマップ(新商品発売の場合)
認知 | 情報収集 | 検討 | 購入 | |
顧客行動 | ・ニュース記事閲覧 | ・口コミを確認 ・HPを閲覧 |
・お店で商品を確認 | ・購入 |
タッチポイント | ・Instagram |
・広告 ・雑誌 |
・店員 | ・店舗 |
思考 | ・かっこいい! ・欲しい! |
・ちょっと値段が高いな… ・欲しい! |
・触りごごちが良い! ・他の商品も欲しくなってきた |
・買ってよかった! |
課題感 | ・初めて知るブランドである | ・価格設定が適切でない | ・店員の接客力の不足 | ・在庫が少なく買えない可能性があった |
対応策 | ・公式SNSにおけるキャンペーン活動等の強化 | ・価格設定を見直す | ・従業員の育成方法の見直し | ・在庫管理を見直す |
カスタマージャーニーマップを作る際の注意点
カスタマージャーニーマップを効率的に活用するためには、作成の際にいくつか注意するべき点があります。主な3つの注意点をご紹介します。
・顧客視点を忘れない
・必ず複数人で作成する
・定期的に見直す
顧客視点を忘れない
必ず複数人で作成する
個人の意見が大きく反映されてしまうことのないよう、顧客とのタッチポイントに関係する全ての部署の担当者がカスタマージャーニーマップ作成に関わる必要があります。
定期的に見直す
一度作ったカスタマージャーニーマップはそのままにしておくのではなく、定期的に見直す必要があります。顧客を取り巻く環境は常に変化しているため、それを適切に反映した最新のカスタマージャーニーマップを常に使用する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、カスタマージャーニーマップについてご紹介しました。カスタマージャーニーマップは「顧客がサービスの利用・商品の購入に至るまでの道のり」が明確になるだけでなく、チームの共通認識が固まったり、課題の優先度が明確になったりするなどのメリットがあります。
適切なカスタマージャーニーマップを利用して、ビジネス成果の向上に繋げましょう。
その際に、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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