請求書発行システムとは?メリットや機能、選び方もご紹介!

業務効率化

電子帳簿保存法改正に伴い、請求書発行システムを導入する企業が増えています。請求書発行システムとは、請求書の作成から送付までをオンライン上で完結できるサービスです。

本記事では、請求書発行システムの概要、導入するメリット、おすすめの請求書発行システムを無料で使えるものと有料で使えるものに分けてご紹介します。

【今回の記事でわかること】
・そもそも請求書発行システムとは
・請求書発行システム導入が増加している理由
・請求書発行システムの主な機能
・請求書発行システムを利用するメリット
・おすすめの請求書発行システムの選び方
・おすすめの請求書発行システムランキング6選

請求書発行システムの選び方についても詳しく解説していますので、「これから請求書発行システムを導入するにあたって、どれがいいのか迷っている」という経理担当の方はぜひ最後までご覧ください。

そもそも請求書発行システムとは

請求書発行システムとは、請求書などの帳票をWEB上で作成から送付まで完結できるシステムのことです。

請求書を手書き・Excelで作成するのに比べて、『作業時間の大幅短縮』、『記入漏れ予防』、『入力形式が統一されており、担当者によって形式が異なる等のトラブルがない』、『WEB上で完結するので、紙媒体を保存する必要がない』、『紙代、印刷代等のコスト削減になる』などのメリットが挙げられます。

請求書とは、取引で発生した代金を請求するための文章であり、作成においてミスが許されません。そのため、正確な請求書を作成するためにも請求書作成システムを利用するメリットは大きいと言えます。

請求書発行システムは、『請求書』の他にも『納品書』『支払明細』等を作成する際にも用いることができます。

請求書発行システム導入が増加している理由

請求書発行システムを導入する企業は年々増加しています。請求書発行システムの導入を促す要因として、電子帳簿保存法の改正が挙げられます。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、請求書の保存方法などを定めた法律です。請求書以外にも、各税法で保存が義務付けられている帳簿・書類等の保存のルールを定めています。

電子帳簿保存法は、2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行され、大幅な見直しが行われました。その内容として、2023年12月末までの電子取引は従来通りプリントアウトしたものを保存する方法も認めらるものの、2024年1月以降は「電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存」することが義務付けられました。これらの改正は全事業者が対象となっており、取引サイトのやり取りや帳票データをオンライン上で管理する方法として、請求書発行システムを導入する企業が増えているのはもはや必然と言えるのではないでしょうか。

【出典】国税庁「電子帳簿保存法の概要」

電子帳簿保存法は略称で『電帳法』とも言われています。

請求書発行システムの主な機能

請求書発行システムには、主に以下のような機能があります。

【請求書発行システムの主な機能】
・請求書の作成
・請求書の送付
・請求書の保管

請求書の作成

請求書システムでは、帳票データをアップロードすることで自動的に請求書を発行することができます。帳票データとは、取引先情報・金額・取引内容などが含まれます。

会計ソフトなどを用いていれば、帳票データがCSV等で出力できるため、その帳票データをアップロードし、クリックするだけで請求書発行を行うことが可能です。

また、請求書のレイアウトは複数のテンプレートの中から選ぶことができ、希望通りのレイアウトを再現することができます。

請求書の送付

請求書発行システムで作成した請求書は、WEB発行や郵送などで送付することができます。WEB発行では、取引先にメールを送る等の方法を取ります。

WEB発行を利用すれば、取引先が請求書を確認しているかどうかダウンロード状況が分かり、ダウンロードしていない場合はダウンロードを促す通知を行うことも可能です。

郵送で請求書を送りたい場合は、請求書発行システム側が請求書を紙で発行し、取引先へ郵送してももらうことができます(発送代行)。請求書発行システムを使用すれば、自社で郵送作業を行う場合に比べて、請求書の印刷や送付にかかる時間を短縮することができます。

請求書の保管

法人であれば、請求書は7年間保存することが決められています。

請求書発行システムを用いて作成した請求書は、システム上に保管されているため、紛失の心配なくいつでも確認することができます。反対に請求書の発行を手作業で行なっていれば、紙を保存する場所の確保や、探す手間などが発生してしまいます。

請求書発行システムを利用すれば、取引先などで簡単に取引を検索することができるので、管理の効率化につながります。

【出典】国税庁「帳簿書類等の保存期間」

請求書発行システムを利用するメリット

請求書発行システムを利用するメリットには、主に以下の5つが挙げられます。

【請求書発行システムを利用するメリット】
1.作成時間の短縮・効率化
2.
送付作業の手間削減
3.人為的ミスの予防
4.テレワーク促進
5.社内で共有の効率化

1.作成時間の短縮・効率化

請求書発行システムでは、帳票データがあれば数クリックで請求書を作成することができるため、手作業でExcel等を使って作成する場合に比べて、作成時間を短縮することができます。

また、複数のテンプレートの中からレイアウトを選ぶことができ、各項目ごとでも編集を行えるため、請求書発行システムを利用したからといって好みのレイアウトにならないなんてことはありません!請求書発行システムを利用した場合でも、思い通りのレイアウトにすることができます。

さらに、作成した請求書はいつでもオンライン上で確認することができるため、管理が簡単になります。

2.送付作業の手間削減

請求書発行システムを利用して作成した請求書は、メールで発送されます。取引先が紙での請求書発行を希望している場合は、WEB上にある請求書を紙で印刷し、代わりに郵送してくれるサービスもあります。

郵送代金はおおよそ1通150円〜程度です。

毎月の請求書が定額であれば、設定した日に自動で請求書を送付するサービスもあります。

3.人為的ミスの予防

請求書発行システムを利用することで、人為的ミスを予防することが期待できます。

例えば、毎月の自動発行機能を利用していれば、請求書の発行自体を忘れるというミスをなくすことができます。

また、請求書を郵送で発送する場合、発送代行機能を利用していれば、送り先を間違えたり、送付忘れをしたりするといったヒューマンエラーを防ぐことができます。

4.テレワーク促進

請求書発行システムなら、WEB上で請求書の作成から発行までが完結するため、自宅などでも請求書作成・発行が可能になります。

そのため、経理部門などのテレワークを促進することが期待できます。紙書類で請求書を作成している場合は、社内で紙を渡して確認する必要があり、ペーパーレス化とテレワーク化が期待できません。

5.社内で共有の効率化

請求書発行システムなら、ログイン権限があれば社内の誰でも請求書を確認することができるため、請求書の共有がスムーズになります。

請求書データを一元管理することで、情報共有を効率化することができます。

請求書発行システムの選び方

一口に請求書発行システムと言っても、様々なサービスがあり、機能も少しずつ異なるため、選ぶのに苦労する方もいるのではないでしょうか。

そこで、請求書発行システムを選ぶ際に注目するべき5つのポイントについてご紹介します。

【請求書発行システムを選ぶ際のポイント】

1.自動化したい作業が自動化できるか
2.会計ソフトなどと連動しているか
3.インボイス制度に対応しているか
4.セキュリティ対策が取られているか
5.無料トライアルを利用できるか

1.自動化したい作業が自動化できるか

請求書発行システムを利用するにあたって、自動化したい作業を自動化する機能があるかどうかは重要です。システムによって利用できる機能は少しずつ異なるため、自社の活用したい機能があるシステムを選ぶようにしましょう。

請求書作成のみしか対応していないシステムがある一方で、『入金消し込み』と呼ばれる、実際に入金された情報と請求書に記載した請求額の情報を比べて、勘定科目の残高を消去する作業を自動で行なってくれるシステムもあります。

また、毎月同額の請求書を作成している場合などは、自動で毎月請求書を送付できる機能があるサービスを選択するのがおすすめです。

少しでも業務を効率化するために、必要な機能が備わっているか経理担当者と話し合ってシステムを選ぶと良いでしょう。

2.会計ソフトなどと連動しているか

会計ソフトと連動していれば、帳票データを簡単にCSVデータにすることができます。

また、導入済みの会計ソフトと連動することによって、データ入力にかかる時間を削減することができます。

3.インボイス制度に対応しているか

2023年10月1日以降インボイス制度が開始され、インボイス制度に対応した請求書の発行が求められます。インボイス制度とは、新しい仕入税額控除の仕組みのことであり、『適格請求書』と呼ばれる「適用税率」や「消費税額」等を記載した請求書の交付が必要とされます。

インボイス制度に対応しない請求書を発行してしまうと、法律違反にもなってしまうため、請求書発行システム導入の際はインボイス制度に対応しているかどうかをしっかり確認しましょう。
【出典】国税庁「インボイス制度の概要」

インボイス制度については以下の記事でも詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご一読ください。
【関連記事】【インボイス制度とは?】わかりやすく解説

4.セキュリティ対策が取られているか

見落としがちですが、セキュリティ対策が万全かどうかも請求書発行システムを選ぶ際に気を付けるポイントです。セキュリティ対策が万全でないと、大事な顧客情報や取引情報が漏洩し、会社全体の信頼に関わります。

そのため、SSL暗号化や2段階認証を行なっているサービスを利用すると、情報漏洩のリスクを軽減できるでしょう。

5.無料トライアルを利用できるか

請求書発行システムは、実際に利用してみないと自社に合っているかどうか分からないこともあります。そのため、無料トライアル等を利用して、コストを掛けずにシステムをお試しするのがおすすめです。

実際に利用することで、操作性や機能性を確かめてみましょう!

おすすめの請求書発行システムランキング6選

おすすめの請求書発行システムを無料で使えるものと、有料で使えるものに分けて6選ご紹介します。

無料で使えるおすすめの請求書発行システム3選

以下の3つが無料で使えるおすすめの請求書発行システムです。料金プランなどは時期によって変更になる可能性もあるため、詳細は各サイトを確認してください。

1.Free請求書
2.Misoca
3.MakeLeaps

1.Free請求書

『Free請求書』はfreee株式会社が運営している請求書発行システムであり、基本的な機能のみなら無料で使える点が特徴です。

スマホアプリもあるため、パソコンの操作に不慣れな方でも簡単に請求書を作成することができます。

提供元 freee株式会社
初期費用 無料
料金プラン 無料
機能・特徴 ・テンプレート40種類以上
・入金ステータスを一元管理
・インボイス制度、電帳法対応
・スマホ、タブレットで利用可能
・チャットですぐに問題を解決
URL Free請求書

2.Misoca

『Misoca』は弥生株式会社が運営している請求書発行システムであり、すべての機能が無料で使えることが特徴です。ただし、月間請求書作成数が10通までと限られているため、法人の方は有料プランを検討する必要も出てくるでしょう。

テンプレートが豊富に用意されており、好みのレイアウトを作ることが可能です。

提供元 弥生株式会社
初期費用 無料
料金プラン 無料
導入実績 登録ユーザー280万突破(2022年9月時点)
機能・特徴 ・テンプレートを利用して、きれいなレイアウトが作成可能
・帳票の発行・作成をワンクリックで行うことができる
・スマホ、タブレットからでも帳票の作成・発行が可能
・会計ソフトとの連動あり
・インボイス制度・電帳法対応
URL Misoca

3.MakeLeaps

MakeLeapsはメイクリープス株式会社が運営している請求書発行システムであり、初期費用無料で始めることができます。

操作性に優れており、グッドデザイン賞を受賞した操作画面は直感的に操作することができます。30日間の無料トライアルがあるため、自社に合っているかどうかコストを掛けずに確かめることができます。

提供元 メイクリープス株式会社
初期費用 無料
料金プラン 無料
導入実績 有料契約実績5,000社以上
機能・特徴 ・30日間の無料トライアルあり
・インボイス制度・電帳法対応
・入金管理機能
・請求書のみならず9種類の書類が作成可能
・ワンクリックで請求書発送
・わかりやすい操作画面
URL MakeLeaps

有料で使えるおすすめの請求書発行システム3選

以下の3つが有料で使えるおすすめの請求書発行システムです。料金プランなどは時期によって変更になる可能性もあるため、詳細は各サイトを確認してください。

1.マネーフォワード クラウド請求書
2.楽々明細
3.BtoBプラットフォーム明細書

1.マネーフォワード クラウド請求書

『マネーフォワード クラウド請求書』は株式会社マネーフォワードが運営している請求書発行システムであり、初期費用が0円で始められることが特徴です。

インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しており、法律改正にも素早く対応してアップデートが行われています。

提供元 株式会社マネーフォワード
初期費用 無料
料金プラン (中小企業向け年額プラン)4.980円/月
機能・特徴 ・1ヶ月無料トライアルあり
・インボイス制度対応
・作成した請求書はワンクリックでメール送付が可能
・請求の抜け漏れを防げる機能付き
・マネーフォワードクラウド会計と自動連携
・既存の販売管理システムと連携
URL マネーフォワード クラウド請求書

2.楽々明細

『楽々明細』は株式会社ラクスが運営している請求書発行システムであり、2023年4月時点で6,000社の導入実績を誇ります。

わかりやすく、みやすい操作画面で、取引先に応じて4つの発行方法を選択することができます。

また、導入前にどのくらいコスト削減になるのかシュミレーションをHP上で行うこともできます。

提供元 株式会社ラクス
初期費用 10万円〜
料金プラン (月額費用)25,000円〜
導入実績 ・6,000社(2023年4月時点)
機能・特徴 ・電帳法対応、インボイス制度対応
・WEB、メール添付、郵送、FAXいずれかの方法で送付
・シンプルな画面、簡単操作
・販売管理システム、自社開発システムのデータをそのまま使うことができる
・申込から平均1.5ヶ月で発行スタート
URL 楽々明細

3.BtoBプラットフォーム明細書

『BtoBプラットフォーム明細書』は株式会社インフォマートが運営している請求書発行システムであり、数多くの企業に導入されていることが特徴です。

インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しています。

提供元 株式会社インフォマート
初期費用 11万円
料金プラン 22,000円(税込)/月
導入実績 国内シェアNo.1(東京商工リサーチ調べ)
機能・特徴 ・インボイス制度・電帳法対応
・紙請求書の電子化対応
・発行受け取りを一元管理
URL BtoBプラットフォーム明細書

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の記事では、請求書発行システムの概要や、おすすめの請求書発行システムなどについてご紹介しました。

請求書発行システムを導入することによって、人為的ミスを防止することができるだけでなく、送付作業の時間短縮や、保存が容易になるなどのメリットが期待できます。

システム導入の際には本記事でご紹介した導入のポイントを確認しながら、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/坂口 綾太
SOKKIN 人材支援統括本部/本部統括:坂口綾太 株式会社SOKKIN 執行役員

2019年に株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、歴代最速でシニアアカウントプランナーに昇格。人材・不動産業界マーケを経験し、株式会社サイバーエージェントTOP3顧客になる不動産企業様にて責任者を担当していた実績を持つ。2024年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN 人材支援統括本部/本部統括に従事。

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