業務委託とは?仕事内容や会社員との違い・メリット・注意点をわかりやすく解説

業務効率化
今回は、業務委託の仕事内容や会社員との違い、メリット、契約時の注意点について分かりやすく解説しますね。

業務委託という働き方への関心が高まり、会社員以外の柔軟な働き方を模索する方が増えています。一方で、「業務委託の仕事内容がよくわからない」「雇用契約とどう違うのか」「契約時に何を確認すればよいのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、業務委託の契約形態の種類から、さまざまな雇用形態との違い、仕事を受けるまでの流れ、メリット、契約時の注意点まで、はじめて業務委託で働く方にもわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

  1. 業務委託とは?どのような契約形態か
    1. 請負契約
    2. 委任契約
    3. 準委任契約
  2. さまざまな雇用形態との違い
    1. 雇用契約(アルバイト)との違い
    2. 雇用契約(会社員)との違い
    3. 派遣契約(派遣社員)との違い
    4. 個人事業主との違い
    5. フリーランスとの違い
    6. アウトソーシングとの違い
  3. 業務委託で仕事を受けるまでの流れ
    1. スキルや対応可能な業務を整理する
    2. 案件を探して応募・提案を行う
    3. クライアントと業務内容や条件を確認する
    4. 契約を締結して業務を開始する
    5. 納品・請求対応を行う
  4. 業務委託で働くことで得られる主なメリット
    1. スキルや得意分野を活かした仕事に集中できる
    2. 時間や場所にとらわれず柔軟に働ける
    3. 成果次第で収入を増やしやすい
    4. 社内人間関係のストレスが発生しにくい
  5. 業務委託で働く際に注意すべき5つのポイント
    1. 注意点1:契約書を締結する
    2. 注意点2:最低限の法律知識を身に付ける
    3. 注意点3:セキュリティへの対応を行っておく
    4. 注意点4:突発的なトラブルへのリスクヘッジを行う
    5. 注意点5:契約前に税について確認しておく
  6. 契約前にヒアリング体制を整備するポイント
    1. 対応する業務範囲を明確化する(担当範囲の整理)
    2. 成果物の定義と納品形式を確認する
    3. 納期や作業スケジュールを事前に調整する
    4. 修正回数や追加対応の扱いを明確にする
    5. 連絡手段と報告頻度を決めておく
    6. 契約前に認識のズレを防ぐための確認手順を整理する
  7. まとめ

業務委託とは?どのような契約形態か

業務委託とは、企業や個人が特定の業務を外部の事業者や個人に依頼し、その対価として報酬を支払う契約のことです。雇用契約とは異なり、依頼された側は指揮命令を受けることなく、独立した立場で業務を遂行します。

業務委託には大きく分けて「請負契約」「委任契約」「準委任契約」の3種類があり、それぞれ法律上の性質や責任の範囲が異なります。

契約の種類 報酬の発生条件 主な対象 根拠となる法律
請負契約 成果物の完成 システム開発・建設・デザインなど 民法第632条
委任契約 業務の遂行(法律行為) 弁護士・税理士への依頼など 民法第643条
準委任契約 業務の遂行(法律行為以外) コンサルティング・事務作業など 民法第656条

請負契約

請負契約とは、依頼された仕事を完成させることを約束し、その成果物に対して報酬が支払われる契約です。たとえば、Webサイトの制作やシステム開発、建物の施工などが代表的な例として挙げられます。

請負契約では、成果物を完成させる義務(完成責任)が受注側に生じます。そのため、万が一成果物に欠陥があった場合には、修正対応や損害賠償を求められることがあります。また、業務の進め方については受注側が自由に決められる点が特徴です。

報酬は原則として成果物の完成・納品後に発生するため、作業途中での報酬請求はできない点に注意してください。

委任契約

委任契約とは、法律行為の処理を依頼する際に結ばれる契約で、弁護士への訴訟対応の依頼や司法書士への登記申請の依頼などが代表例です。民法では「法律行為を委託する」場合に委任契約が適用されます。

委任契約では、成果物の完成よりも「業務を誠実に遂行したかどうか」が重視されます。つまり、最終的な結果ではなく、業務のプロセスそのものに対して報酬が発生する構造です。

受任者(業務を引き受ける側)には善管注意義務(善良な管理者としての注意義務)が課されており、依頼内容に対して誠実かつ専門的な対応が求められます。

準委任契約

準委任契約とは、法律行為以外の業務処理を依頼する際に結ばれる契約で、業務委託の現場で最も多く使われる形態の一つです。ITエンジニアによるシステム保守、コンサルタントへの業務改善の依頼、事務作業の代行などが該当します。

委任契約と同様に、成果物の完成ではなく業務の遂行自体に対して報酬が発生します。受任者には善管注意義務が課される点も同じです。

準委任契約には「履行割合型」と「成果完成型」の2種類があり、2020年の民法改正によって成果に応じた報酬請求が可能な類型が明文化されました。契約時にどちらの型を採用するかを事前に確認しておくのがおすすめです。

さまざまな雇用形態との違い

業務委託は、アルバイトや会社員、派遣社員といった一般的な働き方とは異なる契約形態です。それぞれの雇用形態との違いを正しく理解しておくことで、自分に合った働き方を選びやすくなります

雇用契約(アルバイト)との違い

アルバイトは、企業と「雇用契約」を結んで働く形態です。雇用契約では会社の指揮命令のもとで業務を行うことになり、労働基準法などの法律による保護を受けられます。

一方、業務委託では指揮命令関係が発生しないため、労働法の保護対象外となります。また、アルバイトには時間給が設定されることが多いですが、業務委託では成果物や業務の遂行に対して報酬が発生するのが一般的です。

比較項目 アルバイト(雇用契約) 業務委託
契約の種類 雇用契約 業務委託契約
指揮命令 あり(会社が指示) なし
労働法の保護 あり なし
報酬の形態 時間給が多い 成果・業務単位が多い

雇用契約(会社員)との違い

会社員もアルバイトと同様に雇用契約に基づいて働きます。会社員には社会保険への加入義務や有給休暇の付与など、さまざまな保護が法律によって定められています。

業務委託ではこれらの保障がなく、社会保険料や税金の手続きは自分で行う必要があります。

ただし、働く時間や場所の自由度は業務委託のほうが高い傾向にあります。
比較項目 会社員(雇用契約) 業務委託
社会保険 会社が手続き・折半負担 自分で手続き・全額負担
有給休暇 あり なし
働く時間・場所 会社が決定 自分で調整しやすい
収入の安定性 比較的安定 案件によって変動

派遣契約(派遣社員)との違い

派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働く形態です。派遣社員の場合は派遣先の企業から業務の指示を受けますが、雇用主はあくまで派遣会社となります。

業務委託では特定の企業に所属するわけではなく、複数のクライアントと個別に契約を結ぶことが可能です。また、派遣社員には派遣法による保護がありますが、業務委託にはそのような法的保護はありません。

比較項目 派遣社員 業務委託
雇用主 派遣会社 なし(自分が事業者)
業務指示 派遣先企業 なし(自分で判断)
複数社との契約 基本的に1社 複数社との同時契約が可能
法的保護 労働者派遣法による保護あり なし

個人事業主との違い

個人事業主とは、税務署に開業届を提出して事業を営む個人のことを指します。業務委託で仕事を受ける場合、実態として個人事業主と同様の立場になることが多く、開業届を出しているかどうかが主な違いとなります。

業務委託として継続的に案件を受注している場合、税務上は個人事業主として扱われるケースもあるため、必要に応じて開業届の提出を検討することがおすすめです。

フリーランスとの違い

フリーランスとは、特定の企業や組織に所属せず、個人で仕事を受注して働くスタイルのことを指します。フリーランスは働き方を表す言葉であり、業務委託はその契約形態を指す言葉という点が大きな違いです。

つまり、フリーランスとして働く際に結ぶ契約が「業務委託契約」であることが多く、両者は対になる概念ではなく、視点の異なる言葉といえます。

アウトソーシングとの違い

アウトソーシングとは、自社の業務の一部を外部の企業や個人に委託することを指します。アウトソーシングは発注する企業側の視点から使われる言葉であり、業務委託はその契約形態そのものを指す言葉です。

受注者側から見れば業務委託として受けた仕事でも、発注者側から見ればアウトソーシングと表現されることがあります。言葉の立場・視点が異なるだけで、実態として指している仕組みは同じです。

似たような言葉が多くて混乱していましたが、視点や契約形態の違いを意識すると整理できますね。

業務委託で仕事を受けるまでの流れ

業務委託として仕事を受けるには、ただ「やってみたい」という気持ちだけでなく、準備から契約締結まで一連のステップを正しく踏むことが大切です。ここでは、初めて業務委託で仕事を受ける方にもわかりやすいよう、流れを順番に解説します。

スキルや対応可能な業務を整理する

最初に行うべきことは、自分がどのような業務を提供できるかを具体的に整理することです。業務委託では、クライアントから求められる成果を自分の責任で提供する必要があります。そのため、自分のスキルや経験、得意分野を棚卸しし、対応できる業務の範囲を明確にしておくことが重要です。

たとえば、Webデザイン、ライティング、プログラミング、翻訳、経理補助など、業務委託で依頼される仕事は多岐にわたります。自分の強みを言語化しておくことで、案件への応募や提案がスムーズになります。

案件を探して応募・提案を行う

スキルの整理ができたら、実際に案件を探します。案件の探し方としては、クラウドソーシングサービスへの登録やフリーランスエージェントの活用、知人からの紹介などが代表的な方法です。

国内では「クラウドワークス」「ランサーズ」などのクラウドソーシングサービスが広く利用されており、未経験者でも比較的参入しやすい環境が整っています。案件に応募する際は、自分のスキルや実績をまとめたポートフォリオや職務経歴書を用意しておくと、クライアントに信頼感を与えることができます。

探し方の種類 特徴 向いている人
クラウドソーシングサービス 案件数が多く、初心者でも始めやすい 副業・初めて業務委託に挑戦する人
フリーランスエージェント 担当者がマッチングをサポートしてくれる 専門スキルを持つ経験者
知人・人脈からの紹介 信頼関係のある相手から案件が来るため安心感がある ある程度実績のある人
SNS・ポートフォリオサイト 自分から発信することでクライアントに見つけてもらえる 継続的に発信活動をしている人

クライアントと業務内容や条件を確認する

応募・提案が通過し、クライアントとのやり取りが始まったら、業務内容や報酬、納期、対応範囲といった条件を事前にしっかり確認することが重要です。

ここで認識のズレが生じると、後々トラブルにつながるケースがあるので注意してください。

具体的には、以下の項目を確認しておくとよいでしょう。

・依頼される業務の具体的な内容と範囲
・報酬の金額・支払いタイミング・支払い方法
・納品物の形式や品質基準
・業務の開始日・納期・終了予定日
・修正や追加対応が発生した場合の取り扱い
・連絡手段や報告の頻度

口頭だけで終わらせず、やり取りの内容はメールやチャットツールなどで記録として残しておくことが望ましいです。

契約を締結して業務を開始する

条件の確認が完了したら、業務委託契約書を取り交わします。契約書には業務内容・報酬・納期・秘密保持・契約解除の条件などを明記することが重要です。

口約束だけで業務を開始してしまうと、報酬の未払いや業務範囲に関するトラブルが発生しやすくなるので注意してください。

契約書の締結後、正式に業務を開始します。業務中は進捗をこまめに共有し、クライアントとの信頼関係を築くことが継続的な仕事の獲得にもつながります。

納品・請求対応を行う

業務が完了したら、成果物をクライアントに納品し、報酬の請求を行います。請求書には発行日・支払い期日・振込先・報酬金額・消費税の有無などを記載する必要があります。業務委託では会社員のように給与が自動的に支払われるわけではないため、請求書の発行は自分で行う必要があります。

インボイス制度の導入により、適格請求書発行事業者の登録の有無によって取引への影響が生じる場合があります。国税庁のインボイス制度に関する情報を事前に確認し、取引先との対応方針を決めておくのがおすすめです。

業務委託で働くことで得られる主なメリット

業務委託という働き方には、雇用契約にはない自由度の高さや収入面での可能性など、さまざまなメリットがあります。ここでは、業務委託で働くことで得られる代表的なメリットを4つに整理して解説します。

スキルや得意分野を活かした仕事に集中できる

業務委託では、自分が得意とする分野や保有するスキルに特化した案件を選んで受注することができます。会社員のように部署異動や業務ローテーションによって不得意な業務を担当させられることがなく、自分の強みを最大限に発揮できる環境で仕事に取り組める点が大きな特徴です。

たとえば、Webデザインが得意であればデザイン案件のみを受注する、翻訳スキルがあれば翻訳業務に絞るといった形で、キャリアの方向性を自分でコントロールしやすくなります。

結果として専門性が高まり、市場価値の向上にもつながります。

時間や場所にとらわれず柔軟に働ける

業務委託では、クライアントと合意した成果物や納期を守ることが最優先となるため、働く時間帯や場所については比較的自由に設定できるケースが多くあります。自宅やカフェなど好みの場所で作業でき、育児・介護・副業など他の活動と両立しやすいのも魅力のひとつです。

クライアントによっては定期的なオンライン打ち合わせや特定の時間帯での対応を求める場合もあるため、契約前に働き方の条件をしっかり確認してください。

成果次第で収入を増やしやすい

会社員の場合、給与は勤続年数や職位によって決まることが多く、短期間での大幅な収入アップは容易ではありません。一方、業務委託では提供できるスキルの質や受注できる案件の数によって、収入を直接コントロールしやすいという特徴があります。

下記の表は、業務委託と会社員(正社員)の収入面における主な違いをまとめたものです。

項目 業務委託 会社員(正社員)
収入の決まり方 案件単価・受注数による 給与規定・評価制度による
収入アップの方法 スキル向上・案件増加 昇給・昇進
収入の安定性 案件状況により変動しやすい 毎月一定額が保証される
上限の目安 実力次第で上限なし 給与テーブルによる制約がある

スキルを磨き実績を積み重ねることで単価交渉がしやすくなるため、努力が収入に直結しやすい働き方といえます。

社内人間関係のストレスが発生しにくい

会社員として働く場合、上司・同僚・部下との日常的な関係構築や、職場独自のルールへの対応など、業務以外のことに気を遣う場面が多くあります。業務委託では基本的にクライアントとの関係は業務上のやり取りが中心となるため、社内特有の人間関係によるストレスが生まれにくいという利点があります。

もちろん、クライアントとの信頼関係を築くことは重要ですが、それは仕事の質や誠実な対応を通じて自然と形成されるものです。人間関係ではなく仕事の成果に集中できる環境は、特にコミュニケーションに負担を感じやすい方にとって大きなメリットになるでしょう。

業務委託にはこんなにメリットがあるんですね!自分のスキルを活かして働ける環境って魅力的です。

業務委託で働く際に注意すべき5つのポイント

業務委託で働く際には、雇用契約とは異なるルールや責任が発生します。事前に注意点を把握しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、安心して業務に集中できる環境を整えられます。契約・法律・セキュリティ・リスク・税金の5つの観点から、それぞれ確認しておきましょう。

注意点1:契約書を締結する

業務委託で働く場合、口頭での合意だけでは後々トラブルになるケースがあります。業務範囲・報酬・納期・秘密保持などの条件を明記した契約書を必ず締結することが重要です。契約書は双方の認識を一致させるための重要な書類であり、万が一のトラブル発生時にも根拠となります。

テンプレートを用意しておくと契約がスムーズになる

毎回一から契約書を作成するのは手間がかかります。あらかじめ自分の業務内容に合ったテンプレートを用意しておくと、契約締結までの時間を短縮できます。

クライアントに提示する際も、スムーズにやり取りが進みやすくなるため、早い段階で整備しておくのがおすすめです。

業務委託契約書に印紙が必要なケースについて

業務委託契約書の種類によっては、収入印紙が必要になる場合があります。請負契約の場合、報酬金額に応じて印紙税が課されることがあります。一方、委任・準委任契約は原則として印紙不要です。詳細は国税庁の印紙税に関するページで確認できます。

契約内容を変更する際の方法について

業務を進める中で、当初の契約内容から変更が生じることがあります。その際は口頭での合意で済ませず、変更内容を書面や電子メールなどで記録として残すことが大切です。変更覚書を作成して双方が署名・押印する方法が一般的で、後のトラブル防止につながります。

注意点2:最低限の法律知識を身に付ける

業務委託で働く場合、労働基準法による保護は原則として受けられません。そのため、民法や下請法など、業務委託に関係する法律の基本を自分で理解しておく必要があります。

特に、発注者から不当に報酬を減額されたり、一方的に契約を打ち切られたりするリスクを防ぐためには、下請法の適用範囲を把握しておくことが有効です。

2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)により、発注者に対して書面での条件明示などが義務付けられました。詳しくは厚生労働省のフリーランス保護に関するページを参照してください。

注意点3:セキュリティへの対応を行っておく

業務委託では、クライアントの機密情報や個人情報を取り扱うケースが多くあります。情報漏えいが発生した場合、損害賠償の対象となる可能性もあるため、セキュリティ対策は欠かせません。

対策の種類 具体的な内容
端末管理 業務用PCにはパスワードや画面ロックを設定する
通信環境 公共Wi-Fiの使用を避け、VPNを活用する
ファイル管理 クライアントデータを個人データと分けて管理する
ソフトウェア OSやアプリを常に最新の状態に保つ
契約上の対応 秘密保持契約(NDA)を締結する

特に秘密保持契約(NDA)の締結は、クライアントとの信頼関係を築く上でも重要な対応のひとつです。セキュリティへの意識の高さは、クライアントから継続して仕事を受けるための信頼にもつながります。

注意点4:突発的なトラブルへのリスクヘッジを行う

業務委託では、病気やケガによる急な業務停止、クライアントからの突然の契約終了など、予期せぬトラブルが起こる可能性があります。雇用契約と異なり、傷病手当金や雇用保険などの社会保険による保護がないため、自分自身でリスクに備える必要があります。

想定されるリスク 備えとして有効な対応
病気・ケガによる収入減少 所得補償保険・民間医療保険への加入
契約の突然の打ち切り 複数のクライアントと取引し収入源を分散する
業務上のミスによる損害賠償 賠償責任保険への加入
収入の不安定さ 生活費の3〜6ヶ月分を目安に貯蓄を確保する

収入が途絶えた際に備えて、生活費数ヶ月分の貯蓄を用意しておくことが、安定した業務委託生活の基盤となります。

注意点5:契約前に税について確認しておく

業務委託で収入を得た場合、税金の申告や納付は自分で行う必要があります。会社員のように給与から税金が天引きされる仕組み(源泉徴収)がないため、確定申告の対象となることがほとんどです。

税の種類 概要
所得税 年間の所得に応じて申告・納付が必要(確定申告)
住民税 前年の所得をもとに翌年に課税される
消費税 前々年の課税売上高が1,000万円を超えた場合に納税義務が発生する
インボイス制度 適格請求書発行事業者の登録により、取引先への影響が変わる

また、国民健康保険や国民年金への加入・納付も自身で管理する必要があります。

税や社会保険の手続きを把握しないまま業務を開始すると、後になって多額の追加納税が発生するケースもあるため、契約前に必ず確認してください。詳しくは国税庁の確定申告に関するページを参照しましょう。
ここは大切なポイントです。5つの観点をしっかり押さえておくと、安心して業務委託に取り組めますよ。

契約前にヒアリング体制を整備するポイント

業務委託では、契約を結ぶ前にクライアントとの認識をしっかりすり合わせておくことが、トラブル防止につながります。曖昧なまま作業を始めてしまうと、後から「思っていたものと違う」といった問題が起きやすくなります。ここでは、契約前に整えておきたいヒアリング体制のポイントを順に解説します。

対応する業務範囲を明確化する(担当範囲の整理)

まず確認しておきたいのが、「どこからどこまでが自分の担当か」という業務範囲です。たとえばWebサイト制作であれば、デザインのみなのか、コーディングやサーバー設定まで含むのかによって、作業量も報酬も大きく変わります。

業務範囲が曖昧なまま進めると、想定外の作業を無償で対応させられるリスクがあるので注意してください。

契約前に担当範囲を書面やチャットなどで確認し、双方が合意した状態にしておくことが重要です。

成果物の定義と納品形式を確認する

業務委託では「何を納品するか」を明確にしておくことが欠かせません。たとえばライティング案件であれば、文字数・構成・納品ファイルの形式(WordなのかGoogleドキュメントなのかなど)を事前に確認しておく必要があります。

以下のように、成果物に関する主な確認項目を整理しておくと便利です。

確認項目 確認内容の例
成果物の種類 記事、デザインデータ、プログラムコードなど
納品形式 ファイル形式、提出先(メール・クラウドなど)
品質基準 参考資料の有無、クオリティの目安

納品形式や品質基準が不明確なままでは、完成後に「イメージと違う」と差し戻しになるケースがあります。事前に具体的なサンプルや参考例を共有してもらうとより安心です。

納期や作業スケジュールを事前に調整する

業務委託では、複数の案件を掛け持ちしている場合も多く、スケジュール管理が特に重要になります。「いつまでに何を提出するか」を契約前に具体的に確認しておくことで、作業の見通しが立ちやすくなります。

また、クライアント側の確認作業や修正対応にかかる時間も含めたスケジュールを共有しておくと、双方にとって無理のない進行ができ、納期遅延などのトラブルを防ぎやすくなります。

修正回数や追加対応の扱いを明確にする

業務委託のトラブルで多いのが、修正や追加対応をめぐる認識のズレです。「何度でも修正に応じてもらえる」と思っていたクライアントと、「修正は2回まで」と考えていた受注者では、関係が悪化しやすくなります。

契約前に修正回数の上限や、追加作業が発生した場合の料金体系を決めておくことが、長期的な信頼関係の構築につながります。

口頭での取り決めだけでなく、メールやメッセージなどで記録に残しておくと安心です。

連絡手段と報告頻度を決めておく

業務委託では、クライアントとの連絡手段や報告のタイミングを最初に決めておくことが、スムーズな進行につながります。メール・チャットツール・ビデオ通話など、どの手段をメインにするかを確認しておきましょう。

また、進捗報告の頻度(毎日なのか週1回なのかなど)も事前に合意しておくと、「連絡がない」「報告が多すぎる」といった不満を防げます。連絡体制を整えることは、信頼感を高め、案件をスムーズに進めるための基本的な取り組みです。

契約前に認識のズレを防ぐための確認手順を整理する

ここまで紹介したポイントを踏まえて、契約前のヒアリングを体系的に行うための確認手順を整理しておくと、毎回の案件で活用できます。以下のチェックリストを参考にしてみてください。

確認タイミング 確認項目
初回ヒアリング時 業務範囲・成果物の定義・納品形式
条件交渉時 納期・修正回数・追加対応の料金
契約締結前 連絡手段・報告頻度・最終的な認識確認

認識のズレはほとんどの場合、「確認しなかった」「曖昧なまま進めた」ことが原因です。契約前のヒアリングを丁寧に行うことが、業務委託を長く安定して続けるための土台になります。

毎回の案件でこの確認手順を習慣化することを意識しましょう。

まとめ

この記事では、業務委託の概要や契約形態の種類、さまざまな雇用形態との違い、仕事を受けるまでの流れ、メリット、注意点、そして契約前のヒアリング体制の整備ポイントについて詳しく解説してきました。

業務委託に興味はあるものの、契約内容や働き方のルールがわからず不安を感じていた方も多いのではないでしょうか。しかし、契約書の締結や業務範囲の明確化など、事前の準備をしっかり整えれば、自分のスキルを活かしながら柔軟に働ける環境を手に入れることができます

一歩踏み出す準備が整ったら、ぜひ自信を持って業務委託という働き方に挑戦してみてください。

業務委託は、自分の働き方を自由にデザインできる魅力的な選択肢ですね。参考になれば嬉しいです。

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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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