デジタルマーケティング外注の費用相場|成果までの期間と失敗例

デジタルマーケティング外注の費用相場|成果までの期間と失敗例 マーケティング

相場がばらばらで予算を決めにくいデジタルマーケティングの外注費用は、広告運用なら広告費の20%前後、SNS運用なら月5万〜50万円程度、SEO(検索結果で上位に表示されるための対策)のコンサルティングなら月10万〜80万円程度が目安です。

金額の差は、料金の型と、依頼に含まれる作業の範囲から生まれます。外注先への支払いだけでなく社内の手間まで含めた総額で比べ、成果を評価する時期を施策ごとに決めてから契約すると、予算の無駄を抑えやすくなります。

この記事では、施策別の費用相場、見積もりに差が出る理由、内製か外注かの判断軸、外注がうまくいかない3つの型、成果が見え始めるまでの期間を順に整理します。

  1. デジタルマーケティング外注で頼める業務と依頼先
    1. 外注に出せる施策の範囲
    2. 広告代理店と支援会社とフリーランスの違い
  2. 施策別に見る外注費用の相場
    1. 広告運用を任せる場合の費用
    2. SEOと記事制作を任せる場合の費用
    3. SNS運用を任せる場合の費用
    4. サイト制作とMAと戦略支援の費用
  3. 見積金額に差が出る理由と料金の決まり方
    1. 広告費連動型と定額型と成果報酬型
    2. 社内の手間まで含めた総額の出し方
    3. 業務委託でプロ人材に頼むときの月額の目安
  4. 外注のメリットとデメリット
    1. 外注で得られる利点
    2. 外注で抱えやすい弱点と打ち手
  5. 内製か外注かを決める判断軸
    1. 業務の中身と急ぎ度とコストで見る4つの軸
    2. 採用で埋められない専門人材を外から補う発想
    3. 内製と外注を分担する組み合わせ方
  6. 外注がうまくいかない典型と防ぎ方
    1. 集客だけを任せて受注が増えない型
    2. 記事本数の目標だけで検索意図を外す型
    3. 社内の判断待ちで施策が止まる型
  7. 成果が見え始めるまでの期間
    1. 施策ごとに手応えが出る時期の目安
    2. 解約を判断する前に決めておく評価の時点
  8. フリーランスなど個人に頼む場合の違い
    1. 個人で請け負うマーケターの経歴と稼働時間
    2. 引き受けてもらいやすい依頼と断られやすい依頼
  9. 外注先を比べるときの確認項目
    1. 実績と実際の担当者
    2. 支援の範囲と報告の仕組み
    3. 見積書と契約書で確かめる項目
  10. デジタルマーケティング外注のよくある質問
  11. 業務委託のマッチングで頼む場合の流れと条件
    1. 相談から稼働が始まるまでの流れと日数
    2. 稼働時間と依頼範囲の決め方
    3. 最低契約期間と解約の条件
  12. まとめ

デジタルマーケティング外注で頼める業務と依頼先

デジタルマーケティング外注で頼める業務と依頼先

デジタルマーケティングは、Web上の施策に加えて、MA(見込み客の管理やメール配信を自動化する仕組み)や顧客データの活用まで含む広い呼び名で、Webマーケティングはその一部にあたります。

どちらの呼び方でも、外注は全部をまとめて頼む形と、手の回らない一部だけを出す形から選べます。頼める業務と依頼先の種類を先に押さえておくと、見積もりを比べるときに金額の中身を読み違えにくくなります。

外注に出せる施策の範囲

外注に出せる施策は、集客の実行から戦略の設計まで一通りそろっています。自社で手が止まっている施策を表に当てはめると、外に出す候補が絞れます。

施策 任せられること
広告運用 検索広告やSNS広告の設定、入札の調整、効果の報告
SEOと記事制作 キーワードの選定、記事の企画と執筆、サイト内部の改善
SNS運用 投稿の企画と制作、コメントへの対応、数値の分析
サイト制作 コーポレートサイトやLP(広告の受け皿になる1枚のページ)の設計と制作
MA運用 見込み客へのメール配信と、関心度を測る点数の設計
戦略設計 狙う顧客、予算の配分、施策の優先順位の設計

成果を左右する判断が多いのは戦略設計で、手を動かす量が多いのは記事制作とSNS運用です。

判断を社内に残したいのか、作業の量を減らしたいのかを先に決めると、外に出す施策を選びやすくなります。

広告代理店と支援会社とフリーランスの違い

依頼先は、広告代理店、マーケティング支援会社、フリーランスの3種類に大きく分かれます。どれが優れているかではなく、頼みたい業務の範囲と、社内に判断できる人がいるかで向き不向きが決まります。

依頼先 得意なこと 向く依頼
広告代理店 広告の運用と媒体の知識 広告の出稿量が多く、運用をまとめて任せたい
支援会社 戦略から実行までの体制 複数の施策を一括で任せたい
フリーランス 特定の領域の実務 手の回らない一部を柔軟に任せたい

社内に判断役がいない会社は、範囲を広く引き受ける支援会社から入ると進めやすくなります。判断役がいる会社なら、フリーランスに一部を任せる形でも十分に回ります。

個人に頼む場合の費用や稼働の実態は、「フリーランスなど個人に頼む場合の違い」の見出しで詳しく扱います。

施策別に見る外注費用の相場

施策別に見る外注費用の相場

外注費用の相場は、何を含む価格かで大きく変わります。同じSEOでも、分析だけを頼むのか、記事の制作まで頼むのかで金額の桁が変わるためです。

ここで示す金額は、支援会社などが公開している価格を比べた幅です。中小から中堅のBtoB企業が1つの施策を任せる規模を前提にしているので、自社の見積もりは含む範囲をそろえてから当てはめてください。

広告運用を任せる場合の費用

広告運用の外注費は、広告費の20%前後を手数料として払う形が中心です。この手数料とは別に、広告媒体に払う広告費そのものは自社で負担します。

広告費が少ないと手数料が小さくなりすぎるため、月5万〜10万円程度の最低手数料を設ける外注先があります。加えて、アカウントの設計や計測の設定にかかる初期費用として、5万〜10万円程度がかかることがあります。

月々の外注費は「広告費×手数料の率」で出し、その額が最低手数料を下回るときは最低手数料の額になります。

予算を組むときは、媒体に払う広告費と外注先に払う手数料を分けて書き出してください。広告費が小さい段階では、手数料の率より最低手数料の額で比べると、実際の負担が見えます。

SEOと記事制作を任せる場合の費用

SEOの外注費は、分析と戦略だけを頼むコンサルティングで月10万〜80万円程度、記事の制作は1本1万〜10万円程度と、施策の中でも幅が大きい部類です。

差が出るのは、キーワードの企画、取材、編集、公開後の改善まで含むかどうかです。執筆だけの記事は安く見えますが、企画と編集を社内で担うことになり、その手間が別にかかります。

見積もりを比べるときは、1本あたりの単価ではなく、企画から公開までのどこまでを頼むかをそろえます。

専門性の高い分野で取材が要る記事は、1本の単価が上がるのが一般的です。自社の記事にどこまでの専門性が要るかを先に決めておくと、単価の妥当さを判断できます。

SNS運用を任せる場合の費用

SNS運用の外注費は、投稿の作成が中心なら月5万〜30万円程度、分析や返信の対応まで含むと月15万〜50万円程度、戦略の設計やSNS広告まで任せると月30万円以上が目安です。

金額を分けるのは、投稿を作るだけか、反応を見て次の企画に生かすところまで担うかです。投稿の作成だけの契約では、数値を読んで方針を決める役を社内に置く必要があります。

どの範囲から始めるか迷う場合は、投稿の作成を中心にした範囲で始め、分析を社内で回せるかを見てから広げると判断しやすくなります。

サイト制作とMAと戦略支援の費用

サイト制作、MA運用、戦略支援は、同じ呼び名でも含まれる作業の差が大きい領域です。金額は目安として見て、作業の範囲とセットで確かめます。

依頼内容 費用の目安 含まれることが多い範囲
LP制作 30万〜100万円程度(一括) 構成、デザイン、公開まで
コーポレートサイト制作 100万円以上(一括) 設計から公開まで。ページ数と機能で上がる
MA運用の代理店依頼 月15万〜50万円以上 配信の設計と運用の代行
戦略コンサルティング 月20万〜100万円程度 戦略の立案と施策の改善提案

どの金額も支援会社などが公開している価格の幅で、自社の見積もりが同じになるとは限りません。

公開後の費用も見積もりに入れる

サイト制作は一度払えば終わりに見えますが、公開後の更新や改善を誰が担うかで、その後の費用が変わります。見積もりでは制作費に加えて、公開後の保守と更新の費用を分けて聞いておきます。

MAも同じで、配信の仕組みを作ったあとに、誰が文面を書いて結果を見るかを決めておかないと、仕組みだけが残って使われなくなることがあります。

▼ 見込み客を育てる施策とMAにかかる費用を詳しく知りたい方はこちら

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見積金額に差が出る理由と料金の決まり方

見積金額に差が出る理由と料金の決まり方

同じ施策でも会社ごとに見積金額が倍以上違うのは、料金の型と含む範囲がそれぞれ違うからです。

金額の高低だけで比べると、安く見えた見積もりに必要な作業が入っていなかった、ということが起こります。型と範囲をそろえてから比べるのが、見積もりを読む基本です。

広告費連動型と定額型と成果報酬型

料金の型は、広告費連動型、定額型、成果報酬型の3つに分かれます。どれが得かは、施策の種類と、成果をどう定義できるかで決まります。

型 決まり方 向く場面 注意点
広告費連動型 広告費の一定の割合 広告の運用 広告費を増やすほど手数料も増える
定額型 作業量に応じた月額 SEOやSNSなど継続する作業 成果が出なくても費用は同じ
成果報酬型 成果1件ごとの単価 成果の数え方がはっきりした施策 成果の定義しだいで割高になる

成果報酬型は、成果が出なければ払わないので安全に見えます。ただ、成果を資料請求のような軽い行動に置くと、1件の単価は安く見えても、受注につながらない件数に払うことになります。

契約の前に、何を1件の成果と数えるかを文面で確かめてください。

社内の手間まで含めた総額の出し方

外注の費用は、外注先に払う金額だけでは決まりません。比べるべき総額は「外注先への支払い+社内の作業時間×社内の時間単価+引き継ぎの費用」です。

社内の作業時間には、打ち合わせ、原稿や広告文の確認、社内の承認を回す時間が入ります。社内の時間単価は、担当者の給与に社会保険料などを足し、月の労働時間で割ると出せます。

支払いが安くても総額で逆転する

外注先への支払いが安い見積もりでも、確認や修正の往復が多い体制なら、社内の作業時間がかさんで総額が逆転することがあります。反対に、支払いが高くても企画から報告まで任せられる体制なら、社内の手間が減って総額が下がることがあります。

引き継ぎの費用は、外注先を変えるときや内製に戻すときに、資料やアカウントを移して新しい担当が慣れるまでにかかる費用です。

見積もりを比べる段階でこの3つを並べて書き出すと、どの見積もりが本当に安いかを判断できます。

業務委託でプロ人材に頼むときの月額の目安

会社ではなく、マーケティングの実務経験を持つ個人のプロに業務委託で頼む場合、月額はおおむね15万〜30万円に収まることが多いです。稼働は週10〜20時間程度が目安です。

この幅は、広告運用、SEOとコンテンツ制作、SNS運用、リード育成(見込み客を商談まで育てる施策)とインサイドセールス(電話やメールで商談をつくる営業)のどの領域でも、おおむね変わりません。金額を見るときは、領域の違いより、週に何時間動いてもらう前提かを先に確かめます。

会社への外注と比べるときは、金額だけでなく稼働時間と任せる範囲をそろえます。

個人のプロは戦略から実行まで一人で担える場合がある一方、稼働できる時間に上限があります。作業の量が多い施策では足りないこともあるため、任せる範囲が週の稼働に収まるかを確かめてから比べます。

外注のメリットとデメリット

外注のメリットとデメリット

外注の利点と弱点は表裏の関係にあります。専門の知識をすぐ使える分、その知識が外に残りやすいといった形で、利点の裏に弱点があります。

弱点の多くは頼み方で小さくできます。利点が自社の悩みに合うかを先に見て、弱点は契約の中身で手当てします。

外注で得られる利点

外注の利点は、社内に人がいなくても専門の実務をすぐに回せることです。採用や育成を待たずに施策を始められるため、早く手応えを確かめたい会社ほど利点が大きくなります。

  • 専門知識をすぐ使える:媒体の仕様変更や検索の動きを追っている人の知識を、初月から施策に使えます。
  • 採用や育成の時間を省ける:人を採って一人前に育てるまでの期間を待たずに済みます。
  • 社内の人を本業に回せる:兼任していた担当者が、営業や商品づくりなど本来の仕事に時間を使えます。
  • 外の目で課題が見える:社内では当たり前になっていた導線の詰まりや訴求のずれに気づきやすくなります。

どの利点が効くかは、会社の悩みによって変わります。

人が足りないことが悩みなら2つ目と3つ目を、成果が伸び悩んでいることが悩みなら1つ目と4つ目を重く見ると、外注先に求めることがはっきりします。

外注で抱えやすい弱点と打ち手

外注の弱点は、費用が毎月続くこと、社内に知見が残りにくいこと、やり取りの手間がかかることの3つです。どれも契約と運用のしかたで小さくできます。

弱点 打ち手
費用が毎月続く 評価する時期と続ける条件を契約前に決め、見込みのない施策は止める
社内に知見が残りにくい 施策の資料と設定内容の引き継ぎを契約に入れる
やり取りの手間がかかる 定例の場の頻度と議題を先に決め、社内の窓口を1人に絞る

知見が残らない問題は、契約が終わってから気づいても取り戻しにくいものです。

報告書の形式と、終了時に渡してもらう資料を最初の契約書に書いておくと、次の外注先や社内の担当者に引き継げます。

内製か外注かを決める判断軸

内製か外注かを決める判断軸

内製か外注かは、金額の大小だけでは決まりません。業務の性質と、社内でその仕事を担う人を確保できるかで決まります。

安いほうを選んでも、担う人がいなければ施策は止まります。業務ごとに性質を見て、次に人を確保できるかを確かめる順で考えます。

業務の中身と急ぎ度とコストで見る4つの軸

判断の軸は、コア業務か、急ぐか、知見を社内に残したいか、採用や離職まで含めた総額でどちらが安いか、の4つです。業務ごとにどちらへ寄るかを見て、外注に寄る軸が多い業務から外に出します。

軸 内製に寄る場合 外注に寄る場合
コア業務か 事業の方針や顧客の理解に直結する 手順が決まった作業が中心
急ぐか 時間をかけて人を育てられる 数か月以内に始めたい
知見を残したいか 自社の強みとして持ち続けたい 当面は成果を優先したい
採用や離職まで含めた総額 採用できて定着する見込みがある 採用や離職の費用がかさむ

軸が内製と外注に分かれる業務は、判断を社内に残して作業を外に出す分担が向きます。

すべての軸が内製に寄り、担う人も社内にいる業務は、外注しない判断が妥当です。

採用で埋められない専門人材を外から補う発想

外注の相談の現場でよく聞くのは、社内に専任で任せられる人がいないことに加えて、採用しようとしてもマーケターが採れないという理由です。マーケターは市場に少なく、採用で埋めようとしても埋まらないため、外のプロに頼る判断に至ります。

採用を待つあいだも、集客や見込み客への対応は止められません。採用活動と並行して外のプロに実務を任せれば、人が見つかるまでの空白を埋められます。

この発想に立つと、外注は採用の代わりではなく、採りにくい専門職を外から補う手段になります。

採用の見通しが立たない業務ほど、外注を先に検討する価値があります。社員を採れた時点で、外の人から社内の人へ引き継ぐ道も残せます。

内製と外注を分担する組み合わせ方

内製と外注を組み合わせるときの基本形は、判断と成果の定義を社内に残し、手を動かす工程を外に出す分担です。何を成果と呼ぶかを社内が決めていれば、外注先が替わっても方向がぶれません。

たとえば広告なら、狙う顧客と月の予算、目標とする問い合わせの数は社内で決め、入札や広告文の作成は外に任せます。記事制作なら、テーマの優先順位と公開の可否は社内が持ち、構成と執筆を外に出します。

段階的に内製へ移す場合は、外注先との定例に社内の担当者を同席させ、手順を資料にしてもらいます。慣れた工程から社内に戻していくと、成果を落とさずに移しやすくなります。

外注がうまくいかない典型と防ぎ方

外注がうまくいかない典型と防ぎ方

外注がうまくいかない原因は、外注先の質よりも、依頼する側の準備不足にあることが多いと言えます。

支援してきた中でも、止まった案件では、契約の前に決めておくべきことが抜けていました。よく見られるのは、集客だけを任せる型、記事の本数だけを目標にする型、社内の判断待ちで止まる型の3つです。

集客だけを任せて受注が増えない型

集客だけを任せると、見込み客は増えても受注が増えないことがあります。広告の予算を2倍にしたのに受注が伸びなかった型では、集めた見込み客を育てて商談につなげる仕組みがありませんでした。

ある事例では、BtoBのSaaS企業が広告費を月200万円まで増やしたものの、広告を運用できる人が社内にいない状態でした。集める力だけを強めても、その先を受け止める体制が無ければ、受注までの道筋は見えにくくなります。

防ぐには、契約の前に外注先と一緒に、問い合わせから商談、受注までの導線を整理しておきます。広告を増やす前に、集めた見込み客に誰がいつ連絡するかを決めておいてください。

事例は特定の条件でのもので、同様の結果を保証するものではありません。

記事本数の目標だけで検索意図を外す型

記事制作の目標を本数だけに置くと、検索する人の知りたいことに沿わない記事が量産され、成果につながらないことがあります。本数を達成しても、読まれない記事が増えるだけになりかねません。

ある事例では、人材サービス企業がオウンドメディアを立ち上げたものの、更新が半年止まっており、記事の企画から任せられる人を探していました。書き手の数より、何を書くかを決められる人が求められていた例です。

防ぐには、目標を記事の本数ではなく、検索順位や検索からの流入で最初から外注先と合意しておきます。企画の段階で、1本ごとにどんな検索の問いに答えるかを確認する場を設けると、ずれた記事を減らせます。

事例は一例で、同様の結果を保証するものではありません。

社内の判断待ちで施策が止まる型

実行を任せたのに、社内の意思決定者が忙しくて確認が滞り、施策そのものが止まる型もあります。外注先の準備が終わっていても、公開や出稿の承認が下りなければ先へ進めません。

ある事例では、マーケティングの担当者が1人で全領域を兼任して手が回らず、代理店の言いなりになっていました。判断する人と時間が社内に無いと、外に出しても主導権を持てなくなります。

防ぐには、承認する人と返答の期限を契約の前に決め、社内の窓口を1人に絞ります。確認の流れが決まっていれば、外注先の作業が止まる時間を減らせます。

事例は一例で、同様の結果を保証するものではありません。

成果が見え始めるまでの期間

成果が見え始めるまでの期間

成果が見え始めるまでの期間は、施策によって大きく違います。一律に「3か月〜半年」と見ていると、早く兆しが出る施策を見逃したり、時間のかかる施策を早く打ち切ったりして判断を誤ります。

施策ごとの目安を知ったうえで、評価する時期を契約の前に決めておくと、続けるかやめるかを落ち着いて判断できます。

施策ごとに手応えが出る時期の目安

兆しが見え始めるまでの期間は、広告運用が最も短く、リード育成とインサイドセールスがそれに続き、SEOが最も長くかかります。受注が増えるまでではなく、改善の兆しが数字に出始めるまでの期間として見てください。

施策 兆しが見え始めるまでの目安 見る数字の例
広告運用 1か月程度 クリック率、問い合わせ1件あたりの広告費
リード育成とインサイドセールス 1〜2か月程度 商談につながった件数
SEO 3〜6か月程度 検索順位、検索からの流入

期間は、業界や競合の状況、始める前の準備の度合いで前後するため、あくまで目安として扱います。

成果を約束する期間ではありませんが、目安より早く評価すると、施策の良し悪しを判断する材料がそろいません。

解約を判断する前に決めておく評価の時点

解約を考える前に、契約の段階で「いつ・何の数字で」続けるかを決めておきます。施策ごとの目安の期間を過ぎた時点を評価の時点にし、見る数字と続ける条件を外注先と共有します。

たとえばSEOなら、目安の期間を過ぎた時点で検索順位と流入を見て判断します。広告運用なら、目安の期間で最初の見直しを行い、続けるか範囲を変えるかを決めます。

短期で打ち切ると、準備と立ち上げに使った費用だけが残り、成果が出始める前にやめることになります。

反対に、評価の時点を過ぎても見る数字が動かないなら、範囲を変えるか、いったん見送る判断を早めに下します。

フリーランスなど個人に頼む場合の違い

フリーランスなど個人に頼む場合の違い

フリーランスなど個人に頼むと、会社に頼むより費用を抑えやすい反面、稼働時間と依頼の出し方が合わないと引き受け手が決まりません。

個人の働き方の実態を知り、依頼の出し方を整えてから探すと、決まるまでの時間を短くしやすくなります。

個人で請け負うマーケターの経歴と稼働時間

業務委託で請け負うマーケターの経歴は、代理店や制作会社から独立した人、事業会社でマーケティングや営業を担当していた人、複数の会社を並行して支援している人の3つに分かれます。どの人も特定の1社に専従せず、専門の実務を複数の仕事に提供しています。

受けられる稼働の量は人によるばらつきが大きく、並行して見ている会社は2〜3社です。別の仕事を並行して抱えているため、社員と同じ働き方は前提にできません。

この実態から、個人に頼む業務は、週の稼働時間に収まる範囲に絞るのが向いています。

作業の量が多い施策を1人に任せるより、判断と実務の要所を任せ、量の多い作業は別の手段と組み合わせるほうが回ります。

引き受けてもらいやすい依頼と断られやすい依頼

個人が引き受けやすいのは、稼働時間と求めるスキルの幅、開始の時期、予算と稼働の釣り合いが現実的な依頼です。条件が釣り合わない依頼は断られやすいものの、多くは発注側が出す前に直せます。

見直す項目 断られやすい依頼 出す前の直し方
稼働の単位 細切れすぎる まとまった時間でできる作業にまとめる
稼働とスキルの幅 短い稼働で幅広い専門外まで求める 任せる領域を絞る
報酬と稼働 報酬が稼働時間に見合わない 稼働時間を減らすか予算を見直す

開始の時期も決まるかを左右するため、いつから動いてほしいかを依頼の段階で伝えます。

直しても予算と稼働が釣り合わないと分かったら、会社への外注に切り替えるか、まだ発注しない判断も選択肢になります。

外注先を比べるときの確認項目

外注先を比べるときの確認項目

外注先を比べるときに見るべきは、価格よりも「誰が・どこまで・どう報告するか」です。

価格は含む範囲で変わるため、この3つをそろえないと比べられません。担当者、支援の範囲と報告、見積書と契約書の3点を、商談の場で質問として確かめます。

実績と実際の担当者

実績は、自社と近い業界と規模での支援があるかを確かめます。検討期間が長いBtoBの商材と、日用品の通信販売とでは、同じ広告でも運用の考え方が違うためです。

もう一つ確かめたいのは、契約後に実際に手を動かす担当者です。商談に出てくる営業の担当と、運用や制作を担う担当が別の人であることは珍しくありません。

商談では「同じ業界で同じくらいの規模の支援例を教えてください」「契約後に担当する方と事前に話せますか」と聞きます。

実務の担当者に会えない場合は、体制を書面で出してもらい、担当が替わるときの連絡の方法まで確かめます。

支援の範囲と報告の仕組み

支援の範囲は、戦略から実行まで見るのか、決められた作業だけを担うのかを確かめます。作業だけの契約なら、方針を決める役が社内に必要です。

成果の指標がどこまでかも重要です。問い合わせの数で止まる外注先と、商談や受注まで追う外注先では、同じ施策でも改善の向きが変わります。BtoBなら、少なくとも商談につながったかまで追える体制かを確かめます。

報告は、頻度と形式を契約の前に決めます。月次の報告書だけか、定例の打ち合わせがあるか、数字に加えて次の打ち手まで書かれるかで、社内で判断にかかる手間が変わります。

商談の段階で報告書の見本を見せてもらうと、報告の中身を具体的に比べられます。

見積書と契約書で確かめる項目

見積書と契約書では、次の6つを確かめます。どれも契約後に揉めやすい項目で、口頭の約束ではなく書面に残します。

項目 確かめること
成果の定義 何を1件の成果と数えるか
対象の施策 見積もりに入る施策と入らない施策
制作本数と修正回数 月の本数と、追加の費用なしで直せる回数
データとアカウントの名義 広告アカウントと計測データが自社の名義か
追加費用が出る条件 別料金になる作業の範囲
解約と引き継ぎの条件 予告の期間と、終了時に渡される資料

外注しても、成果と法律上の最終責任は発注する側に残ります。

広告の表現や記事の内容に問題があったときに責任を負うのは自社なので、公開前に社内で確認する手順も契約の中で決めておきます。

デジタルマーケティング外注のよくある質問

外注を検討する段階でよく出る疑問に、短く答えます。

予算が少ない場合の出し方、外注をやめたあとに残るもの、BtoBならではの注意点の3つです。

Q. 少ない予算でも外注はできるか。

できます。施策を1つに絞る、一部の工程だけを出す、個人に頼むといった出し方を選べば、予算に合わせて外注できます。

たとえば記事制作なら企画だけを外に出して執筆は社内で行う、広告なら初期の設計だけを頼んで運用は社内で回す、といった形があります。

予算が少ないときほど、成果を左右する判断の工程に絞って頼むと、費用に見合う手応えを得やすくなります。

Q. 外注をやめたとき自社に何が残るか。

広告アカウントと計測データを自社の名義で持ち、引き継ぎの資料を契約に入れておけば、外注をやめても施策を社内や別の外注先に戻せます。

反対に、アカウントが外注先の名義のままだと、過去の配信の記録を引き継げないことがあります。

契約の最初の段階で、名義と、終了時に渡してもらう資料の範囲を確かめておきます。

Q. BtoBの外注で気をつけることは何か。

BtoBの外注では、リードの質を指標に入れること、検討期間の長さを前提にすること、営業への引き渡しの仕組みまで見ることの3点に気をつけます。

リードの数だけを追うと、商談につながらない問い合わせが増えても成果に見えてしまいます。検討期間が長い商材では、問い合わせから受注まで時間がかかるため、途中の商談の数で評価します。

営業への引き渡しは、どの状態の見込み客を誰がいつ営業に渡すかを決めておかないと、せっかくの問い合わせが放置されます。

業務委託のマッチングで頼む場合の流れと条件

業務委託のマッチングで頼む場合の流れと条件

依頼先の1つとして、マーケター向けの業務委託マッチングサービスを通す方法があります。ここではSOKKIN MATCHの場合を例に、相談から稼働までの流れと契約の条件を示します。

SOKKIN MATCHは、マーケターなどの複業人財を業務委託で企業にマッチングするサービスです。契約は発注企業と当社の間の業務委託契約で、人財へは準委任で再委託される形です。

相談から稼働が始まるまでの流れと日数

相談から稼働が始まるまでは、おおむね2週間が一つの目安です。時間がかかるのは、初回のヒアリングから候補者の選定、三者面談までの工程です。

手順 内容
STEP1:アポ獲得 相談の日程を決める
STEP2:初回ヒアリング 課題、頼みたい業務、稼働の希望を聞き取る
STEP3:候補者選定 条件に合うマーケターを選ぶ
STEP4:三者面談 候補者と面談し、進め方をすり合わせる
STEP5:契約 業務の範囲と稼働時間を決めて契約する
STEP6:稼働開始後のフォロー 事務局が進み具合を確かめる

着手を急ぐ場合は、頼みたい業務と週の稼働時間の希望を相談の前にまとめておくと、候補者の選定に入りやすくなります。

三者面談では、候補者の経歴や進め方を直接確かめられます。聞きたいことを事前に書き出しておくと、契約するかをその場で判断しやすくなります。

稼働時間と依頼範囲の決め方

稼働時間は、マーケティングの実務経験を持つ事務局が、依頼の内容から必要な時間を見積もって設定します。途中で稼働を増やす場合も、事前に発注企業と合意したうえで増やすため、知らないうちに稼働が増えることはありません。

頼む業務の範囲も契約の前に決めます。範囲の外にある業務を頼みたくなったときは、担当のマーケターに直接頼まず、事務局を通して調整します。

範囲を広げるときの手順が決まっているので、最初は範囲を絞って始めてください。

成果を見てから広げる進め方を取れば、使う予算を段階的に決められます。

最低契約期間と解約の条件

短期やスポットの依頼も受けられますが、契約は最低3か月からです。最初の評価の時点を最低期間が終わる前に置いておくと、続けるかどうかを落ち着いて決められます。

解約するときは1か月前の予告が必要です。予告は最低期間が過ぎたあとに出す形で、最低期間の途中でやめる場合は、残りの期間の分がかかります。

ほかの依頼先と比べるときも、最低期間、予告の期間、途中でやめたときの扱いの3つを並べると、やめ方の違いが分かります。

まとめ

デジタルマーケティングの外注費用は、何を含む価格かと料金の型で決まります。内製か外注かは業務の性質と人を確保できるかで判断し、外に出すなら判断は社内に残して、手を動かす工程を任せます。

うまくいかない型は、集客だけを任せる、本数だけを目標にする、社内の判断待ちで止まるの3つです。成果の兆しは広告、リード育成、SEOの順に時間がかかるため、施策ごとに評価の時点を決めておきます。

明日からできる次の一歩は、次の4つです。

  • 外に出したい施策を1つか2つ選び、任せる範囲を書き出す
  • 見積書と契約書で確かめる6つの項目を、依頼先への質問の形にしておく
  • 施策ごとに、いつ・何の数字で続けるかを決めておく
  • 書き出した範囲と稼働の希望を持って、依頼先の候補に相談する
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この記事の監修者SOKKIN MATCH事業責任者/倉田 裕貴
SOKKIN MATCH事業責任者:倉田裕貴 株式会社SOKKIN 人材事業責任者

株式会社サイバーエージェントでは、シニアアカウントプレイヤーとして大手企業のコンサルに従事。WEB・アプリ問わず、運用ディレクションをメインに幅広い業種のお客様の課題へ対応してきた実績を持つ。また、マネージャーとして育成業務にも従事。
2022年、株式会社SOKKIN入社後、SOKKIN MATCH事業責任者に従事。

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