ナレーターの副業は可能？今流行りの「宅録ナレーター」について徹底解説！

副業は業界・職種を自由に選べるため、ナレーターに挑戦する人も増えています。なかでも近年、在宅で収録から納品まで完結する「宅録ナレーター」への関心が高まっています。

その一方で、「副業でナレーターは成り立つの？」「宅録ナレーターの具体的な仕事内容が知りたい」といった疑問・不安を抱えている人は少なくありません。

本記事では、副業ナレーターのなかでも宅録ナレーターにフォーカスして解説します。人気が高い理由・メリット・デメリットなども含めて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

今「宅録ナレーター」が大人気！そのワケは？

宅録ナレーターが注目を集める理由を、主なポイントに分けて解説します。

スキマ時間で仕事ができる！

宅録ナレーターの副業が人気な理由のひとつは、スキマ時間を有効活用して仕事ができることです。

従来のナレーターのようにスタジオに移動して収録する必要がないため、通勤時間や移動時間を気にする必要がありません。たとえば、以下のように自分の都合に合わせて仕事を進められます。

• 家事や育児の合間
• 本業の休憩時間
• 週末のわずかな時間

日々の生活の中で発生するちょっとした空き時間を収益に変えられる点が、多くの人にとって大きなメリットとなっているのでしょう。

専門資格は必要ない！

特別な資格や学歴が不要なことも、宅録ナレーターの副業が人気な理由のひとつです。

ボイスサンプルを提出し、クライアントに採用されれば誰でも始められます。プロとしての幅を広げる目的で、アナウンススクール等で学ぶケースもあります。その一方で独学でスキルを磨き、副業として成功している人も少なくありません。

参入障壁が低いため、ナレーターの仕事に興味がある人なら誰でも気軽に挑戦できるのが大きな魅力といえるでしょう。

自宅で作業が全て完結！

自宅で仕事のすべてが完結する点も、宅録ナレーターの副業が人気な理由です。音源を録音するためのスタジオを借りたり、打ち合わせのためにクライアントのオフィスに出向いたりする必要がありません。

仕事の受注から収録や納品まで、すべてのプロセスがオンラインや自宅の作業スペースで行えます。時間や場所にとらわれずに働ける点は大きなメリットです。地方に住んでいる人や子育てや介護で外出が難しい人でも、プロのナレーターとして活躍できる機会が広がりました。

自分のライフスタイルに合わせて仕事を進められる柔軟性の高さが、大きな魅力となっています。

AIに取って代わられない！

宅録ナレーターの副業が人気な理由として、AIに完全に取って代わられない点もあるでしょう。

AIによる音声合成技術は、日々急速に進化しています。しかし人間の声が持つ感情の機微やニュアンス、表現力にはまだ及びません。たとえば「物語の朗読やキャラクターのセリフ」「感情を込めたプレゼンテーション」など、人の心に響くような表現は依然として生身のナレーターにしかできない仕事です。

AIは機械的に文字を読み上げることはできても、聞き手の共感を呼ぶような「温かみ」や「個性」を出すことは難しいとされています。

人間特有の表現力が宅録ナレーターの強みであり、将来にわたって需要が続く理由となっているのです。

コラム：音楽・ナレーション市場の最新トレンドについて

日本の音楽・ナレーション市場は、今まさに大きな変化の波を迎えています。CDの売上が減少する一方でストリーミングサービスやサブスクリプションモデルが主流となり、デジタル配信が市場を牽引しているのが現状です。そのようななかで、動画・音声配信の拡大に伴い、商品説明・解説・キャラクターボイス等の需要が増えています。

その背景には、音声メディアの多様化があります。YouTubeやSpotifyといった動画・音声配信サービスが成長し、ナレーターの活躍の場は大きく広がりました。動画コンテンツの増加に伴い、商品説明・解説・キャラクターボイスの需要が急増中です。また企業が自社のブランディングやプロモーションに音声を活用するケースも増えており、質の高いナレーションが求められています。

このようにインターネットの普及により、ナレーションの活躍の場は広がる一方です。これからも新たな音声コンテンツが次々と登場し、プロのナレーターが活躍する場はますます増えていくことでしょう。

実際にナレーターの副業ってどう？メリット・デメリットを解説

副業ナレーターのメリット・デメリットを紹介します。

【メリット①】自宅でお仕事が完結！

「人気のワケ」で述べたとおり、宅録ナレーターは受注から納品まで全て自宅で完結できます。

これにより通勤時間や交通費が不要になるだけでなく、家事や育児、介護といったライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点が大きなメリットです。

特に、子育てや介護で家を空けられない人や、地方在住で都心のスタジオへ通うのが難しい人にとって、場所を選ばないこの働き方は非常に魅力的といえるでしょう。

【メリット②】初期投資が少なく済む！

初期費用が比較的少ないことも、副業ナレーターの大きなメリットのひとつです。

ナレーターの仕事は、高価なスタジオや機材を揃える必要はありません。自宅の一室を防音対策を施し、してマイクやオーディオインターフェースといった基本的な機材をそろえるだけで、すぐに仕事を始められます。

スマートフォンでも収録自体は可能ですが、より高品質な音声を求める場合でも、数万円程度で一通りの機材をそろえられます。

また、ナレーターとして活動するための特別な資格や専門学校への通学義務もありません。

このように大きな初期投資をすることなく、副業として挑戦できる点が大きな魅力といえるでしょう。

【メリット③】仕事をこなすごとにスキルが上達！

副業ナレーターは、単に収入を得るだけではありません。仕事を通じて、継続的にスキルアップできるという点も、大きなメリットです。

さまざまなジャンルの案件に挑戦することで朗読やナレーションの表現力が磨かれ、声の抑揚やトーンを使い分ける技術が向上するでしょう。

また、依頼内容として録音や編集を求められるケースも少なくありません。このような作業を通じて高品質な音声を作成するための機材の知識や、音声編集ソフトの操作スキルも身につきます。

クライアントからのフィードバックを受けることで、自分の強みや改善点を発見できます。よりプロフェッショナルなナレーターへの成長も期待できるでしょう。

副業として働きながら、自身の市場価値を高められる点が大きな魅力としてあげられます。

【デメリット①】周囲の騒音対策が大変

副業ナレーターのデメリットのひとつは、周囲の騒音対策が必要な点です。

宅録の場合、外部の雑音が入ってしまうと音声データの品質が著しく低下してしまいます。その場合、クライアントから再録音を求められることも少なくありません。主なノイズの原因として、以下のような音があげられます。

• 車の走行音
• 近所の話し声
• 飛行機の音
• エアコンや冷蔵庫の作動音

高品質な音声を提供するためには、専用の防音ブースを設置したり、吸音材を壁に貼るなどの対策が必要です。また、録音する時間帯を工夫したり、家族に協力を求めたりするといった日常生活での配慮も欠かせません。

この騒音との闘いは宅録ナレーターが常に直面する課題であり、工夫と努力が求められる点といえるでしょう。

【デメリット②】最初は低単価の可能性も…

案件によっては単価が低い可能性がある点も、副業ナレーターのデメリットのひとつです。

特にクラウドソーシングサイトやスキルマーケットでは、初心者でも受注しやすい案件が多い反面、1件あたりの報酬が低く設定されていることがあります。ナレーションの尺が短い案件や個人からの依頼の場合、時間や労力に見合わない報酬となることも珍しくありません。

また競争が激しく、実績が乏しい段階では相場より低い発注が中心になりがちです。ポートフォリオ整備と継続受注で単価の引き上げを図りましょう。

高単価の案件を獲得するためには、継続的なスキルアップや実績の積み重ねが不可欠です。最初のうちは収入が安定しにくいというリスクがあることを理解しておく必要があります。

ナレーターを始めるうえで必要なものは？

ナレーターを始めるには、まず声を録音するための基本的な機材が欠かせません。

最も重要なのは、声をクリアに捉えるマイクです。初心者の場合、USB接続で手軽に使えるコンデンサーマイクがおすすめです。マイクの音をPCに取り込むためのオーディオインターフェイスを用いると録音品質を安定させやすくなります。マイクと一体の入門セットも市販されているため、初期構成の選択肢に入ります。

さらに、録音した音声を編集するためのソフトウェアも欠かせません。Windowsユーザーには、無料で高機能な「Audacity」や「Cakewalk by BandLab」が人気です。Macユーザーであれば「GarageBand」が無料で使え、直感的な操作ができます。より本格的に編集したい場合は、「Adobe Audition」などの有料ソフトを検討するとよいでしょう。

最後に、ノイズの少ない静かな環境も重要です。クローゼットの中や布団を被って録音するなど、自宅で簡単にできる防音対策も行ってください。

これらの機材と環境を整えれば、すぐにナレーターとして活動を開始できます。

実際にナレーターを始めよう！必要な5STEPについて！

ナレーターを始める際の必要な5ステップを確認していきましょう。

STEP1：USB接続可能なマイクを用意しよう！

ナレーターを始めるための最初のステップは、USB接続可能なマイクを用意することです。高品質な音声を録音するためにはスマートフォンの内蔵マイクではなく、専用のマイクが欠かせません。

USB接続のマイクはPCに直接差し込むだけで使えるため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。コンデンサーマイクと呼ばれるタイプは音を鮮明に拾ってくれるので、声の質感やニュアンスを豊かに表現できます。

価格も数千円から数万円まで幅広く、予算に合わせて選ぶことが可能です。

高音質でクリアな音声を収録できるマイクを用意することが、クライアントに好印象を与えるための第一歩になるでしょう。

STEP2：音声収録アプリをダウンロードしよう！

高品質な音声を収録するためには、マイクだけでなく音声収録アプリも必要です。

Windowsには、「Audacity」や「Cakewalk by BandLab」といった無料のソフトがあります。これらは多くのナレーターが利用しており、高音質な録音が可能です。Windowsに標準搭載されている「ボイスレコーダー」も手軽に利用できますが、より本格的な録音には専用のアプリが推奨されます。

一方でMacには標準で「GarageBand」というアプリが搭載されており、無料でプロレベルの録音・編集が可能です。直感的な操作性も魅力としてあげられます。

これらのアプリはマイクからの音をデジタルデータとしてPC内に取り込み、高品質な音声ファイルを作成するために欠かせません。

STEP3：カット編集ができるアプリも用意しよう！

ナレーションの録音後には、不要な部分をカットしたり、ノイズを除去したりするための編集作業が不可欠です。この作業を行うために、カット編集ができるアプリを用意しましょう。

Windowsユーザーであれば、無料で利用できる「Audacity」がおすすめです。シンプルな操作で、不要な部分を切り取ったり無音部分を調整したりできます。Macユーザーの場合は、PCに標準搭載されている「GarageBand」が非常に便利です。こちらも無料で、録音から編集まで一貫して行えます。

これらのアプリを使いこなすことで、より高品質な音声データを作成できます。編集スキルは、ナレーターとしての信頼性を高めるうえで非常に重要な要素といえるでしょう。

STEP4：実際にサンプル音声を録音しよう！

ナレーターとして活動を始めるには、実際にサンプル音声を録音することが欠かせません。サンプルは、あなたの声質や表現力をクライアントに伝えるための「名刺」のようなものです。さまざまなジャンルの文章を読み、自分の声の多様性をアピールしましょう。

例えば、以下のような複数のパターンを用意すると効果的です。

• 落ち着いたトーンのナレーション
• 明るく元気なキャラクターボイス
• 感情を込めた朗読

また、滑舌や間の取り方・声の抑揚にも注意して録音しましょう。録音した音声は、自分自身で聞き直し、改善点を把握することも忘れないでください。

STEP5：案件獲得を目指して仕事を探そう！

ナレーターとして活動を始める最後のステップは、案件獲得を目指して仕事を探すことです。

例えばクラウドソーシングサイトやスキルマーケットといったプラットフォームには、企業や個人がナレーターを探すための案件が多数掲載されています。自分の声のサンプルをプロフィールに登録し、興味のある案件に応募しましょう。

また、企業の採用ページや、声優・ナレーター専門のエージェントサイトをチェックするのも有効です。多くの案件に応募することで、クライアントの目に留まる機会を増やせます。

最初のうちは単価が低くても、実績を積むことが大切です。実績が増えれば、より高単価の案件を獲得しやすくなります。

ナレーターの仕事ってどこで探す？

ナレーターの仕事を探す際におすすめのサイトを紹介するので、参考にしてください。

①ランサーズ

ナレーターの仕事を探す際には、ランサーズをおすすめします。

ランサーズは、企業や個人がナレーターに仕事を依頼する際に利用する、日本最大級のクラウドソーシングサービスです。ナレーション案件も豊富に掲載されており、初心者からプロまでさまざまなレベルのナレーターが活動しています。

案件の形式は多種多様です。プロジェクト形式で仕事に応募したり、自分のスキルや実績をアピールする「パッケージ」を作成してクライアントからの依頼を待つ方法もあります。

報酬体系も明確で、納品から報酬の受け取りまでを安全に行える仕組みが整っている点が魅力です。

幅広いジャンルの仕事が集まっているため、自分の得意な声やスキルを活かせる案件を見つけやすいでしょう。

②クラウドワークス

ナレーターの仕事を探す際におすすめのサイトとして、クラウドワークスもあります。

クラウドワークスは、ナレーター案件を豊富に扱う国内最大級のクラウドソーシングサイトです。YouTube動画の解説ナレーション・企業のPR動画・オーディオブックの朗読など、多岐にわたるジャンルの仕事が掲載されています。

初心者向けの案件も多く、まずは実績を積みたいという方にとって最適なプラットフォームといえるでしょう。プロフィール欄には、クライアントからの評価システムが搭載されています。丁寧な仕事ぶりは、次の仕事につながりやすく、信頼を積み重ねていくうえでの重要な要素です。より高単価の案件も受注につながるでしょう。

発注者と受注者が直接やり取りするため、自分の声質や得意な表現方法をアピールしやすいのも魅力です。

③ブログなど各種SNS媒体

ナレーターの仕事は、クラウドソーシングサイトだけではありません。ブログやSNSなど、個人メディアを通じて獲得する道もあります。自分でブログを開設してナレーターとしての実績や日々の活動を発信することで、より深く自分をアピールすることが可能です。

ブログの強みは、クライアントが検索エンジンを通じてあなたを見つけてくれる可能性があることでしょう。ブログ内に自身のポートフォリオやボイスサンプルを埋め込んでおけば、どんな声質で、どのような表現が得意なのかをすぐに聞いてもらえます。

また、SNSでは日々の練習風景や仕事への想いも投稿してみましょう。人間性や熱意が伝わり、それが信頼につながることもあります。

これらの媒体を活用することでクライアントから直接依頼が来る「待ち」の営業も可能となり、活動の幅が広がるでしょう。

コラム：実際に宅録ナレーターの収入ってどのくらい？

宅録ナレーターの収入は、案件によって大きく異なります。

現在のナレーション単価は1時間あたり1,000円程度から、1日あたり10,000円を超えるものまで幅広く存在します。初心者向けの案件では文字数や分数によって単価が設定されることが多く、経験や実績が少ないうちは低単価の仕事から始めるのが一般的です。

一方で企業広告や本格的なオーディオブックといったより専門性が求められる案件では、報酬も高くなります。特に、クライアントからの信頼を得て継続的に依頼されるようになれば、安定した収入につながるでしょう。

ナレーターとしてのスキルを磨き、高品質な音声を提供することで、徐々に高単価の案件を獲得して収入を増やすことが可能です。

ナレーターに向いている人ってどんな人？

ナレーターに向いている人の特徴を紹介します。

表現力が豊かな人

ナレーターに向いている人の特徴として、表現力が豊かな人があげられるでしょう。

声のトーンや抑揚を巧みに使い分け、文章に込められた感情を的確に表現できる人は、聞き手の心に響くナレーションができます。たとえば楽しいシーンでは明るく、悲しいシーンではしっとりと、声だけで情景を豊かに描き出す能力が重要です。

この表現力は正確に読むだけでは伝えられない、物語や情報の「魂」を吹き込むために不可欠な要素といえるでしょう。

はっきりとした話し方、朗読が得意な人

ナレーターに向いているのは、はっきりとした話し方や朗読が得意な人です。

滑舌がよくて言葉の一つひとつをクリアに発音できる能力は、聞き取りやすいナレーションに向いています。どんなに素晴らしい内容でも、聞き取りにくいと情報が伝わりません。特に専門用語や固有名詞を正確かつリズム良く読む力は、クライアントからの信頼を得るうえで非常に重要です。

この特性はニュース原稿の読み上げや企業の解説動画など、正確性が求められる仕事で特に強みとなります。

文章読解力、共感性が高い人

ナレーターに向いているのは、文章読解力や共感性が高い人です。

単に文字を読むだけでなく、書かれた文章の意図や背景を正確に理解する力が求められます。また登場人物や語り手の感情に寄り添い、聞き手にその感情を伝えられる共感性も重要です。単調な読み上げではなく、内容に深みと説得力を持たせられます。

小説の朗読やドキュメンタリーのナレーションなど、感情表現が鍵となるジャンルで特に強みを発揮するでしょう。

まとめ

ナレーターの副業について解説しました。

宅録ナレーターも含めたナレーター全般は、人気の高い副業としてあげられます。誰でも手軽に始められる副業であることから、希望者が多いのでしょう。しかしその一方で、音質・報酬といった面でのデメリットも無視できません。

本記事で紹介したメリット・デメリット・向いている人などを参考にして、宅録ナレーターに挑戦してみてください。