2018年に副業・兼業が公に解禁になったことを受け、さまざまな業界でもこれらが可能になりつつあります。税理士業界も例外ではなく、国・他業界の流れに沿って副業を考える人が増加しているようです。
税理士は資格取得が難しい士業であり、なかには常に忙しいというイメージを抱いている人もいるでしょう。そのような職業に従事している人が副業をしてもよいのか、疑問を抱いている人もいるかもしれません。
▼ 副業について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
税理士は副業可能なのか?
2018年に厚生労働省が副業・兼業に関するガイドラインを発表したことを受け、さまざまな業界では副業を解禁する流れになりつつあります。
そのような状況下にはなっていつつも、税理士は副業が可能なの?と疑問を感じている人もいるでしょう。
ここからは、税理士における副業事情について解説します。
そもそも副業とは?
副業とは、本業とは異なる収入を得るための仕事のことです。メインは本業であり、そこで得られる収入では足りない分を補填するために行う仕事全般のことを指します。
状況・スタイルによっては「兼業」「サイドビジネス」などと呼ばれることもありますが、これらはすべて副業の一環です。
厚生労働省の「モデル就業規則」では、副業・兼業について以下のように定めています。
2.副業・兼業をするにあたり、事前に会社に所定の届出をする
3.会社は以下に該当する場合に禁止または制限ができる
1.労務に支障がある場合
2.秘密漏えいする場合
3.会社の名誉・信頼関係を損なう場合
4.競業にて利害を害する場合
(出典:モデル就業規則|厚生労働省)
法律上は副業・兼業が認められていますが、本業である会社・企業が何らかの損害・支障があると判断した場合は禁止できる点に注意してください。
税理士の副業の可否
結局、税理士は副業が可能なのでしょうか。
2018年1月に厚生労働省が策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、企業の対応を以下のように定めています。
基本的な考え方 | ・原則として副業および兼業を認める方向とすることが適当 ・労働者と企業が納得してすすめられるように充分コミュニケーションを取ることが重要 ・労働者の職業選択にて多様なキャリア形成を促進 |
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留意点 | 安全配慮義務 | ・労働契約法第5条 ・長時間労働などによって労務提供上支障がある場合には禁止または制限が可能 ・労働者の安全や健康への影響を確認 ・労働者の健康状態に問題が認められた場合の適切な措置 |
秘密保持義務 | ・業務上の秘密が漏えいする場合は禁止または制限が可能 ・情報および秘密の漏えいについての注意喚起 |
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競業避止義務 | ・在籍中の勤務先と競合する業務は行わない義務 ・自社の正当な利益を害する場合は禁止または制限が可能 ・自社の正当な利益を害さない注意喚起 |
上記のうち留意点については、厚生労働省が公開している「モデル就業規則」にも明記されており、以下はその抜粋です。
2.企業秘密が漏洩する場合
3.会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
4.競業により、企業の利益を害する場合
(出典:モデル就業規則|厚生労働省)
上記4つのいずれかに抵触する場合、会社・企業側は労働者の副業を禁止できます。
これらは言い換えるなら、上記を守れば法律上は禁止・制限の対象にはならず、原則として副業が可能です。
ただし税理士は一般的な労働基準法とは別に税理士法が定められており、税理士としての業務に従事する際にはこれを守らなければなりません。副業に関しては、無報酬での複数回にわたる税務相談は「独占規定」に反する可能性があります。
また「開業・独立」「社員・役員」「所属」「アルバイト」といった働き方によって、副業が制限される場合もあるので、注意してください。働き方による副業の可否について、以降の項目で確認していきましょう。
開業・独立税理士のケース
開業・独立税理士の場合、立場上は経営者であることから、就業規則などの縛りに影響されません。そのため、副業という観点から考えると可能です。
ただしこのケースは経営者という立場上、副業案件であっても事業活動の一環に分類されます。そのため、副業というよりは開業・独立税理士として受注した通常案件と同じです。
例えば税理士として活躍する一方で、Webライティングとしての副業案件を受注したとしましょう。一見、副業のように感じますが、実際は事業活動としての売上の種類が増えただけといえます。

副業というよりは別事業を展開しているイメージだね!
社員・役員税理士のケース
社員・役員税理士とは、税理士法人として税理士事務所の運営・管理をする立場のことです。社員といっても役員と同レベルで考えられており、実質上は所属する事務所の幹部クラスにあたります。
事務所の運営・管理を任されている立場から、前述した開業・独立と似ていると思う人もいるかもしれません。しかしここで注意しなければならないのは、税理士法人としての立場です。
税理士法では、税理士法人の業務範囲を個人として遂行することを禁じています。よって、原則として税理士業務に関連した副業はできません。
ただし税理士に関係のない業務・職種の副業であれば、就業規則に反しない範囲で受注できます。

税理士に関係ない副業。例えば、趣味の副業とかであれば、問題ないということになります。
所属税理士のケース
所属税理士とは、税理士事務所に所属して業務にあたる人のことです。そのため、一般企業に勤務する会社員同様に労働基準法・就業規則に準じて仕事をしなければなりません。
国の方針では副業・兼業は認めていますが、すべての税理士事務所で解禁されているわけではなく、就業規則によって禁じているところもあります。
アルバイトのケース
税理士として事務所でアルバイト勤務をしている場合は、前述した所属税理士同様です。勤務する事務所の就業規則を遵守する立場にあることから、許可されていれば副業できます。
アルバイト・パート勤務だからといって、自由に働き方が選べるわけではありません。特に税理士の場合、税理士法という労働基準法とは別の法律も関係していることから、一般企業と比較して就業規則が厳しく定められているケースがあります。
▼ アルバイトの副業についての記事は以下のサイトで詳しく解説しています。

税理士が副業するメリット
税理士が副業する主なメリットは、以下の通りです。
上記それぞれのメリットを確認していきましょう。
収入の増加
収入の増加は、副業するメリットのひとつとしてあげられます。本業とは別の収入源が確保できるからです。
ただし副業で得た年間所得額が20万円を超えると、確定申告をしなければなりません。所属事務所で年末調整を行っており、副業が禁止されていない場合は合算して申告すれば確定申告は不要です。
▼ 副業に関する確定申告は、以下のサイトで詳しく解説しています。

新しい人脈を形成できる
新しい人脈形成も、副業のメリットといえるでしょう。副業では本業とは異なる繋がりができるからです。
副業は本業とは別のルートで開拓することになるため、取引のなかったさまざまな人たちと交流できます。副業案件のクオリティによっては、さらに人脈が広がるかもしれません。
また副業で形成した新たな人脈は、独立・開業した際に顧客になってくれる可能性もあります。
新たなチャレンジができる
新たなチャレンジができる点も、副業のメリットです。
例えば事務所に所属していると、業務範囲は与えられる内容に限定されてしまいます。書類作成・申告手続きなど、一般的な仕事ばかりを担当することになるでしょう。
一方副業は、税理士の資格・経験を活かして、さまざまな職業にチャレンジできます。Webライター・動画配信など、事務所内だけでは経験できない副業が可能です。
税理士としての本来の業務を飛び越えた分野に挑戦することで視野が広がる点は、副業の魅力といえるでしょう。
本業のパフォーマンス向上
本業のパフォーマンス向上が期待できる点も、副業するうえでのメリットのひとつです。
副業では税理士という資格・スキル・経験のみで仕事・案件を受注する機会が多いため、業界に縛られることはありません。
例えば所属している事務所では、IT関連企業の顧客が多めだったとしましょう。本業で仕事をする場合、その事務所の顧客がメインになるため、業界はITに偏りがちです。
しかし副業は業界を自由に選べるため、建築業・製造業などの企業・会社からの依頼が舞い込むこともあります。
このようにさまざまな業界の案件・仕事を受注することで知識が豊富になり、本業でのパフォーマンス向上が期待できるでしょう。
税理士が副業するデメリット
税理士が副業する際には、以下のような点を考慮しなければなりません。
それぞれのデメリットについて解説するので、参考にしてください。
本業に支障をきたす可能性がある。
本業に支障をきたす可能性がある点は、副業のデメリットといえます。税理士には繁忙期があるからです。
一般に税理士の繁忙期は、11月〜翌年5月に集中しています。この期間に副業での案件・仕事を受注してしまうと本業での業務時間に圧迫され、思うように稼働時間が確保できないかもしれません。副業には納期が設定されているため、必然的に休日・睡眠時間などを削っての対応が求められます。
休息時間が確保できない状態が長期間続くと疲労が蓄積し、本業に悪影響を及ぼすでしょう。
このようなことにならないように、繁忙期は副業の仕事量を少なめにしたり受注しないようにしたりといった工夫が必要です。
業務管理が大変になる。
副業をする際には、業務管理が必要になる点も考慮してください。業務管理が甘い場合、本業・副業のいずれも生産性・クオリティ面が落ちる可能性があるからです。
税理士の仕事は税金回りがメインであり、ミスをすればクライアントに多大な損失を与えかねません。クライアントに損失を与えたことで、所属する事務所にも迷惑をかけることになるでしょう。
本業・副業両方の業務量が多くなると疲労が蓄積し、集中力が低下する恐れがあります。この集中力の低下が、ミスを招く原因になるのです。
生産性・クオリティを下げないためにも、ゆとりを持った業務管理を行いましょう。
雇用保険が適用されない。
雇用保険の適用には注意してください。
雇用保険への加入は強制ですが、適用は1人につき1社のみであり、複数の勤務先での加入は認められていません。すでに本業側で雇用保険に加入している場合、副業側での勤務先では加入できないのです。
副業案件の仕事内容・業務量によっては、雇用保険の適用条件を満たす場合があるかもしれません。しかしその際でも、本業で加入している場合は適用できないので、副業案件のクライアントに説明しておきましょう。
税理士がしやすい副業とは?
税理士が始めやすい副業をいくつか紹介します。
税務業務
主な仕事内容 | ・会社やクライアントの税務全般の代理 ・税務書類の作成 ・税務関連の相談 など |
メリット | ・税理士の独占業務 ・本業の能力や知識を活用 ・容易に受注できる可能性大 |
注意点 | ・競業避止義務への抵触 ・誠実義務への配慮 |
案件・仕事の獲得方法として、クラウドソーシングサイト・エージェント会社などがあげられます。
Youtubeなどの動画投稿
主な仕事内容 | ・税務や会計に関する動画の制作と配信 ・税金回りの手続きに関する内容 ・税理士事務所の宣伝 など |
メリット | ・知識と経験を利用 ・時間や場所に縛られずに配信可能 ・手軽にスタート可能 |
注意点 | ・短期間での収益化は困難 ・一定数以上の閲覧者数やフォロワー数が必要 ・動画配信サイトによっては条件を満たす必要あり |
動画投稿は、YouTubeをはじめとする動画配信サイトを利用します。登録無料のサイトも多いので、初期費用をかけず手軽にスタートできる点がメリットです。
税務関連の記事執筆
主な仕事内容 | ・税務や会計関連の記事を作成 ・クライアントのコンテンツや自サイトへの投稿 ・校閲や監修に携わる場合あり |
メリット | ・税理士としての知識を利用 ・時間や場所に縛られない働き方が可能 ・幅広い収益化の期待大(広告収入など) |
注意点 | ・SEOや文章構成などの知識が必要 ・わかりやすい文章を作成するスキルが必要 ・監修者の場合は個人情報などの取り扱いに注意 |
記事執筆の場合、さまざまな閲覧者が記事を読むことからわかりやすく文章を作成する能力が欠かせません。専門用語を使用せず、万人向けする文章作成スキルの高さが問われます。
予備校講師
主な仕事内容 | ・税理士を目指す聴講生に向けた講師 ・専門学校に通学する対面式やオンラインなどあり ・試験の採点を含む場合あり |
メリット | ・税務知識を深めることが可能 ・安定収入が得られる期待大 ・事務所の宣伝効果あり |
注意点 | ・通年講師の場合は時間管理が重要 ・生徒のアフターフォロー業務あり ・継続的な税務知識のアップデートが必要 |
主な案件獲得方法は以下の通りです。
・税理士関連の予備校サイト
オンラインによる学習指導の場合、クラウドソーシングサイトでも案件が見つかる可能性があります。
メディア出演
主な仕事内容 | ・テレビなどで税務関連の解説 ・ラジオ番組での解説を求められる場合あり ・税制改正の解説や税金関連ニュースのコメンテーター など |
メリット | ・高額収入の期待大 ・知名度アップが可能 ・新たな人脈形成の可能性あり |
注意点 | ・ある程度の知名度が必要 ・コネクションが重要 ・所属税理士の場合は就業規則に反する可能性あり |
メディア出演は、積極的に営業をして獲得できる案件ではありません。コネクションが重要になってくるため、すでに紹介したほかの副業で人脈を形成して機会をうかがう必要があります。
アフィリエイト収入
主な仕事内容 | ・独自のサイトやブログによる広告収入 ・クリックや商品購入にて収益化 ・自サイトやブログのコンテンツ作成 |
メリット | ・無料サービスの利用が可能 ・時間や場所の選択が自由 ・作成したコンテンツはストック型収入の期待大 |
注意点 | ・収入が発生するまで時間が必要 ・作成済コンテンツの定期的な修正が重要 ・SEO対策などの専門的な知識が必要 |
アフィリエイト収入は、無料のブログ・サイトのサービスを利用することで初期費用はかかりません。ただし集客数が必要な点から、時間がかかる点はデメリットといえるでしょう。
税務文章などの翻訳
主な仕事内容 | ・多言語の税務関連文章の翻訳 ・Webサイトや専門書など ・すでに翻訳されている内容の校閲 など |
メリット | ・専門書籍などの大型案件あり ・高額収入の期待大 ・英語などの言語スキルアップが可能 |
注意点 | ・税務に特化した翻訳関連の案件は少数 ・内容によって稼働時間が多くなる可能性あり |
税務に特化した文章関連の翻訳は、多言語の知識も必要になることから高額収入が期待できます。ただし、翻訳する文章量によっては稼働時間が多くなる可能性があるので注意してください。
税理士の副業の探し方
税理士の副業の探し方を紹介します。
クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、企業・個人が不特定多数の人に向けて仕事を依頼する業務形態のことです。
メリット | ・未経験者や初心者案件が豊富 ・条件や業務内容での案件選択が可能 ・さまざまな業界の案件あり |
注意点 | ・報酬が相場以下の可能性あり ・高額案件は実績数や経験数が必要 ・収入を安定させることは困難 |
クラウドワークス・ランサーズなど、さまざまなクラウドソーシングサイトがあり、登録することで公開されている案件に応募できます。なお、多くのクラウドソーシングサイトでは登録料が無料なので、複数に登録して仕事を探すとよいでしょう。
▼ クラウドソーシングについての記事は以下のサイトで詳しく解説しています。こちらもあわせて参考にしてください。

エージェント・求人サイト
エージェントサイトは、登録することでエージェント会社がスキル・経験・条件に合った仕事・案件を紹介してくれるサービスです。自分で案件探しをする手間が省けます。
一方の求人サイトは、企業・会社などからの仕事・依頼を掲載しているサイトです。依頼主が派遣会社であることもあり、必ずしも税理士の仕事を依頼したい企業であるとは限りません。
メリット | ・クライアントが会社や企業である可能性大 ・条件や経験に見合った案件紹介あり(エージェントの場合) ・直接オファーの可能性あり(求人サイトの場合) |
注意点 | ・経験が少ない場合は紹介してもらえない可能性あり ・登録料が発生する可能性あり(エージェントの場合) ・契約先が派遣会社である可能性あり(求人サイトの場合) |
スキルマーケット
スキルマーケットは、自分の特技・経験の売買が可能なサイトです。スキルシェアサービスと呼ばれることもあり、代表的なサイトとしてココナラがあげられます。
メリット | ・自由な価格設定が可能 ・販売と応募の両方からのアプローチが可能 ・契約から報酬確定までオンラインで完結 |
注意点 | ・価格によっては依頼がない場合あり ・個人間での契約多め ・単発依頼が主体 |
スキルマーケットは基本的に単発依頼がメインなので、継続的な収入は期待できません。
税理士の失敗しない副業の選び方
税理士の失敗しない副業の選び方を紹介します。
仕事で得たスキルや経験を振り返る
仕事で得たスキル・経験は、こまめに振り返りましょう。税理士に限ったことではありません。学生時代に経験したアルバイトなども含めて振り返り、紙に書き出してみてください。
具体的には以下のような点に注目するとよいでしょう。
・傾聴力
・問題解決力
・正確性
・効率性
・チームワーク力
・リーダーシップ
上記は一例ですが、これらに注目してスキル・経験を振り返りながらピックアップしていくと、意外な気づきが得られるかもしれません。
”自分の強み”を把握する
前述したスキル・経験の振り返りを土台にして、自分の強みを把握します。ここで重要なことは、自信が持てる経験・スキルに着目することです。
強みの把握は、副業探しの際の重要なアピールポイントになります。また副業を探す際の指針にもなり、どのような職種・業種を選択すればよいのかわからない際にも役立ってくれるでしょう。
一言で副業といっても、業種・仕事は多種多様です。継続するためにも自信を持って強みだといえるスキル・経験を把握しておくことをおすすめします。
強みが活かせる副業を探す
自分の強みの把握ができたら、副業を探しましょう。強みが活かせる職種・業界での副業案件を探してください。
実務経験が伴っている場合は、エージェント会社への登録がおすすめです。事前のスキルチェック・面談などをしたあとは、条件・経験値にマッチングした案件を紹介してもらえます。自分で案件探しをする手間が省けるので、本業および副業に集中できて便利です。
実績に不安がある場合には、クラウドソーシングサイトを活用するとよいでしょう。初心者・未経験者向けの案件が、豊富に掲載されています。副業では実績数が重視されるので、相場よりも報酬が安くても受注して実績数を増やしてください。
稼働条件や報酬をよく検討する
稼働条件・報酬はよく検討したほうがよいでしょう。なかには、相場よりも極端に安い金額で仕事を依頼するところもあるからです。
また副業は本業ありきなので、本業に影響を及ぼさない仕事量かどうかの確認も重要です。このあたりの采配は、受注する側にゆだねられています。自身のキャパシティ・仕事の処理スピードなどを考慮して、副業として受注可能かどうか判断してください。
本業を圧迫するような副業の働き方は、本末転倒です。本業・副業でフル稼働をすると疲労が蓄積して、両方に悪影響を及ぼす可能性もあります。くれぐれも注意しましょう。
税理士が副業する際の注意点
税理士が副業する際の注意点を確認します。
就業規則の確認と承認
税理士に限ったことではありませんが、副業する際には事前に就業規則の確認と上司・上席者の承認を得てください。
法律上は副業・兼業についての罰則がありません。しかし税理士は業務上、情報漏洩などの観点から就業規則にて副業を禁止していたり、許可制をとっていたりする場合があります。
原則として就業規則は、事務所などに勤務する従業員なら誰でも閲覧可能です。副業についての規則および罰則を確認し、上司・上席者の承認も得ておきましょう。
守秘義務の遵守
税理士は税理士法に則って業務に携わらなければなりません。この税理士法のなかに秘密を守る義務として、以下のように定められています。
第38条 | 税理士は正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た情報を他に漏らし、または窃用してはならない。税理士でなくなった後においても、また同様とする。 |
第54条 | 税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者でなくなつた後においても、また同様とする。 |
(出典:税理士法 | e-Gov 法令検索)
特に注意すべき点は、税理士でなくなった後も上記の効力が有効である点です。税理士としての業務を退いたからといって、業務上知り得た情報を他に漏らすことは禁じられています。
副業においても上記の法令は適用されるので、漏らしたり窃用したりしないように注意してください。
利益相反に注意
利益相反とは、特定の人が自分と他社の利益を同時に優先しようとした結果、どちらか一方の利益が損なわれる可能性が発生することです。
例えば本業で顧問としての関係性がある顧客に対して、副業として不動産を紹介すると利益相反にあたります。
このようなことが起きないようにするために透明性・独立性の維持・確認や、専門家の協力を得るようにしましょう。
適正なワークライフバランス
適正なワークライフバランスも注意点としてあげられます。
本業あっての副業であることから、メインは本業の仕事です。副業の稼働時間を増やしたことで体調を崩すようなことがあると、本業にも悪影響を及ぼします。
本業と副業のバランスは本業に重心を置き、体調・稼働時間などを考慮して副業の業務量で調整しましょう。
税理士が気になる副業に関する質問
税理士が気になる副業に関する質問を紹介します。
税理士が副業してたらばれる?
税理士が副業をした場合、基本は本業に知られてしまうと考えてください。副業していたことがばれたことで、本業で懲戒免職処分になることもあります。
始める前に就業規則を確認したうえで、上司・上席者に相談しておきましょう。
副業は法律的には問題ない?
副業に関する法律上の罰則はありません。
しかし税理士の場合は税理士法を守る立場にあることから、この法律に触れることをすると罰則が課せられるので注意しましょう。
税理士の副業は在宅も可能?
税務関連の書類作成などを担当する際には、在宅ワークが可能です。
メールやコミュニケーションツールなどを利用して綿密に連絡を取り、業務にあたるとよいでしょう。
何を判断基準に副業を選べばいい?
原則は本業への影響です。稼働時間・就業規則とあわせて、税理士法にも反していないか考慮して選びましょう。
また自分の強みも選択基準に取り入れると、副業で得た案件がスムーズにはかどります。
まとめ
税理士の副業について解説しました。
税理士の副業は可能ですが、就業規則とあわせて税理士法も考慮しなければなりません。
本記事を参考にワークライフバランスも考えて、適切な副業案件を獲得してください。
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