

近年、レンタルスペースの副業を始めたい方が増えています。
レンタルスペースは、運営者にも利用者にもメリットのあるサービスで、安定した利益を得られる点から注目されています。特に本業が忙しい会社員の方にとって、拘束時間の少ない副業は需要が高いです。
そこで本記事では、レンタルスペースの副業について徹底解説します。経営を始める手順や成功させるコツ、事前に確認しておきたいことなどをまとめました。初めて副業をする方にとって有益な内容となっています。
ぜひ本記事を参考に、レンタルスペースの副業を検討してみてください。
「レンタルスペース」とは何か

レンタルスペースとは、その名の通り、「スペース(場所)をレンタル(借りる)できるサービス」です。何らかの事情で場所が必要な人のためにスペースを提供し、その対価として利用料をもらいます。
レンタルスペースは、企業のみならず、個人でも運営できるサービスです。
企業の場合は、資金力を活かした大規模な展開が可能です。一方、個人の場合は、ニッチなニーズに対応したサービスを提供できます。
また、レンタルスペースは施設ごとに特徴が異なります。収容人数、趣味特化型、コスト優先型など、さまざまな差別化が実現されており、利用者は自分の目的に合った場所を選ぶことが可能です。
このように、レンタルスペースは多様な展開が可能で、将来性の高いサービスといえるでしょう。
レンタルスペースが今人気の理由とは?
レンタルスペースは、コロナ禍が落ち着いて以降、あらためて注目されているサービスです。場所を貸す需要は、現代のみならず昔からあります。
近年では、オンラインから予約できたり、サービス自体の利便性が増したりしたことで、より便利になりました。
ここでは、なぜレンタルスペースが人気なのか。その理由に利用者目線から迫っていきます。
副業を始める前にどのようなニーズがあるのかを確認しておきましょう。
①オフィス賃料をカットすることができる
小規模な企業や個人の場合、オフィスの賃料が維持費として発生します。事業における根幹を担うオフィスですが、あまりにも維持費が高い場合、徐々に経営を圧迫してきます。
そんなとき、レンタルスペースを借りれば、オフィスの賃料を大幅にカットできます。施設によっては、備品が用意されているので、初期費用を抑えることも可能です。特にコストがかさみがちな初期段階において有用です。
最近ではビジネス特化型の施設も登場しています。創業当初のコストを大幅に抑えたい方に、レンタルスペースはぴったりといえるでしょう。
②備品手配などもスペース管理者に依頼できる
起業や引っ越しでは、備品にコストが発生する傾向にあります。
レンタルスペースなら、備品があらかじめそろっているため、初期費用を抑えられます。
たとえば、ビジネス向けの施設では、ネット回線やプロジェクター、ホワイトボードなどを用意していることが多いです。
また運営元によっては、希望の備品を安価で取り寄せるサービスや、一部の消耗品費を負担するサービスを提供している場合もあります。こうした備品の手配がサービスに含まれている場合、初期費用を抑えられるためお得に利用できます。
③いつもと違う雰囲気で仕事に打ち込める
レンタルスペースは、仕事のマンネリ化を防ぐ魅力的なアイデアです。
普段とは違った環境で仕事を行えば、優れたアイデアが生み出せるかもしれません。個人での利用はもちろん、会議として大人数で利用することも可能です。開放感あふれる環境で会議を行えば、よりよいアイデアが生まれる可能性が高まります。
また、施設のコンセプトによっては、非日常がテーマだったり、海外のオフィスがテーマだったりと、さまざまな種類があります。
個人やチームが満足できる環境を借りることは、業務効率化の実現という面でも大切です。
④便利なスペースを選んでレンタルできる
レンタルスペースは、実は身近な場所にたくさん存在しています。
主に、駅前や都市部に集まっており、とにかくアクセスがいいです。だからこそ、利用者のほとんどが移動に時間をかけることなく、施設を利用できます。
基本的にはビルのなかに入っているケースが多いので、道に迷ってしまうことも少ないです。クライアントなどとミーティングする際も、道に迷わせてしまう心配がありません。
こうしたアクセスのよさはレンタルスペースを利用する大きなメリットです。主要都市には、基本的に施設が存在するので、もっとも便利な場所を選んで利用しましょう。


今、レンタルスペースが副業としても大注目!その理由は?
レンタルスペースは利用者目線だけではなく、運営者目線でも注目を集めています。
特に、副業として注目を集めており、参入障壁の低さと安定した収益性が魅力です。
レンタルスペースの運営は、ある程度ルーティン化しているので、最初にサイクルを作ってしまえば、放置しているだけで利益が発生するようになります。
こうした特徴は、忙しい会社員の副業に適しているといえるでしょう。
ここでは、副業で運営する場合のメリットを解説していきます。
①売上が安定している
レンタルスペースの安定した売上には、リピーターの存在が欠かせません。
教室や講座の利用でリピーターが発生すれば、固定の曜日と時間に利益が発生します。
リピーターなら、施設の使い方が決まっているので、備品の用意や清掃などもルーティン化できます。売上の安定にはリピーターの存在が不可欠です。
基本はリピーターによる利益、そしてスポット的な利用者の利益という構造を維持できれば、副業としては大きく安定します。どれだけ早くリピーターを生み出せるかが、副業として成功させるカギといえるでしょう。
②初期投資がかなり抑えられる
レンタルスペースの初期費用は、意外にも数十万円程度の出費で済みます。
主な初期費用は、賃貸の費用(敷金・礼金 など)や内装費(備品 など)、維持費(清掃・修繕 など)などです。これらの費用に関しては、事前に用意する必要があります。
一見、初期費用がかかるように思えますが、たとえば副業で飲食店などを開店する場合、レンタルスペースと同じ費用に加えて、自ら店頭に立ったり、売上に貢献したりなどの手間がかかります。
一方、レンタルスペースは一定の業務を自動化できるため、この点で会社員の副業と相性がいいです。将来的な費用の予測を立てやすい点も大きなメリットといえます。
③自身の拘束時間を抑えることができる
副業において、一番難しい点は拘束時間の確保です。
前述した通り、飲食店などを展開すると、自身の時間を副業に充てなければいけません。
その際、本業も副業もおろそかになってしまえば、本末転倒といえるでしょう。副業をやるうえで、ある程度まとまった利益を期待するなら、いかに拘束時間を減らすかといった観点が大切です。
その点、レンタルスペースは、予約や売上、清掃など、自動化しやすい運営体制がそろっています。初期段階で、こうした自動化を実現できれば、あとは平日の仕事終わりや週末にまとめて管理するだけで、安定した利益が期待できます。
これはほかの副業にはない大きなメリットです。
④利回りが不動産よりも良い
一般的にレンタルスペースの利回りは不動産よりもいいといわれています。
両者の大きな違いは、初期費用から回収までの時間です。不動産は、リターンも大きいですが、そのぶん、初期費用や維持費がかかります。特に初期費用は大きく、片手間にやるには土地がない限り、かなりリスキーです。
一方でレンタルスペースは、少ないコストで長く利益を出せる副業です。不動産ほどは、初期費用がかからないうえに、リピーターがつけば継続的な利益が発生します。ただし、リターンも少ないため、大きく稼ぐのは困難です。
⑤システムの再現性が高い
レンタルスペースが副業に向いている理由のひとつに、システムの再現性の高さがあります。
運営のノウハウは、ある程度定型化されているため、最初に全体のシステムを構築すれば、放っておくだけで利益が発生するようになります。これは、逆に考えると、システムを構築できるかどうかが、運営のカギとなります。
初期費用が抑えられる分、運営後はこうした部分をいかに戦略的に行うかが成功の分かれ道です。システムの再現性が高い副業なので、運営し続けるなかで答えが見つかりやすい点はメリットといえるでしょう。


レンタルスペースの利用者はどんな人が多い?

ここでは、レンタルスペースの副業を始める前に知っておきたい、利用者のケーススタディを解説します。
どのような利用者層がいるのか、あらかじめ知っておくことでレンタルスペースの戦略を立てやすいです。特に利用者層の把握は、レンタルスペース戦略において重要です。ここできちんとニーズを把握することで、他社との差別化が実現できます。
さっそく、収容可能人数別に想定されるケースを見ていきましょう。
ケース1:会議室の利用者層(8-12名を収容可能)
【IT系フリーランスなどの小規模事業者(30-45歳)】
- 利用目的:クライアントとの打ち合わせ、プロジェクト会議
- 利用頻度:月2-4回
- 利用時間帯:平日10-18時
このケースでは、主に打ち合わせや会議におけるスポット的な利用が中心です。
レンタルスペースでは、机や椅子はもちろん、ホワイトボード、プロジェクター、安定したネット環境が求められます。また、打ち合わせや会議の規模感に左右されない広さがあるといいでしょう。
机が小さく場所が狭いと円滑な話し合いができません。開放的で話しやすい明るい雰囲気の空間が必要となります。
【士業(税理士・行政書士など)(35-55歳)】
- 利用目的:顧客相談、セミナー開催
- 利用頻度:月1-3回
- 利用時間帯:平日夕方、土曜日午前
このケースでは、顧客に対して何らかの相談やセミナーを開催することが目的です。
そのため、相談しやすい環境づくりが大切です。また、セミナーの場合は広々とした空間で、ある程度の人数が座れる机や椅子といった備品が必須となるでしょう。
そして、ホワイトボードやプロジェクターなど、説明の際に使える備品も用意しましょう。
ケース2:パーティールーム(20-30名を収容可能)
【20-30代会社員グループ】
- 利用目的:歓送迎会、誕生日パーティー
- 利用頻度:年数回
- 利用時間帯:金曜夜、土日夜
このケースでは、何よりもレンタルスペースの広さが大切です。
パーティルームとしての使用の場合は、設備や備品を重視するケースが多いです。飾り付けができる白い壁や、いろいろな形に対応できる机や椅子も大切です。
また、歓送迎会や誕生日パーティーでは、騒音にも気をつけなければいけません。
大人数での利用の場合は、レンタルスペースの物件選びが肝心です。近隣住民に配慮した、比較的防音性に優れた空間が必要となります。
【子育て世代の親(30-40代)】
- 利用目的:子供の誕生日会、ママ友会
- 利用頻度:年1-3回
- 利用時間帯:土日午後
このケースでは、安全性と快適さが最優先です。
子供が自由に遊べる広さ、汚れても安心な床材や備品、飾り付けがしやすい白い壁やシンプルな内装がポイントとなります。
また、子供連れの場合は、ベビーカーを置けるスペースやトイレ、洗面台の清潔さも大切です。
ケース3:コワーキングスペース(個人作業エリア)
【大学生・大学院生(18-25歳)】
- 利用目的:レポート作成、就活準備、資格試験勉強
- 利用頻度:週2-5回
- 利用時間帯:平日夕方、土日終日
このケースでは、集中して作業できる環境がもっとも重要です。
大学生や大学院生の利用では、レポート作成や資格試験の勉強など、静かさが求められます。そのため、周囲の雑音を遮断できるスペースや、長時間座っていても疲れにくい椅子や机が必要です。
また、Wi-Fiの安定性や電源の確保も必須条件になります。
【副業ワーカー・会社員(25-45歳)】
- 利用目的:副業作業、オンライン会議
- 利用頻度:週1-3回
- 利用時間帯:平日夜、土日
このケースでは、静かに集中できる環境が求められます。
まずは、ネットの安定性と電源の充実です。また、オンライン会議用に、防音性のある個室ブースがあると便利です。作業ブースと会議ブースを分けておけば、目的に応じて快適に利用してもらえます。
作業に適した机や椅子も、長時間利用に直結するため、重要なポイントとなります。


レンタルスペース経営を始めてみよう!実際の手順を解説!
ここでは、実際にレンタルスペース経営を始めるための手順を解説します。
主に、5つのステップでレンタルスペースを始めることが可能です。
- Step1:コンセプトを考えよう
- Step2:コンセプトに合う物件を探そう
- Step3:改装してオープンの準備をしよう
- Step4:運営の効率化を図ろう
- Step5:実際に集客してみよう
さっそく、各ステップの詳細を解説するので、内容を確認してください。
概要や注意点を参考にして、レンタルスペース経営の実現を目指しましょう。
Step1:コンセプトを考えよう
レンタルスペースで大切なのは、「コンセプト」です。
数あるレンタルスペースのなかで、利用者に選んでもらうためには、コンセプトの明確化が肝心です。ぼんやりとしたコンセプトでは、競合他社と差別化することはできません。
また、コンセプトが広すぎると、それだけ用意する備品も増えます。料理やダンス、ボードゲームなど、ジャンル特化型のレンタルスペースこそ、長期的なリピーターを生み出す強力なコンセプトとなります。
まずは、どのようなコンセプトでいくのか、よく考えてみましょう。
Step2:コンセプトに合う物件を探そう
続いて、もっとも大切なのがレンタルスペースの物件探しです。
後発としてレンタルスペースの場所を探す場合、まだ開拓されていないニーズを生み出す必要があります。なぜなら、立地のいい場所は、すでに大手企業などが独占しているケースがあるからです。
そのため、後発の場合はコンセプトに合う物件を、単純なニーズ以外から生み出すことが大切です。
一般的にレンタルスペースは駅近が有利ですが、極端に駅近でなくてもいいかもしれません。それよりも、たとえば料理教室なら、食材を調達できるお店が多い立地の方が需要があります。
このように、戦略的に物件探しをすることが何よりも重要です。さらに、物件の家賃はランニングコストに関わってくるので、アクセスの良さとコストのバランスを探っていきましょう。
Step3:改装してオープンの準備をしよう
コンセプトと物件が決まったら、いよいよオープンの準備です。
コンセプトに基づいて、備品や物品などを用意していきます。ここでは、あくまで基本的なものを用意してください。実際に、レンタルスペースを運営していると、利用者から要望が来ることがあります。その際に、必要なものをそろえていきましょう。
まずは、必要最低限で十分です。たとえば、料理教室ならオーブンやトースター、料理用具一式などが必要です。また、料理教室でもお菓子作りメインなら、用意するものが変わってくるでしょう。この点は、コンセプトに合わせた備品を用意してください。
加えて、内装の統一感も重要です。レンタルスペースがおしゃれなほど、写真映えするので、利用者の目にとまりやすくなります。コンセプトに適した内装を目指しましょう。
Step4:運営の効率化を図ろう
レンタルスペースでは、運営の効率化が重要です。
管理に手間のかかる状態では、副業として成り立つことは難しいです。自動化できるプロセスは、積極的にツールの導入や外注化することで、運営の効率化を図りましょう。
たとえば、レンタルスペースの予約や売上管理は、ツールで代替可能です。清掃に関しては外注して、効率的に時間を使いましょう。なお、なるべく初期費用をかけたくない人は、一部運営を自ら行うことでコストを減らせます。ある程度、軌道に乗ってきたら自動化や外注化を考えてみてください。
副業として安定した利益を求めるなら、最終的には全自動の状態が理想です。週末の確認作業のみで、継続的な利益を実現できます。
Step5:実際に集客してみよう
レンタルスペースをオープンしたあと、勝手に利用者が増えることはありません。
オープン後に大切なのは、積極的な集客です。それもある程度戦略的に行うことで、余計なコストを減らすことができます。
まず、オープン後にやるべきことは、ポータルサイトへの掲載です。
たとえば、「スペースマーケット」や「インスタベース」などは、利用者が多いポータルサイトなので、集客に貢献してくれます。ただし、ポータルサイトには掲載条件や手数料などがあるため、利用する際は利益とのバランスも考えましょう。
ほかにも、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなど、各種SNSを展開することで、幅広い利用者を集客できます。特にレンタルスペースの内装や雰囲気のわかる、画像や動画メインのSNSがおすすめです。
レンタルスペースを成功させるコツとは?

レンタルスペースは、やみくもに運営しても利益にはつながりません。
戦略的なアプローチを実現することで、継続的な利益につながります。
ここでは、レンタルスペースを成功させるコツを解説していきます。基本的なコツは、コスト面と立地面の工夫です。コストと立地に徹底的にこだわることで、成功へと近づくことができます。
主な成功のコツは以下の通りです。
- 価格設定を利用者層ベースにする
- 運営コストを削減する
- 利用者が多いエリアを探し展開する
さっそく、レンタルスペース成功のコツを見ていきましょう。
価格設定を利用者層ベースにする
レンタルスペースの利用者を増やすためには、適切な価格設定が必要です。
価格設定は、運営者と利用者、双方の妥協点を探るところから始まります。高すぎれば利用者が集まらず、安すぎれば運営が破綻します。そこで、もっともいいバランスを模索することが大切です。
価格は、基本的に利用者層ベースに設定しましょう。まずは、運営するレンタルスペースと似た競合他社を調査し、適切な価格を設定してください。
そのうえで、自分のレンタルスペースにしかないコンセプトや魅力に対して、利用者がどれだけ上乗せして払えるのか?などの観点から、価格を設定していくことが重要です。
運営コストを削減する
レンタルスペースの運営が頓挫する理由のひとつに運営コストがあります。
運営コストの大部分を占めるのは家賃や人件費、各種維持費です。これらをいかに抑えるかが、長期的な利益の発生に貢献します。
たとえば、人件費は各種ツールの導入や適切な外注化によって削減可能です。家賃や備品などの維持費を減らすことは難しく、レンタルスペース自体の魅力にも直結します。基本的には、全体に影響のない部分から徐々に削減していくといいでしょう。
また、最初から運営コストを抑える目的なら、物件探しに力を入れることをおすすめします。多少立地に難があっても、集客方法次第では利用者を集めることが可能です。これなら、家賃を抑えつつ、効率的な運営が実現できます。
利用者が多いエリアを探し展開する
レンタルスペースに大切なのは、利用者の存在です。利用者がいなければ、レンタルスペースの運営は成り立ちません。そのため、事前の物件探しには多くの時間を割るようにしましょう。
インターネットでの検索だけではなく、実際にその土地を訪れ、周辺地域を散策しながら、どんな人が多いかなどの調査をすることが大切です。物件の間取りや立地だけを見ても、人の流れは見えてきません。
たとえば、料理教室特化のレンタルスペースなら、近くにスーパーがあるかどうか、子育て世代が多いかどうかなどが重要です。コンセプトに適したエリア探しには、多くの時間をかけるようにしましょう。


レンタルスペースを始める前に!確認しておきたい8つのこと
最後に、レンタルスペースを始める前に確認したいおきたいことをまとめました。
ここまで解説してきた内容を含めた、チェックポイントを紹介していきます。
最後に全体像をつかみながら、レンタルスペース運営に向けた最終的なイメージを固めてください。確認しておきたいことには、現実的な内容も含まれています。
さっそく、詳しい内容を見ていきましょう。
①物件探しはかなり根気がいる作業
レンタルスペースの物件探しは、もっとも重要で、もっとも根気のいる作業です。
なぜなら、基本的にレンタルスペースOKの物件は少ないからです。そのなかで、自身のコンセプトにあった物件を探さなければいけません。当然、競合他社も物件を狙っているので、仮にいい場所を見つけても、先に契約される可能性もあります。
そのため、コンセプトが明確になってから物件探しを始めても、すぐにレンタルスペースを始められるわけではありません。数ヶ月から半年、理想を追求するなら1年程度の時間を要することを理解しておきましょう。
②初期投資は50~100万円ほど必要になる
レンタルスペースを始める前に気になるのが初期投資です。
結論からいうと、レンタルスペースの初期費用は、家賃の10倍程度が目安といわれています。たとえば、12万円の物件を契約した場合、120万円ほどのコストがかかる計算です。
主な初期費用は、敷金や礼金、手数料などです。また、内装や家具・家電、備品などにもコストがかかるため、結果的に家賃の10倍ほどとなります。特に内装関連の費用は、ケチらずに投資するようにしましょう。集客において内装デザインは大切です。
③清掃や消耗品の補充が必要になる
レンタルスペースを利用者に快適に使ってもらうなら、環境の充実が大切です。
レンタルスペースが汚かったり、消耗品が補充されていなかったりすると、利用者からの評判が悪くなります。結果的にリピーターがつかなくなり、コストカットが裏目に出る形になるので注意が必要です。
まずは、清掃を外注化して、常に清潔な状態を保ちましょう。また、消耗品も常に補充して、少なくとも2つ以上のアイテムが切れることはない状態を維持してください。
こうしたホテルさながらの対応がリピーターの数に影響してきます。
④すぐに収入になるわけではない
レンタルスペースは、安定した利益と適度に放置できる仕組みから人気の高い副業です。
ギリギリの状態で運用を始めてしまうと、利益が入る前に資金がショートすることもあります。できるだけ始める前に計画を立てて、資金管理を怠らないようにしましょう。
⑤お客様対応が毎日発生する
レンタルスペースは、一見放置して稼げる副業に見えますが、お客様対応自体は毎日発生するケースが多いです。特に営業開始直後は、できるだけオーナー自らが対応することで、運用上の問題点も見えてきます。
一定期間、レンタルスペースを運用してから、外注化やツール化できる部分は積極的に変えていくことをおすすめします。
この後の章で解説するトラブル対応やクレーム対応は、オーナー自らが行わなければいけません。仮に連絡窓口を用意しても、最終的な対応の権限はオーナーにあります。こうした対応もレンタルスペースを経営するうえでは欠かせません。
⑥急なトラブルへの対応も必要になる
レンタルスペースでは、急なトラブルが発生することもあります。
たとえば、料理教室やお菓子教室なら、水道やガス、電気などのトラブルが起こるかもしれません。万が一、トラブルになった場合は教室自体が進行できなくなるので、なるべく早い対応が必要となります。
こうしたトラブルシューティングも事前に考えておく必要があります。トラブルが起きてから対応を考えていると、レンタルスペースの契約内容によっては、補償が発生する可能性もあるので注意が必要です。
レンタルスペースを始める前には、事前にトラブルに対するマニュアルを作っておき、万が一の際にも冷静に対応できるようにしましょう。迅速なトラブルへの対応は、利用者に安心感を与えるきっかけにもなり、リピーター獲得にもつながります。
⑦クレームへの対応も必要になる
レンタルスペースのトラブルが頻発したり、明らかに運営側の過失が発生したりした場合、利用者からクレームが届くかもしれません。こうしたクレーム対応もオーナーの仕事です。
そしてクレーム対応で大切なのは、責任の所在です。レンタルスペースに関する契約書をしっかりと作り込まないと、責任の所在が不明瞭となり、さらなるトラブルに発展する恐れがあります。
クレームに対して一律、不誠実な対応をしていれば、信頼を失い、リピーターも減ってしまうでしょう。一方、細かいクレームにすべて対応していれば、徐々に心身が疲れ果て、コストもかさみ、本業に支障が出るかもしれません。
⑧開業届と青色申告の届け出が必要になる
レンタルスペースでは、利益が発生するため、開業届と青色申告の提出が必要となります。
レンタルスペースを始める前に、開業届と青色申告に必要事項を記入し、管轄の税務署に提出してください。その後、翌年の2月16日〜3月15日までに確定申告を行い、前年の所得に応じた税金を支払いましょう。
確定申告は義務なので、申告対象の場合は、必ず期間中に提出することを心がけてください。
【コラム】レンタルスペース運営は情報戦?

レンタルスペースの成功を左右するのは、良質な情報の有無です。
経営を始めると、想定外のトラブルや集客不足、利益が発生しないといった事態が起こることも少なくありません。
こうした問題に対応するには、レンタルスペース経営に関する事前の情報収集が重要です。ネットや書籍、経験者の声などから情報を集め、万が一の際に備えておきましょう。
もちろん、情報がなくても経営がうまくいくケースはあります。しかし長期的には、資金繰りの悪化やトラブルの発生が経営を圧迫する可能性が高いです。そんなときに頼りになるのは、相談できる人やコミュニティの存在です。
経営開始直後は利益が出ず、不安や孤独を感じることがあるでしょう。だからこそ「レンタルスペースは情報戦」という言葉を意識し、日頃からアンテナを高く張り、必要な情報を逃さないようにしましょう。
また、どうしても不安な方は、オンラインコミュニティやセミナーなどを利用するのもひとつの選択肢です。人脈がない場合でも、効率よく経験者の知識や情報を手に入れることができます。
まとめ



レンタルスペースは、運営側にも利用者側にもメリットのあるサービスです。
利用者側からは、オフィスの賃料をカットできたり、備品を用意しなくて済んだりと、メリットが豊富です。一方、運営側からは売上が安定していたり、初期投資が抑えられたりと、副業としてのメリットが多いです。
レンタルスペースの利用者の傾向を把握すれば、安定した利益を稼ぐことも夢ではありません。
本記事では、経営の手順や成功のコツもまとめているので、ぜひこちらも参考にしてください。また、副業を始める前に確認しておきたいことをクリアすれば、運営時のトラブルを限りなく減らすことができます。
レンタルスペースの副業は、本業が忙しい方に最適です。本記事を参考に、レンタルスペースの運営を始めてみてはいかがでしょうか。
▼記事を見てレンタルスペース事業を始めたいとお考えの方は、企業のやり方も合わせてご覧ください。

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