マーケKPIの正しい設定方法~成果が出ない原因と改善ポイントも解説~

マーケティング
今回は「マーケティングKPIの正しい設定方法」について分かりやすく解説しますね。成果が出ない原因や改善ポイントもあわせてお伝えします。

 

マーケティングにおけるKPIの設定は、成果を出すうえで欠かせないプロセスとして多くの企業が重視しています。しかし「何をKPIにすべきか分からない」「設定しても成果につながらない」と悩むマーケター・担当者は少なくありません。

この記事では、KPIの基本的な意味から設定手順、業界別の具体例、そして成果を出すためのコツまでを網羅的に解説しています。KGIとの連動やSMARTの原則など、実践で使えるポイントを丁寧に説明していますので、ぜひ参考にしてください。

  1. マーケティングで用いるKPIとは?
  2. マーケティングで用いるKPIの設定が重要な理由
    1. 関係者間で共通言語になる
    2. 目標達成に向けた施策の進み具合を把握できる
    3. 目標達成への最短ルートを進むことが可能
  3. マーケティングKPIのタイプ別・目的別設定ガイド
    1. KPIの主な種類
    2. 目的に合わせたKPIの設定方法
  4. マーケティングKPIの設定手順
    1. Step01:KGIを定め、最終到達点を明確にする
    2. Step02:KGI達成への道筋を整理し、KSFを抽出する
    3. Step03:SMARTに沿ってKPIを設定し、具体的な目標を定める
    4. Step04:担当者と目標を共有し、認識と行動をそろえる
    5. Step05:定期的に進捗を確認し、改善サイクルを回す
  5. 【業界別】マーケティングのKPI設定例
    1. 不動産業界
    2. 金融業界
    3. 人材業界
    4. EC/D2C業界
    5. SaaS業界
  6. 重要KPIを定めるコツと手順
    1. Step1:企業の前提条件を整理する
    2. Step2:ステークホルダーと関連指標をツリー化して分解する
    3. Step3:管理・改善できる領域を見極め、重要KPIを決定する
    4. Step4:マーケ施策を決め、意図をステークホルダーへ共有する
    5. KPIモニタリング体制を整え、KGIの相関を検証する
  7. KPI成功へのポイント
    1. KPIを増やしすぎず、真に重要な指標に絞る
    2. KGIから逆算してKPIを設計する
    3. 数値だけでなく、行動改善につながる指標を設定する
    4. SMARTの原則に沿って、具体的に設定する
  8. まとめ

マーケティングで用いるKPIとは?

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。マーケティングの文脈では、最終的な事業目標(KGI)を達成するために、日々の施策や活動の進捗を数値で測るための指標として活用されます。

たとえば「売上1億円」という目標を掲げた場合、その達成を支える「Webサイトへの月間訪問者数」や「リード獲得数」などがKPIにあたります。

KPIはKGI(Key Goal Indicator:最終目標指標)と混同されやすいため、両者の違いを正しく理解することが重要です。また、KSF(Key Success Factor:重要成功要因)とあわせて整理することで、目標達成への筋道がより明確になります。以下の表で3つの指標の違いを確認しておきましょう。

指標 正式名称 役割
KGI Key Goal Indicator 最終的に達成したいゴール 年間売上1億円
KSF Key Success Factor KGI達成のために欠かせない成功要因 見込み顧客との接点を増やす
KPI Key Performance Indicator KGI達成の進捗を測る中間指標 月間リード獲得数100件

マーケティングにおけるKPIは、施策の種類やフェーズによって多岐にわたります。Webマーケティングであればセッション数やコンバージョン率(CVR)、SNSマーケティングであればフォロワー数やエンゲージメント率、広告運用であればクリック率(CTR)やCPA(顧客獲得単価)などが代表的な指標です。

重要なのは、自社の目標や状況に合った指標を選ぶことであり、ただ数値を追うだけでは本来の目的から外れてしまう点に注意してください。
KGI・KSF・KPIの関係性がはっきり整理できました。中間指標としてのKPIの位置づけが理解しやすいですね。

マーケティングで用いるKPIの設定が重要な理由

マーケティング活動では、日々さまざまな施策を実行しますが、その成果を正しく評価するためにはKPIの設定が欠かせません。KPIを設定しないまま施策を進めると、「何を目指しているのか」「どこまで進んでいるのか」が見えにくくなり、結果として効果のない取り組みを続けてしまうリスクがあります。

ここでは、KPI設定が重要とされる主な理由を3つの観点から解説します。

関係者間で共通言語になる

マーケティングには、営業・制作・経営など複数の部門が関わることが多く、それぞれの立場で「成果」の捉え方が異なりがちです。KPIを明確に設定することで、関係者全員が同じ指標をもとに会話できるようになり、認識のずれや方向性のブレを防ぐことができます。

たとえば「今月のリード獲得数は目標の80%」といった形で数値を共有することで、報告や議論がスムーズになります。

目標達成に向けた施策の進み具合を把握できる

KPIを設定しておくと、施策がどの程度進んでいるかを定量的に確認できます。「感覚的にうまくいっている」ではなく、数値として進捗を可視化できる点が大きなメリットです。

定期的にKPIを確認することで、計画より遅れている場合は早めに軌道修正でき、逆に想定以上の成果が出ている場合はその要因を分析して横展開することも可能になります。

目標達成への最短ルートを進むことが可能

KPIが明確であれば、限られたリソースをどの施策に集中させるべきかの判断がしやすくなります。目標から逆算して優先順位をつけることで、無駄な施策を減らし、効率よく成果に近づくことができます。

KPIのない状態では、施策の多さが「成果」と混同されやすく、本来注力すべきポイントを見失うことにつながります。KPIはいわば、ゴールまでの道しるべとしての役割を果たしてくれるものです。

KPIって単なる数値目標だけじゃなくて、チーム全体の「共通言語」としても機能するんですね。納得しました!

マーケティングKPIのタイプ別・目的別設定ガイド

マーケティングのKPIは、目的やフェーズによって設定すべき指標が異なります。「とりあえず数値を決める」ではなく、自社の目的に合ったKPIを選ぶことが、施策の効果を最大化するための第一歩です。ここでは、KPIの種類と目的別の設定方法を整理して解説します。

KPIの主な種類

マーケティングで用いるKPIは、大きく以下の4つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解したうえで、自社の状況に合ったものを選ぶことが重要です。

KPIのタイプ 主な指標の例 活用シーン
認知・リーチ系 インプレッション数、リーチ数、広告視聴完了率 新規ブランドの認知拡大フェーズ
エンゲージメント系 クリック率(CTR)、滞在時間、SNSのいいね・シェア数 ユーザーとの関係性を深めたいフェーズ
コンバージョン系 リード獲得数、資料請求数、成約率(CVR) 顧客獲得や売上直結の施策フェーズ
収益・効率系 顧客獲得単価(CAC)、顧客生涯価値(LTV)、投資対効果(ROI) 収益の最大化や費用対効果の改善フェーズ

これらはどれか1つだけを選ぶのではなく、目的に応じて組み合わせて使うケースも多くあります。

大切なのは、設定するKPIが自社の最終目標(KGI)と明確につながっているかどうかを常に確認することです。

目的に合わせたKPIの設定方法

KPIはマーケティングの目的ごとに、適切な指標が変わります。目的が曖昧なまま指標を設定してしまうと、施策の評価がブレる原因になります。以下では、代表的な5つの目的別に、適切なKPIの考え方を紹介します。

認知・想起の向上

新しいサービスや商品を多くの人に知ってもらうフェーズでは、どれだけ多くの人にリーチできたかが重要になります。この段階では売上よりも「知られること」が優先されるため、認知・リーチ系の指標を中心にKPIを設定します。

指標 内容
インプレッション数 広告やコンテンツが表示された回数
リーチ数 広告やコンテンツが届いたユニークユーザー数
ブランド検索数 ブランド名や商品名で検索されたキーワードの検索回数
広告視聴完了率 動画広告を最後まで視聴したユーザーの割合

「どれだけ広く届けられたか」を可視化できる指標を選ぶことで、認知施策の効果を正しく評価できます。

顧客獲得(リード/新規顧客)

見込み顧客(リード)や新規顧客を増やすフェーズでは、コンバージョンに直結する指標が重要です。広告やコンテンツへの流入数だけでなく、その後の行動まで追いかけることが求められます。

指標 内容
リード獲得数 資料請求・問い合わせ・会員登録など、見込み顧客として獲得できた数
コンバージョン率(CVR) サイト訪問者のうち、目標となるアクションを実行した割合
顧客獲得単価(CAC) 1人の顧客を獲得するためにかかったコスト
新規顧客数 一定期間内に初めて購入・契約した顧客の数

顧客獲得のKPIを設定する際は、獲得数だけでなく獲得コストも合わせて管理することで、施策の費用対効果を正確に把握できます。

顧客エンゲージメントの強化

すでに接点を持っている顧客との関係性をより深めるフェーズでは、顧客がブランドや商品にどれだけ関心を持ち、行動しているかを示す指標が重要になります。

指標 内容
メール開封率・クリック率 配信したメールが開封された割合、リンクがクリックされた割合
SNSエンゲージメント率 投稿に対するいいね・コメント・シェアなどのアクション数の割合
サイト平均滞在時間 ユーザーがサイト内に滞在した平均時間
リピート率 一定期間内に2回以上購入・利用した顧客の割合

エンゲージメント系の指標は、顧客との関係性の深さを数値で把握するために欠かせない指標です。コンバージョンには至っていなくても、将来の購買につながるシグナルとして活用できます。

売上・利益の拡大

マーケティング施策を通じて売上や利益を直接的に高めることを目的とするフェーズでは、収益・効率系の指標を中心にKPIを組み立てます

指標 内容
売上高 一定期間内に発生した総売上金額
顧客生涯価値(LTV) 1人の顧客が生涯を通じてもたらす利益の合計
投資対効果(ROI) マーケティングに投じたコストに対して得られた利益の割合
平均購入単価 1回の購入・契約あたりの平均金額

売上・利益に関するKPIは、経営層との共通言語にもなりやすい指標です。施策ごとのROIを把握することで、予算配分の最適化にもつなげられます。

ブランドイメージの向上

ブランドに対する顧客の印象や信頼感を高めることを目的とするフェーズでは、数値化が難しい定性的な要素も含めて指標を設計することが求められます。

指標 内容
NPS(ネット・プロモーター・スコア) 「この商品・サービスを他者に薦めたいか」を0〜10点で評価した顧客推奨度
ブランド好意度 アンケートなどを通じて測定したブランドへの好感度
口コミ・レビューの評点 ECサイトや口コミサービス上でのブランド・商品評価の平均点
SNSでのポジティブ言及率 SNS上でブランドに関するポジティブな投稿が占める割合
ブランドイメージに関するKPIは短期間では効果が見えにくいため、中長期の視点で定期的にモニタリングし、変化のトレンドを追うことに注意してください。

定量指標と定性的なフィードバックを組み合わせて評価することで、より実態に即した判断が可能になります。

目的ごとに追うべき指標が全然違うんですね。自分たちのフェーズを見極めることが大切だと分かりました。

マーケティングKPIの設定手順

マーケティングのKPIは、ただ数値目標を並べるだけでは機能しません。KGIから逆算して論理的に設計し、関係者と共有したうえで継続的に改善していくことが大切です。ここでは、実践で使える5つのステップを順番に解説します。

Step01:KGIを定め、最終到達点を明確にする

KPIを設定する前に、まず最終的なゴールであるKGI(重要目標達成指標)を明確にする必要があります。KGIとは「売上を前年比120%にする」「新規顧客を月100件獲得する」といった、事業全体として達成すべき最終目標のことです。

KGIが曖昧なままKPIを設定しても、日々の施策がゴールに向かっているかどうかを判断できません。まずは経営方針や事業計画と照らし合わせながら、測定可能で具体的なKGIを1つに絞って設定しましょう。

Step02:KGI達成への道筋を整理し、KSFを抽出する

KGIを定めたら、それを達成するために何が成功の鍵を握るかを整理するKSF(重要成功要因)の抽出に進みます。KSFとは、KGIを達成するために欠かせない条件や取り組みのことです。

たとえば「新規顧客獲得数の増加」というKGIに対して、「サイトへの流入を増やす」「問い合わせへの転換率を高める」といった要因がKSFに当たります。KGIからKSFを洗い出すことで、どの指標をKPIとして管理すべきかが自然と見えてきます

KGIの例 KSFの例
新規顧客を月100件獲得する サイト流入数の増加、CVR(転換率)の改善
売上を前年比120%にする 既存顧客のリピート率向上、客単価の引き上げ
ブランド認知度を高める SNSでの露出拡大、指名検索数の増加

Step03:SMARTに沿ってKPIを設定し、具体的な目標を定める

KSFをもとにKPIを設定する際は、SMARTの原則に沿って具体的な数値目標として落とし込むことが重要です。SMARTとは、Specific(具体的)・Measurable(測定可能)・Achievable(達成可能)・Relevant(関連性がある)・Time-bound(期限がある)の頭文字をとったフレームワークです。

「流入を増やす」という漠然とした表現ではなく、「3か月以内にオーガニック検索からの月間セッション数を1万件に増やす」のように、誰が見ても同じ基準で判断できる形に整えましょう。

曖昧なKPIは進捗の判断を難しくし、施策の優先順位付けにも支障をきたすため注意してください。
SMARTの要素 意味 KPI設定時のチェックポイント
Specific(具体的) 目標が明確である 何を、どのくらい達成するかが明示されているか
Measurable(測定可能) 数値で測れる ツールやデータで進捗を確認できるか
Achievable(達成可能) 現実的な水準である 現状のリソースや実績をもとに設定されているか
Relevant(関連性がある) KGIと結びついている このKPIを達成することがKGIの達成につながるか
Time-bound(期限がある) 達成期限が定められている いつまでに達成するかが明示されているか

Step04:担当者と目標を共有し、認識と行動をそろえる

KPIを設定したら、それで終わりではありません。KPIの内容と設定の意図を関係者全員に共有し、認識と行動を一致させることが不可欠です。担当者がKPIの背景にある目的を理解していなければ、数字の達成だけを意識した的外れな施策が生まれてしまいます

共有の際は、KGIとKPIのつながりをわかりやすく説明し、各担当者がどの指標に責任を持つかを明確にしましょう。特に複数の部門にまたがるマーケティング施策では、担当領域ごとのKPIと全体目標との関係性を整理して伝えることが大切です。

Step05:定期的に進捗を確認し、改善サイクルを回す

KPIの設定後は、週次・月次などの定期的なモニタリングを通じて進捗を確認し、必要に応じて施策や目標値を見直す改善サイクル(PDCAサイクル)を継続的に回すことが求められます。

市場環境や競合の動向は常に変化するため、当初設定したKPIが現状に合わなくなるケースも少なくありません。数値が目標を大きく下回っている場合は施策の見直しを、反対に目標を大幅に上回っている場合は目標値の再設定を検討しましょう。

KPIはゴールではなく、KGI達成に向けた「現在地の確認手段」として機能させることが重要です。
5つのステップをKGI→KSF→KPIの順で進めることで、施策と目標が一貫してつながりますよ。ここは大切なポイントです。

【業界別】マーケティングのKPI設定例

業界によって、マーケティングで追うべきKPIは大きく異なります。自社のビジネスモデルや顧客との接点、購買プロセスの長さによって、重視すべき指標が変わるためです。ここでは、代表的な5つの業界を取り上げ、それぞれのKPI設定例をわかりやすく紹介します。

不動産業界

不動産業界は、顧客が物件を探し始めてから契約に至るまでの期間が長く、検討段階での情報収集が非常に重要になります。そのため、問い合わせや来店といった「リードの質」を重視したKPI設定が適しています。

KPIの分類 具体的なKPI例
認知・集客 物件ページのセッション数、検索順位
リード獲得 資料請求数、問い合わせ件数、来店予約数
商談・成約 来店数、内見件数、成約率
コスト効率 リード獲得単価(CPL)、成約あたりの広告費

不動産業界では、問い合わせ数だけでなく「内見につながったか」「成約に至ったか」という質的な観点もKPIに組み込むことが、マーケティング施策の精度を高めるポイントになります。

金融業界

金融業界は、ローンや保険、投資信託など商品の複雑さゆえに、顧客が慎重に検討するプロセスを経ます。コンプライアンス上の制約も多いため、信頼性を高めるコンテンツ施策との連動を意識したKPI設計が求められます。

KPIの分類 具体的なKPI例
認知・集客 オウンドメディアのPV数、指名検索数
リード獲得 資料請求数、シミュレーション利用数、メール登録数
商談・成約 口座開設数、申込完了率、審査通過率
継続・育成 ログイン率、追加商品の利用率

金融業界では、申込数だけでなく「審査通過後の利用継続率」もKPIとして追うことで、質の高い顧客獲得につながる施策を評価できるようになります。

人材業界

人材業界では、求職者と企業の両面をマーケティングの対象とするケースがあります。求職者向けには登録数や応募数、企業向けには求人掲載数や採用成功率など、対象を分けてKPIを設定することが重要です。

KPIの分類 具体的なKPI例
認知・集客(求職者向け) 求人ページへのアクセス数、広告クリック率
リード獲得(求職者向け) 会員登録数、応募件数
成果(求職者向け) 面接設定率、内定率、就業開始率
企業側KPI 求人掲載社数、採用成功件数、継続契約率

人材業界では、求職者と企業の双方を対象としたKPIを別々に管理することで、どちらのマーケティング施策に課題があるかを切り分けやすくなります

EC/D2C業界

EC・D2C業界は、ウェブサイト上でのデータが豊富に取得できるため、KPIの設定・計測がしやすい業界です。購入までのファネルを意識しながら、集客から購入、リピートまでを一貫して追えるKPI体系を構築することが理想的です。

KPIの分類 具体的なKPI例
集客 セッション数、広告クリック率(CTR)、新規ユーザー数
購買転換 購入転換率(CVR)、カゴ落ち率、平均注文単価(AOV)
収益性 広告費用対効果(ROAS)、顧客獲得単価(CPA)
顧客維持 リピート購入率、顧客生涯価値(LTV)、解約率

D2Cブランドでは特に、初回購入後のリピート率や顧客生涯価値(LTV)をKPIの中心に据えることで、単発の売上ではなく長期的な収益を見据えた施策の立案が可能になります。

SaaS業界

SaaS業界では、月額や年額での継続課金モデルが主流のため、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の継続利用や活用促進が収益に直結します。マーケティングKPIも、獲得フェーズから活性化・継続フェーズまで幅広く設定することが求められます。

KPIの分類 具体的なKPI例
認知・集客 ウェブサイト訪問数、コンテンツダウンロード数
リード獲得 トライアル登録数、デモ申込数、MQL数
商談・成約 SQL数、受注率、平均契約単価(ACV)
継続・拡大 チャーンレート(解約率)、NRR(純収益維持率)、NPS

SaaS業界のマーケティングでは、トライアルからの有料転換率やチャーンレート(解約率)をKPIとして継続的にモニタリングすることが、収益の安定成長につながる鍵です。

リード獲得だけを追いすぎると、継続利用の課題を見落とすリスクがあるため注意してください。
業界によってここまでKPIの設計が変わるんですね!自社のビジネスモデルに照らして考えるのが大事だと分かりました。

重要KPIを定めるコツと手順

マーケティングKPIを設定する際、闇雲に指標を並べるだけでは、現場が混乱し、施策の効果も見えにくくなります。ここでは、企業の状況を整理したうえで、実際に管理・改善できる重要KPIを絞り込むための具体的な手順を解説します。

Step1:企業の前提条件を整理する

KPIを決める前に、まず自社の事業モデルや置かれている状況を整理することが必要です。BtoBとBtoCでは顧客の意思決定プロセスが大きく異なるため、同じ「売上向上」という目標でも、追うべき指標はまったく別物になります。自社がどちらの事業モデルなのかを明確にしたうえで、KPIの方向性を定めましょう。

BtoB事業のケース

BtoB事業では、購買までのリードタイムが長く、複数の意思決定者が関わることが多いのが特徴です。そのため、リード数や商談化率、受注率といった、営業プロセスの各段階を可視化する指標が重要KPIになりやすい傾向があります。

マーケティング部門と営業部門が連携してKPIを管理できる体制を整えることが、成果につながる鍵となります。

BtoC事業のケース

BtoC事業では、購買の意思決定が短期間で行われることが多く、広告やSNSを通じた認知獲得が売上に直結しやすい構造があります。サイト訪問者数・コンバージョン率・顧客単価・リピート率など、購買行動の流れを追う指標を重要KPIとして設定するのが一般的です。

ユーザーの購買体験全体を把握することを意識しましょう。

Step2:ステークホルダーと関連指標をツリー化して分解する

企業の前提条件が整理できたら、次はKGI(最終目標)から逆算して、関連する指標をツリー状に分解します。「売上」という大きな目標も、要素に分解することで、どの指標がどの部門・担当者に紐づくのかが明確になります。

ツリー化することで、各指標の因果関係が整理され、責任の所在も明確にしやすくなります。例えば「売上=訪問者数×コンバージョン率×顧客単価」のように分解すると、マーケティング・サイト運用・商品企画など、それぞれの担当領域が自然と見えてきます。

指標の抜け漏れや重複もこの段階で確認しておくのがおすすめです。

Step3:管理・改善できる領域を見極め、重要KPIを決定する

ツリー化した指標をすべてKPIにする必要はありません。実際に担当者が日々モニタリングし、施策によって改善できる指標に絞ることが、重要KPIを機能させるうえで欠かせないポイントです。管理できない指標をKPIに設定しても、現場の行動変容にはつながりません。

以下の観点を参考に、重要KPIを絞り込んでみましょう。

観点 確認内容
計測可能か ツールや既存データで数値として取得できるか
改善可能か 施策・行動によって数値を動かせるか
KGIとの相関があるか この指標が改善されると、最終目標に近づくか
担当者が責任を持てるか 特定の担当者・チームが主体的に動ける指標か

Step4:マーケ施策を決め、意図をステークホルダーへ共有する

重要KPIが決まったら、それを達成するための具体的な施策を設計します。同時に、「なぜこのKPIを追うのか」という意図と、達成までのタイムラインを関係者全員に共有することが、施策を組織全体で推進するうえで重要です。

KPIが一部の担当者だけのものになってしまうと、部門間の連携がうまく機能しなくなるため注意してください。

新規参入のケース

新規参入の段階では、まだ自社のデータが十分に蓄積されていないため、認知獲得に関わる指標(インプレッション数・サイト流入数・リード数など)を優先的にKPIとして設定するのが現実的です。

まずは「知ってもらう」「接点をつくる」ことに注力しながら、データを積み上げていく姿勢が大切です。

データ蓄積後のケース

一定のデータが蓄積された段階では、施策の効果検証が可能になります。過去のデータをもとにコンバージョン率や顧客獲得単価(CAC)、顧客生涯価値(LTV)などのより精度の高い指標にKPIをシフトさせていくことで、より効率的な成果最大化が目指せます。

意図とタイムラインをステークホルダーと共有する

施策の意図だけでなく、「いつまでにどの数値をどこまで伸ばすのか」という具体的なタイムラインを明示することが重要です。KPIの目標値・期限・担当者をセットで共有することで、組織全体が同じ方向に向かって動きやすくなります。

定例会議やダッシュボードを活用し、進捗を可視化する仕組みもあわせて整えるのがおすすめです。

KPIモニタリング体制を整え、KGIの相関を検証する

KPIは設定して終わりではなく、定期的にモニタリングし、KGIとの相関を継続的に検証することが不可欠です。KPIが改善されているにもかかわらずKGIが動いていない場合は、設定したKPIがKGIに対して本当に有効な指標であるかを見直す必要があります。

モニタリングの頻度は、施策のサイクルや業界の特性に合わせて設定してください。週次・月次など定期的なレビューサイクルを設け、数値の変化に応じて施策やKPI自体を柔軟に調整していく姿勢が、長期的な成果につながります。

KPIは動いているのにKGIが伸びないこともあるんですね。相関をチェックするという視点は新しい気づきでした。

KPI成功へのポイント

KPIを設定しても、運用の仕方によって成果は大きく変わります。数値目標を並べるだけでは不十分で、正しい設計の考え方と運用習慣が伴ってはじめて機能します。ここでは、KPIをうまく機能させるための重要なポイントを4つに絞って解説します。

KPIを増やしすぎず、真に重要な指標に絞る

KPIは多ければ良いわけではありません。指標が多くなるほど、担当者の注意が分散し、何を優先すべきかが曖昧になるという落とし穴があります。管理しきれない数のKPIは、結果として「測っているだけで活かせていない」状態に陥りがちです。

目安として、モニタリングするKPIは施策ごとに3〜5個程度に絞ることが推奨されています。絞り込む際は「この指標が改善されれば、KGIに近づくか」という問いを基準にすると判断しやすくなります。

重要度の低い指標は参考値として管理する程度にとどめ、優先順位を明確にしておきましょう。

KGIから逆算してKPIを設計する

KPIは、最終目標であるKGIを起点に逆算して設計することが基本です。KGIと直接つながりのないKPIをいくら追いかけても、最終的な成果には結びつきません。まず「何のために、この数値を追うのか」という目的を明確にしたうえで、KPIを位置づけることが重要です。

たとえば「年間売上1億円」というKGIがあるとすれば、そこから必要な受注件数、商談数、リード数と分解していくことで、各プロセスのKPIが自然と導き出されます。このように、KGIからKSF(重要成功要因)を経てKPIへと落とし込む流れを意識することで、指標同士のつながりが整理され、施策の優先度も判断しやすくなります。

数値だけでなく、行動改善につながる指標を設定する

KPIを追ううえで見落とされがちなのが、「その数値が改善された理由」です。数値の変化を記録するだけでは、次の打ち手が見えてきません。KPIは「結果を測る」ためだけでなく、「行動を変えるヒントを得る」ためのものでもあります。

たとえば、Webサイトへの問い合わせ数をKPIに設定した場合、単に件数を追うだけでなく、コンバージョン率・流入経路・直帰率など行動に影響する関連指標もあわせて確認することが大切です。

数値の背景にある要因を把握できる指標を組み合わせることで、改善施策の精度が高まります

SMARTの原則に沿って、具体的に設定する

KPIを設定する際に広く活用されているのが、SMARTの原則です。この原則に沿うことで、曖昧さをなくし、達成可否を客観的に判断できる目標が作れます。

項目 意味 チェックの観点
Specific(具体的) 目標が明確に定義されているか 「何を」「どのように」が明示されているか
Measurable(測定可能) 数値で進捗を確認できるか データとして取得・比較できる指標か
Achievable(達成可能) 現実的な目標水準か 過去実績や市場環境と照らして無理がないか
Relevant(関連性) KGIや事業目標と結びついているか 追うべき理由が説明できるか
Time-bound(期限付き) 達成期限が設けられているか いつまでに達成するかが明確か

5つの要素すべてを満たすKPIを設定することで、関係者間での認識のズレを防ぎ、進捗管理や評価もしやすくなります。設定後は定期的に見直しを行い、事業フェーズや市場の変化に合わせてアップデートすることも忘れないようにしましょう。

4つのポイントを押さえるだけで、KPI運用の質はぐっと高まります。特に「絞り込み」と「逆算」は覚えておいてくださいね。

まとめ

本記事では、マーケティングKPIの基本的な意味や設定が重要な理由から、目的別・業界別の設定例、具体的な設定手順、そして成功に導くためのポイントまで、幅広く解説してきました。

「KPIをどう設定すればいいかわからない」「設定したのに成果につながらない」といった悩みを抱えるマーケターの方も多いかと思います。しかし、KGIからの逆算・SMARTの原則・重要指標への絞り込みといった基本を押さえれば、成果に直結するKPI設計は決して難しいものではありません。

ぜひ本記事を参考に、貴社のマーケティング活動をより確かな方向へ進めてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。KPI設計は一度で完璧を目指さず、運用の中で磨いていくのがおすすめです。参考になれば嬉しいです。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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