贈与税はいくらからかかる? 非課税になる特例や計算の仕組みをわかりやすく解説

贈与税

贈与税は「いくらから課税されるのか」「どう計算すればいいのか」と、多くの方が疑問を感じながらも、なかなか正確に理解できていない税金のひとつです。親からのお金の援助、子どもへの住宅購入資金のサポートなど、身近な場面で贈与は発生しますが、うっかり申告を怠ると思わぬ追徴課税につながるリスクもあります。

この記事では、贈与税が発生する金額の基準から計算方法・税率、非課税になる8つの特例、さらに相続対策としての生前贈与の活用法まで、知っておくべき情報をすべて網羅して解説します。贈与税を正しく理解し、損をしない賢い財産の渡し方を身につけるための一冊として、ぜひ最後までお読みください。

今回は贈与税について、いくらから課税されるのか・計算方法・非課税になる特例まで、分かりやすく解説しますね。相続税の節税にも役立つ知識ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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  1. 贈与税はどの金額から課税される?
    1. 贈与税の基本と発生するケース
    2. 年間110万円を超えた贈与に課税される(基礎控除)
    3. 年間110万円は「受贈者(もらった人)1人あたり」で計算
    4. 日常生活に必要な生活費や教育費は原則対象外
  2. 贈与税の2種類の課税方式
    1. 暦年課税制度
    2. 相続時精算課税制度
  3. 贈与税の計算方法と税率
    1. 暦年課税による贈与税の計算方法
    2. 一般税率(一般贈与財産用)の場合
    3. 特例税率(特例贈与財産用)の場合
    4. 相続時精算課税による贈与税の計算方法
  4. 誰からいくらもらった?ケース別・贈与税シミュレーション
    1. 親から子へ贈与した場合の税額目安
    2. 夫婦間で財産を移した場合の税額目安
    3. 祖父母から孫、兄弟間、第三者からの場合
  5. 知らないと損!贈与税が非課税になる8つの特例と活用法
    1. ①110万円の基礎控除の活用
    2. ②生活費・教育費
    3. ③おしどり贈与(配偶者控除)
    4. ④相続時精算課税制度
    5. ⑤住宅取得等資金の特例
    6. ⑥教育資金の一括贈与
    7. ⑦結婚・子育て資金の一括贈与
    8. ⑧「特定障害者」の方への贈与に関する非課税措置
  6. 相続税対策にも有効!生前贈与で賢く財産を残すコツ
    1. 110万円以下の暦年贈与
    2. 賃貸用不動産の贈与
    3. 将来価値が上がる財産(株式・土地)の先行贈与
  7. 税務署に否認される生前贈与のNG事例
    1. 亡くなる前の贈与を忘れて追徴課税になった事例
    2. 毎年続けていた暦年贈与が税務署に否認された事例
  8. 贈与を確実に成立させるための注意点と申告手続き
    1. 相続も見据えた贈与をする
    2. 贈与は正直に申告する
    3. 贈与税の申告方法と期限
  9. まとめ

贈与税はどの金額から課税される?

贈与税は、財産をもらった場合にかかる税金です。しかし、もらった金額すべてに課税されるわけではなく、一定の金額を超えた部分に対してのみ課税される仕組みになっています。まずは、贈与税が発生する基本的な条件と、課税のボーダーラインを確認しておきましょう。

贈与税の基本と発生するケース

贈与税とは、個人から財産をもらったときに、もらった側(受贈者)に課税される税金です。現金や預貯金だけでなく、不動産・株式・保険金・車なども対象になります。また、本来の市場価格よりも著しく低い金額で財産を買い受けた場合や、借金を免除してもらった場合なども「みなし贈与」として贈与税の対象となることがあります。贈与税は相続税を補完する税金として位置づけられており、国税庁のサイトでも詳しく解説されています。

年間110万円を超えた贈与に課税される(基礎控除)

贈与税には、年間110万円の基礎控除が設けられています。1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。110万円を超えた場合は、超えた部分の金額に対して税率をかけて税額を計算します。たとえば、1年間で150万円の贈与を受けた場合、課税対象となるのは「150万円-110万円=40万円」の部分です。

年間110万円は「受贈者(もらった人)1人あたり」で計算

110万円の基礎控除は、財産をもらった人(受贈者)1人あたり、年間110万円という考え方です。贈与する人(贈与者)の数ではなく、受け取った側の合計額で判断します。たとえば、父から80万円・母から60万円の計140万円をもらった場合、受贈者の合計は140万円となり、110万円を超えた30万円が課税対象になります。一方、子が2人いて、それぞれに110万円ずつ贈与した場合は、子1人あたりの受取額が110万円以下のため、どちらも贈与税はかかりません。

ケース 受贈者の受取合計額 課税対象額
父から80万円+母から60万円もらった 140万円 30万円(140万円-110万円)
父から110万円もらった 110万円 0円(基礎控除内)
父から110万円・母から110万円、子2人にそれぞれ贈与 子1人あたり110万円 0円(各受贈者が基礎控除内)

日常生活に必要な生活費や教育費は原則対象外

日常生活を送るうえで必要な生活費や教育費については、贈与税の課税対象から外れるのが原則です。たとえば、親が子の大学の授業料を払う、生活費として仕送りをするといったケースは、通常の範囲であれば贈与税はかかりません。

ただし、「生活費・教育費の名目でもらったお金を株式投資や預貯金に充てた」という場合は課税対象になる可能性があります。あくまで「必要な都度、実際に使うお金」に限られる点に注意してください。
110万円以内なら贈与税はかからないんですね。複数の人からもらった場合は合計額で判断されるのが注意ポイントですね。
そうですね。基礎控除はあくまでもらった人(受贈者)側でカウントする点が重要ですよ。複数の人からもらった場合でも合計額で判断しますので、しっかり管理しておいてくださいね。

贈与税の2種類の課税方式

贈与税には、「暦年課税制度」「相続時精算課税制度」の2種類の課税方式があります。どちらの制度を選ぶかによって、税額や手続き、その後の相続への影響が大きく異なります。それぞれの特徴をしっかり理解したうえで、自分の状況に合った方式を選ぶことが大切です。

暦年課税制度

暦年課税制度とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間(暦年)に受け取った贈与の合計額をもとに贈与税を計算する、もっとも一般的な課税方式です。受贈者(財産をもらった人)1人あたり年間110万円の基礎控除が設けられており、贈与額がこの金額以内であれば贈与税はかかりません。

2024年1月1日以降の贈与から、亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算されるルールに改正されています(従来は3年以内)。贈与を重ねるほど将来の相続税に影響が出る可能性があるため、長期的な視点で計画を立てることが重要です。なお、一度暦年課税を選択した場合でも、要件を満たせば相続時精算課税制度へ変更することができます。

項目 内容
控除額 年間110万円(基礎控除)
課税対象 年間の贈与合計額から110万円を引いた金額
相続財産への加算 亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算(2024年1月1日以降の贈与から適用)
申告の要否 110万円を超えた場合は申告・納税が必要

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、贈与を受けた時点では贈与税の負担を抑えつつ、将来の相続が発生した際に贈与分を相続財産に合算して相続税を精算する仕組みです。60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫への贈与が対象となります(年齢はいずれも贈与を受けた年の1月1日時点)。

2024年1月1日の税制改正により、年間110万円の基礎控除が新たに設けられ、この範囲内の贈与であれば相続財産への加算も不要となりました。累計2,500万円までの特別控除も引き続き利用可能です。一方で、一度この制度を選択すると暦年課税には戻れない点には注意が必要です。制度の詳細は国税庁の公式サイトでも確認できます。

項目 内容
対象者(贈与者) 60歳以上の父母・祖父母
対象者(受贈者) 18歳以上の子・孫
年間基礎控除 110万円(2024年1月1日以降の贈与から適用)
特別控除 累計2,500万円まで(超えた分は一律20%課税)
相続財産への加算 年間110万円を超えた贈与分は相続時に合算して精算
制度の変更 一度選択すると暦年課税への変更不可
2つの課税方式があるんですね…どちらを選べばいいのか、判断が難しそうです。
一度相続時精算課税を選ぶと暦年課税に戻れないので、慎重に検討してくださいね。ご自身の財産状況や相続への影響を踏まえて選ぶのがポイントですよ。

贈与税の計算方法と税率

贈与税の計算は、1年間にもらった財産の合計額から基礎控除(110万円)を引いた「課税価格」をもとに行います。また、贈与の相手や関係性によって適用される税率が異なるため、自分がどのケースに当てはまるかをしっかり確認することが大切です。

暦年課税による贈与税の計算方法

暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与の合計額に対して課税される制度です。計算の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 1年間に受け取った贈与の合計額を算出する
  2. 合計額から基礎控除額の110万円を差し引き、課税価格を求める
  3. 課税価格に税率を掛け、控除額を引いて税額を算出する

税率は「一般税率」「特例税率」の2種類があり、贈与者と受贈者の関係性や受贈者の年齢によって使い分けます。

一般税率(一般贈与財産用)の場合

一般税率は、特例税率が適用されない贈与すべてに使われます。たとえば、兄弟間・夫婦間・親から未成年の子への贈与などが該当します。特例税率と比べると税負担がやや重くなります。

課税価格(基礎控除後) 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
たとえば、兄から弟へ500万円の贈与があった場合、課税価格は500万円-110万円=390万円となります。一般税率の表から「400万円以下」に該当するため、390万円×20%-25万円=53万円が贈与税額となります。

特例税率(特例贈与財産用)の場合

特例税率は、祖父母や父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子・孫への贈与に適用されます。一般税率よりも税負担が軽くなるよう設計されており、親から成人した子への生前贈与などに活用されます。

課税価格(基礎控除後) 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
たとえば、父から18歳以上の子へ500万円の贈与があった場合、課税価格は500万円-110万円=390万円となります。特例税率の表から「400万円以下」に該当するため、390万円×15%-10万円=48.5万円が贈与税額となります。一般税率と比べると4.5万円の差が生じており、特例税率の優遇効果が確認できます。

なお、税率や控除額の詳細は国税庁「贈与税の税率(暦年課税)」でも確認することができます。

相続時精算課税による贈与税の計算方法

相続時精算課税制度は、贈与を受けた時点では贈与税を軽減しながら財産を移し、贈与者が亡くなったときに相続財産と合算して相続税で精算する仕組みです。2024年1月1日以降の贈与から、年間110万円の基礎控除が新たに設けられました

計算の流れは次のとおりです。

  1. 1年間に受け取った贈与の合計額から、新設された基礎控除110万円を差し引く
  2. さらに累計2,500万円の特別控除額を超えた部分に対して、一律20%の税率で贈与税を計算する
  3. 贈与者が亡くなった際に、基礎控除を除いた贈与財産の累計を相続財産に加算して相続税を計算する
  4. すでに納付した贈与税は相続税から差し引くことができる
項目 内容
年間基礎控除 110万円(2024年1月1日以降の贈与から適用)
特別控除 累計2,500万円まで贈与税が非課税
税率 特別控除超過分に対して一律20%
相続時の取り扱い 基礎控除超過分を相続財産に加算して精算
たとえば、相続時精算課税を選択している親から子へ年間600万円の贈与があった場合、600万円-110万円(基礎控除)=490万円が課税対象となります。累計2,500万円の特別控除の範囲内であれば、贈与税の納付は不要です。ただし、この490万円は将来の相続財産に加算されます。制度の詳細は国税庁「相続時精算課税の選択」もあわせてご確認ください。

誰からいくらもらった?ケース別・贈与税シミュレーション

贈与税の金額は、誰から・いくらもらったかによって大きく変わります。ここでは、よくある贈与のパターンごとに税額の目安をシミュレーションしていきます。自分のケースに近い例を参考に、おおよその税負担をイメージしてみてください。

親から子へ贈与した場合の税額目安

親(父母)から18歳以上の子への贈与は、税負担が軽くなる「特例税率」が適用されます。基礎控除の110万円を差し引いた後の金額(課税価格)に対して、以下の税率をかけて計算します。

たとえば、親から子へ500万円を贈与した場合は、課税価格が500万円-110万円=390万円となり、特例税率を適用すると贈与税額は48.5万円です。まとまった金額を一度に贈与すると税負担が大きくなるため、計画的な贈与が重要になります。

贈与金額 課税価格(-110万円) 贈与税額(特例税率)
200万円 90万円 9万円
300万円 190万円 19万円
500万円 390万円 48.5万円
1,000万円 890万円 177万円

夫婦間で財産を移した場合の税額目安

夫婦間の贈与であっても、原則として贈与税の課税対象となります。夫婦間は「特別の関係」ではあるものの、税法上は第三者と同様に贈与税が発生する点に注意が必要です。ただし、一定の要件を満たせば「おしどり贈与(配偶者控除)」として最大2,000万円まで非課税になる特例もあります。

夫婦間の贈与には特例税率は適用されず、一般税率で計算します。たとえば、夫から妻へ300万円を贈与した場合、課税価格は190万円となり、一般税率を適用した贈与税額は25万円です。

贈与金額 課税価格(-110万円) 贈与税額(一般税率)
200万円 90万円 9万円
300万円 190万円 25万円
500万円 390万円 68.5万円
1,000万円 890万円 231万円

祖父母から孫、兄弟間、第三者からの場合

祖父母から18歳以上の孫への贈与は、親から子への贈与と同様に特例税率が適用されます。一方、兄弟間や第三者からの贈与、および18歳未満の孫への贈与には一般税率が適用されるため、同じ金額でも税額が高くなります。

たとえば500万円を贈与した場合、特例税率では48.5万円ですが、一般税率では68.5万円と、20万円もの差が生じます。贈与する人と受け取る人の関係性・年齢によって適用される税率が異なるため、贈与前に必ず確認しておきましょう。税率の詳細は国税庁のウェブサイトでも確認できます。

贈与の関係 適用税率 500万円贈与時の税額目安
祖父母→18歳以上の孫 特例税率 48.5万円
祖父母→18歳未満の孫 一般税率 68.5万円
兄弟間 一般税率 68.5万円
第三者(他人)から 一般税率 68.5万円
関係性によってこんなに税額が変わるんですね!20万円も差があるとは驚きました。
そうですね。特例税率が使えるかどうかで大きく変わります。贈与前にしっかり確認しておくことが大切ですよ。

知らないと損!贈与税が非課税になる8つの特例と活用法

贈与税には、一定の条件を満たすことで課税を免れる特例や制度が複数用意されています。これらをうまく活用すれば、まとまった財産を税負担なく移すことも可能です。それぞれの内容と活用のポイントを確認しておきましょう。

①110万円の基礎控除の活用

贈与税には、受贈者1人あたり年間110万円の基礎控除が設けられています。この範囲内であれば贈与税は発生せず、申告も原則不要です。毎年計画的に贈与を繰り返す「暦年贈与」は、最もシンプルで使いやすい節税方法といえます。

毎年決まった時期に同額を贈与し続けると、定期贈与とみなされるリスクがあるため注意してください。

②生活費・教育費

親が子の生活費や教育費として渡すお金は、必要な都度・必要な金額の範囲内であれば贈与税の対象外とされています。ただし、まとめて渡して使い切らなかった分や、教育費として受け取ったのに別の目的に使った場合は課税対象となる可能性があります。日常的なやりとりであっても、使途には十分注意しておきましょう。

③おしどり贈与(配偶者控除)

婚姻期間が20年以上の夫婦間であれば、居住用不動産またはその購入資金の贈与に対して、基礎控除110万円に加えて最大2,000万円までが非課税となります。合計で最大2,110万円まで贈与税がかからない計算です。利用できるのは同一の配偶者からの贈与につき一生に一度のみとなっています。

項目 内容
適用条件 婚姻期間20年以上の配偶者への贈与
対象財産 居住用不動産または居住用不動産の取得資金
控除額 最大2,000万円(基礎控除と合わせて最大2,110万円)
利用回数 同一配偶者から一生に一度

④相続時精算課税制度

60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与する場合に選択できる制度です。累計2,500万円までは贈与税がかからず、それを超えた分に一律20%の税率が適用されます。

2024年からは年間110万円の基礎控除が新たに加わり、使いやすくなりました。ただし、この制度を選択すると暦年課税に戻すことはできない点に注意が必要です。また、贈与した財産は将来の相続税の計算に含まれます。

⑤住宅取得等資金の特例

父母や祖父母などの直系尊属から、住宅を取得するための資金を贈与された場合に、一定額が非課税となる特例です。非課税限度額は住宅の種類(省エネ住宅か一般住宅か)によって異なります。受贈者の年齢や所得要件、取得する住宅の要件なども定められているため、事前に国税庁の情報を確認しておくことをおすすめします。詳しくは国税庁「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」をご覧ください。

⑥教育資金の一括贈与

直系尊属(祖父母や父母など)から30歳未満の子や孫に対し、教育資金として金融機関の専用口座に一括で贈与した場合、受贈者1人あたり最大1,500万円まで非課税となります(習い事等の費用は500万円まで)。口座からの払い出しは領収書の提出が必要で、30歳時点で残額がある場合は贈与税が課税されることがあります。

項目 内容
対象者 直系尊属から30歳未満の子・孫
非課税限度額 最大1,500万円(学校等以外は500万円まで)
手続き 金融機関の専用口座を通じた贈与が必要
残額の扱い 30歳時点で残額がある場合は贈与税が課される場合あり

⑦結婚・子育て資金の一括贈与

直系尊属から18歳以上50歳未満の子や孫に対し、結婚または子育てに充てるための資金を一括で贈与した場合、受贈者1人あたり最大1,000万円まで非課税となります(結婚費用は300万円まで)。教育資金の一括贈与と同様に、専用口座を通じた手続きが必要です。50歳到達時に残額があれば、贈与税の対象となります。

⑧「特定障害者」の方への贈与に関する非課税措置

特定障害者の方を受贈者とする「特定障害者扶養信託契約」に基づく贈与については、特別障害者は最大6,000万円、特別障害者以外の特定障害者は最大3,000万円まで非課税となります。この制度は、障害のある方の将来の生活を支える目的で設けられたものです。信託銀行等との契約を通じて活用できます。

特例・制度名 主な対象者 非課税限度額
①基礎控除(暦年贈与) 誰でも(受贈者1人あたり) 年間110万円
②生活費・教育費 扶養関係にある家族 必要な都度・必要な金額
③おしどり贈与 婚姻20年以上の配偶者 最大2,000万円(+基礎控除110万円)
④相続時精算課税制度 60歳以上の親・祖父母 → 18歳以上の子・孫 累計2,500万円(+毎年110万円の基礎控除)
⑤住宅取得等資金の特例 直系尊属 → 子・孫 住宅の種類により異なる
⑥教育資金の一括贈与 直系尊属 → 30歳未満の子・孫 最大1,500万円
⑦結婚・子育て資金の一括贈与 直系尊属 → 18〜50歳未満の子・孫 最大1,000万円
⑧特定障害者への贈与 特定障害者の方 最大3,000万円〜6,000万円
こんなにたくさんの非課税特例があるんですね!これを上手に使えば大きな節税になりそうです!
そうですね。ただし、それぞれに細かい条件がありますので、活用する前に必ず要件をご確認くださいね。

相続税対策にも有効!生前贈与で賢く財産を残すコツ

相続税の節税を考えるうえで、生前贈与は非常に有効な手段のひとつです。贈与税の非課税枠や特例をうまく活用することで、将来の相続財産を計画的に減らし、家族への財産の引き継ぎをスムーズにすることができます。ここでは、具体的な生前贈与の活用方法を見ていきましょう。

110万円以下の暦年贈与

毎年110万円以下の贈与であれば、基礎控除の範囲内におさまるため贈与税はかかりません。この非課税枠を毎年コツコツと活用することで、長期的に相続財産を圧縮することが可能です。

たとえば、子ども2人に毎年110万円ずつ贈与した場合、10年間で合計2,200万円を非課税で移すことができます。相続財産が多い方ほど、早い時期から計画的に暦年贈与を始めることが節税効果を高めるポイントです。

2024年(令和6年)1月1日以降の贈与から、相続開始前の持ち戻し期間がこれまでの3年から7年に延長されました。贈与のタイミングにも注意が必要です。詳しくは国税庁「暦年課税」をご確認ください。

賃貸用不動産の贈与

家賃収入が発生している賃貸用不動産を生前に贈与することで、その後に発生する家賃収入が受贈者(もらった人)側に移るため、贈与者(あげた人)の財産がそれ以上増えにくくなるというメリットがあります。

相続時に評価される財産の金額を抑えながら、収益物件の恩恵を次の世代に渡せる点で、資産規模の大きい方にとって有効な手段といえます。ただし、不動産の贈与には登録免許税や不動産取得税といったコストが発生するため、税負担も含めて総合的に試算することが大切です。

将来価値が上がる財産(株式・土地)の先行贈与

株式や土地など、将来的に価値が上昇する可能性のある財産は、価値が低いうちに贈与しておくことで、相続時の評価額を抑えることができます。

たとえば、現在の評価額が低い非上場株式や、将来的に開発が見込まれるエリアの土地などは、早期に贈与しておくと相続税の課税対象となる財産を減らせる可能性があります。ただし、相続時精算課税制度を利用した場合は贈与時の評価額で精算される仕組みのため、どの課税方式を選ぶかの判断も重要です。

生前贈与の方法 主なメリット 注意点
110万円以下の暦年贈与 毎年非課税で財産を移せる 相続前7年以内の贈与は持ち戻しの対象になる
賃貸用不動産の贈与 家賃収入ごと次世代に移せる 登録免許税・不動産取得税などのコストがかかる
価値上昇が見込まれる財産の先行贈与 評価額が低い時期に贈与でき節税につながる 相続時精算課税を使うと贈与時の評価額で精算される
生前贈与は早めに始めるほど節税効果が高いんですね。計画的に進めることが大切だと分かりました。

税務署に否認される生前贈与のNG事例

生前贈与は相続税対策として有効な手段ですが、やり方を間違えると税務署から「贈与として認められない」と判断されてしまうことがあります。せっかくの贈与が無効になれば、相続税や贈与税の追徴課税が発生するリスクもあるため、よくある否認事例をしっかり把握しておくことが大切です。

亡くなる前の贈与を忘れて追徴課税になった事例

相続開始前の一定期間に行った贈与は、相続税の課税対象に持ち戻されるルールがあります。このルールを知らずに贈与を行い、後から追徴課税が発生してしまうケースは少なくありません。

2024年1月1日以降の贈与については、相続開始前7年以内に行われた贈与が相続財産に加算されるよう、ルールが改正されました(改正前は3年以内)。亡くなる直前に慌てて贈与しても、節税効果が得られないばかりか、申告漏れとして指摘されるリスクがあります。

贈与のタイミング 相続財産への持ち戻し 備考
相続開始前3年以内 全額持ち戻し 2024年改正前・改正後ともに対象
相続開始前4〜7年以内 総額から100万円を控除した額を持ち戻し 2024年1月1日以降の贈与から適用
相続開始前7年超 持ち戻しなし 相続税の課税対象外
なお、この持ち戻しルールは、相続や遺贈によって財産を取得した人への贈与に限り適用されます。相続人以外の孫などへの贈与は原則対象外です。詳細は国税庁「生前贈与加算」でご確認ください。

毎年続けていた暦年贈与が税務署に否認された事例

「毎年110万円以下だから問題ない」と思っていても、贈与の実態によっては税務署から否認されることがあります。特に注意が必要なのが、「定期贈与」とみなされてしまうケースです。

毎年同じ金額・同じ時期に贈与を繰り返していると、「最初から複数年分の贈与をまとめて約束していた」と判断され、初年度にまとめて課税されることがあります。また、贈与の事実が書面で残っておらず、通帳の管理も贈与者側が行っていた場合は、そもそも贈与が成立していないと判断されるリスクもあります。

否認されやすいNG行為 税務署の判断 対策
毎年同額・同時期の贈与 定期贈与とみなされる可能性あり 金額や時期を毎年変える
贈与契約書を作成していない 贈与の事実が証明できない 毎年贈与契約書を作成する
受贈者の口座を贈与者が管理 名義預金とみなされる可能性あり 受贈者本人が通帳・印鑑を管理する
受贈者が贈与を知らない 贈与の合意なし=贈与不成立 受贈者本人の同意・署名を得る
生前贈与を確実に成立させるためには、贈与のたびに贈与契約書を作成し、受贈者の口座へ振り込む形で資金を移すことが基本です。口座の管理も受贈者本人が行うよう徹底しましょう。
「毎年同額だから大丈夫」は危険ですよ。書面での記録や振込の証跡をしっかり残しておかないと、後から税務署に否認されてしまうこともあるんです。

贈与を確実に成立させるための注意点と申告手続き

贈与税の申告を怠ったり、贈与の実態が伴っていなかったりすると、税務署から「贈与が成立していない」と判断されるリスクがあります。せっかくの贈与が無効とならないよう、成立要件と申告手続きをしっかり押さえておきましょう。

相続も見据えた贈与をする

贈与は単独で考えるのではなく、将来の相続も視野に入れて計画することが大切です。特に注意が必要なのが、相続開始前7年以内に行われた贈与は、原則として相続財産に加算されるという「生前贈与加算」のルールです(2024年1月1日以降の贈与から段階的に適用)。

贈与のタイミングや金額が相続税の計算に影響するため、早い段階から継続的に贈与を行うことが相続税対策としても有効です。また、相続時精算課税制度を選択した場合は、贈与財産が相続時に持ち戻されて課税される点も忘れないようにしましょう。

贈与は正直に申告する

贈与税の申告は、贈与を受けた事実がある場合には必ず行う必要があります。「少額だから大丈夫」「家族間だからバレない」と考えるのは危険です。税務署は相続税の調査などを通じて過去の贈与を把握することがあり、無申告が発覚した場合には本来の贈与税に加え、無申告加算税や延滞税が課されることになります。

また、贈与の事実を明確にするためにも、以下の点を実践しておくことが重要です。

  • 贈与契約書を作成し、双方が署名・押印する
  • 現金ではなく、銀行振込で記録を残す
  • 受贈者(もらった人)が自分で管理できる口座に入金する
  • 毎年同額・同時期の贈与は「定期贈与」とみなされる可能性があるため、金額や時期を変える工夫をする

贈与税の申告方法と期限

贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、受贈者(もらった人)本人が行います。申告先は受贈者の住所地を管轄する税務署です。

項目 内容
申告期間 贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
申告者 贈与を受けた人(受贈者)本人
申告先 受贈者の住所地を管轄する税務署
申告方法 税務署への書面提出、または国税庁のe-Taxによるオンライン申告
納税期限 申告期限と同じ(3月15日まで)
主な提出書類 贈与税の申告書、戸籍謄本(特例適用の場合)など

申告書は国税庁のウェブサイトからダウンロードできるほか、e-Taxを利用すればオンラインで手続きを完結させることも可能です。住宅取得等資金の特例や相続時精算課税制度を利用する場合は、追加の書類が必要になることがあるため、事前に確認しておきましょう。

申告期限を過ぎてしまった場合でも、自主的に申告(期限後申告)を行えば、加算税や延滞税を最小限に抑えることができます。申告漏れに気づいたときは、できる限り早めに対応することが大切です。
贈与税の知識をしっかり身につけて、計画的に財産を移していくことが大切ですね。特例や制度を上手に活用して、大切な財産を賢く次の世代へ引き継いでいきましょう。参考になれば嬉しいです。

まとめ

この記事では、贈与税がいくらから発生するのか、基礎控除や課税方式の違い、計算方法、さらに非課税となる特例や生前贈与の活用法まで幅広く解説してきました。

「贈与税って難しそう」「いくら渡せば税金がかかるの?」と不安に思っていた方も、基本を押さえれば決して複雑なものではありません。年間110万円の基礎控除をはじめ、上手に活用できる制度は数多くあります。正しい知識を持って計画的に贈与を行うことで、大切な財産を賢く次の世代へ引き継いでいきましょう。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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